令和企画の一連の文章を書いてみて思ったこと

昭和~平成のゾイド展開の個人的まとめ、そして販促展開からゾイドを振り返る文章を書きました。

昭和のゾイドを振り返る
平成のゾイドを振り返る1
平成のゾイドを振り返る2
平成のゾイドを振り返る3
ゾイド展開を振り返りつつ、令和ゾイドに願う

読み返すと、我ながらまぁ凄まじい量の文章を打ったもんだと思いました。
当初は流れの概略だけをまとめようと思っていたんですが、やっぱり時代を経験していると色んな事を思うわけで。
そして時代の空気を述べたら、それに対する見解を足したり研究を加えたりしたいわけで。
そんなわけで気付いたら大長編になっていました。

5つの記事を合計したら文字だけで140kbの容量。分かりやすく400字詰め原稿用紙に換算すると170枚以上です。
そんな長さでした。
えぇえ…、そんな量か! 書いたこっちもびっくりです。
読む方も大変だったと思います。ずべてお読みいただいた方、たいへんお疲れ様です。

まぁでも、16連射でスイカを破壊する高橋名人とかファミコンロッキーとか、あえて無駄に文を長くした部分もあったりしました。
ぶはッ! とコーヒー吹いてくれた当時な方が居たら嬉しいです。
ああ懐かしき80年代。
「当時はまだ生まれてもいないぜ!」という方も、なんだか異様に熱くて今では爆笑ネタにしかならない事を超マジにやってた時代に思いを馳せてもらえると嬉しいです。

 

80年代は……、ネットがないから情報の最先端が新聞・ラジオ・テレビ・雑誌とかでした。
今だと、提示された情報が正しいを判断・検証する事がある程度可能です。
が、この時代はそれが難しかった。だから「テレビで言ってるから正しいだろ」みたいな時代でした。
それでずいぶんメディアが調子に乗っていいかげんな事を言いまくった時代でした。
そん悪しき所もあった時代ですが、同時に「いい意味でのバカ」で楽しませてくれた時代でもありました。

この時代のバラエティ番組は……、「宇宙人」とか「外国の生物」とか、そういういかにも怪しいネタを特に好んでいました。
今にしてみるとバカバカしい超絶誇張をされて放映されてました。
そして割と多くの人が半信半疑ながらも信じてました。そんな時代でした。
例えばピラニアは当時はめちゃくちゃ獰猛で「牛が川に入ったら5分くらいで骨だけになってしまう!」位にはレベルアップして紹介されていた。
とんでもない誇張です。映画のピラニア3Dじゃないんだから。
あと何の番組だったか…、「死んで骨だけになったピラニアが突如動き出した。探検隊に襲い掛かり指をざっくり噛み千切った!」という、んなアホな……な内容なんかも普通にありました。

こういうのは明らかなやらせだけど、面白いから無罪でいいかなと思えます。
現在だと即座に炎上する案件でしょう。
何ともゆるくて、それが良い部分もあった。そんな時代でした。

 

ま、この話題も膨らんできそうなんですが、際限がなくなるのでこの辺で。

さて一連の文章の最後は「新ゾイドバトルストーリー」の文章を引用しつつ、これからの事を願いました。

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私の研究所で、この戦いのために数々のゾイドが生まれ、クルーガをはじめ多くの勇敢なパイロットたちが、ゾイドと共に戦い、ある者は二度と中央大陸に戻らなかった。
だが、すべての勇気と死は、未来へ向かって生き続けるのだ。戦時にも、平和の時にも。
---<新バトスト前書きより>-------

この言葉は本当に印象深く覚えています。バトストは色んなことを教えてくれます。

印象深い言葉は他にもあります。

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-戦争の二つの顔-
戦争には二つの顔がある。無意昧な破壊、嘘にまみれたはかりごと、残酷な暴力、そして殺人。これらは人間の最も醜い部分だ。それと同時に、超人的な勇気と我慢強さ、友人への信頼、そして自分の命をも捨てて誰かを救おうとする愛の心、こういった奇跡のような物語もまた、戦場で生まれることがある。
我々ゾイド星人の心にすむ悪魔と天使が戦場で同時に姿を現すのだ。
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この長く苦しい戦争に何かの意味があったとするなら、それはゾイド星に住む我々一人ひとりが平和の尊さを心の底から知ったことであろう。

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ファンの間で起こった確執、対立。それを踏まえてこれらの文章を読むと本当にこみ上げるものがあります。
噛みしめて、これからの未来に向かっていきたいと強く強く思います。

仲良くしていきたい。

これらはメカ生体ゾイドのバトストの文章です。
機獣新世紀ゾイドでもまた、とっても印象深い文章がありました。
新世紀バトストの最終章では、平和の実現に苦労するヴォルフの姿が語られています。
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「なぜ、この星の戦いは終わらない…」
自問自答を繰り返す。中央大陸制圧から7年。執拗な抵抗を繰り返す共和国軍に、幾度となく決定的な打撃を与えてきた。
だがそのたびに、彼らはより強くなって甦る。へリック派の民衆の、支えがあるからだ。
ヴォルフは、可能な限りの善政を布いてきた。ゼネバス派、へリック派の隔てなく、すべての民衆に愛を注いできたはずだ。
ブロックス導入による軍事費の大幅削減も、長き戦争に苦しむ民衆の暮らしを思ってのことだ。
だが共和国軍が再上陸するや、へリック派の民衆は、こぞって彼らの支援に回った。以前より豊かな生活を捨て、新たな戦いに身を投じていったのだ。 
「なぜだ」
また、苦渋の言葉がついて出た。だが、本当はヴォルフには分かっていた。人が時に、平穏よりも戦いを選ぶことを。

ヴォルフ自身、旧ゼネバス兵と民衆の誇りのために銃を取った。そして40年に渡るこの星の平和を打ち砕くことで、彼らの祖国を再建したのだ。
だがそれは、新たな恨みと確執を無数に生み出すことでもあった。ヴォルフが生まれるはるか前から積み重ねられてきた人と人、国と国の確執が、さらに広がったのだ。
いかなる善政も、祖国と誇りを奪われた者の怒りの前では無力だ。そのことを嫌というほど思い知らされた。
この戦いの行方がどうなろうと、人々の確執は増しこそすれ、決して消えはしないだろう。

「だが…。だとしたら、この星の戦いはいつになれば終わるのだ!」
絶望感にヴォルフは、コックピットのパネルに力まかせに拳を叩きつけた。

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この後、ヴォルフのエナジーライガーとレイの乗るライガーゼロフェニックス(途中からファルコン形態)との決闘が起こり……、その最中にエナジーライガーのチャージャーがエネルギー暴走を起こしてしまう。
このままではガイロス帝国首都ヴァルハラで起こった悪夢が再現されてしまう。
という状況で、ヴォルフは暴走したエナジーライガーに乗り続け、現場から少しでも遠ざかり被害を軽減しようと試みる。
そして新世紀バトストのクライマックスになります。

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この時、皇帝護衛部隊に割り込まれていたレイは機体を溶かすほど灼熱したエナジーを見て、ヴォルフの真意を理解した。
自分の命と引き換えに兵と民衆を救うつもりだ。
レイはかつてヴォルフが一人の部下を救うため、命をかけたのを知っている。
そして今、この皇帝はヘリック派の民衆が多数を占めるこの都市を救うため命を賭けようとしているのだ。

護衛部隊に隙をさらすことを承知でレイが飛んだ。無防備な腹に無数の銃撃が撃ち込まれる。
だが、それでエナジーの傍らにゼロを横づけできた。キャノピーを開けて飛び降りるレイ。

「なんのつもりだ。レイグレック!」
互いに顔が見える距離で叫ぶヴォルフ。
「ファルコンはもともとエナジーライガー用に開発されたB-CASだ。もしかしたら……」
叫び返してレイは高熱でただれたエナジーのコードを引っつかんだ。ゼロファルコンのジャックにつなぎ、余剰エネルギーを吸収する気だ。
意図に気付いたヴォルフも愛機から飛び降りてコードを掴んだ。
互いに言葉は無い。ただ、戦いを宿命づけられた二人が今、力を合わせている不思議を思った。

甘い幻想がよぎる。
「この長き戦いも、何時の日か終わりがくるかもしれない」と。

両軍の兵士達も、やがて立ち止まり光の柱を見上げ始める。
すでに戦場から砲火は止み、互いを助け合いながら危機を脱しようとした彼らに、今は敵も味方もない。
その胸によぎるのは、レイとヴォルフの感じたものと同じ想いであったかもしれない。
長き戦いの因縁は、少なくとも今の彼らの前には存在していなかった………。

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本当、バトストは色んなことを教えてくれます。
新世紀のラストは…実にハードだ。
「なぜ、この星の戦いは終わらない…」からの独白は戦争の簡単ではない事情をよく物語っています。
それでも平和を目指し、戦いの中でヴォルフとレイは互いを理解しあい奇跡の協力をする。そしてその想いは周囲の者に波及しだす……。

その後が語られていない新世紀バトストですが……、その結末は、我々ユーザー次第なのかもしれないなぁ。
大きな確執があったゾイドファン。それを今後「対話」して解決できるのか?
そんな投げかけのラストだったのかもしれないなー……と思いました。

そんな意味で見ればこれ以上ない素晴らしいラストだったと言えるのでしょうか。
激しい対立を体験したユーザーとして、ものすごく感じる所があるラストです。

コロコロにこのストーリーは掲載されてません。ジェットファルコンのキット付属のファンブックEXでのみ語られました。
残念ながらジェットファルコンの出回りはそこまで多くなかった為、このストーリーはあまり有名ではありません。
ファンブックEXをまとめた「公式ファンブック5巻-完結編-」も出ないままでした。
なのでこの結末を知らないユーザーは多い。
このもどかしい感じはいかんともしがたいのですが……。

ま、ユーザーは対話を身に付けて。
もしも嫌なファンが居たら、それは人間だもの。時として仕方ないですよ。無理に友達になれとは言わん。でもそれ以上嫌な思いを波及させないように適度な距離をあける器用さを身に付けて。
そして公式側は出来る範囲で構わないので資料を開示したりしてもどかしさが少しでも解消されるような方法を探って欲しいなぁと、改めて思いました。

令和になってからの一連の話題は、ここで一旦終わりです。
いちユーザーの見解でしたが、何か思う所があれば嬉しいです。

それにしても本当、良い時代になると良いなと願います。また、そうなると強く信じてます!

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