ゴジュラスMK-IIVSデスザウラーvol.1

前回のコラム(ゴジュラスVSデスザウラー)に続いて、今回はゴジュラスMK-IIVSデスザウラーを考えていきたい。

さてゾイドバトルストーリー3巻の戦力比較表によると、

「MK-II(量)なら5機」「MK-II(限)なら2機」で互角に戦えるとのこと。

ちなみにウルトラザウルスは1機とされている。

極めて高い評価だと思う。
正直、直接対決ではウルトラの圧倒的不利と思う。接近されれば為す術がない。
ただし、「砲身が溶けてもいいからとにかくこの一戦だけを乗り切れ! キャノン砲を撃ちまくれ!!」と頑張ったら、接近前にデスザウラーを「撤退」させる事は不可能ではないかもしれない……とも思った。

軍艦には「前進一杯」という命令がある。
これは「最大速度」より上にある速度で、「船が爆発してもいいから出力を最大まで上げろ! 危険は全て無視しろ!!」というものだ。
これをするとカタログスペック以上の速度を出せる……が、その代わり出力に耐え切れずに艦が爆発する可能性もある。そんな行為である。
例えば魚雷がすぐそこまで来ているような、それをしなければ確実にやられるであろう場面においてのみされる緊急命令だ。
「前進一杯しなければ100%やられる」「前進一杯すれば50%の確率で自爆してしまう。が、運よく自爆しなければ回避できる」そんな極限状態においてのみ使用される。

砲は撃つと砲身が加熱されるから冷却が必要だ。それを無視して撃ち続けると砲身が溶けて変形してしまい、最悪は暴発してしまう。
ただ前進一杯と同じように、覚悟を決めたウルトラはキャノン砲が真っ赤になっても構わず撃ち続ける……。そこまでの猛射をすればデスザウラーを撤退させられる可能性が出るのかもしれない。そんな風に思った。

なお、そうまでしてもデスザウラーは「撤退しただけ」で健在。かたやウルトラは砲身がその一戦で使い物にならなくなるので交換が必須。 また通常ではありえない連射をしたのでさすがにコアの負担も大きく、ドック行きが必須……というような状況を想像する。

 

ウルトラザウルスで話を膨らませすぎた。ゴジュラスに戻そう。

ゴジュラスMK-II量産型は5機でデスザウラーとやりあえる。限定型なら5機でやりあえる。
ノーマルが8機だったから、随分と楽に戦えるようになった。
やはりキャノン砲様様といった所だろうか。

ただ不思議でもある。
「MK-II(量)なら5機」「MK-II(限)なら2機」という機数。なぜ限定型の方が強いのだろう?

量産型と限定型の装備の違いは……。

・量産型:76mm連射砲がある。
・限定型:8連ミサイルポッドがある。エネルギータンクがある。(76mm連射砲はない)
という位だ。

これで「5機/2機」なんていう差が付くものだろうか。
正直、8連ミサイル程度がデスザウラーに効くとは思えない。せいぜい牽制程度にしかならないだろう。
エネルギータンクがあるので格闘戦時のパワーがUPしているかも……とも思ったが、デスザウラーから見ればゴジュラスは紙装甲でしかない。
いかにパワーが増していようが「いちど捕えられたら確実にアウト」なわけだから、あまり意味がないと思う。

 

量産型も限定型も、対デスザウラー戦ではキャノン砲のみで戦うことを強いられると思う。
何故なら、それ位しかマトモにダメージが通る装備がないからだ。

「パイロットの技量」という点で言うと、量産型と限定型ではかなり開きがあるだろう。
量産型は平均的技量のパイロット。対して限定型は一騎当千の猛者が乗った筈。
当時は凄まじい猛者揃いだったゴジュラス乗り……の中の更にトップが乗っただろうから、デスザウラー乗りより上かもしれない。
ただし、戦力比較表は「技量は同じとする」という条件で書かれている。なのでパイロットの技量を機数の根拠にするわけにはいかない。

私は「MK-II(量)なら2機」「MK-II(限)なら4機」位の評価になっていたなら、あるいは納得できるかもと思う。
上には書かなかったが、量産型が限定型に勝る装備が一つある。それは、背びれが「3Dレーダー」になっている事だ。
ノーマルと限定型は背びれに対して設定がない。しかし量産型は3Dレーダーとされているのだ。

これは「新型なのでより新しい高性能装備を用意できた」という事情だろう。
あるいは、ゴジュラスMK-II量産型が本格的に戦場に配備されたのは、ちょうどゴルドスが退役していった時期と重なる。

もしかすると、ゴルドスの電子装備は退役時に外されゴジュラスMK-II量産型用部品として再利用されたのかも……。そんな可能性もちょっと思った。
まぁ、いずれにしろ3Dレーダーを持つのが量産型の強みだ。

なので例えば……、
「限定型のキャノン砲は命中率が低かった。だが量産型は3Dレーダーの装備により命中率が大きく向上した。それにより2機で猛射すれば撤退に追い込めるようになった」
だったら分かるのだが……。

どういう答えなのだろう。
ゾイドバトルストーリーの戦力比較表は「ヘリック記念戦史研究所が発表したデータ」だ。
なので「ゴジュラスMK-II限定型は我が軍最強の戦闘用ゾイドでありデスザウラーにも匹敵するのだぞ!」というプロパガンダを含んだ発表だった可能性も大いにある。
幸いにも……と言っていいかは分からないが、この比較表が掲載されたのはゾイドバトルストーリー3巻。すなわち限定型が間もなく戦場から姿を消すタイミングだった。
そろそろ戦場から居なくなるのだから。多少盛って書いてもバレることはあるまい……という思惑があったかもしれない……。

とはいえ、これを言ってしまうと味気ない気もするので、戦力比較表の資料を正しいとして進めたいと思う。

少し長くなってきたのでいったんここで区切る。今回は疑問を出しただけで終わってしまった感じがする。
次回は、これに対する見解を出していきたい。

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