最強合体ゾイドの実力2

こちらのコラム(最強合体ゾイドの実力1)の続き。
今回は、前回推測したデータをもとにデスザウラーVSケンタウロスの戦いをシミュレートしてみたい。

条件は1対1。ゾイドバトルストーリーの戦力比較表と同じ条件。
それでは早速ゾイドファイトを始めよう。

 

シーン1:遠距離からの砲撃戦

最初は砲撃戦になろう。
索敵力と射程はケンタウロスが上。なので先制できるのはケンタウロスだ。
キャノン砲、あるいは弓矢で砲撃する。

ただ、弓矢は遠距離では命中率があまり期待できない。運良く当たればデスザウラーでもアウトと思う。ただ一発しかないのはネックだ。
遠距離というのは「惑星の曲面に守られた見えざる位置を撃つ」という事だ。
弓矢というシステムで遠距離から当てるのは至難だろう。一発で決められるかと言われたらNOだろう。

前回のコラムでは弓矢について「小山を吹き飛ばす威力だからピンポイント射撃は必要ない・周囲一帯ごと吹き飛ばすという思想」と推測した。
アイアンコング以下のゾイドならこれで良いだろう。ちょうど新世紀の1200mm砲のような感じで周辺一帯が吹き飛ぶハズだ。
しかしデスザウラーは防御力がケタ違いに高い。直撃ないしよほどの至近弾でないと厳しいだろう。

中距離以下(目視できるくらいの距離)だと命中が見込めるかもしれない。しかし弓矢だから立ち止まって弦をグッと引くのに時間がかかる。
そうなると荷電粒子砲の餌食になりそうだ。
むろん荷電粒子砲もチャージに時間がかかる。しかし私は荷電粒子砲が速いと判断した。
なぜかというと、荷電粒子砲はフルチャージしようと思えば長い時間がかかる。しかし別にフルチャージせずとも撃てるだろう。
フルチャージなら部隊ごと消滅させる。しかし今回は単機のケンタウロスを戦闘不能にする程度の威力で良い。
そう考えると「弱荷電粒子砲」とでも言おうか、チャージ時間が短めの低威力状態でも十分だと思う。

弓矢については、アイアンコング相手に格闘戦でヤリのように使っていた。
撃たずに、このように使った方が良いかもしれない。

 

話が逸れてきたので戻そう。とにかく弓矢はダメだ。なので最初はキャノン砲の猛射になるだろう。
ゴルドスのレーダーと連動させれば遠距離でも命中率は期待できる。
一発ではデスザウラーに致命傷は与えない。
しかし、常に距離をとりながら(荷電粒子砲の射程外を保ちながら)撃ち続ければかなりのダメージを与えるだろう。
「常に距離をとりながら」というのはウルトラザウルスでは出来ない芸当。翼があり軽快に動けるケンタウロスならではの利点だ。
一発あたりのダメージは10でも10発当てれば100のダメージになる。うまくいけばそのまま勝てるかもしれない。

いやしかし、ゴルドスのレーダーがあるからとて当たるものだろうか。
デスザウラーも敵を発見すれば全力で急行するだろう。
レーダーで捕えられなくても、砲弾が飛んでくる方向をみれば敵位置はだいたい分かる。敵を攻撃するのは自身の位置をさらすことでもある。

「遠距離の動く目標」というのは本当に狙いにくいものだ。
キャノン砲で100km先を撃ったら、着弾までに2~3分ほどはかかるだろう。
2分として計算しよう。2分あればデスザウラーは3kmもの距離を移動できる。

長距離射撃は敵位置ではなく敵の未来位置を予想して撃たねばならない。
レーダーがあれば敵位置は分かろう。だが、だから当たるわけじゃない。
そこから未来位置を予想しそこに正しく弾を送り込まなきゃいけない。
もちろんデスザウラーが動きのパターンを変えたら当たらない。

デスザウラーが何も考えずに一直線に向かっていけば当たるだろう。そのままバカスカ叩きこんで勝てるかもしれない。
でも実際そんな事があるわけがない。
デスザウラーが回避運動をしながら距離を詰めれば、残念ながら数発程度の命中でキャノン砲の砲弾が尽きてしまうだろう。

「100m先の動きまくる米粒に銃を直撃させる」とでも考えれば長距離射撃の難度が想像しやすいかもしれない。
敵が「施設」だったら動かないから高い精度で狙える。「部隊」だと目標が大きいから当たりやすい。
でも今回は単機のデスザウラーが相手だ。これは難しい。

 

シーン2・中距離以下の砲撃戦

距離がつまって荷電粒子砲の射程内になればどうか。

これも決定打にはならないと思う。
やはりチャージ時間がかかる。弱状態で撃つとしてもそれなりの時間はかかる。
多分、ゴルドスのレーダーならデスザウラーのチャージ……膨大なエネルギーが集まっている様子はありありと分かるだろう。
そうすれば発射タイミングなんかもある程度は読めるだろう。
とすれば、回避できるハズだ。
陸上機なら発射タイミングが予想できたとして避けるのは難しい。しかしケンタウロスは限定的とはいえ飛べる。
地上に居ると見せかけて撃たれた瞬間空に逃げる。そんな事をすれば回避は可能と思う。

なおデスザウラーは荷電粒子砲でサラマンダーを撃ち落した事があるが、これについて補足。

このシーンは有名だろう。が、このシーンのサラマンダーは接近しすぎて当たった。
また「味方の援護を信じて最後まで戦い続けた」からこそ荷電粒子砲を受けてしまった状況だった。
当初はちゃんと撃墜されずに交戦していた。味方の撤退を知らずに戦い続けたから当たった。そんな悲しいシーンだった。
距離が近いか遠いか。更に分かりやすい軌道で近づいてくるか、回避に専念しているか。
これは極めて大きな差だ。

結局、砲撃戦は互いに決定打にはならず、距離が詰まって格闘戦になると予想する。

 

シーン3:格闘戦

格闘戦では互角かデスザウラー優位くらいだと思う。
互いの特性が違う。
デスザウラーはフットワークを活かして軽快に戦うのが得意。
ケンタウロスはダッシュ力があって一直線に突っ込むのが得意。
この特性ではケンタウロスが優位になる。

デスザウラーの軽快さ・俊敏さは対シールドライガーだと最適だ。
素早く後ろに回りこんでクローを叩き込むシールド。それを瞬時に捕えて返り討ちにするような感じ。

だが巨大ゾイド同士の戦いだと小細工が一切ない。
軽快さが不要とは言わない。が、そこまで重要にはならない。
巨大な体をそのままぶつけ合う豪快な試合になるので、これはもう単純なダッシュ力のある方が優位になる。

爆発的なダッシュで体当たりをブチかましてそのまま首元をしこたま踏みつける。
こんな事をすればケンタウロスにも勝機が……。

といっても装甲強度が段違だ。デスザウラーが圧倒的に上。これを加味すればやはりデスザウラー優位だと思う。
いちど掴めばそのまま握りつぶして勝利できるデスザウラー。
かたやいくら殴っても装甲を突破できないケンタウロス。
ケンタウロスは何度も何度もぶち当たってダメージを蓄積させなければ勝てない。
デスザウラーは一度捕まえればそのまま完全破壊にもっていける。
この差はとてつもなく大きい。
こう考えると、デスザウラーがやはり強いと思う。

ただし、ケンタウロス側に起死回生の策があるとすれば矢を腕に持って格闘武器にする事だろう。
アイアンコングを圧倒した戦法だ。

実は漫画版ではこれ(漫画版での名称はバスターランス)を使ってデスザウラーの装甲を突破した事がある。

…バスターランスについて少し寄り道をしよう。
ヤリでデスザウラーの装甲が突破できる。これは凄い威力だ。
おそらくケンタウロスのエネルギーを注入しているのだろう。
レーザーサーベル(サーベルタイガー)やレーザーブレード(ブレードライガー)は「切れ味のいい刃物で切り裂く」ではない。
「エネルギーをと推した装備で切り裂く」という構造をしている。
普通に薄っぺらい刃物を分厚い装甲にぶるければ折れるだけ。しかしエネルギーを通す事で切れるようになっている。
バスターランスもこの系列にある装備なのだろう。

さてバスターランス手に持って戦えば、デスザウラーとて迂闊に接近できない。
これを加味すると互角に戦う事も不可能じゃないと思う。

 

格闘戦で更に補足する事があるとすれば…、近接戦闘で使える火器だろうか。
ケンタウロスは腹部8連ミサイルと脚部ミサイルポッドが。デスザウラーには頭部のビーム砲がある。
小型火器なので格闘戦時に使うことができるだろう。

ただ8連ミサイルや脚部ミサイルを撃ったところでデスザウラーには牽制にもなるまい。
逆に、デスザウラーの頭部ビーム砲はシールドライガーを破壊するほどの威力がある。
なのでケンタウロスに対して牽制や部分破壊くらいには十分使えるだろう。
火器まで加味すると、やはり最終的にはデスザウラー優位くらいに落ち着きそうだ。

 

という事で以上により私は
・遠距離砲戦:ケンタウロス優位だが決定打にならず
・中距離以下の砲戦:互角だが決定打にならず
・格闘戦:デスザウラー優位だが油断はできない
位の戦力比だと思った。

やっぱりケンタウロスは強い。しかし、それでもデスザウラーには一歩及ばない。そんなバランス。
それでも勝機は十分にある。
建造の意義はあったんだろうなぁと強く思った。

 

さて、今回は1対1の戦いをシミュレートした。しかしまだまだ掘り下げていきたい。
次回は単機としての戦力だけでなく、戦略的な意義なども考えていきたいと思う。

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