機獣新世紀ゾイド ヘリック共和国軍 ケーニッヒウルフ<KONIG WOLF>

■ケーニッヒウルフ(オオカミ型) データベース■

 発売年月 2001年10月  発売当時価格 2500円  動力 モーター

 型式番号 RZ-053

 スペック 全長21.24m 全高8.64m 重量90.5t 最高速度290km/h 乗員1名

 主な武装
  2連装マルチディスチャージャー(×2) エレクトロンバイトファング エレクトロンストライククロー(×4)
  ヘッドギア(内訳:暗視カメラ、精密射撃用デュアルスコープ)

 特徴
  中央大陸に生息するオオカミ型野生ゾイドよりも巨大な、西方大陸産オオカミ型野生ゾイドをベースにして作られたケーニッヒウルフ。
  ライガーゼロにも匹敵するパワーと機動力を持つ高速戦闘用ゾイドだが、その有り余るパワーによるオーバーヒートを防ぐため、背部に冷却ファンを必要とする。
  この機体最大の特徴は、頭部に装備されたヘッドギア。
  コックピットの安全性を飛躍的に高める上に、暗視カメラと精密射撃スコープも内蔵されていて、オプション装備であるスナイパーライフルやミサイルポッドの装着時
  に絶大な威力を発揮する。
  必殺技は、機体の全電磁気エネルギーを牙に集中させ、敵を噛み砕くエレクトリックファンガー。
  ただ、一時的に機能停止する恐れがあるため多用はできない。


前後より

共和国軍のオオカミ型大型高速ゾイド、ケーニッヒウルフです。

ケーニッヒウルフがリリースされた当時は、ブレードライガー、ライガーゼロと、どんどん新型ライガーが誕生している時期でした。
更に帝国側もライガーゼロ イクスを投入し、もはやライガー祭り状態で、正直、個人的にはかなり白けるものを感じていました。
ストーリーも高速ゾイドこそ王道といった感じで、もはやライガー以外のゾイドに輝ける余地は無いのか…と嘆いていました。

そこへきて大型のオオカミ型ゾイド、ケーニッヒウルフ。
高速ゾイドという部分は確かにライガーと同じ…ですが、ひさびさに猫科ではない高速ゾイドが誕生した事で、ある程度新鮮な気持ちで見る事ができました。
何といっても、犬科の大型ゾイドといえばゾイド史上初です。
モーターライズの犬科はハウンドソルジャーやジーク・ドーベルがありましたが、それらはせいぜい中型サイズでした。
大型の犬科ゾイドというのはそれだけで格別の意義があり、「また高速機か」というより「大型の犬科が来た!」という要素が多かったと思います。

カラーリングはライガーゼロと似たシンプルなものですが、キャップの色が特徴的です。
深い緑色が非常に綺麗で、ほど良い高貴さを与えており、非常に良い配色だと思います。
個人的は、ライガーゼロの赤キャップよりも、ケーニッヒウルフの緑キャップの方が好きです。


側面より

デザインの完成度は非常に高いと思います。
精悍でありながらシャープさも感じるデザインに仕上がっており、相反する要素を両立させたデザインは見事です。
また、胴体の造りが特筆です。
胸部が思い切り太く、重パワーを感じるたくましさがあります。一方、そこからわき腹にかけて一気に絞られており、スマートさも感じさせます。
出すトコ出して絞るトコは絞る。まさに理想的な仕上がりであり、それゆえ非常に美しく理想的なラインになっています。

コマンドウルフと同じく、首や尾の角度を変更する事が出来ます。これにより表情をつけることが出来るのは非常に優れています。

ただ首の可動範囲に関してはコマンドウルフにやや劣るかなという感じです。

比べると、ケーニッヒウルフは、上げる方は得意ですが下げるの方はやや苦手な気がします。

とはいえ、首や尾が動くのは嬉しい可動です。
同じオオカミ型として同じギミックが引き継がれているのも面白く、優秀なギミックと言えます。


フェイス

顔つきは非常に精悍です。
キャノピーを廃し装甲式にした事に対し賛否ありそうですが、個人的には装甲式ながら共和国らしい顔立ちを成立させているので良いと思います。
目つきがマッドサンダーやストームソーダー等と同じ感じになっており、並べた時に違和感はありません。

造形は面構成がまさにオオカミらしく、ディティールも凝っています。
鼻筋はシワを思わせる細かなディティールが造り込まれており、ここが好きです。
この部分は、威嚇し唸っている時のオオカミの鼻筋をよく再現しています。

鼻筋側面の装甲版のようなディティールも、武骨なイメージがあって好きです。
カッコいいけどヒーローに徹したデザインというわけではなく、渋みというか武骨さを残している辺りは好感が持てます。

また、側面のチークガードなどはコマンドウルフを連想させるものであり、こういった同モチーフとしてのつながりを感じさせているのも上手いし良いと思います。
耳の付き方も、コマンドウルフからの系列を思わせる仕上がりになっており秀逸だと思います。

装甲式のハッチを開けると、中にはパイロットが座っています。

パイロットは1名で、全ての操作をここから行います。
コックピットはこじんまりとしつつも良く出来ています。コマンドウルフと同じような操縦桿が付いているのはさすが抜かりない出来で、ニヤリとします。

また、可動する箇所が設けてあり、耳と口が手動で動きます。
耳は、垂直⇔70度くらいの間で角度を変えられますが、かなり微妙な印象です。

口は大きく開きます。

設定上、口は最大威力の武器ですが、まさに噛み付く迫力満点の動きが出来ます。
一方、口の動きくらい手動じゃなくて連動ギミックにすればいいのに…と思ってしまいます。
首の角度を変更できる関係で、内部に機構を仕込めなかったのかもしれませんが。

全体的に、素晴らしい造形だと思います。ギミックがあるのも優れています。
ただあえて難点を言うなら、金型の精度です。
金型の精度がやや甘く、全体的にしゃきっとしていません。各部、丸みを帯びてダルい仕上がりになってしまっています。
もちろん金型の精度は顔だけでなく全体に影響を及ぼしている問題ですが、特に顔はその弊害を受けています。

顔の造形は、「細かいパーツが複合して一つの顔を作り上げている」といった感じになっています。
ですが、金型の精度が甘い為、細かいパーツが複合している…、「キットとしてはワンパーツだが実物はそれぞれ別の部品で出来ている」という感じがあまりしません。
例えば鼻筋側面の装甲板は、明らかに「実物は別パーツ」だと思います。それは理解できますが、金型が甘くフニャッとしており、イマイチ別パーツである感がありません。
しゃきっとした精度の高い金型で仕上げてこそ、ケーニッヒウルフの顔は一段と生きたと思います。
ガンスナイパーほど酷いレベルではありませんが、金型の精度はもう少し気をつけて欲しかった所です。
非常に惜しいと思います。


ヘッドギア装着

頭部後ろにはヘッドギアが付いており、それを装着する事も出来ます。

普段は収納されており、起こして前に倒す事で装着完了となります。
ヘッドギアの内訳は暗視カメラと精密射撃用スコープです。

これはこれで面白いギミックですが、個人的にはあまり好きではありません。というのも、思う事が二つあります。
まずは設定上の問題で、これを装着する事で安全性が上がるとされています。
要するに装甲を兼ねていると思いますが、精密機器に装甲を兼ねさせるというのはチグハグなものを感じてしまいます。
また、ヘッドギアの内訳には精密射撃用スコープがあるとされていますが、ケーニッヒウルフはノーマル状態では射撃武器を一切持ちません。
追加装備としてカスタマイズパーツのスナイパーライフルを装備する事が可能ですが、追加装備を付けないと意味が無いものを標準で装備するのはどうかと思います。

二つ目は見た目上の問題です。
例えばアイアンコングの強化装備である大型ビームランチャーには、精密射撃をアシストするスコープが付いていました。
すなわち、精密射撃の為の補助装置というのは特に目新しいものではないし、合理的な装備だと思います。

しかしケーニッヒウルフのスコープは、その付き位置に問題を感じます。

ケーニッヒウルフの目を補助する位置ではなく、全く関係ない位置になってしまっている事に疑問を感じます。
「ケーニッヒウルフの力をより生かすために人造パーツが補助をする」方が良いと思います。
人造パーツがそれのみで完結してしまい、しかもケーニッヒウルフの能力を超えているのでは、ゾイドとしてどうなのかと思ってしまいます。

これが火砲などなら、もともと「無い」ものなので、完全人造のものを積むのも仕方ない所です。
しかしせっかく「ゾイドの目」があるのにそれを無視して別の、しかもより優れた視認装置を装備するのは、やはり疑問を感じてしまいます。

個人的には、ノーマルタイプとしてはこの装備は不要だったと思います。
「追加装備のスナイパーライフルとセットでヘッドギアが付く」だったら、評価も変っていたと思いますが。


コマンドウルフと共に

先に幾つか書きましたが、デザインや可動にコマンドウルフとの共通性が多くあります。並べてみるとよく分かります。

ケーニッヒウルフは、まさにコマンドウルフを正統派進化させた感じがします。
コマンドウルフは中型ゾイドなので、各部ディティールはモチーフの形状を的確に捉えつつも「あっさり」作られています。
対しケーニッヒウルフは、モチーフの形状を的確に捉えつつ、大型ゾイドならではの高い造り込みで作られています。

各部ディティールはコマンドウルフのものを、より深く掘り下げたようなものが多くなっています。
例えばコマンドウルフ腹部は、”飢えた狼”のようなディティールがありました。
ケーニッヒウルフの腹部は、それと同じようなディティールがありますが、造りはより細かくなっています。
脚部の装甲なども、より細かく作りこみながらも、ディティールで共通性を感じさせる3本ストライプが入っているなど、センスは非常に高いと思います。

腰部にディスチャージャーが付いている点もニヤリとします。
もちろん、デザインはコマンドウルフのものから一段と凝った造りになっています。
また、名称もスモークディスチャージャーからマルチディスチャージャーになっており、性能向上が伺えます。
デザインや名称以外でも、進化している箇所があります。それは可動です。

コマンドウルフのスモークディスチャージャーは固定されていましたが、ケーニッヒウルフのマルチディスチャージャーはかなり角度の自由が利きます。

マルチというからには煙幕以外にも色々噴射できるものと思いますが、残念ながら具体的な設定はありません。
恐らく、チャフやフレアを噴射出来るのではないかと想像しています。

様々な点でコマンドウルフとの共通性を感じさせつつ、しかし造り込みは大型ゾイドに相応しくいっそう強くなっている。
まさに理想的なデザインをしていると思います。

それゆえにコマンドウルフと並べた時のシックリ感は格別だと思います。
コマンドウルフと言えばシールドライガーとのペアが定番です。
シールドライガー&コマンドウルフは、「猫科と犬科のペア」「青と白のペア」という異色さが面白いペアでした。
しかし「オオカミ同士のペア」「白い機体のペア」のケーニッヒウルフ&コマンドウルフも、非常に絵になると思います。
残念ながらバトルストーリーではこのペアが組まれる事はありませんでしたが…。

デザインはコマンドウルフを拡大発展させたようになっていますが、シャドーフォックスからの影響も見えます。

特に脚部装甲の張り方などはソックリです。
シャドーフォックスは、ケーニッヒウルフよりしばらく前に登場した優秀機です。
ケーニッヒウルフの開発には、コマンドウルフだけでなくシャドーフォックスのデータも反映されているように感じます。

コマンドウルフを拡大発展させる一方、他の新鋭機からも積極的に良い部分を取り入れて設計する。
非常に堅実かつ柔軟な発想で作られており、改めて傑作だと思います。


武装

デザインは理想的な仕上がりをしていますが、大きな弱点もあります。
それは搭載している武装に関してです。

ヘッドギアの所でも書きましたが、ノーマル状態のケーニッヒウルフには一切の火器がありません。
これはどうかと思います。
ノーマル状態で武装過多になっていたら困る。しかし、だからといって一切無いのも困る。
スッキリとまとめ上げたかったのだとは思いますが、いくらなんでも偏りすぎ。極端です。
ライガーゼロですら、基本装備でショックカノンやビームガンを持っていました。
シンプルにスッキリするにしても、最低限のものは欲しいです。

後に、カスタマイズパーツとしてケーニッヒウルフ用のスナイパーライフルが発売されました。
これを装備する事で、ケーニッヒウルフはようやく火器を持つに至りました。
スナイパーライフルは比較的大型の火砲ですが、そこまで極端に大きいわけでもありません。
個人的には、ノーマルの段階で装備させても良かったのではないかと思ってしまいます。

穿った見方ですが、ケーニッヒウルフはヘッドギアを持ち、明らかに「撃つ」ことを意識した作りです。
機体各所には、糾弾ベルトを思わせる形状のパーツも付いています。

にもかかわらず火器はカスタマイズパーツとして別売。
なんだか、カスタマイズパーツを売る為にあえて本体をケチったような風にも感じてしまいます。

射撃兵装が無い以外にも不備を感じます。
必殺技として「機体の全電磁気エネルギーを牙に集中させ、敵を噛み砕くエレクトリックファンガー」が設定されています。
コマンドウルフの電磁牙から発展したような装備で一見納得できるものですが、「ただし一時的に機能停止する恐れがあるため多用はできない」とも設定されています。
これはどうなのかなぁと思ってしまいます。

射撃武器が無いので格闘戦で倒すしかない。まぁ、そこは100歩譲って認めるにしても、格闘戦ですらこのザマというのは…。
アニメの/0のような世界観なら良いかもしれませんが、ゾイドの基本は戦場のバトルストーリーです。
あまりにも欠陥な装備に感じてしまいます。
良いように解釈するなら…、機能停止の恐れがあるのは最大出力時のみで、通常時はそこそこの出力で支障ない程度の使用できるのかもしれませんが。

その他の武装は、爪がエレクトロンストライククローになっています。
これ自体は妥当な設定・装備だと思います。ただこの部分にも微妙な難点があり、それは形状です。

同じくストライククローを持つシャドーフォックスやライガーゼロと比べると、ちょっと切り裂くイメージが足りません。

爪の後部に白い装甲があるのも、靴を履いているようで鋭いイメージではないと感じます。
このデザインを否定しているわけではなく、むしろコマンドウルフの血統が感じられて良いものだと思います。
一方、設定でストライククローの能力を与えるなら、チグハグな感じも否めない。
その設定でいくならもう少し尖ったイメージで仕上げるか、あるいはこの形状で行くならストライククローの設定は与えなくても良かったように感じます。

武装に関しては、少々厳しめの評価を与えざるを得ない機体だと思います。


拡張性の低さ

武装以外でも、もう一つ弱点があります。それは拡張性の低さです。
多くのゾイドは、機体の各部に武器取り付けようのハードポイントがあります。
しかしケーニッヒウルフは、背中に5mm径のハードポイントが一つあるだけとなっており、拡張性に関しては非常に少ないと言わざるを得ません。
特に、ゾイドで最もよく採用されている3.2mmのハードポイントが一切無いというのは寂しい限りです。

脚部の装甲なり尾部なり、つけられる場所は多くあったと思います。
「ノーマル状態としてはシンプルに徹しているが、ハードポイントが非常に多く改造しがいがある」だったらいいんですが、この仕様はちょっと疑問です。

ノーマルは火器が一切ないほどシンプルで、しかも拡張性は低い。
しかし射撃用スコープは何故か標準で付いている。カスタマイスパーツでスナイパーライフルが別売…。
再度になりますが、スナイパーライフルを売るための魂胆を改めて感じてしまいます。


ギミック

電動ゾイドなので、電池を入れてスイッチを入れると動きます。
しかしギミックは少々厳しい出来です。

連動ギミックは、背中のファンを回しながら歩くだけです。大型ゾイドにしては非常に寂しい仕上がりです。

脚部は、もちろん大型ゾイドなので一体成型ではなく肘や膝が曲がる構造になっています。
しかしライガー系の脚部に比べて、イマイチな仕上がりです。というのも、「肘や膝は連動して曲がるけど、かかとは連動して曲がらない」ようになっています。
かかとが動かないというのは、大きなマイナスと指摘せざるを得ません。せっかくの大型初の犬科でこの仕上がりは惜しいです。

ただ良い点も有ります。
歩行にあわせ、脚部付け根の装甲も動きます。その事があるので、脚周りの動きはあんがい見栄えが高いというのもあります。

「かかとが動いた上で付け根の装甲も動く」だったら最高だったのですが。
良い見栄えながら微妙に残念な点も残り、惜しいです。

惜しいといえばもう一つ思うのは、コマンドウルフは二段階の歩行スピード切り替えギミックを有していました。
ケーニッヒウルフにはそのギミックはありません。あればとても嬉しかったと思います。
電動ゾイドでは、ライトニングサイクスは二段階のスピード切り替えギミックを搭載していました。
なので不可能ではなかったと思います。

背中のファンの回転ギミックは、正直何がやりたかったのか良く分からないギミックです。

冷却ファンの回転ギミックはメカとしてのリアルさを感じさせるし、後々に何かギミック系の改造をする際にも非常に有難いものです。
しかしケーニッヒウルフのファンには、幾つか問題があります。
まずはファンの位置で、前脚の上あたりに付いています。やたら前の方に付いているので、正直、改造の為には使用しづらい位置になっています。

次に、せっかく回転するギミックを搭載したのに、そこにフタをしてしまっている点です。
フタがあるため、ギミック系の改造しようにも回転がそもそも取りだし辛いのは歯がゆいものです。
なんだかんだ言って嬉しいギミックですが、改良の余地は大いにあったと思います。

連動ギミックは、良い部分もあるものの全体的に厳しい評価をつけざるを得ないと思います。

その分、手動ギミックは充実しています。
既に書いたように、首や尾は大きく動きます。また頭部は耳や口が動く為、表情の付けやすい機体になっています。
しかし総合的に見て、凡作以下の出来であると言うのは否めないと思います。


戦歴

戦歴は、活躍期間こそ短かったものの、その短い中で雄雄しく燃え盛ったような印象です。

この機体の開発背景には、「ライガーゼロは高性能だが非常にコストが高い機体であった為、安価で近い性能を持つ機体を開発する必要があった」というものがあります。
ケーニッヒウルフはまさにその条件を満たした機体の筈でした…が、残念ながら何故か大量生産される事は無く、一時的な活躍を終えた後はひっそりと消えてゆきました。
逆に、高くて大量配備できないはずのライガーゼロは共和国の主力として長く活躍する事になりました。
何とも悲しいです。
しかし先に書いたように、非常に雄雄しく深い印象を残しました。

バトルストーリーではマッドサンダーの護衛機として登場し、ライガーゼロイクスの攻撃から見事マッドサンダーを守りきっています。
またマッドサンダーがデスザウラーと決戦した際は、苦戦するマッドサンダーを救うべくデスザウラーをかく乱。勝利に大きく貢献しています。

ケーニッヒウルフの発売時期はアニメが終了しており、残念ながらアニメへの出演はありませんでした。
しかしアニメが作られなかった代わりに、玩具店の店頭用プロモーション映像にはばっちり出演しています。
ちらではバーサークフューラーやライガーゼロイクスと激闘を繰り広げています。

戦いは非常に勇ましく、両機と互角以上に戦っています。

出番こそ少なかったものの、その勇ましい戦いぶりは記憶に残る鮮烈なものばかりです。

ただ気になるのは、いずれもスナイパーライフルを背負った状態で戦っているという点です。
ケーニッヒウルフがノーマル状態で戦っているシーンは、今のところ確認できていません。
ノーマルで戦った上で教科装備を付けて再度戦う…といったものが望ましかったと思います。

その他、コロコロで連載された漫画「ZOIDS惑星Zi」にも登場しており、こちらでは主人公の初代愛機として活躍しています。
ただこの漫画は正直に言うとあまり出来が良いものとは言いがたく、また編集やゾイドの玩具展開上の都合で脈絡なく急展開する事が多かったような印象です。
初代愛機として登場したケーニッヒウルフも、ブロックスゾイドが登場するとあえなく退場してしまっています。
この漫画では最後は自爆して果てていますが、結果だけ言うと敵にはノーダメージだったというまさかの結果で、バトストやプロモ映像で見せた雄雄しい姿と比べ、あまりにも悲しい感じがしました。


王狼 ケーニッヒウルフ

ライガー祭り状態だった所に一石を投じた、非常に大きな意義を感じるゾイドです。
ライガーゼロとも互角に戦える能力はバトルストーリーでも大いに活躍できただろうし、コロコロで新連載になった漫画の主人公機に抜擢されたのも、新しい時代を切り開こうとした意気込みを感じます。
しかし実際はライガーゼロの前に惨敗してしまったのは大いに無念です。
バトストでも、後年新たに始まったアニメでも、主役はライガーゼロにになっています。
ついにケーニッヒウルフは華々しい活躍をつづける事は無く、ひっそりと消えてゆきました。

このゾイドを象徴する言葉は、とにかく「惜しい」だと思います。

デザインは間違いなく傑作ですが、金型の制度が甘く、惜しい。
射撃用スコープがあるのにノーマル状態では射撃武器を持たず、惜しい。
せっかく大型ゾイドなのに歩行時にかかとが連動して動かないのが、惜しい。
回転ファンを持つが位置やフタの関係で使いづらいのが、惜しい。
安価で高性能な機体でありながら、なぜか配備数でライガーゼロを大きく下回る結果しか残せておらず、惜しい。

ライガー祭り状態に一石を投じたのに、結局のところ結果を残せずじまいであり、惜しい。

もしも、もっと色んな要素が上手く繋がっていたら、ケーニッヒウルフがその後のゾイドの展開を変えたかもしれません。
その位の可能性を感じるゾイドですらあります。

色々な要素が上手くいって、ライガーゼロを超える位の人気機種になっていたらどうなっていただろう。
そう想像せずには居れない機体だと思います。


バリエーションモデル

 ゾイド妄想戦記 ヘビーアームズケーニッヒウルフ

ゾイドフューザーズ ケーニッヒウルフMK-II


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