機獣新世紀ゾイド ヘリック共和国軍 シャドーフォックス<SHADOW FOX>

■シャドーフォックス(キツネ型) データベース■

 発売年月 2001年4月  発売当時価格 1000円  動力 Hiゼンマイ

 型式番号 RZ-046

 スペック 全長17.3m 全高8.0m 重量52.0t 最高速度290km/h 乗員1名

 主な武装
  AZ30mm撤甲レーザーバルカン AZ70mm内蔵型電磁ネット砲 エレクトロンバイトファング ストライクレーザークロー(×4)
  スモークディスチャージャー(×6) 3Dレーダー&マルチイヤーセンサー(×2) マルチウエポンラック ショルダーウエポンラック アンカー(×4)

 特徴
  暗黒大陸戦争に共和国軍が勝ち抜くためには、ライガーゼロをサポートできる高速中型ゾイドが絶対に必要だ。
  そんな司令部の要請に答えて開発されたのが、シャドーフォックスだ。
  スモークディスチャージャー、消音システム、光学迷彩をあわせ持つ抜群のステルス性と、時速290キロに達する最高速度、
  超高性能センサーや状況により変幻自在に武器を交換できるマルチウエポンラックなどにより、敵地での破壊活動にも威力を発揮する。


前後より

コマンドウルフを超える高性能中型高速ゾイド、シャドーフォックスです。
機獣新世紀ゾイドでは、高速ゾイドに大きく比重が置かれました。
開戦時の共和国最強高速ゾイドはシールドライガーでしたが、それがブレードライガーになり更にライガーゼロになりました。
そんな中で、シールドライガーのペア機であったコマンドウルフはもはや性能不足になろうとしていました。
シールドライガーとコマンドウルフのペアはハイ・ローミックスです。
ハイのゾイドがどんどん高性能化したので、コマンドウルフの能力不足はどんどん深刻になる一方でした。

ブレードライガーは、ペア機を主にコマンドウルフではなくガンスナイパーにしていました。
もはやこの時点で、コマンドウルフには能力不足が出始めていたのでしょう。
しかしやはり、ライガーのペアには恐竜型より特性の似た四足機が望ましいのは言うまでもありません。
新型のライガーゼロが完成した。この状況では是が非でもコマンドウルフを超える四足高速機が欲しい。
そんな状況で、ようやく登場したのがシャドーフォックスです。

その名の通り、キツネをモチーフにしています。
キツネというのはなかなか盲点なモチーフでした。
正直オオカミなどと比べてあまり強そうなイメージはないのですが、一方で非常に狡猾で厄介なイメージを持ちます。
また九尾の狐をはじめ「妖狐」のイメージも強いモチーフです。
そう思うと非常に魅力的なモチーフで、今までキツネ型が出なかったのは不思議な気もします。

シャドーフォックスの発表があった時は、キツネ型という所に「そうきたか!」「これはやられた!」と思った記憶があります。


側面より

デザインは極めて共和国らしい感じになっているのが嬉しいです。
高速機らしいスマートでシャープなデザインですが、一方でいかにも共和国らしいゴツゴツした造りでもあります。

シャドーフォックスは、機獣新世紀シリーズの新型の中ではメカニックの造り込みが最強レベルに高いと思います。
各部ディティールの付け方はまさに絶妙な塩梅です。
ディティール量はかなり多いのですが、単なるゴチャメカではありません。多い場所とスッキリした場所の緩急の付け方が気持ちの良いバランスになっています。

本体では、特に脚部の作り込みが好きです。
最高速度290km/hを誇る超高速機ですが、それを有無を言わせず納得させる力が感じられます。
肩の大型装甲の感じも好きです。

非常にゴツいです。これが高速を発揮する脚部の大パワーを支えている感じがします。
もちろん装甲としての被弾に強いイメージもあります。コマンドウルフの装甲よりも分厚そうな仕上がりになっているのも見逃せません。

この装甲はとても不思議な感じがします。
大型装甲は冷静に考えるととても重そうです。分厚そうなイメージで造形されているのでなおさらです。
いやしかし、形が絶妙に綺麗なのでむしろ高速機のイメージを高めています。

「装甲を付ける(=重たくする)ことで、むしろ速そうなイメージを付加してみせる」
思うに、極限まで研ぎ澄まされたデザインというのは、こうした矛盾をさらっとやってのけます。

大パワーを感じさせる大型の肩装甲。分厚そうで被弾にも強そう。形が綺麗だからスピーディな感じもある。
冷静に考えれば「重そう」なんですが、そう思わせる隙を与えない程に魅力がたっぷり詰まっている。魅力の情報の方が一気に入ってくる。
その思いで満タンになる。
そんなデザインをしていると思います。

脚部といえばもう一つ。
そんな魅力的な装甲の付いた脚部ですが、実は装甲を外した姿も魅力的です。

装甲で隠れる位置の造り込みも最高で、これまた魅せてくれます。ここまでやるのか!? と思えるほどに造り込まれています。
装甲の形状は最高ですが、一方でこっちもずっと見たくなる魅力にあふれている……。
いったいどっちの状態で飾ればいいんだ。そんな、魅力過ぎて実になやましい問題もひっさげている脚部だと思います。

高速機です。やはりそのキモは脚でしょう。
シャドーフォックスは新型機に相応しい極めて速そうなイメージがあります。
ブースターやウイングはありません。
にもかかわらず並居る新鋭機に負けない速さを感じさせるのだから、これはもう脚部デザインの素晴らしさが改めて分かるものでもあります。


フェイス

顔はシャープでカッコ良い感じです。
そんなシャープさの中に、狐らしい大きな耳がよく表現されています。
この耳は若干ですが可動します。

設定上、「3Dレーダー&マルチイヤーセンサー」となっています。それを良く表現したギミックと言えるでしょう。
耳が動くのはかわいい感じもします。
カッコ良さ8割・愛嬌が2割といった感じでしょうか。とても良いバランスだと思います。

ただ惜しいのは下あごの造形です。
口を開けている時は良いのですが、閉じた時は明らかに下あごの長さが足りていません。

噛みあわせをもうちょっと、閉じた時にもバッチリ決まるように調整してほしかったです。
また、下あごは少し薄っぺらい感じもします。
設定上、口はエレクトロンバイトファングという強力な武器になっています。
下あごは、もう少し噛む力を感じさせるべく厚みを持たせてほしかったです。

全体的にシャープで良いものの、若干の惜しさも感じるデザインです。

頭部はコックピットでもあります。ハッチは後方に大きく開きます。
中にはおなじみの兵士が入っています。

特筆なのは、コマンドウルフと同じタイプの操縦桿がある事です。
これはコマンドウルフの後継機だからでしょうか。
このタイプのコックピットは他に例があまりありません。しかし良い構造だなと改めて思います。

シャドーフォックスのパイロットは一名のみで、全ての操作をここから行います。


カラーリング

カラーリングは濃い紺と金です。
これは共和国らしさを感じさせると同時に、忍者装束をイメージしたものでしょう。
シャドーフォックスの特性に似合う、非常に良いカラーだと思います。

3Dレーダーやスモークディスチャージャーを持ち、偵察や潜入でも活躍するゾイドです。
そのイメージとこのカラーは絶妙にマッチしています。

ただ惜しいのは、一部が成型色ではなく「塗装済みパーツ」な事です。
金色の部分は全て塗装済みパーツになっています。
塗りはやや厚ぼったい感じです。まぁ、やや厚ぼったいとしてもとても美しい金色をしています。成型色ではこの光沢感は出せないでしょう。
だから塗装済みパーツという部分は良い判断だったと思います。
では何が惜しいかと言えば、ゲート位置があまり考えられていない構成な事です。


コックピットなど嫌でも目に付く位置にまでゲート跡が……。
紺色パーツを金に塗っているから、ゲート跡は余計に目立ちます。

コマンドウルフ アーバイン仕様は「もともと塗装済みパーツを想定していなかったキット」だったのでゲート跡が出るのは仕方がなかったでしょう。
しかし当初から塗装済みパーツである事が分かっていたシャドーフォックスなら、ゲート跡が目立たないような配慮はできた筈だと思います。
位置を工夫するとかアンダーゲートにするとか。

高速機なので、ゲート跡が汚く目立っているのはちょっと興醒めです。
これはシャドーフォックス最大の難点だと思います。

塗装済みパーツは他にも胴体の銀色部分に使われています。
こちらの方は塗膜も比較的薄く、ゲート跡にも配慮された綺麗な仕上がりになっています。
胴体がそのようになっていればこそ、余計に金色部分の仕上がりが惜しいと思えます。


武装

全身に武器を満載しています。
格闘用としては、牙はエレクトロンバイトファング、爪はストライクレーザークローになっています。

ストライクレーザークローというのはライガーゼロの爪と同名です。おそらく同じ構造で、出力的にはやや低めに調整されたものでしょう。

脚部デザインの絶妙さは先に書いた通りです。
強力な脚、胴体もしなやかです。素晴らしい運動性を想像させます。
牙や爪で激しく戦う姿がありありと浮かびます。

各部にはスモークディスチャージャーもあります。これでかく乱しながら戦うことも可能です。
コマンドウルフの後継機として最適な仕様です。
更に、光学迷彩の能力まで持ちます。
おそらく帝国軍ヘルキャットに影響を受けてのものでしょう。
シャドーフォックスは、共和国最強のステルス機でもあります。

 

火力は、主武器として背中にAZ30mm徹甲レーザーバルカンを持ちます。
これは最高の出来です。
まず単純に最高にカッコいいバルカンです。

四砲身のバルカン。その力強さがたまりません。
大きさも絶妙です。これ以上大きいと高速機として「重たそう」になると思います。しかしこれ以上小さいと「威力低そう」になったと思います。
大きさはまさにピンポイントの絶妙です。
サイドの円形パーツを回すと、連動して砲身が回る手動ギミックもあります。そのギミックも最高です。

バルカンはそれだけが付いているだけでなく、大型の基部の上に付いています。
基部のデザインも最高です。
特筆すべきは、かなり大型であるにも関らず高速機のスピード感をそれほど損なっていない点でしょう。
背中にこれだけの大型装備を付けているにも関らず、シャドーフォックスのスピード感は抜群です。

大型装備を付けると、どうしてもスピード感を殺しがちです。
それはシールドライガーMK-IIであったりライトニングサイクスであったりです。
いやしかし、大型装備を付けてもなお速そう。スピード感をいささかも損なわない装備もあります。
その代表例はグレートサーベルだと思います。
グレートサーベルはミサイルをはじめ大幅な装備増があるにも関らず、むしろスピード感はノーマル機より増している感じがします。

優れたデザインがあれば、こうした大型装備もスピード感を殺さず上手く調和できるのだと思います。
それは極めて難しい事で、残念ながら「重そう」になってしまった例の方が多いと感じます。
先に挙げたライトニングサイクスは特にそうです。
本体はスリムでシャープなのに、背中の砲があまりにも重たそうです。
ウイングを付けていますが、そんなものではフォローできないほどに重たそうなイメージが勝ってしまう。
そんな例が多い中で、絶妙なデザインで大成功したのがシャドーフォックスだと思います。

唯一だけ難をいえば、トミーゾイドとしては珍しく非常に”ポロリ”しやすい事でしょうか。
特に下部に付いた銀色のダクト状パーツは取れやすくなっています。

 

さてAZ30mm徹甲レーザーバルカンは、「マルチウエポンラック」に接続されています。
マルチウエポンラックは素晴らしい可動を誇ります。

まず起立させることができます。背中に密着させた状態から、かなり浮かせた状態まで自在です。
大型装備をニ軸でシッカリ支えている感じがたまりません。メカニックとしての魅力にあふれています。

360度の旋回も可能で、更に仰角の調整もできます。
可動はあらゆるポーズを可能にする完璧さです。思い通りの方向に武器を向けることができます。
多くの武器が「角度調整はできるが旋回はできない」または「旋回はできるが角度調整はできない」となっている中で、この可動はひときわ輝いています。
この素晴らしすぎる可動が、武器の魅力をいっそう引き立てているのは言うまでもありません。

 

この他、尾部にも砲があります。
尾部は狐らしく太くなっています。内部にはAZ70mm電磁ネット砲があります。

この武器で、後から追撃する敵に対抗する事ができます。

電磁ネット砲は、それごと外す事ができます。これはゼンマイのリューズを兼ねています。

シャドーフォックスは、機獣新世紀シリーズの新型なのでゼンマイは「目立たない」仕様です。
歩行させる時は、これを本体の左横腹に差し込んでゼンマイを巻きます。

武装は、格闘用も砲撃用も充実した強力な仕上がりです。
しかも、むりやり積んだ感じはなく自然な感じで強力な武装を達成しているのがとても良いと思います。


マルチウエポンラック

AZ30mm徹甲バルカンでも少し触れたマルチウエポンラックですが、これは素晴らしい可動を誇ります。
しかも、それだけでなく拡張性も高くなっています。

徹甲バルカンを外すと、各種武器に対応したハードポイントが多数出てきます。

通常の3.2mmだけでなく、各種武器に対応したものがどっさりとあります。

これを使えば…、

ここでは一例としてジェノザウラーとライトニングサイクスの主砲を装備させています。
小型武器だけじゃなく、大型武器をも無改造で簡単に取り付け可能なのは最高です。

しかも、可動は抜群です。
例えばライトニングサイクスの主砲は、同機に付けた場合は旋回不能でした。
しかしシャドーフォックスに装備させた場合、旋回できるし仰角の調整もより大きな角度で行えます。

この他にも多くの武器を付けることができます。
見た目の感じも改めて良く、傑作だと思うばかりです。


コマンドウルフと共に

コマンドウルフと比べると、より高性能になった高速ゾイドという事がひと目でわかります。
全体的に上位互換という感じがします。格闘武器、砲の付き位置など非常に似ていますが、全てにおいて高性能化しています。

似た部分は多くあります。
全体的に武器の配置が似ているし、頬にチークガードがある所も似ています。
脚部付け根に大きな「〇」のモールドがある所も同じです。

こうして並べると、傑作コマンドウルフの後継機として同機を強く意識しつつ・それを超えるべく気合十分で作られた事がひしひしと伝わってきます。


金型

全体的に非常に好印象のシャドーフォックスですが、金型については不満もあります。
ガンスナイパー並み…とは言いませんが、金型の精度は低めです。
機獣新世紀ゾイドの新型はすべからくその傾向がありますが、その中でも下から数えた方が早いであろう精度になっています。

これは高速機としては致命的です。
いや致命的は言い過ぎとしても、せっかくのシャープさを幾らか減じさせているのは否めません。
またマルチウエポンラックなどのメカニックとして最高の造りも、金型が甘めなのでやや玩具感も漂います。
もし金型がシャープであれば、シャドーフォックスの高速性やメカニックとしての素晴らしさはより引き立ったでしょう。
この点はとても惜しいです。


ギミック

ギミックは手動は最高、連動は凡作以下といった感じです。
連動ギミックは歩くだけです。
これは寂しいです。コマンドウルフのように速度変更できるわけでもありません。
ただただ歩くだけ……。

一方で、手動ギミックは凄まじい充実ぶりです。
耳の可動、コックピット開閉、口の開閉、バルカンの回転、マルチウエポンラックの可動と汎用性は先に書いた通りです。

この他、首が大きく可動します。

コマンドウルフのように、下げポーズから上げポーズまで広く動かせるのです。
更に、首は若干ですが左右にも曲がります。これが表情付けに大きな効果を発揮します。

尾部も角度を二段階に調整できます。

これらにより、かなり自在なポーズをとる事ができます。

手動ギミックは究極と言えるできでしょう。
しかし、ゾイドといったら連動にも力を入れてほしい。
小型ならまだしも、Hiユニットを持った中型ゾイドです。せめて歩行+ワンギミックくらいは仕込んでほしかったです。
手動の素晴らしさが抜きん出ているものの、連動の歩くだけ具合からギミックについては素直に褒めにくいというのが感想です。
せめてコマンドウルフの二番煎じでも良いので、「尾部を下げると速度が下がる」などがあればまだしも良かったのですが…。


戦歴

バトストでは、コマンドウルフの後継機として華々しく登場しました。
ライガーゼロを補佐する最高の機体。その高性能で存分に活躍すると思われました。
が、その実はそれほど活躍しておらず、地味な存在感に留まりました。

まず生産性に難があったようで、数が揃っていません。
共和国軍高速部隊の主力は改良型コマンドウルフ「コマンドウルフAC」でした。
これは高性能を求めすぎた弊害でしょうか。
このクラスでストライクレーザークローを装備する事、マルチウエポンラックの複雑な造り、光学迷彩まで装備する豪華さ。これらは中型ゾイドとしては破格と言えます。
主力とするにはあまりにもコストが高かった事情がみえます。
この他、電撃ホビーマガジンによると「野生体生息数が原因」とも解説されています。
いずれにしろ、コマンドウルフの後継機という要素はここで破綻しました。

もともとは旧式化したコマンドウルフを置き換える目的だったシャドーフォックス。
しかし、その位置を射止めたのは改良型あるいは「延命型」とも言えるコマンドウルフACだったのは何とも虚しい話です。
「安価で大量配備できる主力ゾイド」この要素を見事に満たしたコマンドウルフというゾイドの傑作振りが改めて伺えます。
シャドーフォックスは、最強の中型高速ゾイドであっても最高の中型高速ゾイドではありませんでした。

 

ではライガーゼロのペアとしての役割はどうだったか。
こちらもあまり活躍していません。

ライガーゼロは高性能ですが、当初は「ブレードライガーの3倍」という凄まじいコストを持つ機体でした。
しかし、その後何があったのかライガーゼロは十分な数が生産されています。
量産効果があったのか、製造ラインに変化があったのか…。それは不明ですが、とにかくそうなりました。
「ライガーゼロ部隊」としてライガーゼロのみで部隊構成する場面が多く見られました。
ここへきて、シャドーフォックスのライガーゼロの支援機・ペアを組むという目的も破綻しました。

華々しい性能を持って完成したその実、実運用ではたいへん悲しい結果となりました。
見えざる部分までを想像すると、おそらくコマンドウルフと同タイプの操縦桿を持っていることから操縦性も良いと思います。
コマンドウルフからの機種転換訓練も短期間で済みそう。そこまでの配慮があったにもかかわらずこの様。
ゾイド開発とは難しいものだなぁとしみじみ思えます。

もちろん、全く活躍していないわけではありません。
数はそれほど多くなかったようですが、暗黒大陸上陸作戦では実戦投入されてライトニングサイクスを倒すなどその強さを見せ付けています。
少数ならライガーゼロと共に戦う姿も確認できます(もっともこのショットでさえライガーゼロの機数の方が多いのですが)。

シャドーフォックスの性能は、当初の目標通りの見事なものだったのでしょう。
しかし強さが証明された分、余計に配備状況が虚しく思える感じもあります。

その後は偵察部隊などでも運用がされたようですが、ついに最後まで主力になる事はありませんでした。
泣ける戦歴です。

ただバトストでは悲しい戦歴になりましたが、アニメでは大活躍しています。
特に「ゾイド新世紀/0」では強力な新鋭機として存分に強さを見せ付けました。
こちらでは主人公チームのバラッドの愛機として、破壊されたコマンドウルフに代わって登場しました。
劇中ではガトリングを撃つシーンが特にカッコよく描写された印象があります。
ライガーゼロと共に戦う姿は、ようやく目的が果たされた感じがします。

戦歴は、バトストでは本領発揮とはいかなかったものの、アニメでは華々しく描かれ総合的には十分な感じでしょうか。


影狐 シャドーフォックス


全体的に「惜しい」が目立つゾイドだと思います。
デザインはとても良い。だけど塗装済みパーツの仕様がちょっと残念。金型の精度も残念。
性能は中型ゾイドとしては破格のレベルに高い。けどコマンドウルフを更新し主力になる事はなかった。ライガーゼロとペアを組むこともなかった。
手動ギミックは最強。けど連動ギミックが最弱。

良い部分はあるのに、それを打ち消す要素があるのが悲しいところです。
これがゴドスやガイサックなら、ある程度はカバーできていたかもしれません。
金型精度が甘くとも、各部エッジのダルさが逆に使い古された兵器感を出していたかもしれない。塗りについてもウェザリングの様に感じたかもしれない。
戦歴も目的を果たせなかった事が逆に渋い魅力になっていたかもしれない。
でも、シャドーフォックスは華やかな高速機です。あの傑作機コマンドウルフの後継機として期待をかけられたゾイドです。
だからシャープな造形であってほしかったし戦歴も華々しいものがほしかった。そう思ってしまいます。

デザインはカッコ良く性能も抜群。されどその中に少し悲しい部分も見えてくる、そんなゾイドだと思います。


バリエーションモデル
 ゾイドオリジナル ミラージュフォックス


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