機獣新世紀ゾイド ヘリック共和国軍 レイノス<RAYNOS>

■レイノス(テラノドン型) データベース■

 発売年月:2001年1月  発売当時価格:800円  動力:中型ゼンマイ

 型式番号:RZ-039

 スペック 全長:17.3m 全高:7.3m 重量:30.0t 最高速度:M3.3 乗員:1名

 主な武装
   三連装ビーム砲、72mmバルカン砲(×2)、シュツルムクロー(×2)、スパイククロー(×2)、3D電子式レーダー、胴体下部に対空ミサイルを格納

 特徴
  旧大戦で、レドラーと空の覇権を争った超音速戦闘機械獣。それがレイノスである。
  一撃離脱戦法を得意とするレドラーに対し、レイノスは優れた旋回性能を活かした格闘戦を展開。互角以上の戦果を残した。
  40数年前の大異変で絶滅寸前に追い込まれたが、共和国の長年の保護政策によって、ZAC2101年現在、戦闘ゾイドとして戦場に送り出せるほどに個体数は増加している。


前後より

共和国軍超音速戦闘機、レイノスです。
メカ生体ゾイド版から、カラー変更と一部設定の変更を経て、2001年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

レイノスはメカ生体当時に持っていたゾイドという事もあり、再販を切望していました。
機獣新世紀ゾイドでは、第一弾ラインナップとして共和国軍がプテラスを復活させました。対する帝国軍はシュトルヒではなくレドラーを復活させています。
これでは苦戦必至。
そんな状況に、「おそらくレイノスは近く復活するだろう。そして逆襲をかけるのだろう」と楽観していたのですが、その目論見は外れました。
レドラーを下したのは新型のストームソーダーでした。
同モチーフの新型飛行ゾイドの活躍を見て、「これは再販されないのでは……」と半ば諦めかけていたのですが、その頃に再販が決定して狂喜した覚えがあります。

極めて微細な事ですが、翼の形状がわずかに変化しています。

玩具安全基準に合致するよう、翼の先端に丸が加えられています。
ただ、本当にわずかな差です。普通なら気付く事もないようなレベルでしょう。


カラーリング

カラーリングは大きく変わっています。
好きなのはメカ生体版です。何といっても空色の装甲と爽やかで鮮烈な白。これは飛行ゾイドとして最高のカラーだと思います。
ただ新世紀版も悪くないと思います。
エメラルドグリーンの装甲は南方の緑色の海のようです。ミリタリー的に考えるなら、洋上で視認されにくい色として選んだと考えても良いでしょう。
銀色もメタリックで「武器」というイメージは向上しています。

しかし、それでも個人的にはメカ生体版が好きです。
青空と雲の色。これが卑怯なほどに似合っています。メカ部分の黒も全体をよく引き締めています。
機獣新世紀版の同部分はグレーで少しぼんやりとしてしまったと思います。

総じていうと、緑も悪くはない。それどころか良い。だが空色があまりにも良すぎたという感じでしょうか。

それにしても、こうして見ると改めて傑作デザインだと思います。
スタンダードなゾイドデザイン。癖がなく万人にオススメできるゾイドになっています。


戦歴

戦歴は少し地味です。
先に書いた通り、機獣新世紀ゾイドの開戦時の両軍飛行ゾイドはプテラスとレドラーでした。
プテラスは苦戦しますが、これを破ったのはストームソーダーでした。
ストームソーダーはその後も最強飛行ゾイドの座を維持し続けます。

そんな、要するに航空優勢が圧倒的に共和国側にある中でレイノスは再就役しました。
なので、旧大戦時と違って「レイノスが居たから戦況が変わった」ようにならなかったのは地味な事でした。
レドラーとの対決も遂に描かれることはありませんでした。
性能的にも、大型のストームソーダーに比べれば一歩及ばない性能となっています。

ただし、OS搭載機ゆえ高性能だが生産性や操縦性に難のあるストームソーダーに比べ、生産性や操縦性で勝る事から主力として運用されました。
ストームソーダーをF-15とすればレイノスはF-16の位置と言えるでしょう。
やっぱりちょっと地味です。
ただ、「最強」ではなく「最良」の戦闘機としての配備。旧大戦時ほどの華はありませんが、これはこれで魅力的です。

ところで、レイノスは設定面でも要注目な所があります。
「40数年前の大異変で絶滅寸前に追い込まれたが、共和国の長年の保護政策によって、ZAC2101年現在、戦闘ゾイドとして戦場に送り出せるほどに個体数は増加している」

とあります。
絶滅寸前になったゾイドを保護したものの、数が増えればすぐにまた戦場へ駆り出す……。

そしてその後ですが、「ブロックス」が主力になった頃にはレイノスは主力戦闘機の座をディメトロプテラに譲り渡しています。
この時期のストーリーを見ると、サラマンダーとストームソーダーは戦闘でほとんど損失したとあります。
レイノスについては言及がありませんが、ストームソーダーでさえその状況なので、レイノスもまた過半数を損失したような状態だったと思われます。
何より主力戦闘機がディメトロプテラに移っている事がそれをよく示しています。

要するに数が減れば一旦保護をするが、増えればすぐにまた絶滅寸前まで使いつぶす……。
そんな人の身勝手さや戦争の業をよく示している事例です。


アニメでの活躍

劇中での活躍は地味。そして業が深い。そんな新世紀レイノスですが、アニメ「ゾイド新世紀/0」ではド派手な大活躍をしています。
ここではチームブリッツの一員、ジェミーの愛機として登場します。
ジェミーは普段は弱気なゾイド乗りですが、レイノスで音速を突破すると正確が強気で好戦的に豹変。
”天空の荒鷲”としてザバットの大群を一方的に撃墜しまくるわ、ストームソーダーを複数撃墜するわ、ホエールキングに大損害を与えるわ。
とんでもない伝説を創り上げました。
性格が豹変する所なんかは若干ギャグチックでもありますが、レイノス好きとしては何とも頃に残るシーンでした。

この他、ゾイドフューザーズにも登場しましたがそちらでは特に見せ場もなく地味な描写に留まりました。


超音速、レイノス

メカ生体時と比べると華が無いのは否めません。
色も戦歴も。
ただし、最強ではなく最良の飛行ゾイドとして運用された魅力は機獣新世紀版特有です。
絶滅を回避し、そしてまた絶滅に向かって行った悲しき推移も何とも言えない儚さがあります。

そうした意味で、機獣新世紀版レイノスはメカ生体時には感じる事のなかった新しい一面を見せてくれた仕様だと思います。
華やかさに満ちたメカ生体版。地味さと儚さを持った機獣新世紀版。
両方を見ると、よりレイノスの魅力が見えてくる気がします。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド レイノス


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