機獣新世紀ゾイド ヘリック共和国軍 ディバイソン<DIBISON>

■ディバイソン(バッファロー型) データベース■

 発売年月 2000年5月  発売当時価格 2500円  動力 モーター

 型式番号 RZ-031

 スペック 全長20.6m 全高10.8m 重量230.0t 最高速度130km/h 乗員2名

 主な武装
  ツインクラッシャーホーン 105mm17連突撃砲 8連ミサイルポッド(×2) パルスビームガン 35mm対空砲(×2) 対ゾイド3連衝撃砲
  クラッシャーメタルスパイク(×4) GPS3Dレーダーアンテナ

 特徴
  中央大陸戦争時代、デスザウラーの進撃を食い止めるために開発された重装甲・重武装の突撃戦用ゾイド。
  前面に集中装備された105mm17連突撃砲と8連ミサイルポッドの一斉射撃は、あらゆる障害物を粉砕。
  超硬チタニウム合金でできたツインクラッシャーホーンは、デスザウラーの装甲をも貫く力を秘めている。
  また共和国ゾイド伝統のキャノピー式コックピットを装甲式に変えるなど、防御力も高められている。
  極端に偏った武装配置のディバイソンだが、それだけに部隊がツインクラッシャーホーンを並べて突進する正面突撃は凄まじい破壊力を誇る。


前後より

共和国突撃型ゾイド、ディバイソンです。
メカ生体ゾイド版から、カラー変更と一部設定の変更を経て、2000年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

あの渋いゾイドが機獣新世紀ゾイドでも復活し、喜んでいた記憶があります。
ストーリー的には、今まで帝国軍に押されっぱなしだった共和国軍がついに反撃体制を整え、戦況不利を覆さんと一大作戦に打って出た。そんな時期に登場しました。
やはりディバイソンといえば劣勢の中登場し、反撃の狼煙をあげる姿が似合います。

再販時に気にかけていた事は、角やヒズメがどうなるのだろう…という事でした。
というのもシールドライガーなどの例からみて、尖っている部分に改修が行われる可能性を危惧していました。
プラなら削れば容易に対処できるものの、金属パーツではそれも難しい…。

元のまま再販されるのか。先端が丸くなって再販されるのか。それともプラパーツになってしまうのか。
不安が大きかったですが、フタをあけてみれば当時のままの金属製で、なおかつ形状も変更を加えられていませんでした。
直前まで不安視していましたが、購入後は大きな安堵感がありました。


カラーリング

カラーリングは明るく爽やかになっています。最も目立つ部分は緑の色合いで、干草色から鮮やかなシーグリーンに変化しています。
いかにもミリタリーなイメージのディバイソンには、地味な干草色が抜群に似合っていたと思います。
しかし、それでは「地味すぎて客層へのアピールが弱い」という思惑があって鮮やかに変化したのだと思います。
それは理解します。しかしその一方、それでももう少しだけ地味な色合いにした方が良かったのではないかと思ってしまいます。
具体的には、機獣新世紀版のゴルドス程度の色くらいにしておけば、ミリタリー感とアピール度の程よい中間を狙えていたと思います。
現在の色では鮮やか過ぎて、ともすれば暗黒軍のディオハリコンの色に近いイメージも持ってしまいます。

金属パーツの色もやや変化しています。
メカ生体版は混じり気のない銀色でしたが、機獣新世紀版は少し黄色がかった銀色をしています。
機獣新世紀版の共和国ゾイドは、ゴジュラスの装甲なりゴルドスの背びれなり、少し黄味がかった銀色を多用していました。
なのでこの色合いに関しては、自軍らしさのあるとても良い選択だったと思います。

カラーリングのほか、変化している箇所もあります。
それは腰の対空砲の形状です。

メカ生体版が凹モールドだった部分に、凸が付いています。これは拡張性が広がる、良い改変です。
ただ若干だけ径が小さく、ここに武器を取り付けようとしてもダラリと下がってしまいます。使用時は、何かかませる等した方が良いでしょう。
良い改変ですが、詰めが甘かった気もします。


活躍

作中での活躍は、正直に言うと「ガッカリ」でした。
共和国軍がいよいよ本格的な反撃を開始した所で登場し、初陣としては飛行輸送艦ネオタートルシップの艦上からシンカー大部隊を迎撃するというものでした。
中央大陸から西方大陸へ進軍中、ふいに空からの襲撃。
そんな状況で、ゴジュラス・ジ・オーガやシールドライがーDCS-Jらと共に、ネオタートルシップ艦上で対空戦闘を開始。
その大火力でもって空を制圧。見事ネオタートルシップを守りきっています。
しかしせっかくのディバイソンの初陣を突撃でなく対空迎撃というのはちょっと外してたかなー…と思ってしまいます。
(細かい事を言うと対空砲ではなく主砲で迎撃していたのも違和感があります)

西方大陸への上陸後は目立った描写はなく、ブレードライガーやジェノブレイカーが華々しくピックアップされる影でひっそりと過ごしました。
唯一目だったものといえば、敗退する帝国軍への追撃戦に参加し、しかしブラックライモスにより返り討ちにあった所くらいです。
その後、何度か写真に写る事はあっても、活躍がピックアップされる事はありませんでした。

まずもって描写が少なかったのは無念です。
活躍シーンは他の機との共同戦果で、上陸後は目立った活躍なし。それどころか格下機にやられる始末…。

活躍が少ないのも悲しいですが、それ以上に「突撃」の扱いが低すぎる事もどうかと思います。
メカ生体の時代、あれだけこだわりを見せた突撃が行われず、ただただ大火力であるという部分がピックアップされるのみ。
何故ディバイソンは角を持つのか。そして何故砲は「突撃砲」なのか。この辺りが感じられる描写が無かったのは、改めて悲しいです。

ブラックライモスはディバイソンを倒して大金星を上げましたが、それにしてもディバイソンのパワフルな活躍がなかったから印象薄になっていた気がします。
例えばレッドホーンを吹き飛ばしたり、新鋭ジェノブレイカーにも敵わぬまでも突撃を喰らわしフリーラウンドシールドに大きな傷を付けてみせる…。
それ位の活躍は欲しかったです。
そうやって、「パワフルなディバイソン強し!」の印象を与えた上で…だったら良かったんですが、ロクに活躍しないまま格下機にやられたので、単にディバイソンは弱いという印象しか残らなかったように思います。

アニメでも登場していますが、そちらでの活躍も微妙さがあったと思います。
初代アニメでは、第二部から主人公一向に加わり、ブレードライガーやライトニングサイクスと共に活躍しました…が、ディバイソンならではの魅力を存分に伝えたかというと否であったと思います。
高速機が活躍する世界にディバイソンはいかにも無理があり、火力の素晴らしさを絶賛されつつも咬ませな描写も多く見られ、微妙な所だったと思います。

ディバイソンが活躍するというより高速機に無理して付いていっていたという印象が強いです。
また、突撃でなく火力主体の戦法だったのも惜しいと思います。
その火力も、古典的な実弾砲を使用する事こそがディバイソンの渋さであり魅力だと思いますが、それが大きく変わっていたのが不満でした。

作中では火器制御用AI”ビーク”なるシステムが登場しており、そのシステムをを使用すれば、発射した弾を集束させたり弾道を曲げたりする事も可能という、凄まじいものになっていました。
これは必殺技メガロマックスの名称が与えられ大いにアピールされましたが、はたしてディバイソンに似合っていたのだろうか?という疑問が常に浮かんでしまいます。

ディバイソンはバッファローという渋いモチーフを使用し、デザインも渋く設定も渋い。とことんその分野に特化し質実剛健に作ったからこそ魅力的だったと思います。
無理に高速機に随伴させたり、派手な必殺技で万能な火力を付加するより、その渋い魅力をとことん活かしたものが見たかったと思います。
高速機との相性は悪いし弾も古典的な実弾系で見劣りする部分がある…。だが、こと得意とする分野では他を寄せ付けない随一の破壊力を誇る。
そしてそれを使いこなす巧みな戦術を描ける事もまた、ディバイソンの強みだと思います。
そいった方面の描写があれば嬉しかったです。

初代アニメのほか、新世紀/0にも登場しており、こちらではヒロインの初代乗機になっていました。
ヒロインがディバイソンに乗る時代かと驚いたものですが、こちらでも扱いはイマイチ。
特に目立った活躍をする事が無いまま、中盤で敵の新鋭エレファンダーに完全破壊され退場…という、あまり誇れる実績は残せませんでした。
せめて退場する直前の対エレファンダー戦くらいはパワフルに暴れて意地を見せて欲しかった所ですが、一方的な敗退といった感じでやはりもどかしいものがありました。

総じて、残念感は否めません。


重武装 ディバイソン

復活したのは嬉しいしアニメでレギュラーになったのも嬉しいですが、その一方でかなりのモヤモヤ感を感じるゾイドです。
機獣新世紀版のゴジュラスとも通じるもどかしさを感じるところです。
みたび復活した際は、質実剛健な渋い魅力を。そして強大な敵にも黙って立ち向かい、時に伝説を生み魅せる。そんな描写がまた出てくる事を、ぜひとも期待しています。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド ディバイソン


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