ゲームボーイカラー ゾイド 邪神復活!ジェノブレイカー編 初回特別セット コマンドウルフ<COMMAND WOLF>

■コマンドウルフ(オオカミ型) データベース■

 発売年月 2000年8月  発売当時価格 4725円※ゲームボーイカラーゲームソフト初回購入特典  動力 Hiゼンマイ

 型式番号 記載なし

 スペック 全長14.7m 全高7.9m 重量46.0t 最高速度210km/h 乗員2名

 主な武装 エレクトロンバイトファング 50mm対ゾイド2連装ビーム砲座 スモークディスチャージャー(×2)

 特徴1(箱表記)
  シールドライガー同様に高速戦闘を目的として開発されたオオカミ型ゾイド。
  総合的な能力はシールドライガーに一歩譲るものの小回りが利き、扱いやすい機体としてパイロットに好評である。
  背部の2連装ビーム砲座は本体から分離しビーグルとして単独行動が可能だ。
  エレクトロンバイトファングは高い破壊力を持つ。

 特徴2(公式ファンブック2巻)
  その性能に苦渋を飲まされていた帝国軍は、迷うことなく捕獲コマンドを自軍に編入した。
  また解体したコマンドの研究が、ライトニングサイクスの完成を大幅に早める成果にもなった。


前後より

ゲームボーイカラー用ゲームソフト「ゾイド 邪心復活!ジェノブレイカー編」の初回購入特典の限定キットで、コマンドウルフのカラバリとなっています。
メカ生体版初代、メカ生体版NEW、機獣新世紀版ノーマル、アーバイン仕様に続く5種類目のコマンドウルフです。
名称はコマンドウルフのままですが、以下レビュー中ではややこしいので「レッドコマンドウルフ」で統一します。

今でこそゾイドゲームの初回購入特典として限定ゾイドが付属するのは定番ですが、このレッドコマンドウルフこそが史上初のゲーム初回購入特典の限定ゾイドです。
そういった意味では、ゾイドの展開上でかなり重要な意味を持つキットだと思います。

設定は、「鹵獲され帝国軍に編入されたコマンドウルフ」というものです。非常に異色な設定のキットですが、限定キットだからこそ出来たものでしょう。
カラーリングはその設定に違わず、いかにも帝国といった真っ赤なものになっています。
この事は、プレイステーション「ZOIDS メカ生体の遺伝子」の初回購入特典だったレッドレドラーが、「メカ生体版の復刻」という意味合いが強く保守的なキットになっていたのと好対照です。


ヘリック共和国標準カラーと共に

カラーリングは何とも鮮烈です。形状は通常版と全く同じですが、帝国らしさ全開なカラーリングは何度見ても驚きます。
そこまで赤くしなくても…という気もしますが、なにしろ鹵獲機なので必要以上に帝国らしくする必要があったのでしょう。
個人的な好みでは白い方が好きですが、必要以上に赤くなったコマンドウルフは「いかにも鹵獲機」な雰囲気満点で、設定と併せて見ると非常に魅力的に見えてきます。

帝国といえば赤か黒ですが、黒ではなく赤を選択したのは、先にリリースされていたアーバイン仕様とのかぶりを防ぐ為でしょう。
アーバイン仕様は黒。そして正規軍仕様は全て白。従来のコマンドウルフはモノトーンな印象が強くありました。
そんな中登場した真赤なレッドコマンドウルフのインパクトは、まさに凄まじいものがありました。

アーバイン仕様が「コマンドウルフは白」という構図を崩し、レッドコマンドウルフが「コマンドウルフはモノトーン」という構図を崩しました。
両機は、それまで保守的に留まっていたコマンドウルフの可能性を大きく切り開いたカラーだと思います。
これ以降、青とか緑とか、様々な色をしたコマンドウルフが誕生する事になります。
レッドコマンドウルフは、色彩豊かなコマンドウルフの先駆けです。


設定

鹵獲機という設定ですが、この設定自体は特に目新しいものではありません。
「敵機を鹵獲する」「鹵獲した敵機を自軍に編入し使用する」という事自体はずっと昔から明記されていました。
メカ生体ゾイドのゾイドバトルストーリー3巻には、当時の共和国軍が鹵獲した帝国ゾイドを使用して戦っていた様子が描かれています。
しかし、それはあくまで文字上の事。
やはりこうしてキット化されたというのはインパクトが違います。

鹵獲機というのは本当にあるんだ。鹵獲機はこうして色を塗り替えられ戦場に立つんだ。そういったリアルな印象、実在感を強く感じます。
今まで文字だけであやふやだった印象が、レッドコマンドウルフによって一気に体感度が上がりました。

真っ赤な機体色も特徴的ですが、キャノピーの色にも要注目です。

キャノピーの色は、帝国側を思わせる緑色になっています。細部まで抜かりなく帝国色にする気合の入りようが伺えます。
キット的な事を言えば、クリアパーツの色は塗装で変更するのが困難なものです。なので、この緑キャノピーが持つ意味は非常に高いものでした。

ただ「鹵獲機なのにキャノピーの色が変わっているのは何故?」という疑問もあったりします。
装甲やフレームの色は塗って変える事が出来ると思いますが、キャノピーの色を変えるのはキットがそうであるように不可能ではないかと思います。
然るに、色が変化したこのキャノピーは、帝国側が「鹵獲後に新造した」事になると思います。
しかしそう考えるなら、なにゆえキャノピーを新造したのかという疑問もわいてきます。鹵獲したそのまま(オレンジキャノピー)を使いまわす事は出来なかったのか。
キャノピーは装甲より強度が劣るので、「鹵獲する際に破損してしまい補う必要が出た。それゆえキャノピーだけはコピーのうえ帝国側で新造した」のかもしれませんが。

キャノピーを開けると、青色…すなわち帝国側の兵士が搭乗しています。

グレーの共和国側兵士ではなく、きちんと青い帝国側兵にしてあるのがニクいです。

鹵獲機というのは、ゾイド世界を楽しむ上で重要な要素と思います。それを、文字だけではなく実際にキット化した意義は改めて大きかったと思います。
色変え商品なので一般販売は厳しかったかもしれません。それをゲームの初回特典という形で世に送り出したのは素晴らしい英断だったと思います。


鹵獲機 コマンドウルフ

流通数は、限定キットとしては非常に多いです。機獣新世紀ゾイドが最も勢いのあった時期の初回限定キットなので、「初回」といってもかなりの数が出ています。
限定ゾイドの中では、かなり入手難度の低い機体だと思います。

鹵獲機という、世界観をよりディープに楽しめる魅力的な設定がリアルに体感できるキット。改めて魅力的です。
帝国軍に鹵獲された後は、部隊に編入された機体のほか、弱点を調べる為に解体されたり、射撃目標にされたりした機体もあったとされています。
そういった過酷な、しかしリアルな現実を見せつけた設定も非常に重要です。
また、鹵獲したコマンドウルフがあったおかげでライトニングサイクスの開発に大いに役立ったともされています。
これらの設定もまた、世界観をよりディープに楽しめる素晴らしいものでしょう。

レッドコマンドウルフは、数ある限定ゾイドの中でもひときわ光るものを持つゾイドだと思います。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド コマンドウルフ

 メカ生体ゾイド コマンドウルフNEW

 機獣新世紀ゾイド コマンドウルフ

 アニメゾイド コマンドウルフ アーバイン仕様

 ブルーコマンドウルフ

 ミッドナイトブルーコマンドウルフ

 機獣新世紀ゾイド コマンドウルフAC

 ゾイドフューザーズ コマンドストライカー

 コマンドウルフホロテックス

 コマンドウルフLC

 コマンドウルフRGC


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