メカ生体ゾイド ヘリック共和国軍 戦闘機械獣 ゴルゴランチャー<GORGO LAUNCHER>

■ゴルゴランチャー(ゴルゴサウルス型) データベース■

 発売年月 1990年4月  発売当時価格 680円  動力 なし

 型式番号 RTF-2

 スペック 全長10.6m 全高5.5m 全幅4.2m 重量19.0t 最高速度110km/h 乗員1名

 主な武装
  バーストミサイル ビームバルカン(×2) レーダースキャナー

 特徴
  ゴルゴザウルス型の小型戦闘機械獣であり、TFゾイドの第2ゾイドとして登場。
  メカ体形では、レーダースキャナーで敵のレーダーをかわし突進する。
  内蔵スーパーウェポンで武器体形へ変形しミサイルを発射できる。


メカ体形 前後より

TFゾイドの陸戦型、ゴルゴランチャーです。

ショットイーグルに続いて登場したTF級ゾイド第二号で、共和国伝統のスタイルをしています。
ゴジュラス系ゾイドと言って良いでしょうか。ただ、従来機と並べるとラインの異質さは感じます。
TFゾイド特有の簡易なラインというか最低限のディティールといった感じで構成されています。やはり、従来機に比べリアル感の大幅に低下した感じは否めません。

ショットイーグルの場合は、今までに無い鷲というモチーフを使用した事で、ラインの単純さというマイナス面よりも、新モチーフというプラス面を先に感じるものでした。
しかし、ゴルゴランチャーは見慣れたモチーフです。
なので、ストレートにラインの単純さが伝わってきます。そういった意味で、かなり損な機体だなと思います。

カラーリングは、ショットイーグルとは似て非なる感じです。

金色は同じですが、それ以外の部分は色合いが異なっています。ただ大筋のイメージは共通したものになっています。
青と赤は原色です。そこにメッキの金が加わり、なんとも華やかではあります。しかし戦闘兵器としてはケバケバし過ぎる感じは否めません。

全体的にスタンダードなシルエットをしていますが、腕がビーム砲になっているのは特徴的です。
もはやモチーフ由来の能力で戦うつもりは毛頭ない。そんな極端な設計思想を感じます。
もちろん従来も角をビーム砲にしたメガトプロスのような例はありましたが、なにしろ腕を腕として作っていないのだから、受ける衝撃はかなり大です。

ただ、金色の装甲部(?)は外側に開ける事が出来ます。

この機能により、本来指が担うはずだった「握る」行為を補っているのかもしれません。この装甲の形状は爪っぽいもになってるし。
ただ、いずれにしろ「完全な外部装備で本来は生体が持つべき機能を補う」のはゾイドとしてどうかと思ってしまいます。

腕…というかビーム砲は可動良好です。
付け根で縦軸に回転します。また腕自体にも関節が付いており、横軸に回転させる事もできます。

これにより、ゾイドでは珍しく腕のポーズが多彩に決まります。さすが連動をカットしただけはあります。
また、肩の装甲も大きく可動します。

このように、腕周りは可動の宝庫で非常に良好な仕上がりです。

ただ、この良好な腕に対し脚は少し寂しい仕上がりです。というのも、脚は外側を向ける事が出来ません。
せっかく腕が外に広がるのだから、脚の方もハの字立ちさせたかった所ですが…。
腕はよく動くものの、脚の方はそれに追いついていません。ややアンバランスな印象は持ってしまいます。


フェイス、コックピット

頭部デザインは、最低限といった造り込みながらなかなか凛々しく仕上がっていると思います。
金色のふくらみと、後頭部のブレードアンテナが特徴的です。
設定上、敵のレーダーを察知するレーダースキャナーを装備していますが、後頭部ブレードアンテナがそれです。
金色のふくらみは用途が謎のままです。

頭部で残念なのは、ギミックが全く無く完全固定な事です。
いかにも動きそうな口ですら完全固定です。この角度から、開くことも閉じることも出来ません。ちょっと寂しいです。
ブレードアンテナも固定です。

TFゾイドに共通する事ですが、頭部はコックピットではありません。コックピットは、頭部ではなく背中にあります。

腰の辺りの金色のハッチを開くと、中にコックピットがあります。閉所恐怖症だとそうとうキツそうなコックピットです。
ゴルゴランチャーのコックピットはここだけで、全ての操作をここから行います。


ガンウォークモード 前後より

TFゾイドなので、もちろん変形できます。この形態はガンウォークモードと呼ばれます。
TFゾイドは大威力の必殺武器を持ちますが、それを撃つ為の形態です。
しかし媒体によっては「合体して母機のエネルギーを使うことで必殺武器が撃てる」との記述があったりします。
劇中でも、この形態で活動しているシーンは全く確認できませんでした。なので、実際にこの形態で撃てるかどうかは不明です。
ゴルゴランチャーの必殺武器はミサイルなので、母機からのエネルギー供給が無くとも撃てるとは思いますが…。

変形手順は、
・まず腹部から内部メカを降ろし、
・頭部を腹部内に収納し、
・前かがみになりつつ尻尾を立てる
事で完了します。
キットでは、この姿勢だとパイロットが90度下を向いてしまうものですが、実物はおそらく回転するなどの措置がとられていると推測します。

要するに、前かがみになり顔を伏せ尾を立てた形態です。
正直に言って、あまり魅力的とは言いがたい形状です。
変形自体はスムーズに綺麗に行える気持ち良い仕上がりですが、変形後の形状が魅力薄では意味がありません。
また、顔を伏せる意図をちょっと図りかねます。伏せてしまっては敵が見えないのでは…。
もし何らかの方法で見えているのであれば、それはそれで問題な気もします。ゾイド自身の目とは一体何なのか…。
この形態では、顔は前に向けた方が良いのではないかと思います。前傾姿勢の恐竜のように。
ただ、設定上そうなっていないし、またキット的にも首を上げる可動は不可能です。前傾姿勢をとる事は出来ないのは大きく悔やまれます。

変形時に腹部から内部メカを出すのは、ちょっと内蔵を露出させているようでグロテスクな印象を受けてしまいます。

TFゾイドでは内部を取り出す事が共通していますが、やはり何度見ても内部的な構造はどうなってるんだろう…と考えてしまいます。

必殺武器は尾部に装填されているバーストミサイルです。
かなり大サイズのミサイルです。しかし、小型機にむりやり大型ミサイルを搭載している関係上、装備可能な弾数はわずか1発となっています。

ミサイルを尾部に押し込むと、カチッと音がします。そこまで押し込んだら装填完了です。
装填完了すると、ロックがかかってミサイルが固定され抜けなくなります。この辺の設計はよく出来ています。
ただ、下に向けて軽く振ると落ちる事もあります。要は、固定されるとはいえかなりユルい固定でしかありません。
なので、このミサイルは紛失にかなり気をはらう必要があったりします。

ミサイルは、かなり先端の尖った形状をしています。
アイアンコングやサラマンダーのミサイルと比べても、その尖り具合は特筆です。
ただミサイルとしてリアルな形かというと否です。先端はともかく、胴体部に肉抜きが多数あり玩具感を漂わせています。
おそらく、単なる肉抜きじゃなく、肉抜きしつつもそれらしい形に見えるような努力をした結果だと思います。しかし成功とは言いがたいと思います。

ミサイルを装填した後は、発射ギミックが楽しめます。
尾部裏面(ガンウォークモードだと上面)にスイッチがあります。これを押せばバーストミサイルが飛び出します。

スイッチは、かなり硬めになっています。
上から押して発射するというより、片手で尻尾を持ち固定させ、もう片方の手でスイッチを押すようなものになるでしょう。
気軽に発射というより、かなり入念に発射という感じです。ただ、強力な半面装填数が1発のみ=失敗できないというミサイルなので、この仕様も似合っていると思います。

ミサイルはかなりの勢いで発射されます。
その勢いたるや、アイアンコングやマルダーものを大きく凌ぎます。ミサイルの先端がかなり尖っている事も相まって、かなり危険な感じもします。
おそらく、発売当時の玩具安全基準でギリギリだったと思います。はるかに厳しくなった現在の安全基準の中では、完全な形での復刻は厳しいかもしれません。

このミサイルを改めて見ていると、やはりかなり巨大です。発射の勢いもかなりのものです。
実物でも、発射の衝撃はかなり大でしょう。
なので、このモードでは撃つと吹き飛んでしまうような気がしてしまいます。
バトルストーリーでこの形態での活動シーンが無い事も含め、この形態では撃てない、あるいは自分が吹き飛ぶ事覚悟で撃てば一応撃てる 程度に解釈したいと思います。
あくまで武器モードに変形する途中のものであり、この形態のまま戦う事はまず無い…と思いたいです。


武器形態 前後より

ガンウォークモードから更に脚を縮めると、武器モードになります。
脚を縮めるとは、太もも部分をふくらはぎの装甲内へ収納する事で完了します。

綺麗に収納できます。よく出来た構造ですが、やはり実物の内部構造はどうなんだろう?と考えてしまいます。

このモードだと、対応するゾイドとドッキングできます。

合体時は、確実に必殺武器を撃てます。ガンウォークモードではマトモに撃てなさそうでしたが、このモード時には存分に撃ってもらいたいところです。
といっても装填数は1発ですが。

形状は、ガンウォーク時にゴルゴランチャーのみを見ると正直カッコ悪いと思います。
しかし、母機とドッキングするとそれなりに見れるものになっています。さすが「武器形態」と呼ばれるだけはあります。

キットに付属する互換用ジョイントを使用すれば、ほぼ全てのゾイドに装着する事も出来ます。
しかし、やはり色や造形の関係で似合うものが少数なのは否めません。


側面より

側面から見ると、メカ形態でのスタンダードな姿勢がよく分かります。
ディティールの少なさはともかく、均衡の取れた綺麗なスタイルをしていると思います。腹が出ているのでドッシリ感は抜群です。
サイズ的にはゴドスよりふた周りほど小さいゾイドですが、この太さのおかげでタフさで勝っているようにも見えます。
また全体的なシルエットは、後のキングゴジュラスに似ているようにも感じます。

ガンウォーク形態は、改めてそのカッコ悪さを感じてしまいます。
ちなみに、ガンウォーク形態と武器形態で腕の角度を変えて撮影していますが、これはどちらでも構わないものです。
というか、形態チェンジ後も動かせるものです。もっと言えば、変形後に前を向かせる事も出来ます。
基本(箱裏)は後ろを向けるように指示されていますが、媒体によっては前を向かせるよう指示してあるものもあります。
基本は後方警戒用に後ろを向かせるが、必要に応じて前方に火力を集中させる事も出来る といった感じでしょうか。

ちなみにガンウォーク/武器形態のミサイルですが、発射角度はかなり広いです。

前方から上方まで幅広く対応できます。しかし残念な事に旋回させる事は不可能になっています。


ギミック

ギミックに関しては、今までの項目で書いた通りです。
動力ギミックを持たない代わりに、手動ギミックはなかなか充実しています。

改めて可動箇所を書くと、腕の可動(縦横)、腕装甲の可動、肩装甲の可動、脚の可動(縦)、コックピットハッチの開閉、尾部の可動、尾部バーストミサイルの発射です。
これに加え、変形ギミック及びそれに付随する可動ができます。

なかなか優秀ですが、あえて言えば、先にも書きましたが口の開閉が出来無い事と前傾姿勢を取れない事が残念ではあります。


戦歴

戦歴はほとんど確認できません。
新ゾイドバトルストーリーに登場していますが、これは紹介されただけに留まっています。

学年誌では、わずかながら活動が確認できます。

しかしその活躍はかなり限定されたものであり、戦場での印象はかなり薄かったと言わざるを得ません。
この辺の考察は、別途コラムにしてあります(TFゾイドの運用を考える)。

本来想定された任務から外れても、ショットイーグルなら小型飛行ゾイドという点を活かし活躍の場が大いにあったと思います。
しかしゴルゴランチャーでは持て余す事も多かったのではないかと思います。
総合的に考えると、やはりゴルゴランチャーの戦歴は存在感が薄く華やかさには程遠いと言わざるを得ません。


戦歴

共和国伝統のスタイルで、TFゾイドの中では最もスタンダードなゾイドだと思います。
しかし、TFゾイド特有の問題も多く、やはり浮いたイメージは否めません。
ゾイドという括りを外せば良い玩具だと思いますが、逆に言えばゾイドとしてはどうしても厳しい評価にならざるを得ないと感じてしまうものです。


バリエーションモデル

 なし


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