メカ生体ゾイド グレードアップユニットNo.01(共和国側用) ハイパービームガン

■ハイパービームガン データベース■

 発売年月 1989年8月  発売当時価格 300円

 型式番号 GU-01

 スペック 全長7.6m 全高2.5m 全幅5.1m 重量13t ZEP 攻撃力11+防御力7=総合力18

 特徴
  通常は、ハウンドソルジャーに接続して、長距離戦用ビーム砲として使用される。
  中央部のレーザーサーチャーで目標を捕捉し、ブースターの回転で増幅されたビームが正確に敵を撃つ。
  他のユニット機構を持つゾイドにも接続できるが、安定性が低下する。
  戦闘総合力は、通常18ZEPである。


前後より

砲撃強化ユニット、ハイパービームガンです。

グレードアップユニットの第一弾です。グレードアップユニットとは、要はカスタマイズパーツの一種です。
ただ、「取り付けて終わり」の従来型カスタマイズパーツと違い、連動ギミックを持っているのが大きな特徴です。
対応するゾイドに装着すると、ゾイドの動きに連動して何かしらのギミックを魅せてくれます。

ハイパービームガンは、グレードアップユニットの先鋒として発売されました。
キットは、砲+パワーエンブレムで構成されています。パワーエンブレムは、ハイパービームガンを取り付けたゾイドに、一緒に装着する事が推奨されています。

カラーリングは銅色です。
にぶい光沢を放つ銅色は金色ほどギラギラしておらず、渋さと重厚感が満点です。派手な色でありながら、重火器のイメージに見事に合致した配色だと思います。

デザインも非常に魅力的です。
中央に照準を定めるレーダー及びレーザーサーチャーがあり、両脇に大型の砲が一門ずつ付いています。
両脇の砲は、それぞれ独立して仰角を付ける事も出来ます。

ぱっと見では左右対象のデザインに見えると思いますが、実は微妙に左右非対称です。

両脇の砲は左右対称デザインですが、中央のユニットは微妙に非対称です。
よく見ると、レーザーサーチャーが片方にしかない等の差が分かると思います。この辺の凝り具合は実にニクイです。

両脇の砲のデザインも、非常に凝ったものになっています。

まず後部にドラム型回転ブースター(エネルギー増幅装置)があります。
エネルギー増幅装置で貯まったエネルギーは太いパイプを通じて前方へ送られ、そして強力なエネルギーに耐えられる強度を持った砲身で加速し放たれる……。
デザインを見るだけで、チャージ~発射のプロセスの伝わってくる、素晴らしいデザインだと思います。

全体的な形は、ハウンドソルジャーのハインドバスターを大型化させたような印象も受けます。

先に書いたように、グレードアップユニットの特徴は、カスタマイズパーツでありながら連動ギミックを持つ点です。
グレードアップユニット対応ゾイドに装着すると、ゾイド本体の動きに連動してギミックを楽しむ事が出来ます。
ハイパービームガンのギミックは、砲後部のドラム型回転ブースターが回転するというものです。
2つのドラムが回転する様は、なかなか力強いものです。
回転ドラムといえば、前年にリリースされたマッドサンダーも搭載しており、その装備は強力にアピールされていました。
ユーザー間には「回転ドラム=エネルギー発生装置」的なイメージがあったので、強力な砲に与えるギミックとしては、非常に良い選択だったと思います。

反面、この砲の惜しい点は、グレードアップユニットに対応していないゾイドには、そもそも装着すら出来ない点です。
「連動ギミックが楽しめるのは対応ゾイドだけ」は仕方ないにしても、通常ゾイドにも装着できるジョイントパーツ位は付属させた方が良かったと思います。


装着

グレードアップユニット対応ゾイドであれば、どの機にも取り付け可能です。ただハウンドソルジャーに搭載すると最もバランスが良いとされています。

なるほど、基本的にはハウンドソルジャー用というだけの事はあり、よく似合っています。
なおハウンドソルジャーに装着する場合、もとのハインドバスターは尾部へ移設させます。

よく似合った装備だと思いますが、一点、致命的な問題もあります。
ハウンドソルジャーが装備する突撃槍クロスソーダーは、通常時は後方に倒しておく様になっています。

しかしハイパービームガンを装備した上で後部に倒そうとすると、砲身が干渉してしまい、倒せなくなってしまいます。
結果、クロスソーダーは常に前に展開しておくしかなくなっています。

設定上、ハイパービームガンは遠距離射撃用の武器です。そしてクロスソーダーは格闘戦で使用する接近戦の武器。
遠距離砲を装備したら接近戦武器も展開する事になる…。設定と矛盾しており、何ともアンバランスになっているのはもどかしいです。
「ハウンドソルジャーと相性が良い」とされている上でこの仕様なのだから、特に思います。非常に惜しいです。

もう一点、致命的ではないにしろ弱点があると思います。
それは設定に関するもので、この砲は「攻撃力と防御力を上げる(ZEP数値で攻撃力+11、防御力+7)」とされていますが、どう見ても防御力が上がるようには見えません。
装甲的な機能を果たすとはとても思えぬし、むしろこれだけ大型の装備であれば機動力を減じるものだと思います。
ならば、むしろ防御力としてはマイナスの値を付けても良かったのではないかと思います。

 

先にも書きましたが、両脇の砲身は独立して仰角を付けることができます。

水平~30度くらいまで動きます。
惜しいのは左右へ旋回できない事ですが、これは連動ギミックをもつ関係上、仕方ないと思います。

グレードアップユニット対応ゾイドであれば、ハウンドソルジャー以外の機体にも装着可能です。

バトルクーガーは、なかなか似合うと思います。
また設定上「共和国側装備」とされていますが、グレードアップユニット対応ゾイドであれば、もちろん暗黒側の機体に装着する事も出来ます。


戦果

ハイパービームガンのバトルストーリー上での扱いですが、ハウンドソルジャーに搭載されている場合がほとんどです。
というか、ハウンドソルジャー以外に搭載された例は、今のところ確認できていません。
やはり「ハウンドソルジャー用強化装備」という色合いの強い装備だと思います。

リリースされた月は、ハウンドソルジャーと同じです。
従ってか、学年誌のストーリー等では、ハウンドソルジャー初陣の号で既にハイパービームガンが装備されているようなケースも見られます。
同様の事は、ジーク・ドーベルにも言えます。

描写には、せっかくのハイパービームガンを備えながら格闘戦を行ったり、アンバランスなものも目立ちます。

この辺は、強化ユニットを同時リリースした弊害だと思います。
ハウンドソルジャーの魅力=「高機動&クロスソーダーを持ち格闘戦に強い」をアピールする宿命を持つ一方、同時発売のハイパービームガンもアピールしなければならない。
取り扱いには苦心の跡が見られます。

あまり砲力が描かれる事の無かったハイパービームガンですが、一度暗黒タイプのアイアンコングを撃ち抜いた事もあるにはあります。
そこから察するに、大きさに充分見合う能力は持っているもののようです。

砲撃力をアピールする描写が少なかった理由としては、ガンブラスターの存在も挙げられます。
ハウンドソルジャー&ハイパービームガンがリリースされる前月に、ガンブラスターはリリースされています。
そしてその最大のアピールは超絶大火力でした。
この時期、砲撃といえばガンブラスターというのがお約束だったので、ハイパービームガンに注目した描写が少なかったのは残念でもあり、仕方の無いような気もします。

隠れたバトルストーリーを妄想するに、コングを撃ち抜くほどの砲を持ち、更に高機動タイプであるので、移動砲台的な運用でも活用されたのではないかと思います。


強力砲 ハイパービームガン

デザインは、砲としてはこれ以上なく凝った作りで、しかもギミックも搭載。申し分ない出来だと思います。
それゆえに、わずかにある弱点が非常に惜しいと思います。
詰めの甘さは、暗黒大陸編以降のゾイドとも共通するようにも思います。

しかしそれを差し引いても、非常に魅力的な装備です。
グレードアップユニットの「ギミックをプラスさせる」というのは非常にゾイド的な発想のカスタマイズパーツです。
その第一弾としては十二分な実力を持ったパーツだと思います。

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