機獣新世紀ゾイド ガイロス帝国軍 シンカー<SINKER>

■シンカー(エイ型) データベース■

 発売年月 2000年06月  発売当時価格 600円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 EZ-032

 スペック 全長10.8m 全高3.0m 全幅12.7m 重量26.6t 最高速度 60ノット 乗員1人

 主な武装
  ホーミング魚雷(×4) ARZ加速ビーム砲(×2) ロケットブースター(×2)

 特徴
  旧ゼネバス帝国が始めて開発した飛行ゾイド、シンカー。惑星Zi唯一の海空両用機である。
  この能力が、旧式機であるはずの機体が今でも第一線で活躍できる理由である。
  水中戦から空中戦へと素早く転換する能力は、海上ゾイドにとって大きな脅威である。ただし空戦能力は低く、戦闘機型ゾイドとの戦いは苦手である。


前後より

水空両用ゾイド、シンカーです。
メカ生体ゾイド版から、カラー変更を経て、2000年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

1999年に再販された帝国側ゾイドは、ほとんどが色変更されつつも保守的な範囲での色変更でした。
しかし2000年以降は大胆に色変更をしたものが増えました。シンカーは、まさに大胆な色変更を経ての再販となっています。

個人的には設定が好きです。
多くのゾイドは再販時に「強化された」設定で登場する事が多かったですが、シンカーはハッキリと「旧式機」と書かれています。
武装設定もメカ生体版とほぼ同じで、「加速ビーム砲→ARZ加速ビーム砲」「大型ブースター→ロケットブースター」になった程度のものです。
例えばイグアンの砲が「小口径加速ビーム砲→小口径荷電粒子ビーム砲」になったのと比べると、ほとんど変化していないと言って良いと思います。

しかしその上でシンカーは「唯一の海空両用機であり、それが今でも第一線で活躍できる理由である」とされています。
「旧式であることを認めつつ、その一芸は今でも色褪せておらず実用に耐え得る」
この設定は安易にパワーアップさせたわけでもなく、かといって旧式だから使い物にならないで済まさず、キチンとその良い部分を評価しスポットを当てているという、素晴らしいものだと思います。


カラーリング

カラーリングは、先にも書きましたが大胆に変わっています。
装甲はメタリックな濃い紫になっており、赤だった部分は銀色になっています。
ただコックピットだけは赤いままとなっています。厳密に言うと色味は少し濃い感じに変化していますが。

量産機というイメージではメカ生体版に分が上がると思います。
機獣新世紀版は高級感が高く、それゆえ量産機というより特別仕様なイメージを持ってしまいます。
とはいえ、これはこれでいい色だと思います。

ただもう一つ加えると、この色は別の機に採用される事はなく、シンカーのみのカラーパターンで終わってしまいました。
この事が更に「量産機なのに特別機チックなカラー」という印象を強めてしまっており、その点から考えるとやはり残念な部分はあります。

色の他に、キャップも変化しています。
キャップはレブラプターで採用された新型キャップを採用しています。水や空気の抵抗を考えれば、旧型よりも流麗な新型キャップの方が良い気もします。
しかしここは、旧型キャップのままにしておくべきだったと思います。それは、尾部付け根のキャップを見た時に強く感じます。

旧型キャップは先端がへこんでいました。
取り付け位置から考えて、おそらくバーニアノズルを表現していると思います。これが新型キャップだと、くぼみが無いので全く表現できていないのです。
機体上面・下面のものはともかく、この位置のキャップに関しては違和感を感じます。

総じて言うと、良い部分もあるが量産機としてはメカ生体版の方が好きで、また形状変更した部分も良くないと感じます。
とはいえ、極端に悪いものではないと思います。後部のキャップにしても、2個くらいなら別の機の余剰分を借りる事くらいは容易です。


戦歴

「旧式であるがその一芸のおかげで現役である」設定で登場したシンカーですが、活躍はかなりのものでした。
初陣は囮艦隊にまんまと釣られたり敵ゾイドの対空射撃で為すすべなく落とされたという、かなり屈辱的なものでした。
更に共和国軍が対抗機ハンマーヘッドを本格就役させ、シンカーを圧倒するようになります。シンカーの活躍は無いまま終わるかと思えました。

しかしアンダー海海戦では帝国部隊の切り札として登場し、圧倒的な数によってあのウルトラザウルスに致命傷を与える大戦果を見せました。
数で押し切った感が強かったとはいえ、ハンマーヘッドもサラマンダーも居た空を抜けウルトラザウルスに肉薄したのだから大したものです。
シンカーは、旧世代の意地を見事に見せた機体だったと思います。

バトルストーリーの他、アニメにも登場しています。初代、/0、フューザーズに出ており、実はかなり出演率の高いゾイドです。
中でも初代アニメでは、「ガイロス帝国ではシンカーレースが伝統的に行われている」となっており、レース仕様に様々カスタムしたシンカーを見ることができました。

旧型機であるものの、バトストでもアニメでもなかなかの活躍を見せつけ、大いに魅了してくれたと思います。


万能機 シンカー

微妙な難点はありますが、それでも機獣新世紀版のシンカーは良い部分の方が圧倒的に印象深いです。
旧世代機を無理にパワーアップさせず、しかし活躍させ魅力はキチンと伝える。非常に難しい事を見事にやってのけたと思います。

ハンマーヘッドが誕生した以上、今後は苦しい戦いを強いられる事になると思います。
しかしながら今後もゾイド界に欠かせない魅力あるマニアックな機体としてあり続けて欲しいと思います。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド シンカー


Back
index

inserted by FC2 system