メカ生体ゾイド ゼネバス帝国軍 戦闘機械獣 ゲーター<GATOR>

■ゲーター(恐竜型) データベース■

 発売年月 1984年9月  発売当時価格 580円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 EMZ-14

 スペック 全長11.8m 全高5.6m 全幅4.4m 重量19.9t 最高速度190~220km/h 乗員1人

 主な武装
  ガトリングビーム砲 レーザーカッター MAD磁気探知機 小口径レーザー(×2) 全天候3Dレーダー 機銃(×2)

 特徴
  ゲーターはその地をはう独特のスタイルとその多種電子装置により索敵と電子妨害を主とし、攻撃力も大きなものを持っている。
  又、その速度はVTOLにより一時的には、200km/hをゆうに越すことが出来る。


前後より

帝国初の電子ゾイド、ゲーターです。
マーダに続いて登場した、帝国ゾイド第2号です。2号機にして既に電子機が登場している辺りに、メカ生体ゾイドのラインナップの濃さを感じます。

登場時期は共和国側ゴルドスと非常に近しいです。両軍とも、この時期に揃って電子ゾイドの決定版を戦場に登場させています。
開発には、おそらく共和国側の初期電子ゾイド、ゴルゴドスの影響が濃いと思います。
電子ゾイドの有効さを深く理解した両軍は、より高性能な電子ゾイドの開発を始めた…。そしてゴルドスとゲーターを比べると、面白い事が分かります。

共和国側は、ゴルゴドスを大型化する事で、多数の電子機材を積み、巨大な高性能電子ゾイド、ゴルドスを開発しています。
対し帝国側は、ゴルゴドスとほぼ同じサイズながら、電子機材をより効率化・小型化する事で、小型の高性能電子ゾイド、ゲーターを開発しています。
既存技術を積み上げる事を得意とする共和国と、革新的技術によって新しいものを作る帝国の差がよく表れていると思います。

さすがに単機の性能としてはゴルドスに及びませんが、こと小型ゆえに生産性も良く運用幅も広いでしょう。
この辺りも、合理的な感じがして好きです。


側面より

共和国の電子ゾイドといえばステゴサウルス型ですが、帝国側はディメトロドンをモチーフとするのが定番です。
ゲーターはその第一号です。
特徴的な帆が全天候3Dレーダーになっており、夜間でも悪天候でも敵をキャッチします。
レーダーのデザインは比較的シンプルに作られていますが、巨大な1枚であるゆえにゴルゴドスのレーダーよりはるかに強力そうなイメージで、なかなか良いと思います。

体全体のデザインも秀逸です。ディメトロドンは地を這うようなスタイルをしていますが、よく再現されています。
また、後脚が外を向いている辺りは、特にモチーフ再現の高い個所だと思います。


フェイス

頭部は、帝国共通コックピットをストレートに使用してあります。アレンジは皆無です。
しかしボディデザインが見事なので、共通コクピットも何となくディメトロドン風な感じに見えてくるのだから不思議です。
あるいは、共通コックピットであり牙が無いので、エダフォサウルス的な感じにも見えます。

共通コックピットを開けると、もちろんパイロットが入っています。

ディメトロドンのパイロットは1名で、全ての操作をここから行います。


武装

電子ゾイドであり、自軍の他のゾイドと比べると戦闘力で見劣りします。しかし同時期の共和国小型ゾイドに比べると、重装甲重武装です。
装甲に関しては言うに及ばず。武装も、強力なガトリング砲を備えます。
このガトリングがあるおかげで、共和国のマイクロゼンマイ級ゾイドにはほぼ勝利、重装甲SP級のガイサックとも互角程度に戦う事が出来ます。

ガトリングのデザインは、大げさな感じで非常に良いと思います。
ただ難点を言えば、中心にも砲身があるのはどうかと思います。この部分は削除しても良かったのではないかと思います。

また、尾部にはレーザーカッターと小口径レーザーを備えます。

小口径レーザーは付き位置が分かり辛いですが、側面の張り出し部分がそれです。

レーザーカッターは名称からして格闘戦用の武器でしょう。
この機体が格闘戦をする姿はなかなか想像しづらい…ですが、もしもの時の自衛手段でしょうか。
共和国機に比べて飛躍的に重装甲なので、ガリウス位ならなんとか撃破出来そうな気もします。


ギミック


ゼンマイを巻くと元気に動きます。ギミックは、初期のゾイドらしくアッサリ目です。

連動ギミックとしては、歩くだけとなっています。
特筆すべき点があるとすれば、歩行の機構はグランチュラから流用されたものが使用されています。
4足ゾイドとしては非常に珍しい例です。

手動ギミックは、顔の角度を変える事が出来るのと、コックピットの開閉が出来る位です。
ガトリングを手動で回す事もできますが、あまり回しても意味はないような気もします。

正直パッとしない印象ですが、初期ゾイドとしては平均的な出来でもあります。


戦歴

戦歴は、なかなか勇ましい感じです。

ゲーターの戦歴では、優秀なレーダーのおかげで夜間戦闘を可能とし、ガイサックを撃ちぬくシーンが有名だと思います。
また、長距離砲撃型サーベル「ザ・スナイパー」に随伴する姿も確認できており、遠距離戦には欠かせぬ存在だった事も分かります。
更に、D-DAY上陸作戦時は後継機ディメトロドンと共に、上陸部隊の先陣を切る名誉に伏しました。

電子機として、非常に優秀だったことが伺えます。
おそらく、直接描かれてはいないものの、アイアンコングのミサイル砲撃を支援したりもした事でしょう。

その他だと、改造タイプの活躍を確認する事も出来ました。

砲力に特化したタイプ。この改造タイプは、電子機材を撤去し、かわりに巨大な弾倉を付けているようです。
レッドホーンを中心とした機甲部隊に配備されているようで、このような改造タイプもできたという事は、母体としても非常に優秀だったことが伺えます。
初期のゾイドながら、文句の付け所の無い優秀な機体です。

しかしディメトロドンの本格就役後はさすがに旧式化したようで、次第に姿を消してゆき、ついに一線を退きました。


帝国初電子機 ゲーター

初期帝国ゾイドでありながら、その完成されたデザインは傑作と呼ぶにふさわしく、また戦歴的にも光るものがあります。
ギミックはまだまだ発展途上という感じですが、それを差し引いても素晴らしい完成度を誇っています。
夜間戦闘可能。長距離砲撃のサポート機。改造で火力支援器にもなれる。
主役という感じではありませんが、裏で支える名脇役だと思います。

このようなゾイドが居たからこそ、ゾイドワールドがより魅力的になっていったのは確かです。
初期から、このようなゾイドをリリースした事に改めて魅力を感じます。


バリエーションモデル

 機獣新世紀ゾイド ゲーター


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