メカ生体ゾイド ゼネバス帝国軍 ヘルダイバー

■ヘルダイバー(シュモクザメ型) データベース■

 発売年月 1987年7月  発売当時価格 100円  動力 なし

 型式番号 EMZ-14

 スペック 全長6.6m 全高2.0m 重量2.9t 水中最高速度80ノット 乗員1人 ※てれびくんより

 主な武装
  超小型魚雷(×2) ヘッドカッター ※てれびくんより

 特徴
  高性能ソナーで敵を見つけ、超小型魚雷でやっつける。海の中での素早さは、誰にも負けない。 ※てれびくんより


前後より

帝国軍の海戦用ゾイド、ヘルダイバーです。
サメらしい、いかにも水の抵抗が少なく高機動を思わせるフォルムが魅力的です。

サメ型ゾイドですが、あえてホオジロザメやアオザメを使用せずシュモクザメにしたのが面白いです。
トリケラトプスじゃなくてスティラコサウルス型にしたレッドホーンなど、ゾイドは時に素直じゃないモチーフ選択をします。
ヘルダイバーもそういった例になると思いますが、マイナー系というか、直球じゃないモチーフを混ぜて使った事こそが、ゾイドワールドをより広げたと思います。

また、シュモクザメはサメとしては非常に珍しい特性があります。それは巨大な群れを成す事です。

この特性は、アタックゾイド=超量産機というイメージと重なります。こういった意味でも、シュモクザメをモチーフにしたのは上手いと思います。

アタックゾイドなので、もちろん極小サイズです。パイロットが登場すると、よりそのスケール感が分かります。

ちなみに実際のシュモクザメは2~4m程なので、だいたいヘルダイバーの1/2~1/3程度の大きさです。


側面より

側面から見るとラインの美しさがよく分かります。サメらしく、水の抵抗を極限まで減らしたラインは見事です。
ゴチャゴチャとしたディティールを入れず、シンプルにラインに徹したのは大正解だったと思います。
まぁ、「アタックゾイドだから、そもそも複雑に造り込むのは不可能だった」というのもあるとは思いますが。

ラインの美麗さという点では、ヘルダイバーは全ゾイド中でもトップクラスの出来だと思います。
美麗なラインの他にも、サメ特有の特徴的なエラが再現されているのも良い点です。
ただコックピット部分の簡素過ぎる造りだけは、アタックゾイド共通の弱点とはいえ残念です。

武装は、下部に魚雷を二本積んでいます。アタックゾイドとしてはなかなか大型の装備ですが、体の美麗なラインを崩さず積んでいるのは秀逸です。
また、頭部の張り出し部分はヘッドカッターとされています。大きさから考えて、対ゾイド用の格闘兵器というよりダイバーを意識した対人用装備だと思います。
水中での破壊工作を行うダイバーは、なかなか邪魔な存在だったでしょう。頭部がヘッドカッターになっているのは理にかなった装備だと思います。
設定には「高性能ソナーで敵を見つけ」という一文もあります。なので、頭部はヘッドカッターであると同時に高性能ソナーであると考えても良いと思います。


海戦機

海戦で威力を発揮するゾイドですが、極小サイズです。「艦」というよりむしろ「艇」と言った方が似合います。具体的に言うと魚雷艇クラスであると思います。
しかし超小型ながら魚雷を二本積んでおり、大きさの割には重武装なゾイドです。小型高機動な性能な特性を活かし、戦場ではさぞや小うるさい存在だったと思います。
帝国海軍としては、特にシンカーと並べると絵になると思います。

ちなみにヘルダイバーと言えば、「飛べるか飛べないか」が謎な所です。
個人的には、初めて見た時、何となく飛べるんじゃないかなあと思っていました。
というのもシンカーが飛べるので、ヘルダイバーだって飛べてもおかしくないだろうと思っていたというのがあります。
また、共和国側のカブトガニ型シーバトラスが飛べるので、対になるヘルダイバーだって飛べるべきだろうと思っていたというのもあります。

しかし、そういった明確な設定は無いし、むしろ戦歴を見ると水上や水中で運用されるシーンばかりとなっています。
この問題に取り組むべく、アンケートを行ってみたりしました(第45回アンケート)。またSSを書いてみたりしました(HELLDIVER)。
結局、こういった事をしても結論は出ずじまいに終わりました。
しかしこういった事を経て、今は、ヘルダイバーは水上/水中での運用が主であり、飛行は出来たとしても「滑空」あるいは収納時に「浮く」程度であると思っています。

こういった疑問に関しては今後さらに研究したいと思っています。


可動

動力は搭載していないものの、手動である程度可動します。そしてその可動は、なかなか優秀です。

最大の可動は、尾びれを左右に振れる事です。

付け根と尾びれ基部が動きます。これで魚らしくビチビチ動かす事が出来ます。極小ゾイドながらツボを押さえた出来です。

また、これは意図したものかどうかは不明ですが、ヒレも動きます。

接続が単純な凹凸で構成されているゆえの可動です。
実際のヘルダイバーにこういう動きが出来るのかどうかは謎ですが、動きを制御する際にこのように動かす事もできると考えても面白いと思います。


戦歴

戦歴は、なかなか勇ましいものを持ちます。

ゾイドバトルストリーでは活躍は描かれていませんが、てれびくんでは大きく取り上げられています。
ウオディックを旗艦とする艦隊で共和国水上基地を奇襲したり、ブラキオスを旗艦とする水中部隊で破壊活動を行ったりしている姿が確認できます。

水上基地を奇襲した際は、基地防衛のバリゲーターを鹵獲するという大手柄をあげています。
水中部隊としては、クラブラスターと共に多数が配備されており、その戦力の中核である事が伺えます。

はるかに大型のバリゲーターを鹵獲した一件は、特に勇ましいです。
超小型ながら戦場を軽快に走り回った名機。誇って良い戦歴だと思います。


魚雷艇 ヘルダイバー

美しいライン、勇ましい戦歴。魅力は尽きません。
帝国側アタックゾイドでは、一番好きな機体だったりします。

魚雷艇というのは戦艦や駆逐艦のように華がある存在ではありません。むしろ注目される事すら珍しい地味な存在です。
しかし量産性と一撃必殺の魚雷の力で、意外な見せ場を作る事もある無視できない存在でもあります。

ヘルダイバーは、帝国海軍をいっそうリアルに盛り上げる重要なゾイドだと思います。
今後、どうかピックアップされる機会が増える事を強く願います。
ヘルダイバー大活躍を描けというわけではなく(もちろんあれば嬉しいですが)、諸々の作戦が行われウオディックやブラキオスが激しく戦っている。その隅にヘルダイバーが映っているだけで、リアルさが大きく増すと思います。

アタックゾイドの水上/水中戦のエース。その活躍にいっそう期待したい所です。


バリエーションモデル

なし


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