STARLOG 1985年8月号

■STARLOG 1985年8月号 データベース■

 発売年月 1985年8月1日  発売当時価格 750円  発行所 (株)ツルモトルーム


STARLOG

STARLOGとは、「SF」をキーワードにした雑誌です。SFをメインに据えたものとしては、日本では最初期に誕生した雑誌で、1978年にスタートしています。
マイナーな雑誌ながら中身は非常に濃く、SFファンからは絶大な人気・支持を集めていました。
しかしSFという言葉が次第に世間に浸透し、他社からもSFを扱った雑誌が刊行されだすと、販売部数で苦戦するようになります。
残念ながら1987年に通算100号を発刊すると同時に休刊してしまいました。
今でも、根強い人気を誇る雑誌です。

内容としては、メインはSF映画の紹介や特集でした。
しかし映画の他にもSF小説やビジュアルアートなども扱っており、総合SF雑誌といってもいい雑誌でもあります。
そして’85年8月号には、SF世界観を持つ玩具シリーズとして、ゾイドが紹介されています。

STARLOGは、SFだったら何でも掲載するわけではなく、秀逸な世界観を持つ/SFを感じさせる作品のみ、掲載が許されるものでした。
初期のゾイドは、限りない宇宙を感じさせる、SFを前面に押し出した世界観を持っていました。
秀逸なSF世界を持つ者のみが掲載されるSTARLOGにゾイドが掲載されたのは、大いに誇るべき実績だと思います。


特集ページ

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Making of ZOIDS ZOIDS WORLDはこうして作られる

ワンダー・トイ「ゾイド」のアイデアから製品までのプロセス

大量に店頭に並ぶ数々のおもちゃ。ヒット商品はその中でもひと握りに過ぎない。
そんなおもちゃはどのように開発されるのだろうか?誰もが一度は考えることだろう。
ここでは、子供から大人まで、そして海外のホビーマニアにまで受けている「ゾイド」を例に、おもちゃ開発の裏側を探ってみよう。

「ゾイド」開発スタッフはたったの4人。最初のゾイドは日本でなく海外で発売された。
古典的とも言えるメカニックから生み出される想像以上のアクション、デザイン関係の人々からも支持されるフォルム。
人間味のあるおもちゃが見直され、「ゾイド」のような”純玩具”に人気が集まっているが、それらはやはり直に人の手の温もりの中で作られていた。

「LSI流行りのおもちゃ界にゼンマイと歯車で挑んでみよう」
それがゾイドの始まりだった。
原動力がモーターかゼンマイで必ず一つだけ。そして組立分解が可能―――を原則にデザインと機能の両面からプランが立てられる。

何十枚の中からイメージスケッチをもとに発泡アクリルでモックアップ、そして動きをテストするためのモデルが作られる。
こういった製品の開発は、精密な図面や力量計算が重要に思われがちだが、むしろテストモデルを動かしながら、継ぎ足したり削ったりする具体的な実験が多いとか。
そうした中でデザインもメカニックも必然的な形になってゆくが、ありきたりの製品になるというよりは、「ゾイド」に存在感が出てくるのが面白い。
企画から10ヶ月もの間、開発スタッフが大事に保ち続けたイメージが確実に製品となっていく。

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メカ生体ゾイド初期の制作の空気が伝わってくる、ファンにとっては何よりな資料になっています。
初期において立てられた制約や哲学が読み取れるのも、非常に興味深いです。
制作のプロセスが詳細に語られており雰囲気が伝わってくるのは、ファンとして嬉しるぎる所です。

貴重な当時のスケッチやモックアップが見れるのも大きなポイントです。特にシンカーは多くの資料が拝めます。

発売時期としては、この年の年末商戦アイテム・アイアンコングが発売される直前。
無敵のゴジュラスにライバルが誕生し、ゾイドがいよいよ勢いを増してゆく中で発売されています。

この後、皮肉にもゾイドはSFではなくミリタリーなリアルな世界観に突き進んでゆく事になります。
しかしこのような当時資料を見ると、当時のゾイドが、当初目指していた世界観が感じられ、非常に興味深いものです。

ゾイドが絶頂を迎えた時、その世界観は完全にリアル系ミリタリーなものになっていました。
そのイメージは永らく続きました。あるいは今でも続いていると思います。
しかし2010から始まった「ゾイドコンセプトアート」は再びSFを前面に押し出した世界観を示していました。

ゾイドコンセプトアートを読み解くには、「初期のゾイドが目指していたSF」を知る必要があると感じます。
その為に、SFに特化した雑誌にゾイドが掲載されていた という事実は、大きな意義をもって感じられるものと思います。

 

1985年の雑誌なので、当然、入手難度は高くなっています。
しかし、映画雑誌は個人経営の古本屋が好んで取り扱うジャンルでもありますので、そのあたりを地道に探せばヒットは不可能ではないと思います。
非常に良質な資料、かつ雑誌自体も素晴らしいものです。
数ある資料の中でもなかなかお勧めできる一冊になっています。


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