ビッグポーズ

■ビッグポーズ データベース■

 発売年月:198?年  発売当時価格:一回50円  発売:アマダ


ビッグポーズ

メカ生体ゾイドシリーズ時に発売された周辺アイテムです。発売はトミーではなくアマダです。
発売年は不明ですが、おそらく1986年と思われます。もしかすると1985年後半かもしれません。
玩具屋ではなく、主に駄菓子屋を中心に販売されたミニアイテムです。

アマダだというメーカーについて少し触れると、駄菓子屋用のミニ玩具を多く作っているメーカーです。
それはもうメンコやシールやミニフィギュアなどなど、いかにも駄菓子屋という感じのアイテムがごまんとあります。

そんなアマダは、メカ生体ゾイド時代に多くののゾイド関連グッズを出しました。ビッグポーズもその中の一つです。
そしてまた、アマダのゾイド関連グッズの中でおそらくもっとも有名であろうものがビッグポーズです。

私は幸運にも「ボックス」ごと手に入れる事ができました。
駄菓子屋にはこの状態で置かれています。さて、ボックスの中には商品が入っています。

サーベルタイガー&カノントータスの紙袋。この状態では中身が何か分かりません。
一回50円で好きな袋を一つ選びます。すると中にラインナップのいずれかが入っているというわけです。
ちなみに袋の中には2個ずつ入っています。
一個あたりの単価は25円。おそらく史上最も安価なゾイドと言えるでしょう。


仕様

ビッグポーズは12種類のゾイドがラインナップされています。
共和国側:ゴジュラス、カノントータス、ガイサック

帝国側:レッドホーン、サーベルタイガー、アイアンコング、マーダ、ゲーター、モルガ、マルダー、シンカー、ヘルキャット
という構成です。やたら帝国側の方が充実している理由は不明です。
この頃はまだ共和国側が主役という雰囲気が濃かったのですが、にもかかわらず帝国側の方が多いというのは不思議な事です。
共和国側ゾイドはディティール量が多く敬遠されたのでしょうか。

さてラインナップは12種類ですが、カラーが青、オレンジ、黄の3パターンあります。
カラバリまでコンプしようとすると、12種類×3=36種類のラインナップとなっています。

材質はゴム。キン消しやガン消しと同じ感じのアイテムです。
もちろん消しゴムとは名ばかりで実際に文字は消せません。モデルが汚れるだけなのでしない方が賢明です。

大きさは3cm程度の極小サイズです。

ゼンマイゾイドと比べるとこの通り。
しかしそんなミニサイズの中に、魅力がギュッとつまった良アイテムでもあります。

ここからは、各機毎に紹介します。


ゴジュラス

数少ない共和国ゾイドですが、やはりというかゴジュラスはラインナップされています。
当時のチビッコにしてみれば一番の当たりがゴジュラスではないでしょうか。

複雑なディティールは省略が目立ちます。火器類も全撤去されています。
しかし、全体的な体形や特徴的な背びれ、無数のキャップはできる限り再現されています。
小サイズながらもひと目でゴジュラスと分かる造形はなかなかのものです。


実は、造形はただのゴジュラスではありません。肩や足のアーマーを見ると分かるのですが…、

箱裏バリエの改造ゴジュラスを再現したモデルになっています。
「発売された改造ゾイド」という意味でかなり貴重かもしれません。


カノントータス

カノントータスの出来は極めて良く、モールドのシャープで的確な造りが魅力です。
細かい部分まで再現されています。ほぼ文句のつけようのない造形です。

カノントータスと言えば左右非対称の機体です。側面の機関部の形状が違うのです。
そこも見事に再現されています。完璧な仕上げです。

ただ一点、突撃砲の仰角がやたら高い事だけは気になります。なんでそんなにあげているのか…。
確かに最大仰角で放っている感じで悪くはないんですが、水平かややあげた程度の角度にした方が良かったような気がします。

その他では、

腹側を見ると、脚が「左右でつながった」感じになっています。
これは金型の事情…、一発成形している事を思えば仕方のない処理です。


ガイサック

ガイサックが選ばれた理由は不明です。ただ本家キットで言うと重装甲sp級で最も売れたゾイドはガイサックらしいです。
だからビッグポーズの枠を勝ち取ったのかも…。
しかし、あえて8本足の超複雑なガイサックに挑戦したのは凄いなぁと思います。

よく見ると分かりますが、コックピットは通常タイプ・側面には重装甲パーツのエネルギータンクを付けているようです。

造形は悪くない…というか、よくぞ8本足のガイサックをここまで見事に作ったもんだと思います。
ただ、尻尾がやたら小さい。ここが惜しいです。
尻尾があまりにも小さいのであまりサソリに見えません。尻尾さえ十分な大きさだったらもっともっと良い見栄えになっていただろうと思うと実に惜しいです。


レッドホーン

帝国側のラインナップは当時の大型ゾイドをを全てカバーしています。
まずはレッドホーンです。見事な仕上がりをしています。
共通武器セットはありませんが、サイズを考えれば省略はやむないでしょう。違和感はそれほどありません。
その他では背中の連装砲が単装になっている事が違いでしょうか。
ただ、これも「あえてそういうバリエーション」に見えてくるくらいに違和感なく綺麗に仕上げています。

やはり全体的につるっとした帝国ゾイドの方が作りやすいのでしょうか。

バランスも完璧です。改めて見事な仕上がりです。脚の角度もドッシリ感のあるとても良い感じになっています。


サーベルタイガー

サーベルタイガーも良い出来です。やはりバランスは完璧です。
レッドホーンと同じく、背中の連装砲が単装化しています。やや軽装化しているので、より高速性を高めたバリエーションと解釈しても面白いかもしれません。

細かい事を言うと右側の頬に大きなピン跡があるのがちょっと頂けません。
ピン跡はラインナップ全てにあるのですが、ここまで露骨に付いているのはサーベルタイガーのみです。


アイアンコング

(この時代の)帝国最強ゾイド、アイアンコングもやはり良い出来です。
特に背面から見ればその見事な仕上がりが分かります。ディティールを的確に再現しており完成度の極めて高いモデルになっています。
レッドホーンやサーベルタイガーと比べると、ミサイルが二連装で再現されているのも嬉しいです。

腕に「曲げ」の角度が素晴らしい。これも魅力です。
ただ肩の6連発ミサイルが省略されている事だけは違いです。が、それもあまり気にならない位に良い出来です。
ビッグポーズの帝国大型ゾイドはいずれも最高の出来です。


マーダ

帝国ゾイド第一号、マーダもラインナップになっています。マーダは背中の武装を電磁砲orミサイルポッドで選択しますが、ビッグポーズでは電磁砲タイプになっています。
細身で足の長いマーダがよく再現されています。二足でキチンと立つのも好感です。

造形は完璧とも言える出来ですが、思わぬ落とし穴もあります。それは脚が非常に長い事です。
長い脚は紙袋の中で「曲り癖」が付きやすい。けっこうな確率で、脚が曲がっていて自立できないマーダが混じっています。
それはそれは切ないマーダです。

そうした場合は熱湯でいちど茹でてやると元に戻ります。ただ当時はそんな知識もなく自立しないマーダにやるせない思いを抱いたチビッコも多かったと思います。


ゲーター

ビッグポーズのラインナップでは唯一の電子戦機です。良い出来ですが、他の機に比べるとあと一歩という感じもします。
主武器のガトリングがまるでそうは見えない感じになっているのは頂けません。

ボディが分厚くなっているのも特徴でしょうか。他の機に比べて再現度はやや低めです。
もっともゲーターの出来がイマイチというより他の機の出来が良すぎると言った方が適切でしょう。

カノントータスと同じく、脚は左右でつながっています。

短足機に共通する造形です。


モルガ

マニアックな魅力を持つん名機、モルガもラインナップです。
パッと見で気付くと思いますが、上部にパラボラアンテナを持った改造タイプです。
箱裏バリエーション「情報隊用仕様」になっています。

ゴジュラスと同じく、箱裏バリエの再現というマニアックで貴重なチョイスです。

しかしなぜ箱裏バリエにしたのかは不明です。
ゴジュラスの場合はオリジナルのままだとディティール量が多すぎる。なので造形しやすい箱裏バリエにしたと考えられます。
ですがモルガはあえて情報量の多い箱裏バリエにしている。ゴジュラスと逆に、オリジナルのままだとシンプル過ぎると思われたのでしょうか。

モルガは弱点があります。理由は全く謎ですが、なぜか本来は上向きについているはずの触覚が下に付いています。
下に向けて触覚が伸びている…。なのでモルガは安定して置くことが困難です。右か左かにこけてしまいがちです。
アンテナの造形は良くできていて嬉しいラインナップなのですが、ちょっと台無しな部分もあります。


マルダー

帝国初の重装甲SP旧ゾイド、マルダーもランナップに入っています。
左右非対称の機体ですが、それは見事に再現されています。

さて見ての通りアレンジされています。前方に二連装砲が付いているビッグポーズ独自の改造タイプになっているのです。
……というのは嘘です。

マルダーは、ビッグポーズの中では唯一だけ組み立てが必要な仕様になっています。
二連装砲部分を切り取って頭部側面に付ければ…、

マルダーが完成します。それにしても唯一の組み立てがマルダーとは面白い事です。それだけこだわりがあったのでしょうか。

バランスは完璧にマルダーです。左右非対称の再現もよくぞやってくれたという感じです。


シンカー

マルダーに次ぐ帝国重装甲SP級第二弾、シンカーもラインナップに入っています。
ディティールはよく再現されており、ほぼ完璧にシンカーが再現されています。

唯一、オリジナルと違うのは翼下のコバンザメ魚雷が省略されている事です。が、あまり気になるものではありません。
その他で細かい部分をみると、ロケットエンジンブースターの造形が特徴的です。
オリジナル物よりも、もう一段内部に小さなエンジンが入っているように見えます。
この辺りは解釈次第で面白いメカが見えてきそうな気がします。

あとは裏面の造りが細かい所も特徴です。

やはり飛行ゾイドなので下から見上げる事も多い。この部分が良く出来ているのは嬉しい仕様です。


ヘルキャット

史上初の四足高速ゾイド、ヘルキャットもラインナップに入っています。
似た体形のサーベルタイガーがいるにもかかわらず、堂々ラインナップ入りです。
ビッグポーズではアイアンコングは居ますがハンマーロックは居ません。レッドホーンは居ますがゲルダーは居ません。
こう考えると、当時から猫科ゾイドはとても人気が高かったんだなあという事が分かります。

造形は各部のモールドが非常にシャープで気持ちの良い仕上がりです。
サーベルタイガーと並べてみても面白いでしょう。ただし、大きさはどちらも同じになっていますが…。


ミニサイズ名アイテム ビッグポーズ

そのサイズや一体成型の仕様から省略された部分もあるし、成形色が一色なのも寂しい感じがします。
こうして一覧にすると、ラインナップの偏りも改めて残念に思います。
共和国側もゴルドス、サラマンダーくらいがあれば良かったのですが…。

しかし、それでもビッグポーズは魅力にあふれています。
50円でゾイドが二個手に入るビッグポーズが当時のチビッコゾイダーに与えた夢の量は計り知れないでしょう。
小さいし細かく見れば不満だってある。でも間違いなく名アイテムだと思います。

ビッグポーズが街の駄菓子屋に不通に置いてあった時代…。なんともいい時代です。

ちなみにゾイドバトルストーリーのジオラマにも多く登場しています。
ビッグポーズが画面に奥行き感を出しました。まさに名脇役なアイテムと言えます。

ちなみに、このシーンもそうですがマルダーは組み立てをせず「前部に二連装砲を付けた改造タイプ」といった感じで登場する事もありました。
いっそ、ビッグポーズのマルダーはそのような仕様であると思っても良いかもしれません。

 

さて、ビッグポーズの”通常ラインナップ”は以上です。非常に魅力あふれる事が分かったと思います。
そして”通常ラインナップ”と言った事から分かるように”特別ラインナップ”もあります。

それについては別項目を設けて紹介したいと思います。


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 カラーポーズ人形

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