Last Rebellion 登場機体解説

ここでは、Last Rebellionの作中に登場したゾイドを解説します。
ほとんどのゾイドは、箱裏などの公式設定を流用せず、オリジナルの設定を加味しています。


■レッドホーン改
いきなり撃破されている、最初の愛機です。
作中にもあるように、装甲を全て強固な複合材に換装してあります。
正面の分厚い前盾はウルトラキャノン砲にも1,2撃なら何とか耐えて見せます。

この機体はワンオフ機ではありません。
技術革新により新金属が開発されており、この時期の帝国ゾイドは皆、装甲が換装され、より防御力が高くなっている設定にしてあります。
レッドホーンは初期型のアイアンコングよりやや高い程度(前盾は遥かに高い)、アイアンコングならデスザウラーよりは劣るも初期型の1.5倍程度には強固になっているとしています。

反面、見た目はほぼ変化していません。
もちろん、内部的にはゾイド生命体からのエネルギー伝達システムも初期型より洗練されており、稼働時間や運動性など向上していいます。
レッドホーン改に関しては、てだれが戦えばディバイソンとも互角に近い戦闘も可能、ノーマルタイプのシールドライガーではなかなか歯が立たない程の強さです。
"弱小"と呼ばれたレッドホーンが、この時期にもまだ一戦に留まり続けていた事から導いた機体です。

 

■改造型ディバイソン

最初にレッドホーン改と交戦し、これを撃破。後にデスザウラーに破壊されている機体です。
作中では「17門の突撃砲は全て撤去され、代わりにゴジュラスの長距離キャノン砲より大きい大砲が2門付いていた」とだけ記載しています。
このディバイソンは、量産型ビッグバッドジョンです。
この時期、ディバイソンの生産の半数近くはこのタイプになっているとしています。

帝国機の防御力向上を受け、もはや17門突撃砲では小口径すぎ、コングやレッドホーンに対して不十分になっていた。
そこでチェスター教授救出作戦で活躍した大口径砲搭載型ディバイソン・ビッグバッドジョンを量産する計画が立った……というような感じです。
(ただし対小型・中型ゾイド用としては、引き続きノーマルタイプが生産されている)
しかし、ビッグバッドジョンはあくまでワンオフの改造機。そのままの構造で量産するわけではなく、量産機として調整された上で生産されています。

ビッグバッドジョンはデスザウラーにも大穴を空ける86cm砲を持っていましたが、絶大な威力を誇る反面、巨砲過ぎるゆえに携帯弾数が圧倒的に少ないように見えます。
ディバイソンの盛り上がった肩……砲塔のスペースと86cm砲砲弾の大きさから考えると、存分に撃ちまくれる量は確保できないと思います。
更に、ビッグバッドジョンは、17門突撃砲のうち両脇の8門を残してありました。
当然、この砲の弾も同じ砲塔内にあるものでしょう。なおのこと弾数が少ないと思います。

そこで口径を小さくして(46cmを想定している)、その代わりに携帯弾数を増やしたタイプとして考えました。
また巨砲はどうしても速射性に劣ります。発射のタイムラグを防ぐため、連装式の砲にしました。
(このディバイソンの46cm連装砲は、同時発射ではなく交互撃ちが基本スタイルです)
作中にもあるように、両脇の8門の突撃砲も撤去してあり、純粋に巨砲のみを備えるタイプとしてあります。
おかげで携帯弾数は充分な量を確保出来、実用性が大幅に向上したという感じです。

砲身は短く、臼砲のような外観をしています。
短砲身にしている理由は、長砲身にすると砲身重量が重すぎ砲が垂れ下がってしまうのと、砲身が長いと超硬角(ツインクラッシャーホーン)での体当たり時に邪魔になるからです。
短身砲ゆえに長距離砲撃には適しません。最大射程は10km位です(ウルトラザウルスは学年誌では100km先を砲撃した事もある)。
至近距離ならウルトラキャノン砲以上の威力を発揮する反面、距離をとられれば使い物にならないものでもあります。
ただし、もとが突撃機ディバイソンなので、その点は特に問題にはなっていません。
また、この量産型ビッグバッドジョンの運用実績を受け、後のカノンフォートが生まれたとしています。

 

■デスザウラー ツインゼネバス砲装備型
今作の主人公機です。
マッドサンダーの登場で、帝国の前線は崩壊しました。
帝国に再び優位を戻す為に対マッドサンダー用デスザウラーが計画され、それにより誕生したゾイドです。
ツインゼネバス砲装備型は、荷電粒子砲を極限まで強化し、強引にマッドサンダーの前盾をぶち抜く事を目標に開発されています。
しかし完成を前に研究所直前まで共和国部隊が進撃。やむなく開発は打ち切られ、研究所ごと放棄されています。
研究所が爆破などされていないのは、再び状況が落ち着いた暁には、研究を再開するつもりだったからです。
偶然にも少年兵が施設とデスザウラーを発見。
更に偶然にゾイドを操縦できるパイロットを見つけた事で起動する事になりました。

通常のデスザウラーと違い、両肩に巨大な砲を2門持ちます。これは荷電粒子砲です。
ゼネバス帝国の誇りとも言うべき荷電粒子砲を連装で持った装備は、ツインゼネバス砲の異名を持ちます。
これを装備したデスザウラーは、口+両肩=合計3門の荷電粒子砲を持つことになります。

強引にマッドサンダーの前盾をぶち抜く事が目的なので、3門の荷電粒子砲は同時発射されます。
全て一点に当てれば、通常のデスザウラーの2倍程度の威力を発揮でき、さしものマッドサンダーも貫けるだろうという算段です。
ただ、いまだ研究段階の装備ゆえに多くの問題を持ちます。

①ツインゼネバス砲は、荷電粒子コンバーターの機能はありません。
 放つ直前にオーロラインテークファンを回し、そのつどエネルギーチャージを行う必要があります。
  それゆえに発射までのチャージ時間がノーマルタイプより格段にかかってしまいます。
  (エネルギー充填率が低い段階で発射する事も可能だが、それではこの砲を装備する意味もあまり無い)

②冷却機関に不備があります。
 3門の荷電粒子砲にエネルギーを送り込む為、体内のエネルギー増幅装置"シンクロトロンジェネレーター"が強化されています。
 しかしノーマルデスザウラーの段階で既に限界近い性能を引き出していたシンクロトロンジェネレーターを更に強化している為、
 発生する熱量は甚大になっています。
 それに対し冷却機能が追いついていない為、フルチャージ時は発射前に自爆の可能性があるという致命的欠陥を持ちます。

③砲身の強度が不足しています。
 ツインゼネバス砲の砲身には、そうとうの強度が与えられています。
 それでも荷電粒子砲の膨大なエネルギーに耐える事はかなわず、数発撃っただけで、自ら放った発射エネルギーによって砲身が
 溶けてしまう様になっています。

これらの問題は、コスト面を度外視すれば、時間さえあれば何とか解決される問題でした。
しかし逼迫する戦況はそれを許さず、諸々の問題点をかかえたまま、とりあえず現段階での試作機が製作されます。
これが、今作の主人公が乗ったデスザウラー ツインゼネバス砲装備型です。
研究は、このツインゼネバス砲搭載型の試作機を使用し実験を実施。
諸々の問題の解決へ繋げるためのテストベットとして使用する予定でした。

元ネタは、電撃ホビーマガジンに掲載された資料です。

幻の強化パーツ…、検討はされたが結局発売されなかったカスタマイズパーツやゾイド強化案を紹介するコーナーにて、ツインゼネバス砲を装備した強化型デスザウラーが掲載されていました。
今作のデスザウラー ツインゼネバス砲搭載型も、見た目は同じものです。
ただ中身は前記した通り別物です。
こちらは、単純に強くなる万能強化装備のようですが、それでは面白く無いので今回のような設定に改めました。
また、発射のタイムラグを補うのではなく、3門一気に発射して穿つというコンセプトに変更しています。

 

■ゴジュラスMK-II量産型
作中では2度登場します。
最初は、二機でデスザウラーに挑むもあっさり敗北。2度目は完全なやられ役です。
どちらも、自慢のキャノン砲を放っていますが命中弾を得ていません。
ゴジュラスのキャノン砲は実弾砲なので、弾道は放物線を描き、また風などの影響も大きく受けます。
ビーム系の砲(荷電粒子砲含む)に比べて格段に命中率が低くなっています。
それでも共和国が実弾砲中心の構成で勝利を得れたのは、百発一中の砲を運用するゾイドでも100機運用できたからでしょう。
逆に、ビーム砲中心の帝国軍は、百発百中の砲を運用できたがゾイドを1機しか運用できなかった事が敗因と言えます。

ゴジュラスは、レッドホーンと違い初期型からさほどパワーアップしていません。
共和国側も、もちろん時代と共に新素材…、より強くて軽い金属が開発されています。
しかしゴジュラスは装甲率が少ない。装甲をより良い材質に換装したところであまり意味が無かったのです。
それゆえにパワーアップした帝国機に対し戦力的優位はかなり薄れています。
しかし初期の活躍を知る共和国上層部とって、ゴジュラス神話は根強く、いまだに生産は続けられています。

この設定は、ゴジュラスがバトスト後半であまりにもやられ役になっている所から導いたものです。

 

■偵察型シールドライガー
デスザウラーに接近し、イエローフラッシュを浴びせかけます。
デスザウラーの奮闘振りに業を煮やした共和国軍が、対デスザウラー ツインゼネバス砲装備型用に改造したゾイドです。
背中にイエローフラッシュのタンク、および噴射口を持ちます。その他はノーマルと同じ外観をしています。
改造といっても、シールドライガーにタンクと噴射口を付けただけなので、ほとんど現地改修レベルの簡易改造機です。
塗料の詰まったタンクは、空気抵抗こそ増えていますが重量はビーム砲より格段に軽量。
最高速度はノーマルと同じ250km/hを維持しています。

イエローフラッシュとは、かつて帝国軍改造ゾイド、デスシャドーが運用した特殊兵器です(バトスト4参照)。
黄色い特殊塗料で、強力な電波を発する特性があります。
それゆえにこれを浴びたら最後。どこに身を隠そうが容易に探知されてしまうという算段です。
もちろん、完全に塗料を引っぺがせば大丈夫ですが、自軍基地で整備を受ける事など出来ない主人公たちは、これに悩まされます。
もともと帝国軍固有の装備でしたが、共和国軍も同性能のものを開発する事に成功しています。

共和国軍の作戦は、シールドライガーがイエローフラッシュを浴びせることが作戦の第一段階。
その後嫌がらせのように休む間を与えずに接敵交戦。疲労を誘う。
その後に大勢力で叩き潰すというものでした。

 

■ウルトラザウルス
作中では、デスザウラー掃討作戦で登場し、ツインゼネバス砲の餌食になっています。
ゴジュラスと同じく、初期型からあまりパワーアップはしていません。
砲撃するもデスザウラーに命中弾を得る事はかないませんでした。
この辺りはゴジュラスMK-II量産型と同じような理由です。

 

■マッドサンダー
共和国軍が総力を挙げて開発した、究極の対デスザウラー用ゾイドです。
作中ではデスザウラー ツインゼネバス砲装備型と決戦します。

前頭部の盾・反荷電粒子シールドは、デスザウラーの荷電粒子砲を完全にガードします。
デスザウラーの鹵獲機など無い状態で製作されているので、荷電粒子砲に理論上耐えられる構造にしたといっても、かなりの不安はありました。
それゆえ、反荷電粒子シールドは理論値よりもかなりの余裕を持って設計されています。
作中で3門の荷電粒子砲の嵐に長時間耐えたのは、この余裕ある設計ゆえのものです。

共和国部隊は、マッドサンダーを中心に、左後方と右後方にウルトラザウルスおよびゴジュラスMK-II量産型を配置していました。
この配置は、「砲撃でデスザウラーを沈める」事を前提としており、「デスザウラーが荷電粒子砲発射体制に入れば、それと同時にマッドサンダーがその射線上に移動し部隊を守る」事を念頭に置いている為です。

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