アニメの感想 第4話

こちらのコラムに続いて、第4話の感想です。

3話で序章は終了。4話からはアラシがワイルドライガーと共に旅に出ます。

3話終盤でベーコンはアラシを自身のチーム「シュプリーム団」に誘おうとしますが、誘う直前にアラシは自分のチームを創る事を宣言。
今まで頑なに反対していた爺ちゃんからの理解も得られ、旅に出たのであった……。

ところでシュプリーム団というチームはとてもいいなと思います。
チーム。リーダー・ベーコンが言うには「ファミリー」ですが、それでもいつも行動を共にしているわけじゃない。
みんなそれぞれ好きなように行動している。でも大切な時は駆けつけるし心は繋がっている。
そんな大切な仲間だけど束縛されない関係が気持ちいいです。

さて余談はこれくらいにして4話の感想です。

第4話「強敵!デスメタル四天王」

冒頭でいきなり食料が尽きて死にそうになるアラシ。それを救ったのはなんとデスメタル側の人物であった………。

今作は「デスメタル側にも正義がある」との事で、このテーマをずっと追っているんですが、今回は重要な情報が分かりました。
どうやら各地(辺境?)の村から人員を徴用し仕事を任せている。報酬も払っているようだ……。
「経済を回している」
なるほどこういう事をしているなら、存在意義が大いにあります。
2、3話の感想記事で、デスメタル側には「人間中心の視点で見た正しさ」があるのではと推測しました。やはりそうなのだろうか。

とはいえ3話終盤ではアラシの村を焼こうとしていたし(※)、「仕事を与えて報酬を払う」という事だってただの方便・仕事だけやらせて報酬は反故にする可能性がないわけではありません。なにしろ力がある者はそういう振る舞いができる。相手は理不尽でも受け入れざるを得ない……。
今回はデスメタル側の正義が少し見えつつ、いやしかしそれでもまだ不安な部分もある。そんな回でした。
「デスメタル側にも正義がある」これはやはり今後も注目したいテーマだと改めて思います。
※これはドレイクの「ほっとけ」の言葉で中止された。彼にその気はないのだろうが結果として言えばアラシの村を救った事になる。この事実は後に活かされるのだろうか?

4話は前半はアラシとデスメタル遊撃隊(R.A.P隊)とのやりとり。
そして中盤からはドレイクとギルラプターが登場して戦闘に。
ドレイクとギルラプターは今話からの本格登場でしたが、これがもう強いしカッコいい!

ギルラプターは人が乗る前の状態でもかなり強い。
そしてドレイクが乗り込み強制開放「デスブラスト」をすると圧倒的に強い。
デスブラスト時の演出や曲も禍々しくてとにかくカッコいい!
一方でゾイドが苦しむ感じが凄く伝わってきて"強制”解放・デスブラストを改めて考えさせられます。
デスブラストは一足先に漫画版でも描写され、こちらでもその痛々しい様子が描かれました。しかしアニメ・動画になるとより強く伝わります。

ワイルドブラストで戦うアラシ&ワイルドライガー、デスブラストで戦うドレイク&ギルラプター。
今回の戦闘は最高でした。
当然ながらギルラプター優位ですが、いきなり負けるわけじゃなくてワイルドライガーが多少は粘る。
しかし常に劣勢で徐々に追い込まれていく感じがすごく力量差を表しているようで凄かった。まだ4話だぞ!? と思える程に緊迫した超バトル。圧巻でした。

今回の戦闘はギルラプターが勝利する寸前でボスからの呼び出し(しょうもない用件…)がかかり水入り。
アラシとライガーはどうにか生き延びたのでありました。

深読みしすぎかもしれませんが、ボス…ギャラガーは戦闘をずっと監視していて「あえて」止めたんじゃないかなぁ……。
その真意は分かりませんが、あえてライガーとアラシを泳がせていて成長させている? 何かの目的のために?
そんな風にも思いました。

今回登場したデスメタルの遊撃隊、R.A.P隊はまたどこかで再登場しそうな気がします。
とてつもなくいい奴らだったし、憎む要素が何一つないし。どこかで、ラプターでワイルドブラストを成功させてアラシの助っ人ポジションで登場して欲しいなあ……なんていう事も思います。

さてここまでは通常の感想です。
4話はとても見所が多く戦闘も迫力満点。個人的にはここまでで一番面白かった回でした。
今後がますます楽しみになってきます。
そしてここからは、イジワルな視点で見た4話の感想も追記します。

4話では序盤においてアラシが空腹で行き倒れかけます。
これはギャグシーンとして描かれてはいるんですが、幾つか見逃せないポイントがあったと思います。

■食料が尽きて死にそうになった
本作においてゾイドを相棒にして旅に出るというアラシは主人公側だから「正しき者」と思いがちです。
彼に反対する、あるいはバカにする村の人は「分からずや」と思えてしまう。
しかしこのような状態になったというのは、村の人の言い分ももっともだったという事が示されています。

アラシは旅が順調だった時も食糧確保よりライガーとノリノリで旅を楽しむ事を第一にしていたので、これはもうあまりにも経験が少ない。それゆえ現実を見ず理想のみで突っ走る愚かな面も大いに持っているという事だと思います。
実際にデスメタルの気のいい連中に出会わなければやばかったでしょう。
第四話にして終わっていた可能性が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

もちろん主人公が最初から完璧だったらそれこそ物語として成り立たない。
最初だから無鉄砲で向こう見ずな愚か者でまるで構わない。
ここからどう成長するか。そして成長した時に村の人をどう思うか。そんな見解も示されていくと良いなと思います。

■ウサギを食料と見ていた
これも重要だと思いました。空腹時にウサギを食料として捕獲しようとしていました。
これはギャグパートの一環とは思いますが、ただそれ以前の描写でも肉を喰ってる描写があります。
エンディングでは釣りもしています。
極めて意地悪な言い方をしますが、彼にとってゾイドは相棒だから酷いことをするのは許せない。でもゾイドじゃない動物や魚は食料として肉にしているわけです。
生命という意味では差はないはずなのに。

食うなと言うわけじゃない。生きるために食うのは当たり前の話です。
生物は生きるために植物や動物の命を喰らう必要が絶対にあります。業(ごう)というものです。だから食べる時は感謝を込めて頂きますと言うわけです。
話を戻します。
食べるのは当然です。
でもじゃぁ「ゾイドは相棒だ、大切にしろ。傷つけるのは許せねえ!」「ウサギや魚は肉だ。美味しく食うぜ!」というならその差は一体何? という問いにもいずれ見解を持つ必要が出ると思います。

 

2、3話の感想コラムの後半で、デスメタル側には「人の視点で見た正義がある」と考えました。
・ゾイドは脅威である。人はそれによって生活圏を大きく制限され不便な暮らしを強いられている。
・ゾイドさえ居なければ人はより繁栄するだろう。
・だから排除してしまえ。あるいは利用価値はあるから調教して「従順な下僕」にしてやれ。

これは人の視点から見ればそうなるのは不自然ではありません。

無論ゾイドにとってはたまったもんじゃないでしょう。
そこに今作のテーマがあります。
兵器か、相棒か。

でも「動物や魚は食肉として確保する」「でもゾイドは相棒になれるからいじめちゃだめ。一体化しなきゃ」とするなら、それはそれで人の視点で見たゆがんだ正義であります。
ゾイドにとって優しいという違いはありますが。
結局どっちもエゴであるとは思います。

まぁ、人なんて矛盾に満ちたものだしそれでいいとも思います。
矛盾を完全に取り除くなんて無理な話です。全てにおいて「矛盾してるぞお前」と潔癖に指摘していたらそれこそ何もできない。
矛盾を抱えたまま、でも世界やそこに住む者達が少しでも良くなるようにしていければ十分な価値があると思います。

さて、この辺の事柄も今後どうなっていくでしょうか。
正直そこまで踏み込んだテーマなのかというとそうじゃないかもしれませんが、やっぱり主人公サイドからの主張のみでなく、デスメタル側の主張や正義も示されていくといいなと思います。
4話ではデスメタル側の正義が少しだけ見えてきて、今後更に描かれる予感がありました。
この先の展開にも期待したいです。

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