機獣新世紀ゾイド ヘリック共和国軍 ステルスバイパー<STEALTH VIPER>

■ステルスバイパー(ヘビ型) データベース■

 発売年月 1999年11月  発売当時価格 600円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 RZ-020

 スペック 全長20.8m 全高3.0m 重量23.6t 陸上最高速度180km/h 乗員1名

 主な武装
  小口径対空レーザー機銃(×2) 地対空2連装ミサイル 2連装ロケットランチャー(×2) 40mmヘビーマシンガン(×2) 16mmバルカン砲(共通コクピット武装)

 特徴
  低い姿勢、地形に合わせて自在に変形する細長い独特のフォルムをもつステルスバイパーは、奇襲攻撃のエキスパート。
  砂漠や森に静かに潜み、敵の接近を待って一撃で仕留める戦法を得意とする。対空装備も豊富で、飛行ゾイドから恐れられる、唯一の地上ゾイドなのだ。


前後より

多目的ゾイド、ステルスバイパーです。
メカ生体ゾイド版から、名称変更とカラー変更、一部設定の変更を経て、1999年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

名称が変ったのは特筆すべき事です。スネークスというヘビそのまんまな名前から、ステルスバイパーという何ともカッコいい煌びやかな名前に変っています。
個人的に、小型ゾイドの名前はそこまで仰々しくなくても良いと思っています。大型ゾイドこそ凄みのある名前で、小型ゾイドは安直な位でいいかなと思う部分はあります。
ただ素晴らしくカッコいい名称なのは確かで、痛し痒しな気がします。 なお名称変更の背景には、商標登録がらみの事案があったとの事です。

名称は大きく変っていますが、機体性能的な部分はあまり変っていません。
メカ生体時代から隠密性が高く、その独特なスタイルゆえにどんな場所でも行動できる特殊ゾイドでした。
ただ機獣新世紀版では、その特性を引き継ぐ一方で、「防空ゾイド」という側面が強く打ち出されています。

メカ生体時は非常に地味な扱いでした。バトルストーリーへの登場が少なく、デザインの完成度の高さは確かなのに、哀愁の漂うゾイドだったのは悔やまれました。
しかし機獣新世紀ゾイドでは、防空ゾイドという側面をアピールできた結果、活躍の場が飛躍的に増加しています。
緒戦で敗退した共和国軍の撤退を支援し、その能力を遺憾なく発揮。帝国空軍の追撃を見事退けるという、局地戦ではなく「このゾイドあり!」という舞台が用意されたのです。

機獣新世紀ゾイドでは、最初に登場した機体に、レドラーとプテラスがありました。
すなわち明らかに制空権は帝国側の状態。
もしかしてこれは防空ゾイド、ステルスバイパーを活躍させる為のものだったのではないか…。そう思えたりもします。
地味ながら完成度は高い。しかし地味ゆえに人気はどうしても高くなり辛い。そんなゾイドに華を用意したのであれば、何とも素晴らしい事だったと思います。

ただ一点惜しい事を言えば、メカ生体時に持っていた「水上航行可能」という点は、意図的か忘れたのか登場しませんでした。
水陸両用の設定は非常に美味しい性能であり、これも願わくば活かして欲しかった所です。


カラーリング

カラーリングは、よりヘビらしくなった印象です。
というかどちらもヘビらしいカラーですが、メカ生体版はメカ部分がグレーなので、生物的というよりはメカニックとしてのイメージを持てるものでした。
しかし機獣新世紀版はメカ部分が生物らしいカラーになっているので、生物らしさが極端に出てしまったカラーに思えます。
ちょっと生々しさを感じてしまいます。
個人的にはメカ生体版カラーの方が、「メカらしく生物らしく」という点でバランスが取れていると思います。
ただ悪いカラーではないとも思います。

微妙ですが、クリアパーツの色も変っています。
メカ生体版は黄色に近いオレンジですが、機獣新世紀版は赤味が強くなっています。
透過度もやや低下しています。


活躍

バトルストーリーでの活躍が増えたのは、先に書いた通りです。
しかしそれ以外でも活躍の場が増えました。

機獣新世紀ゾイドのバトストと並行してコロコロで連載された上山道郎氏の漫画「機獣新世紀ZOIDS」では、アーバインの愛機として登場し、大活躍しています。
決して機体性能は抜きん出ていないものの、巧みな操縦技術やヘビならではの戦法で善戦する様子が描かれており、この地味なゾイドがここまでプッシュされたのは凄い事だと思います。

アニメでも大活躍しています。
第一期アニメでは大型化し能力を大幅に向上した機体がブレードライガーを追い詰めるほどの活躍を演じたし、その後もスラッシュゼロ、ゾイドジェネシスに登場しました。
全て、背景に登場ではなく、その回のメイン級の扱いを受けており、ダブルソーダと並んでアニメで優遇された機体だと思います。

ゾイド世界は地味なゾイドも活躍出来てこそと思うので、描写が増えたのは大歓迎です。
一方思うのは、アニメに登場したステルスバイパーは、全て能力を大幅に向上させ、なおかつ大型化した機体ばかりだった点でもあります。
地味なゾイドを活躍させる事は重要だと思いますが、その内容にも注目したいところです。
「小型ゾイドでも知恵と勇気をあわせれば大型ゾイドに抗しうる」というのは大きな魅力です。
ステルスバイパーが活躍するアニメは嬉しかった反面、ノーマルタイプのまま、そのままの機体特性を活かしつつ戦うようなものも見たかったと思います。

そういった点で言うと、機獣新世紀ZOIDSという漫画の描写は、まさに素晴らしいものだったと思います。


超防空ゾイド ステルスバイパー

カラーリングは少し残念ですが、活躍の場が大いに増えた事もあり、より楽しめるゾイドになったなと思います。

残念な事を言えば、バトルストーリーにおいて緒戦では大いに活躍したものの、その後は全く登場しなくなった事でしょう。
しかし後継機と思えるゾイドも登場していないし、その隠密性という特性は重宝されるに違いない。
そういった事を考えると、地道に活躍を続けていた事は確実だと思います。
機獣新世紀ゾイドでは、緒戦では華々しくプッシュされました。次期シリーズで復活したならば、願わくば継続した活躍も期待したい所です。

バトスト以外の部分で贅沢を言うと、アニメでも安易に強化せず機体特性を極限まで活かした戦法で戦うようなものがあればと思います。
地味ながら魅力的。根底を支えるいぶし銀なゾイドの活躍に、今後も期待しています。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド スネークス

 ゾイドグラフィックス スネークス


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