機獣新世紀ゾイド ヘリック共和国軍 ダブルソーダー<DOUBLE SWORDER>

■ダブルソーダー(クワガタ型) データベース■

 発売年月 1999年10月  発売当時価格 600円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 RZ-019

 スペック 全長11.6m 全高3.96m 重量19.7t 最高速度415km/h 乗員2名

 主な武装
  ブレイクソード(×2) レーザーセンサー(×2) 4連装マシンガン 対ゾイド小口径2連装ビーム砲
  フレキシブルスラスターバインダー(×2) ウイングスタビライザー(×2)

 特徴
  サイカーチスの対地攻撃に苦しめられた共和国軍が、国から呼び寄せた小型飛行ゾイド。
  武装、出力ともサイカーチスを上回るダブルソーダは、対地攻撃だけでなく空戦でも活躍する。
  また、上空からの偵察にも対応できるように、後部座席には各種センサーのモニターを備えているぞ。


前後より

対サイカーチス用ゾイド、ダブルソーダです。
メカ生体ゾイド版から、カラー変更と一部設定の変更を経て、1999年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

設定が細かくなったのは大きな特徴です。
メカ生体ゾイド時には「低空における防空に威力を発揮する」程度の設定でしたが、「対地および対空で戦える。複座ゆえに偵察にも適する」というものになり、これは素晴らしい追加だと思います。
武装の名称も変わりました。メカ生体ゾイド時は「4連対空砲」「対空ビーム砲」だったものが「4連装マシンガン」「対ゾイド小口径2連装ビーム砲」になっています。
メカ生体ゾイド時は用途が対空に限定されているような印象でしたが、汎用性を持った名称になったのは良いと思います。
また、大あごにブレイクソードの名称が付いたのも嬉しいところです。

カブトムシ型サイカーチスは、設定をかなり大胆に変更されていました。
対してダブルソーダは、変更ではなく詳細になった。ブラッシュアップされて洗練されたように思います。

ただ唯一気になる所があるとすれば、ウイングスタビライザーです。 設定に「敵を切り裂くことも可能」となりました。これは無茶な気がします。
飛行するための装備なので、飛ぶ事に特化した設定にした方が良いと思うし、そもそもあの小さな翼を相手に当てる事が可能かというと、かなり難しいと思います。
格闘戦用の装備は大あごのブレイクソードに集中させた方が、よりクワガタ的能力を強調するもので良かったと思います。
唯一、気になる点です。


カラーリング

カラーリングは変更されています。「青い機体」という所は引き継いでいるものの、かなり変わっています。
個人的にはメカ生体版のカラーが好きです。薄い水色と黒は色のコントラストがハッキリしており、ピシッと気持ちの良い締まりのあるカラーだと思います。
対し、機獣新世紀版は青とグレー。色の境が少しぼんやりしてしまったと思います。また、青が原色なのも少し安っぽい感じを持ってしまいます。

脚部の色も変わっています。
メカ生体版はキャップが灰色、脚が黒でしたが、機獣新世紀版はキャップが黒で足が灰色。ちょうど反転ています。
この部分もメカ生体版の方が好きです。
脚だけが明るい色で、変に目立っているように思えます。
脚も素晴らしい造形ですが、どちらかというとダブルソーダは大あごを最も魅せるような配色を選んだ方が良いと思います。


サイカーチスと共に

メカ生体ゾイド時には、明確にライバルとはされておらず、直接交戦した記録も残されていません。
しかし機獣新世紀時には、かなりライバルという点が強調され、直接交戦も行っています。
設定的には、「後発機である分、ダブルソーダの方が上回る」とされており、ちょうどゴドスに対してのイグアンのようになっています。

サイカーチスはメカ生体ゾイド時には地味な戦果しか残していませんが、機獣新世紀ゾイドになってからはずいぶん活躍が増えました。
ダブルソーダはどうかというと、この機体はメカ生体ゾイドの時から何かと優遇されていました。そして機獣新世紀ゾイド時は、更に活躍するようになりました。
対地攻撃機としての活躍はもちろん、非常に優秀な偵察機として活躍した事が描かれています。

圧倒的劣勢の中、オリンポス山の山頂で大規模な活動を行う帝国基地を発見。同基地で行わているデスザウラー復活計画を阻止するきっかけを作りました。
同基地の攻略作戦は、デスザウラー復活計画阻止と引き換えに、共和国軍基地攻略部隊も全滅という結果に終わります。
ダブルソーダは、戦闘直後の現場に果敢にも強行着陸し、生存者回収に努めています。
その結果、生き残りのパイロットおよび同基地で使用されていた未知のテクノロジーの一部を共和国に持ち帰る事に成功しています。


この時回収されたものが、ブレードライガーやストームソーダーなど新世代共和国ゾイドを誕生させる礎となります。
ダブルソーダは、まぎれもなく共和国を救った救国の名機なのです。
メカ生体ゾイド時も、チェスター教授救出作戦において重要な任務を担うなど、間接的に共和国を救った救国の機体でした。
一見地味なゾイドですが、両シリーズでこのような破格の扱いを受けているのは凄いと思います。

また、アニメにも多く登場しました。
初代アニメゾイドだけでなく、ゾイドフューザーズ、ゾイドジェネシスに登場しています。
いずれも、キットよりも巨大な姿で登場し、強力なゾイドとして描かれました。
キットが絶版になっていた時期のフューザーズ、ジェネシスにまで登場しているのは、かなり快挙です。
ダブルソーダがそこまで人気があるのかは分かりませんが、ここでも破格の優遇ぶりです。

余談ながら、ライバルのサイカーチスはアニメには未登場。
サイカーチスは機獣新世紀において活躍の場を増やしましたが、ライバルのダブルソーダは、それよりも更に加速して活躍の場を増やしたように思えます。
ともあれ、今後ともこの二機はライバルであってほしいと願います。


改・甲虫型多脚ゾイド ダブルソーダ

カラーリングは先代のものの方が好きですが、細かくなった魅力的な設定やバトストでの活躍、アニメでの大活躍ぶりなど、相変わらず大いに楽しませてくれるゾイドです。
やはりこういった地味なゾイドがマニアックな大活躍をするゾイドの世界は魅力的だと、改めて思います。

バトルストーリーでは活躍が多く、救国の名機です。
しかし残念ながら、オリンポス山攻略戦以降はめっきり登場しなくなってしまいました。
ただ個人的に思うのは、対地ヘリという機体性格を考えれば、描かれていないだけであんがい大活躍しているのかなと思います。

帝国の新世代主力歩兵ゾイド レブラプターは対空火器を持たないし、ライトニングサイクスも対空射撃できる程は砲の仰角を付けられないと思います。
ストームソーダーの配備によって制空権が共和国にもたらされたとすれば、戦闘ヘリの活躍の場は一気に増えます。
(鈍足なヘリが存分に能力を発揮するには、制空権を確保し敵戦闘機を排除する事が必須条件である)
そういったものを想像するのも楽しいものです。

ともかく非常に魅力的なゾイドです。こういったカテゴリーが今後も生かされるゾイド世界出合って欲しいと願わずには居れません。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド ダブルソーダ


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