PS2用ゲームソフト ゾイドタクティクス 初回特別セット シールドライガーブロックス<SHIELD LIGER BLOX>

■シールドライガーブロックス(ライオン型) データベース■

 発売年月 2005年8月  発売当時価格 7140円※PS2用ゲームソフト初回限定セット  動力 なし

 型式番号 RZ-007BX

 スペック 全長13.0m 全高5.5m 重量22.2t 最高速度230km/h 乗員1名

 主な武装
  2連装加速ビーム砲 3連衝撃砲 2連装ビーム砲 レーザーサーベル ストライククロー(×4) 冷却ジェネレーター(×4)

 特徴
  以前より評価の高かった「シールドライガー」であったが、野性ゾイドの個体数が少ないため大量生産できない機体であった。
  しかし、バン・フライハイトが搭乗した「シールドライガー」の目覚しい活躍により共和国では量産化を計画。
  開発中であった人工ゾイドコアのプロトタイプを用いる事により「シールドライガーブロックス」が試作されることになった。
  だが、当時の人工ゾイドコアが不安定だったため、「シールドライガー」に近い能力を引き出すにはコストに見合わない機体となり、
  数機のみ生産され開発は中止された。
  この時に得られたノウハウが後にゾイドブロックス「レオブレイズ」開発に大きく貢献することとなる。


前後より

シールドライガーをブロックスゾイド基準で作ったゾイドです。
プレイステーション2用ゲームソフト「ゾイドタクティクス」の初回購入特典の限定キットとしてリリースされました。
「既存ゾイドをブロックス化」というと、後に「LBゾイド」が展開される事になります。
シールドライガーブロックスは、後のLBゾイドのプロトタイプ的な印象も受けます。


通常機と共に

元のシールドライガーと並べると、大きさは半分以下です。しかし、かなり再現度が高い事が分かります。
ブロックス規格を使いながらも、各部はシールドライガーを極めて高いレベルで再現しています。

頭部の出来は出色です。

小型化されながらも、見事にシールドライガーしています。
形状は極めてオリジナルに忠実ですが、鼻先の出っ張りが無くなりスッキリとしているのが特徴です。

Eシールド発生装置も、上側は開きます。これは嬉しいです。残念ながら下側は開きませんが、目立つ上側が開くのでそれ程の不満は感じません。
なお、装備品の設定にはEシールド発生装置の記述はありません。なので、シールドライガーブロックスがシールドを展開可能かは不明です。


キャノピーは、オリジナルと同じく前方に大きく開きます。
多くのブロックスゾイドは頭部以外の場所にコックピットを持ちます。しかし、シールドライガーブロックスは既存機と同じ頭部にパイロットが乗るようになっています。
小型化されているので、余裕のあったオリジナルに対し、かなり窮屈そうな印象でもあります。

頭部以外の場所も、かなり再現度が高いです。


背中には、二連加速ビーム砲を持ちます。さすがに展開/収納ギミックは省略されていますが、抜き差しする事で疑似的に再現されています。
二連加速ビーム砲は、全周囲への旋回ができます。ただし、仰角/俯角を付ける事はできません。

背中の装甲は、左右非対称部までこだわって再現されています。個人的に、ここはかなり高ポイントです。
また、首筋から伸びる太いパイプも再現されています。ただ、このパイプはオリジナルと比べ誌なり具合がかなり異なった印象を受けます。

ミサイルポッドは、差し替える事で展開/収納ギミックを疑似的に再現しています。

展開時に肉抜きが目立つのは難点です。また、撃つと足を確実に貫く位置になっているのも残念です。
それでも、展開できるのは嬉しくもあります。

二連加速ビーム砲とミサイルポッドに加え、胸部の三連衝撃砲も再現されています。

下面の装備までぬかりなく再現。こだわりが感じられます。なお、三連衝撃砲は全周囲へ旋回させる事ができるようになっています。
下部では、その他にもバッテリーボックス蓋のモールドも再現されています。

総じて、よくぞブロックスゾイドの中でここまでシールドライガーを再現したな! と思える素晴らしい完成度です。
強いて難を言えば色分けがされていない事ですが、さすがに特典用キットであり、致し方ないのかなと思います。
開発費を同じとすれば、パーツ分けを細かくし色分けをすれば、その分造形レベルが落ちそうです。
思い切って色分けをオミットし、その代わりに造形レベルを高めるだけ高めてくれたシールドライガーブロックスは、とても良い判断をしたと思います。


レオブレイズと共に

シールドライガーブロックスは、先に発売されたレオブレイズの構造を流用して作られています。
半数以上のパーツを共有しており、外装を変える事でシールドライガーに化けている感じです。
構造を流用しつつ、よくぞここまでシールドライガーを再現したなと改めて思います。

設定としては、シールドライガーブロックスの方が先に造られた機体で、その開発実績を元に完成したのがレオブレイズです。
ですが、キットとしてはレオブレイズを元にして完成したのがシールドライガーブロックス。
設定上の開発順とキット的な開発準が逆になっているのはちょっと面白いです。


側面より

側面から見ると、改めてシールドライガーを見事に再現している事が分かります。

構造は、ブロックスパーツを4つとネオコアブロックスパーツを1つ=計5個のブロックを使い構成されています。

構成は、元になったレオブレイズと同じです。

しかし、ブロックの並びこそ同じですが、それを固定するパーツの構成はやや異なっています。
比べると分かると思いますが、シールドライガーブロックスは、全てのブロックを強固に固定するようになっています。
対し、レオブレイズは先端と最後部のブロックスが固定されておらず、ある程度動くようになっています。

この構成の違いは、可動範囲に影響を与えています。
シールドライガーブロックスの胴体は固定ですが、レオブレイズの胴体はやや「曲げ」を付ける事ができます。


開発期

先に書いたように、開発期はレオブレイズよりも先です。
レオブレイズは「ブロックスシステムを最初に採用した機体」と設定されていました。
なので、レオブレイズの先行機にあたるシールドライガーブロックスは、始祖ブロックスともいうべきゾイドだと思います。

シールドライガーブロックスは、その時点での技術的問題から量産には至っていません。
始祖ブロックスゾイドはシールドライガーブロックスであるものの、完成形のブロックスゾイドの第一号はレオブレイズという事なのでしょう。

なお、シールドライガーブロックスは、コアとして「ネオコアブロックス」を持っています。

初期ブロックスゾイドのコアは、通常ブロックスと同形状の「コアブロックス」でした。
しかし後の時代においては、出力向上型であり形状も異なる「ネオコアブロックス」へと進化しています(サビンガ以降)。

開発期の最も古いブロックスゾイドであるところのシールドライガーブロックスがネオブロックスを持っているのはおかしいような気もします。
が、これを考えると、
・この時代から既にネオコアブロックスの研究は行われていたが、安定させる事はできなかった
・なので、低出力化を承知で安定性の高いコアブロックスを妥協して採用せざるを得なかった
のだと推測します。

シールドライガーブロックスの設定文には「当時の人工ゾイドコアが不安定だったため、「シールドライガー」に近い能力を引き出すにはコストに見合わない機体となり」という一文があります。これをからめつつ考えてみても面白いと思います。
個人的には、
・ネオコアブロックスを完璧に完成させれば、オリジナル機に近い能力でシールドライガーブロックスを完成させる事も不可能ではないと思われた
・しかし、この時代においてはコスト的な問題もありネオコアブロックスを完成させる事はできなかった
のだと補足的に解釈しました。


可動

ブロックスゾイドなので、動力はありません。しかし、各部は可動します。
シールドライガーが可動するという事で、やはり嬉しいです。

可動部や差し替えでの再現が可能な部分は、「口の開閉」「キャノピーの開閉」「上部Eシールド発生装置の展開」「首の振り」「背部ビーム砲の脱着」「ミサイルポッドの差し替え」「尾の振り」「尾先端のビーム砲の旋回」「胸部衝撃砲の旋回」「脚部」です。

脚部はレオブレイズと同程度の可動で、様々なポーズがとれます。
胴体の「曲げ」ができないのは残念ですが、それでも満足度はかなり高いです。

その他も、シールドライガーの特徴的なギミックがかなり再現されており、とても嬉しい仕上がりです。


戦歴

機体設定としては、後のブロックスゾイドの為のプロトタイプという裏のゾイドです。
なので、表立った戦歴は確認されません。
プロトタイプ…、始祖ブロックスゾイドだけに、その開発におけるドラマなどを想像したいところです。

公式ストーリーとすべきかは迷いますが、ホビージャパンに掲載されたオリジナルストーリーでは主役を張った回もあります。

レオブレイズよりも古い「骨董品」ながら、無茶な改造をしてゴジュラスギガに挑む熱いストーリーでした。


始祖ブロックス シールドライガーブロックス

総じて満足度が高く、一つのゾイドとしても、シールドライガーの小型版としても魅力にあふれている一機です。
完成度が高いので、特典用・限定品だった事が唯一にして最大の難点ではないかと思える程です。

この完成度の高さがメーカーにも自信を与え、後のLBゾイドに繋がったのかなぁとも思います。
そういった意味で、特典ゾイドでありながら極めて重要な位置にあるゾイドであるとも思います。

ゾイドタクティクスがそれなりに売れたこともあり、入手難度は高いながらも不可能ではない程度になっています。
多少のプレミア値は覚悟のキットになると思いますが、その内容は十分に自信を持ってオススメできるものです。


バリエーションモデル

なし


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