メカ生体ゾイド ヘリック共和国軍 超音速攻撃型 レイノス<RAYNOS>
■レイノス(テラノドン型) データベース■
発売年月 1989年1月 発売当時価格 1000円 動力 Hiゼンマイ
型式番号 RHI-12
スペック 全長:17.3m 全高:7.3m 全幅:16.3m 重量:30t 最高速度:M3.3
主な武装 武装:3連装ビーム砲 72mmバルカン砲(×2) 3D電子式レーダー 対空ミサイル(機体下部に格納)
特徴
制空権奪回のために開発された対レドラー用、新型超音速戦闘機械獣。
機体の軽量化によって種々の装備が搭載可能となっている。
背部の高性能レーダーは、攻撃システムと連動して戦闘時におけるパイロットの負担を軽減する。
後部のジャイロ・Dシステムの姿勢制御機構は、優れた旋回性を発揮する。
そしてアフターバーナー使用時に最高速度に達する。
前後より
プテラスの後継機、レイノスです。
レドラーに制空権を奪われた共和国軍。プテラスではもはやどうあがいても勝てない。そんな状況で起死回生の切り札として登場しました。
登場後は期待通りの性能でレドラーを撃破。みごと制空権を共和国軍に戻しました。
デザインは非常にスマートでスタイリッシュ。軽快さを思わせるデザインが魅力です。鮮やかな水色と爽やかな白、このカラーもスマートさと軽快さを強調しています。
名称も「RAY」という光を意味する語が入っています。これも速さを連想させているでしょう。
とにかくスマートで速い。しかしそのスマートさの中に、強力な武器も満載しています。
中央大陸戦争では、両軍を通じて最後のゾイドでもあります。
帝国軍はライジャー、共和国軍はレイノス。両軍とも、Hiユニット級ゾイドが中央大陸戦争時代の最期を締めくくりました。
中央大陸戦争最後のゾイド、という所を思うとレイノスがいっそう興味深く見えてきます。
詳しくは後述しますが、最後のゾイドに相応しい非常に高い完成度を誇ります。
側面より
体を一直線に伸ばしている姿は超高速飛行を思わせます。
側面から見るとスマートさがより分かります。特に首や尻尾の細さが特徴です。
ボディもゼンマイが入っていることを思わせないスリムさで、まさに軽量化をすすめた機体という設定の通りになっています。
動力を持ちながらこのスマートさ。設計の苦労が思われます。
側面から見て気付くのは、実に共和国らしい直線で構成されたデザインという事です。
特に尾部で見ると分かりやすいでしょう。帝国の流麗なラインとは対照的です。
スマートで速そうなデザイン。それを作りやすいのは帝国的なラインでしょう。
共和国の直線的なラインでは無骨さが出やすくスマートになり辛い。
いやしかし、レイノスはとてもスマートで速そうです。
共和国らしさを最大限に保ちながら、しかし限りないスマートさ達成した。これは凄いことです。
フェイス
レイノスの魅力は頭部に詰まっています。
シンプルながらもメカニカルなライン。特徴的なプテラノドンのトサカを見事に再現している所。
戦闘機らしい巨大なバブルキャノピー。そして実に共和国らしい仕上げ。
どの要素も見事です。
ディティールは少なく極めてシンプルです。
ですがパネルラインやチークガードなどが極めてバランスよく配置されているので、メカニックとしての魅力は高くあります。
チークガードの形状が脚部装甲と同じ形な事にも注目です。
ディティールは少なくシンプルと書きましたが、それでも魅力的に見えるのはこのように造りが極めて的確だからでもあります。
巨大なバブルキャノピーは共和国らしさと戦闘機らしさが見事に融合している所です。
ジェット戦闘機を思わせる流麗で見事な仕上がり。レイノスのデザインで特に注目度が高い場所でしょう。
ジェット戦闘機のキャノピーでも、F-16やSU-27のような第4世代機のそれに近いラインです。
第4世代ジェット戦闘機の多くは「機体ラインに沿いながらも綺麗に大きくふくらむキャノピー」を持っています。
対して古い第2、第3世代ジェット戦闘機の多くは「唐突に大きく盛り上がるキャノピー」である事が多いです。
第4世代戦闘機(F-16)と第2世代戦闘機(MIG-21)
レイノスはクチバシ先端から伸びるライン、それに沿いながらも綺麗に大きくふくらむキャノピーを持っています。
まさに第4世代ジェット戦闘機のそれです。
キャノピーのラインはレイノスがカッコよく、そして新鋭機っぽく見える大きな理由です。
キャノピーは後方に大きく開きます。
中にはパイロットが1名乗っています。レイノスは一人乗りで、全ての操縦をここから行います。
戦闘機タイプなので一人乗りという所はとてもシックリきます。
またキャノピーは大型なので、練習機仕様の複座型、あるいは戦闘機型だがあえて複座型にしている(F-14のような)仕様なんかを想像しても面白いと思います。
戦闘機らしさ
頭部のジェット戦闘機らしさについては書きましたが、その他も実在機らしさが随所にあります。
まずは主翼です。
ディティールの具合が実に実在機っぽいものになっていて大興奮です。
特に空戦フラップを思わせる造形があるのが凄く良いと思います。
尾翼も良いデザインです。
こちらにも主翼と同じく良いディティールが入っています。
レイノスは全体的に実在機を思わせる造りですが、これは頭部、主翼、尾部という機体の先端部が全て実在機らしくなっているからという要素がかなり大きいでしょう。
まさにメカ生体だと思います。
尾部付け根には大型ノズルを持ちます。「アフターバーナー使用時に最高速度に達する」との設定もあります。
M3.3で飛行する際は、ここから猛烈な噴射をしているのでしょう。
このノズルも実在機らしさを飛躍的に高めています。巨大なノズルが機体のラインを乱すことなく付いているのは見事です。
ただ……、「半分埋まったような」感じで造形されているのは大きな難点です。
これでは噴射時に尾部が焼けてしまう……。
もしかして使用時はせり上がるとかのギミックがあるのでしょうか。しかしキットでは固定だしそのような設定もありません。
この部分は何とも惜しいです。
プテラスと共に
プテラスと並べると、いかにも新世代の次世代戦闘機という感じがします。
プテラスはM2.2。対してレイノスはM3.3。その次世代的速力がひと目で伝わります。
両機は飛行ゾイドとしてのデザインの方向性が全く違う事も注目ポイントです。
翼の"穴あき"がいかにもマグネッサーシステム搭載のゾイドらしい雰囲気を出しているプテラス。
シャープな翼を持ち最新鋭ジェット戦闘機な雰囲気を出したレイノス。どちらも甲乙つけがたい魅力があります。
こうして見ると、同じ飛行ゾイドといっても色々なデザインの方向性があるんだなと思えます。
ゾイドデザインの可能性を感じます。
ところで、共和国飛行ゾイドと言えば他にもグライドラーやペガサロスもあります。
グライドラーは頭部を高い位置に置いた直立的な姿勢。これはプテラス的です。
ペガサロスは体を一直線に伸ばして空力に配慮した姿勢。これはレイノス的です。
旧式ゾイドであってもその技術は次世代に活かされている……。こう考えると初期ゾイドもどんどん魅力的に見えてきます。
レイノスは単機でも魅力ですが、歴代共和国飛行ゾイドを並べると「全体」がいっそう魅力的に見えてくる所もステキです。
中央大陸戦争最後の共和国飛行ゾイドに相応しい仕上がりと言えるでしょう。
ちなみに、大陸間戦争開戦後はレイノスを更に超える超次世代空戦ゾイドが続々登場します。
しかしそれらは全て独自のデザインで、単機としては魅力的な反面「積み重ねる技術」という感じは薄くなっていきました。
ちょっと残念です。もちろん、この時期特有の次世代技術を使ったゾイドというヒーロー感は強くあるのですが…。
レドラーと共に
対レドラー用として登場したレイノス。なので並べずには居れません。
同クラスの戦闘機でライバル。ゾイドで最も映えるペアの一つと思います。
中央大陸戦争末期には、両者は大空で激しい空戦をしました。
地上での決戦はデスザウラーVSマッドサンダーでしたが、空での戦いはレドラーVSレイノスでした。
レドラーとレイノスは、戦闘機ゾイドの完成形という印象があります。
どちらも、究極まで洗練された超高速次世代戦闘機のデザインだと思います。
比べると、ドラゴンタイプで四足機という事もありレドラーの方がガッシリしたイメージでしょうか。
レイノスは細身で、力強さよりも軽快さを連想します。
ただ、レドラーも帝国らしい流麗さがありスピード感は十分にあります。
一方、レイノスも武器が多くスマートさの中に力強さも秘めています。
デザインはどちらも甲乙つけがたい魅力があります。
両機は実に帝国らしい/共和国らしいデザインをしており、比べると互いの魅力がどんどん見えてきます。
流麗なレドラー、直線的なレイノス。装甲式コックピットのレドラー、巨大なキャノピーを持つレイノス。色は鮮烈なピンクと鮮やかな水色。
本当に良いライバルです。
レイノスはスマートな中に強力武器を満載しています。
まずは胸部の三連ビーム砲です。
このクラスのゾイドとしてはかなりの破壊力を持ちます。バトストで表現された言葉によると「レイノス自慢の三連ビーム砲」。
これで改造デスザウラーのレーダーサイトを破壊した事もあります。
砲身の他にも出っ張りがあります。これはおそらく赤外線レーザーサーチャーのような装備と思います。
惜しいのは砲身が単なる筒のようになっている所です。もう少しディティールが付いていればリアル感が増したと思うのですが……。
全体的に丸みを帯びたデザインなのも迫力を削いでいます。
尾部には72mmバルカン砲を持ちます。
これは三連ビーム砲とはうって変わってリアルな造形です。
ちなみにこれは、スネークスの武器からの流用です。
厳密に言うとわずかに造形が違います。同系列機銃の改良タイプなのでしょう。
これは自軍らしい感じが出ていてとても良いと思います。
三連ビーム砲もこんな感じの造形だったら良かったのですが…。
唯一だけ気になるのは口径の設定です。72mmはちょっと大き過ぎでは……と思います。
ゴジュラス(ノーマル)の主砲でさえ76mmです。これに匹敵する口径の砲を中型航空機が持つというのはやりすぎ感があります。
30mmとかにしておけばよりリアルな感じがしたと思います。細かい点ですが少し惜しいです。
この他、造形はされていませんが機体内部にミサイルを持っている設定もあります。
ミサイルは胴体や翼の下……、要するに外部に取り付けるのが一般的です。
このような感じです。
わざわざ内部に収納するのはステルス機に用いられる方法です。
レイノスが発売された1989年1月というと、ステルス機の存在が大きく話題になっていた時期です。
80年代半ばから軍事ファンの間で話題になり、87~88年頃には一般層をも巻き込んで大きな話題になっていました。
レイノスはそんな流れを受けてステルス機らしい要素……、ミサイルの内部収納を採用したのかもしれません。
そのような設定はありませんが、レイノスは「プテラスなどと比べてステルス性がややある」と脳内補完しても面白いと思います。
もっとも、72mmバルカンや背中のレドームなど他の装備は思いっきり外部露出しているのですが。
ともかく、非常に高火力の機体です。更に、背中にはレドームもあります。
造形はリアルで非常に良い出来です。攻撃面だけでなく、このような装備もしているところがたまりません。
さてレドームはもちろん索敵や通信が主な目的でしょう。
射撃のアシストもすると思います。これにより正確な目標捕捉ができ、高い命中率を実現した。そんな事を想像します。
豊富な火力とそれを更に強化するレドーム。
火力はライバルのレドラーが可哀想になる位の充実具合です。
ただ、なぜここまで火力を重視したのかというと、レドラーがそこまで強力だったからでしょう。
驚異的な性能でプテラスを圧倒したレドラー。レイノスは最高速度ではレドラーを超えますが、それでもまだ撃墜できる確証がなかったのだと思います。
そこでここまで過度に火力を重視した……。
また72mmバルカン砲が後方を向いているのも見逃せません。
戦闘機の砲は通常は前を向いています。しかし72mmバルカン砲は後ろ向きに付いている。これが何を意味するか。
空戦(格闘戦)では相手のバックをとった方が勝ちます。
先ほど「戦闘機の砲は通常は前を向いている」と書きましたが、戦闘機以外の飛行機は後ろを向いている場合もあります。
攻撃機や爆撃機といった機種はよく後ろを向いた砲を持ちます。
これは「飛行性能で戦闘機に劣る=バックをとられる」から、後ろから撃たれる事を想定して防御を考えなければならない為です。
レイノスは純戦闘機です。しかし後ろを向いた砲を持つ。
これは、いかにレドラーの性能が驚異的だったかを示すものでもあるでしょう。
「切断翼ですれ違いざまに切り裂く」そんな戦法を用いたレドラーです。
レイノスは速度で上回りますが、接近格闘戦になるとあっという間にバックをとられる事もあるかもしれない……。
共和国軍は、そのような想定をしてこの装備を付けたと思います。
この装備はレドラーの脅威をよく物語っています。
レイノスの武装で弱いのは格闘用装備です。
一応クローは持ちますが、これが格闘戦で使われた事はありません。武装設定でも記載はされていないし、あまり期待できる装備ではないと思います。
これは、レドラーと格闘戦をする事はありえない。あくまで火力で仕留めるという思想だと思います。
カラーリングは綺麗な水色をしています。空色と言った方が適切でしょうか。
色合いはシールドライガーと同じです。シールドライガーとは武器系統が白という所も共通しています。
ダブルソーダとも似ていますが、こちらは水色の色味がやや違います。
といってもそれは厳密に見れば。パッと見では同じ水色に見えます。
個人的にこの三機は「水色の共和国ゾイド」というカテゴリーでセットで覚えています。
いずれも「特定の帝国ゾイドに対抗して誕生した同クラスのゾイド」という点で共通しています。
ダブルソーダはサイカーチスに。
シールドライガーはサーベルタイガーに。
レイノスはレドラーに。
いずれも共和国軍が大きく手を焼いたゾイドです。
・史上初のヘリ型ゾイドとして対地攻撃で強さを発揮したサイカーチス
・史上初の高速ゾイドとして無敵の活躍を見せたサーベルタイガー
・プテラスを圧倒し制空権を奪ったレドラー。
水色をまとうゾイドはいずれも、共和国軍が威信をかけて開発した切り札なのでしょう。
共和国ゾイドは青をよく使います。ただ、多くはサラマンダーのような濃い青です。
そんな中にあって、鮮やかな薄い水色をした三機はひときわ特徴的です。
レイノスは実際のプテラノドンとはあまり似ていません。
「フェイス」の項目でそのデザインを絶賛しましたが、この部分で比べると一番分かりやすいでしょう。
レイノスにはビッシリと歯が生えていますが、実際のプテラノドンには歯がありません。
この時点でモチーフに忠実とはいえません。
また、プテラノドンは「滑空」に特化した特性を持っています。
9mにも達する翼長、それでいてわずか15~20kgしかない体重。巨大な翼と極限まで軽量化した体。これで風を捕まえて海上を滑空していたとのこと。
滑空に特化した為、パワーは低く重量物を持ち上げることはできなかったと考えられています。
しかしこれとは別に、古い映画などでは「イメージ上のプテラノドン」の姿がよく描かれていました。
その姿は「力強く羽ばたく」「怪力で人をつかんで軽々と持ち上げる」「恐ろしい牙が無数に生えた口でかぶりつく」といったスーパー仕様でした。
昔はネットがなく情報が限られていた事もあり、プテラノドンはこんな生態だったんだと広く信じられていました。
図鑑もよほど専門的なものでない限りは詳細情報は載っていなかった時代です。
レイノスは、そんな古い時代のプテラノドンを見事に再現しています。
実際のプテラノドンからは遠い。しかし古き時代のイメージ上のプテラノドンには極めて近い。そんな感じになっています。
これはマッドサンダーとも共通します。
マッドサンダーとレイノスは発売時期が近しいゾイドです。
共和国ゾイドではマッドサンダーの次に発売されたのがレイノス。連続発売の二機がモチーフ選びで共通性を見せているのは面白いことです。
余談ですが、プテラノドンと同じ白亜紀後期にはイクチオルニスという鳥も居ました。
こちらは現在の鳥に近く(特にアジサシに近い)、筋力も発達しており力強い羽ばたき飛行をしていたと考えられています。
ただ恐竜時代の鳥だからか原始的な所もあります。クチバシには小型の歯がビッシリと付いているのです。
なお、プテラノドンとイクチオルニスはどちらも同じ人物(オスニエル・チャールズ・マーシュ)によって発見されています。
古い映画のプテラノドンは、プテラノドンにイクチオルニスを足したようなイメージと言えるでしょう。
そしてそのイメージを基にしたゾイドがレイノスだと思います。
ギミック
Hiゼンマイを巻くと動きます。ギミックはスタンダードな仕上がりです。
連動ギミックは、翼を羽ばたきながら、口を開閉しながら前進します。
順当な出来でしょうか。プテラスやシュトルヒが「羽ばたき+前進」だったことを思えば、口パクという追加ギミックがある事は進化と言えます。
ただ強力なHiゼンマイを使っているのだから、もう一つ欲しかったような気もします。
例えば背中のレドームを回すとか。
ただ飛行ゾイドが翼を羽ばたくのはやっぱり嬉しいし、定番の口パクギミックが付いているのも嬉しいです。スタンダードすぎる気はしますが、過不足は感じません。
手動ギミックは、レドームの回転、翼の角度調整、72mmバルカンの仰角、キャノピーの開閉です。
こちらも過不足なくスタンダードな仕上がりです。
翼の角度調整は、下の画像のような事です。
逆ガル翼からガル翼まで。手動で角度を調整できます。羽ばたいている感じがする好ギミックです。
ただ、これを除いては本当に定番のスタンダードなギミックしかありません。
レイノスのギミックは、連動も手動も「過不足なくスタンダード」という感じがします。
悪くはない。ただ少し寂しい感じもします。
Hiユニット級ゾイドは総じてスタンダードな仕上げですが、何か特徴があるものが多いです。
・コマンドウルフは首の角度を調整すればスピードが変わる。
・ゴルヘックスは背びれの動きにインパクトがある。
・ベアファイターは四足・二足の切り替えが可能。
・アロザウラーはゼンマイで膝の屈伸を達成。
・カノンフォートは連動も手動も豪華な仕上がり。
レイノスのギミックは過不足はありません。期待した通りの動きをしてくれます。
ただ他のHiユニット級ゾイドが常に期待以上を達成した事と比べると、少し見劣りしてしまうのは否めません。
スタンダードで過不足はない。ただその先を見たかった。そんな風に思ってしまう所もあります。
他が優秀すぎるゆえの感想でもあるのですが……。
戦歴1 中央大陸戦争
戦歴は魅力にあふれています。戦歴は中央大陸戦争時代と大陸間戦争時代に分けて書きます。
レイノスはマッドサンダーより少し後の時期、中央大陸戦争末期に登場しました。
この時期の戦況は、地上戦ではマッドサンダー登場で共和国優位に。しかし空では依然としてレドラーが最強の座に在りました。
レドラーは本当に強かった。登場後、プテラスをまさに一方的に撃墜し制空権を帝国側に移しました。
プテラスとの差は圧倒的で、優位ではなく完勝です。重い対艦装備を付けながらでも圧勝できてしまう程。
レドラー登場時期からサラマンダーも登場シーンが激減します。これはレドラーが脅威であり飛行制限がされたのでしょう。
元々共和国というのは空軍力で帝国を圧倒した歴史を持ちます。
初期はペガサロスで圧倒。シンカー登場後は互角かやや劣勢になりますが、すぐさま巨鳥サラマンダーを投入し格の違いを見せ付けます。
更に数年後にはプテラスを投入しシンカーを完璧に封じました。帝国は切り札としてシュトルヒを投入しますが、プテラスはそれを退け制空権を守り続けます。
ヘリタイプにも言及すると、当初は帝国がサイカーチスを開発し優位に立ちました。しかしその後は全体的に上位機と言えるダブルソーダを開発しこの分野でもリードします。
デスザウラーが完成しても、空だけは共和国軍優位でした。
それを一変させたのがレドラーです。あの無敵戦闘機プテラスが一方的にやられ、サラマンダーも飛ばなくなってしまった。
以来、そんな状況がずっと続いていました。
共和国空軍にとっては屈辱の年間でしょう。この状況で、ようやく登場した起死回生の切り札がレイノスです。
レイノスは登場するや、目標を見事に達成しました。制空権は再び共和国側に戻り、サラマンダーも運用可能になりました。
登場までにかなりの時間を要しましたが、それだけにレイノスの活躍は鮮やかでした。
対レドラー戦の他にも、改造デスザウラーやライジャーとも交戦しています。いずれも見事な性能を見せています。
特に改造デスザウラーを撃墜するシーンは衝撃です。
学年誌、小一での初登場はこのシーンでした。私はレイノスを見た最初のシーンがこれでした。なのでそのインパクトたるや凄いものがありました。
ただし、よくよく見るとレドラーに圧勝したわけではありません。
上の空戦シーンも、よく見るとプテラス数機が墜落しています。サラマンダーも撃たれています。
護衛は完璧と言える水準ではありません。
共和国軍は大戦爆連合。対してレドラーは数も少なそうです。それでいてプテラスを撃墜しサラマンダーに迫っているのだからなかなかのものです。
制空権は最終的に共和国側に移った。レドラーは敗北した。これは紛れもない事実ですが、十分な意地は魅せたと言えるでしょう。
空で負け続けていた帝国が初めて圧勝を得たレドラー。
レドラーに長年煮え湯を飲まされたが、ついにそれを奪い返したレイノス。
負けはしたが意地をみせたレドラー。圧勝ではないが見事に目標を達成したレイノス。その関係はとても印象的です。
戦歴2 大陸間戦争
レイノスは、続く大陸間戦争でも主力戦闘機として運用されました。
この時代にはレドラーが暗黒仕様になって強化されたようで、優位というより「全くの互角」くらいに関係が変わりました。
その為、共和国軍は更に強力な戦闘機として「サラマンダーF2」を投入します。
更にその後はオルディオス、バトルクーガーと立て続けに飛行ゾイドを開発します。その為、出番は減り存在感をやや失したのは否めません。
これは相変わらず主力戦闘機として至るところで運用されていたレドラーと対照的です。
ただし、出番が減っていただけで随所に登場しています。確かにサラマンダーF2やバトルクーガーに比べれば弱い。
それでも十分に一線で戦える能力ではあります。
主力、最強。そんな華ではなくなりましたが、十分な戦果を挙げ続けていたようです。
信頼性も高かったようで、ヘリック大統領専用機も登場しています。
これはかなり末期の時代で、バトルクーガーやオルディオスが護衛についています。
あえて性能で劣るレイノスを乗機に選んだ……。その理由を考えるのも面白いかもしれません。
大陸間戦争時代というと、「新ゾイドバトルストーリー」での活躍も忘れられません。
こちらでは実質的な主役機として活躍しています。
ロイ・ジー・クルーガーの愛機として中央大陸戦争末期から大陸間戦争初期には大暴れ。
その後、愛機はガンブラスター→サラマンダーF2 →オルディオスへと変わりますが、最後にはまたレイノスに乗り換え帰還する。
新ゾイドバトルストーリーは、あえて強調して書かれているわけではないものの「ゾイドとの絆」がよく分かる名著でした。
その主役機がレイノスだったというのはかなり誇らしい事だと思います。
学年誌・小三のストーリーでは、本当のラストまで登場しています。
小三はクライマックスが「キングゴジュラスVSギルザウラー」の戦いでした。これは有名だと思います。
この戦いは「共和国軍が暗黒首都を攻略する」→「ガイロス皇帝が逃亡」→「逃げた先を発見」→「キングゴジュラスが突撃・ギルザウラーとの最終決戦」という流れで起こりました。
さて、ガイロス皇帝が逃げた先を発見したのはレイノス&サラマンダーF2の偵察飛行部隊でした。
偵察部隊の先頭を飛んでいるのはレイノス。おそらく基地はレイノスが発見したのでしょう。
共和国軍の最終的勝利に大きく貢献したゾイドでもあります。
中央大陸戦争時代から大陸間戦争末期まで。様々な経験をしましたが、戦歴は魅力にあふれています。
新生・共和国主力戦闘機 レイノス
壮大な中央大陸戦争。これを締めくくるに相応しい完成度を持ったゾイドです。
メカ生体ゾイドはその後も大陸間戦争として続きましたが、やはり中央大陸戦争終結は偉大な歴史の区切りでした。
レイノスは大役を見事に果たしました。
難がないわけではありません。
三連ビーム砲の甘さ、72mmバルカン砲の口径設定、半分埋まったノズル。他は、頭部パーツの合わせ目が出やすい事も難点でしょうか。
しかし、これらの弱点を考慮してもなお傑作機と呼んで間違いありません。
そのスマートなフォルム、実在戦闘機を思わせる造り、強力な武装、爽やかなカラーリング、そして戦歴。
様々な要素で、いつまでも魅了してくれるゾイドです。
バリエーションモデル