ゾイド妄想戦記 モルガ ロクロウスペシャル<MOLGA ROKUROU SPECIAL>

■モルガ ロクロウスペシャル(昆虫型) データベース■

 発売年月 2002年9月  発売当時価格 1200円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 記載なし

 スペック 全長14.1m 全高5.7m 重量24.0t 最高速度200km/h 乗員1名

 主な武装 AZ120mmグライドキャノン 地対空2連装ミサイル 3Dレーザーアンテナ(×2) 20mmガトリング砲(×4) レーザーカッター(×2)

 特徴
  最大の量産機、モルガに長距離砲を装備し、戦闘力を大幅に強化した機体。
  緑のカラーリングは、輸送部隊のエース、ヤース・ノグチ少佐の機体であることを示している。

 ゾイド妄想戦記『STORY03 モルガチキンレース』
  西方大陸戦争の末期。すでに本体が暗黒大陸に去った後、置き去りにされた輸送部隊があった。
  「モルガ突急便」の異名をとるヤース・ノグチ少佐の部隊だ。
  こんな状況の中、「キメラ核」輸送の命を受けたヤースは、目的地を目前に、共和国軍の巨大試作ゾイドに遭遇する。
  後のゴジュラスギガと呼ばれ、ネオゼネバス帝国を追い詰めるこの怪物ゾイドから、ヤースは逃げ切れるのか?


前後より

ゾイド妄想戦記第3話「モルガチキンレース」の主人公機、モルガ ロクロウスペシャルです。
キットはモルガのカラーバリエーション+カスタムパーツとなっています。色は大胆な変更が加えられていますが、形状の変化は一切無ありません。

ネーミングからするとロクロウ氏のパーソナル機である印象を持ちますが、そうではなく、ヤース・ノグチ少佐のパーソナル機とされています。
ロクロウというのは作中の企業であるらしく、ロクロウで製造されたパーツでカスタムしたモルガがロクロウスペシャルであるとされています。
ロクロウのパーツは「カリカリにチューンナップされた」と表現されており、非常に重宝されています。

妄想戦記シリーズの機体なので、ボックスアートがおなじみ開田裕治先生によるものになっています。

質感が素晴らしく、またポーズもイモムシらしいうねりがあり最高にカッコいい仕上がりになっています。
生体感あふれるモルガ本体に対し、無機質な大口径の長身砲も素晴らしい対比になっており魅力的です。

形状はキットに忠実ですが、忠実にでありながら細部はより細かくなっており魅力的です。砂を吹く感じも最高です。
個人的には、妄想戦記シリーズのパッケージではモルガ ロクロウスペシャルのものが一番好きです。


通常機と共に

形状は、通常のモルガ+キャノリーユニットであり、一切の差ありません。
しかし並べると、受ける印象はまるで異なっています。
色が大胆に変更されまくっています。

しかし、この色はいかがなものかと思います。
ガンメタルや紺色はいいとして、黄緑の色が何とも…。
薄い黄緑とピンクのキャップ。何とも締まりがありません。ちょっと、どうなのかなぁと思います。

パッケージはかっこいいと思います。緑という選択も悪くないと思います。
しかし緑の色合いを、ここまで薄く綺麗な緑にしてしまったから、悲劇が起きています。

まぁ、量産機ではなくパーソナル機、個体です。
中にはこんな奇抜なカラーで塗られた機体だってあるかもしれません。
とはいえ、もう少し重さを感じさせる感じになっていれば…と思えてしまいます。

並べると、ノーマル機の配色が凄く締まってカッコ良く見えます。
やはり色は重要だなぁと思うばかりです。

ゾイドは人気玩具なので、数多くの「パチ」が存在します。
そしてパチゾイドの多くは、例えばMEGAROBOのようなトロピカルでサイケデリックな色をしています。
ロクロウスペシャルは、正直に言うとその中に混ぜたほうが違和感が無いほどの凄まじい色合いになっていると思います。


ノーマル状態

装備を取り外すと、ノーマル状態になれます。
この状態だと、カラーの奇抜さがより目立ちます。

アオムシを思わせる黄緑はモチーフに忠実と言えば忠実ですが、やはり受け入れがたいと思います。
やはり、見慣れたカラーが好きです。

せめて、緑の色合いがもっと濃い感じになっていれば良かったのに…と思います。

ロクロウスペシャルでは、もう一つ特徴的なことがあります。それは設定です。
「輸送部隊の機体」とされており、戦闘用ではなく自衛用の武器しか積んでいないとされています。
グライドキャノンを装備していますが、それは「危険地域への輸送が多い為」とされています。
ただ尾部には、キットではミサイルが入っていますが、設定上ミサイルは「ない」事になっています。

おそらくこの輸送用モルガは、この部分に物資を満載しているものと思われます。
細かいですが、こういった所からあれこれ想像してみても面白いです。


ゾイド妄想戦記『STORY03 モルガチキンレース』

ゾイド妄想戦記の機体という事で、短編のストーリーがあります。


 西方大陸全域が、共和国軍の支配域に落ちた頃…。
 主人公達はモルガを使用し小回りの利く輸送を行う部隊。元走り屋ばかりだが腕は確かな集まりだ。
 本国への撤収作業があわただしく進む中、彼らは西方大陸南端までの輸送任務を依頼される。
 今、この任務を受ければ本国への撤収は間に合わなくなる。しかし上官の熱意に動かされる形で彼らは承諾する。
 そして開始される輸送作戦。だがその道のり半ば、性能試験中のゴジュラスギガと遭遇する最悪の事態に陥ってしまう。
 大型ゾイドに似合わぬ高機動で輸送部隊を追うギガ。絶体絶命。だがモルガは崖の上という地の利を活かし、ギガを崖から落とす事に成功する。
 こうして大型ゾイドに襲われる事態を奇跡的に回避しつつ、彼らの部隊は輸送任務を成功させたのだった…。

というような話ですが、なかなか楽しめました。
「地の利を活かして大型ゾイドをやり込める小型ゾイド」というのはベタですがやはり面白いものです。
舞台も面白く、「本国に撤収する帝国軍」「モルガを使った輸送量よりも機動力を重視した輸送部隊」等の設定だけで燃えます。
更に細かく造り込まれた設定もあり、モルガが「ロクロウ」で作られた軍の正規品以外のパーツを使用してチューンナップされているといったものはニヤリとします。
こういった細かい設定を「どうだ!」と見せ付けるというよりは、むしろサラリと流しているのが更に良いと思います。

惜しい事を言えば、ゴジュラスギガがモルガを追う最中、崖から転落しますが、この描写があまりにもアッサリしている所です。
一度くらい踏ん張って、でも大重量に地面が耐え切れず落ちた…とかだったら良かったと思いますが、モルガを追ってうっかり落ちた程度になっており、もうちょっと引きがあればなお良かったと思えるのが惜しいです。
最も、これはこの話の難点というよりは、ゾイド妄想戦記全般に言える弱点です。

「モルガのような小型ゾイドが大型ゾイドを打ち倒す」のは良いとして、さすがに最新鋭機ゴジュラスギガを倒すのはどうか という点においては賛否あるようです。
しかし個人的には、最新鋭機を倒したからこそ良かったと思います。
ただゴジュラスギガの戦歴はあまり優遇されたとはいい難いもので、その面から見れば確かに不満も感じないわけではありませんが…。
しかしその上でなお思うのは、ゾイド「妄想」戦記という括りの中で、最新鋭機を旧式の小型が倒す話をやったのはクールだなという事です。


輸送部隊エース モルガ ロクロウスペシャル

やっぱり色の奇抜さは否定しがたいなと思います。
設定やストーリーは面白いと思いますが、どうにもこの色には馴染みにくいです。
カラバリとして歓迎すべき…とも思いますが、それ以上に奇抜さがどうしても受け入れがたいと感じてしまいます。
しかも、ストーリーの方がなまじ良く出来ていただけに、その落差がどうも気になります。

ストーリーに加え、パッケージは改めて何度見ても素晴らしいし、非常に惜しいと思います。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド モルガ

 メカ生体ゾイド モルガ

ゼネバスメモリアル

暗黒仕様 モルガ


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