ゾイドジェネシス ブラストルタイガー<BRASTLE TIGER>

■ブラストルタイガー(タイガー型) データベース■

 発売年月 2005年3月  発売当時価格 2500円  動力 モーター

 型式番号 GZ-009

 スペック 全長18.4m 全高7.7m 重量91.0t 最高速度300km/h 乗員1人

 主な武装
  サーミックキラーサーベル(×2) サーミックストライククロー(×4) 2連装サーミックレーザーガン(×4) AZ208mmショックカノン(×10)
  サーミックビームガン(×2) 小口径ガトリングビーム砲(×4) AZハイパー3連衝撃砲 テイルヒートシンク(×6) カーフヒートシンク(×4)

 特徴
  ブラストルタイガーは機体自体が激しい闘争本能を持ち、ひとたび戦闘が始まると、全身に搭載されたビーム砲、ミサイル、レーザーガンを剥き出しにし、
  周りの敵を一気に粉砕してしまう。
  大気中の熱エネルギーを全身のアーマーから吸収しコアに溜め込み増幅、さらに発熱させ一気にレーザーとして撃ち出す攻撃「サーミックバースト」。
  その超高温のレーザーはどんな重装甲でも溶かしてしまう。
  ただ、アーマーを展開させ生身の全身が剥き出しになった時、防御は非常に弱い。
  砲撃発射している時にこの機体に攻撃を仕掛けることは不可能に近いが、しかし同時にその瞬間が最大の攻撃のチャンスでもある。
  また熱エネルギーは体内にずっと溜め込んでいると内部溶解してしまうため、長時間攻撃ができない時はヒートシンクから熱を放出させなければならず、
  再度熱を溜め込むには時間がかかる。
  高速移動時や、格闘戦時はアーマーのパネルの中に武器を収納し、より俊敏な動きが可能となっている。


前後より

超砲撃型ゾイド、ブラストルタイガーです。
機獣新世紀ゾイドで「伝説の古代虎型ゾイド」として登場した機体ですが、カラーと一部設定の変更を経てゾイドジェネシスシリーズの世界観で新生しました。
(機獣新世紀版のレビューはこちら)

ゾイドジェネシスでは、「伝説の古代虎型ゾイド」を積極的に登場させました。
レイズタイガーはカラー変更とパーツ追加をして「ソウルタイガー」として。
ワイツタイガーは(片割れのみですが)ワイツウルフがカラー変更とパーツ追加をして「ソードウルフ」として新生しています。

他の二機と比べると、ブラストルタイガーは追加パーツが無かった点で少し寂しい感じがします。
いやしかし、野性味あふれるシンプルだけどたくましい姿のブラストルタイガーだから、あえて追加パーツは不要と判断されたのかなとも思います。


カラーリング

カラーリングは大きく変わっており、元の面影はありません。全パーツの色が変わっています。
EZ版の黒赤銀のゼネバスカラーに対して、ジェネシス版は銀青金と共和国を連想させるカラーです。目の色もオレンジで共和国的です。
もちろんゾイドジェネシス世界観の仕様だから、共和国とは全く関係ありません。ですが、共和国(ZOITEC)に鹵獲されたカラーとして捉えても面白いです。

個人的にはEZ版の方が好きです。黒がシャープであり重々しくもあります。鮮烈な赤もたまりません。
しかしジェネシス版も魅力的なカラーです。
いかにも金属を思わせる銀は重々しく、「高速ゾイドながらに重パワーを持つ強力機」である事をよく物語っています。
惜しいのは牙と詰めに使われている金色の色合いです。やたら薄くぼんやりした色になっており、鋭く長い牙が持つ攻撃的なイメージを大きく減じています。
ライガーゼロのような濃い金色だったらより良かったと思います。


活躍

ゾイドジェネシスでは超絶砲撃力…サーミックバーストを持つ強力機として存在感を示しました。
このカラーの他にEZ版に近い黒赤カラーの機体も登場しており、計二機で活躍しています。
ゾイドジェネシスが放映された頃は、EZ版ブラストルタイガーは既に絶版でした。
しかし発売が前年だった事もあり、まだまだ店頭在庫として残っている状況でもありました。それを意識しての二機登場だったと思います。

さてゾイドジェネシスは、「バイオゾイド」と呼ばれる特殊ゾイドと戦うストーリーでした。
バイオゾイドは特殊な装甲(ヘルアーマー)を持っており、通常のビーム砲や実弾砲を完全無力化するという設定でした。
唯一、これを突破するのがリーオ(Metal-Zi)という特殊金属で作られた武器です。
なので作中では基本的に通常ゾイドはバイオゾイドに対抗できない・リーオ製武器を持ったわずかなゾイドだけが対抗できる図式でした。

ブラストルタイガーはリーオ製の武器は持っていません。対抗できない通常ゾイドです。
それなのにブラストルタイガーは奇策でもって戦い多数のバイオゾイドをしとめています。
それはサーミックバーストで敵部隊の足元(地面)をマグマ化し沈めてしまうといった方法です。

 

機獣新世紀では「伝説の虎」として非常に強力な存在として描かれたブラストルタイガーですが、ゾイドジェネシスでもその健在振りを示してくれたのは嬉しい事でした。
「リーオ製の武器が無いのに倒した」というのは大きなポイントです。
先に書いたように、ゾイドジェネシスでは他の伝説の古代虎も登場しています。
ただしレイズタイガーはリーオ製の武器を増設した「ソウルタイガー」として。ワイツタイガーはリーオ製の武器を増設した「ソードウルフ」としてです。
これらは、リーオ製の武器を持つゆえに活躍できて当然なところもありました。

ブラストルタイガーは、元々の装備のまま……、バイオゾイドに対抗するには不利な能力のままで活躍したという所にシビれます。
ブラストルタイガーはそのデザインから非常に荒々しく攻撃的、その精神や性格を想像するなら自分の能力に高いプライドを持っているイメージがあります。
バイオゾイドが現れたからといってリーオの武器を付ける事なく、「いいや俺はこのままの装備でいい。この装備に誇りがあるからこれで倒してやる」と言いそうな感じ。
そしてそれを実現したのだから最高にカッコいいです。

 

ところでブラストルタイガーが二機登場したのは驚きです。
伝説の古代虎、ワンオフの存在ではなかったのだろうか。まぁ機獣新世紀とジェネシスの世界観は別物なので何ら問題はないという事もできるのですが。
ただあえて同じ世界観と繋げて考えるなら、ひとつの可能性を感じます。
EZ版ブラストルタイガーはモチーフ表記が「サーベルタイガー型」となっています。対してジェネシス版は「タイガー型」となっています。
元々は「伝説の古代虎」と言われるように古代のサーベルタイガーだったのです。しかしジェネシスではタイガーになった。
もしかするとジェネシス版ブラストルタイガーは、「伝説の古代虎型ゾイドのコアを使った」ではなく、「通常のトラ型ゾイドのコアで代用した」仕様なのかなと思いました。
外観のみ同じにしているが、中身は別物。ワイツタイガーイミテイトのような感じです。
こう考えると、それはそれで妄想が広がりそうな気もします。


爆虎 ブラストルタイガー

どちらかというと色は黒い方が好きですが、こちらも鉄の虎といった感じで似合っていると思います。
共和国仕様と妄想できる感じなのも上手いし、モチーフ表記からも妄想が膨らみます。

作中で「リーオ製武器を持っていないのに活躍する」という格別感を出してくれた事も最高です。
リーオ製武器を持っていないので主役機にはなれませんでしたが、あえてそういう立場だった事がよりブラストルタイガーの魅力やカッコよさを引き出したと思います。

伝説の古代虎という破格の扱いを受けた機獣新世紀版。対してゾイドジェネシス版は渋めのカラーリングとリーオ製武器を持たないいぶし銀な設定。
そのどちらもを味わう事で、ブラストルタイガーの魅力が更に高まって見えてきます。
改めてカッコいい虎です。


バリエーションモデル

 機獣新世紀ゾイド ブラストルタイガー


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