ゾイドリバースセンチュリー ダークネシオス

■ダークネシオス(プレシオサウルス型) データベース■

 発売年月 2008年10月  発売当時価格 2800円  動力 中型ゼンマイ

 型式番号 GRZ-004

 スペック 全長:20.8m 全高:9.6m 全幅:8.5m 重量:46.5t 最高速度:52ノット 乗員:1人

 主な武装
  80mm地対空ビーム砲 TEZ20mm2連装リニアレーザーガン 対ゾイド衝撃砲 キラーバイトファング ソーラージェネレーター

 特徴
  ガイロス軍は編入したゼネバス軍よりブラキオスを接収、ガイロス軍(暗黒軍)仕様として投入。
  しかし、グランドカタストロフ後の磁気嵐により海戦能力が低下したため、研究中だったプレシオサウルス型野生体コアを移植、
  改造を施すことで全く新しい性格のゾイドとして生まれ変わった。
  その能力を活かし制海権の確保に貢献した。


前後より

暗黒軍海戦型ゾイド、ダークネシオスです。キット的にも設定的にも、ブラキオスのパーツを流用&独自パーツをプラスして完成しています。
リバースセンチュリーシリーズでは、初の海戦タイプでもあります。

リバースセンチュリーは、第一弾キングゴジュラス、第二弾ギルベイダー、第三弾ヘルディガンナーと、復刻が続いていました。
しかし、ようやく第四弾ダークネシオスでオリジナル機が登場しました。

先に書いたように、ブラキオスのパーツを流用した機です。なので、完全オリジナルかといえば疑問でもあります。
しかし、脚部がヒレになった事や首の角度が大きく変わった事のインパクトは大きく、パッと見で別機と呼べる変化を果たしていると思います。
また、キャップが新型キャップになっている事も見逃せません。
十分に、新型だと胸を張れるものだと思います。


側面より

ブラキオスと比べ、首のラインが大きく変化しています。

しかし、大きくラインを変えたにもかかわらず、首から背中にかけてのラインが美しく繋がるようになっています。
むしろ、ブラキオスより綺麗なラインじゃないだろうか…とすら思えます。かなり見事な仕上がりだと思います。

脚部はヒレに変化しています。ブラキオサウルスからプレシオサウルスへ。その事をもっとも端的に表すパーツでしょう。

ヒレのデザインは凄く好きです。ディティールが、うるさくなく・それでいてメカメカしいという絶妙な具合になっていると思います。
ブラキオスから多くのパーツを流用しているので、新規パーツは元のパーツになじませたデザインが必須になります。
その点も見事にクリアしていると思います。

一方で、プレシオサウルスとしてみると厳しい所もあります。
実際のモチーフと比べると、胴体がかなり分厚めです。
また、モチーフのヒレは胴体下部から生えているのに対し、ダークネシオスのヒレは胴体側面から生えています。

この二点は、いずれもブラキオスを流用した弊害です。
ブラキオサウスに忠実な造形をしているブラキオスをプレシオサウルス型にしたのだから、この弱点は必然だったと言えます。
ただ、これはこれで構わないかなぁとも思います。
モチーフに忠実な方が嬉しいというのは当然としても、それでも完全新規パーツで構成するより現状の[ブラキオスのパーツを流用し][再現が不完全な]という弱点を抱えたままのダークネシオスが好きです。

その理由は三つあります。
まず、マニアックな検証をすればともかく、大ざっぱに言えばプレシオサウルスに見える事。
次に、パーツ流用がミリタリーな感じを出していると思う事。
更に、初期ゾイドのような遊び心が感じられる事(ビガザウロをマンモス変えたような)。

こんな風に思うので、難を認めつつもダークネシオスは何だか愛おしいです。
思えば、初期の頃のゾイドはこんな感じだったと思います。
モチーフ再現から言うと、割と大ざっぱなものが多い。でも、遊びが感じられてとても良いキットが多い。
良い意味でユルい感じ。でも、全体としては綺麗にまとめている手堅さというか、レベルの高さ。
その頃のテイストを2008年に再び挑んだ意欲作だと感じます。


フェイス、コックピット

頭部デザインは最高に好きです。
Hiゼンマイを搭載したゾイドは、「メカメカしいが過度にゴチャゴチャしない。ある程度綺麗にスッキリに」というデザインが多いと感じます。
その範囲を保った中で、最大限にカッコいいものを作っていると感じます。
頭頂部に、ブラキオスと同じソーラージェネレーターを残しているのもニクイです。

単体でのデザインに加えて、目がデスザウラーを模している点も見逃せません。

この、「過度に似ているわけではないが共通性を確かに感じる」具合が最高です。
あまりにも似ると時にあざとさを感じてしまいますが、ダークネシオスは見事だと思います。

ただし、その見事な目がディティールで済まされているのは難点です。この見事なデザインだからこそ、ぜひクリアパーツにして欲しかった。
最悪でも、シールを貼る等の目立つ配慮が欲しかったなぁと思います。

なお、頭部はブラキオスと同じくコックピットはありません。
やはり、背中にあります。

パイロットは1名のままで、ここから全ての操作を行います。


カラーリング

カラーは黒と紫で、彩度・明度ともに低い地味なものになっています。
紫の部分は、もう少し明るい感じでも良かったのかなと思ったりはします。また、「黒・銀・緑」の初期暗黒カラーで見たかったなぁ…という気もします。

しかし、深海に潜む竜という感じのカラーで、機体設定には合っているとも思います。
ところで、このカラーは機獣新世紀版ウオディックに少し似ています。

ストーリー年表的に言うと、「メカ生体」→「リバースセンチュリー」→「機獣新世紀」なので、その橋渡しをしている風にも感じます。
そのような視点で見ても、良いカラーだと思えます。


ブラキオスタイプ

ダークネシオスのキットは、ブラキオスのパーツを流用&独自パーツをプラスし構成されています。
しかし、何とも気が利いた事にブラキスを組む為のパーツも全て残されています。コンパチ仕様なのです。
なので、色違いのブラキオスとして組む事もできます。

この配慮は素晴らしいです。
かつて、バンブリアンは同じようにベアファイターのパーツを流用&独自パーツをプラスで構成されていましたが、コンパチではなかった…。
それゆえ、ちょっとしたモヤモヤ感の残ってしまうキットである事が否めませんでした。

しかし、ダークネシオス。その点が見事に解消されています。

厳密に言えば、キャップのみオリジナルが再現されていません。が、コンパチを実現してくれたことを思えば些細な違いでしょう。


キャップと色を除けば、元のブラキオスから変化はありません。

ブラキオスとしては、4つ目のカラーバリエーションです。初めて赤くないブラキオスになりました。
また、注目すべきはクリアパーツのカラーです。
今までのブラキオスは、どれも赤いクリアパーツでした。

クリアパーツといえば、塗装などで色変更するのが難しいパーツ。その事もあり、出来るだけ色んな色が欲しいトコロです。
しかし、今までのブラキオスはどれも同じ色で変化がなかった。実に勿体なかったなと思います。
今回、ようやく別色のクリアパーツになった事は大きな喜びで、とても高い意義があったと思います。


組み変え

コンパチキットである事を活かせば、組み替える事もできます。

首をブラキオスに。脚(ヒレ)はダークネシオスに。

この形態は凄く様になっていると思います。とても好きです。
首を起こした分、長さは少し短く見えます。そこが可愛らしくもあり、ますます惹かれます。


同年代の方にしか分からないかもしれませんが、シルエットが「ドラえもん のび太の恐竜」に出てくるピー助に似ています。
可愛いと感じる理由はそこかもしれません。

また、首をダークネシオスに。脚をブラキオスにする事もできます。

こちらの形態は、首を前に付き出して凶暴なイメージです。しかし、なんだか違和感を感じてしまいます。
顔の問題でしょうか…。言葉に言い表せない不安感のあるバランスだと思います。

全形態の中で最も好きなのはダークネシオス。次いで首ブラキオ・脚ネシオス。次いでブラキオスが好きです。


ギミック

ゼンマイを巻くと元気に動きます。しかし、ギミックはなかなか評価の難しい感じです。

連動ギミックはギミックは、[首を上下させながら][口を開閉しながら][四つのヒレを動かす]というものです。
基本的に、ブラキオスと同じギミックです。

ですが、最大の特徴は「前進できない」事です。
動力を持ったゾイドの中では、ダークネシオスは前進するギミックを持たない唯一の存在です。

四つのヒレは全て動きます。
しかし、陸上ではもがいているようにその場で動くだけ。前進しません。
ヒレを持つゾイドといえば他にもありますが、ウオディックはヒレを地面につけ無理やり歩くという力技がありました。フロレシオスは下部に車輪があり前進しました。
しかし、ダークネシオスは前進できない…。ヒレは、前肢こそ地面に付いていますが、後肢は地面から浮いています。また、下部に車輪があるわけでもない。
結果として、前脚でもがくだけになっているのです。
かといって、ウオディックやシンカーのように水に浮かべて泳がせる事もできません。これは、ブラキオスの構造を流用した事から浮力や密閉性がないからです。

ギミックを楽しむには、スタンドを使う必要があります。

ダークネシオスには、この専用スタンドが付属しています。これに乗せ機体を浮かせることで、はじめてギミックを楽しめるのです。
スタンドを持つゾイドは他にもありますが、それらは「地上でも前進できる」「スタンドに乗せても楽しめる」でした。
それと比べると、ダークネシオスはかなり異質です。

スタンドを使っても、まだ弱点があります。
ヒレを持つゾイドなら、「ヒレは左右同時に動かす」ようになっている事が望ましいです。フロレシオスがそうなっています。
しかし、ダークネシオスは脚を持つゾイドと同じように、「左右交互に」動きます。
ヒレを持つ生物特有の優雅さにはかなり遠いです。

これは、やはりブラキオスの構造を流用した為です。
内部を調整し左右同時の動きを実現する事は不可能ではなかったと思います。
しかし、ブラキオスとのコンパチ仕様である事がそれをさせなかったのでしょう。
仮に内部を調整し左右同時の動きを実現していれば、ブラキオスとして組んだ時に動かなく…。

正直、「ダークネシオスとしてのギミック」としては微妙な気もします。
しかし、ブラキオスが母体である事とブラキオスとコンパチ仕様である事を思えば、これでも良いかなと思います。

超贅沢を言えば、ダークネシオス専用パーツをもっと増やし[ダークネシオスとして組んだ時は左右同時に]
そしてブラキオスのパーツもあるので[ブラキオスとして組んだ時は左右交互に]なっていれば最高ではあります。
が、まぁそうなっていればキットの開発規模ははるかに膨れ上がっていたでしょう。その結果として、没になっていたかもしれない…。
そんな風に思えば、不満はないわけではないものの、ダークネシオスが出てくれた事が優先して思えます。

首や口の動きはブラキオスと似ています。ただし、基本角度が違うので受ける印象はやや異なります。

首が前に出ているので、前方に向け全力で進んでいる感じがします。
口は、首を起こした時に閉じ、倒した時に開きます。

長い首の動きはやはり見事です。
スタンドに固定して動かすので、ブラキオスよりもじっくりと首の動きが観察できます。
ダークネシオスに、ヒレの動きに微妙さが残りつつも構わないかなと思えるのは、首の動きが魅力的だからかもしれません。

手動ギミックは、背中の砲の可動とコックピットハッチの開閉です。これはブラキオスと全く同じです。

ギミックを総じていえば、やはり評価の難しい、そして評価の分かれる機体でしょう。
個人的には、色んなバランスを考えてこれで良かったのかなと思います。


戦歴

劇中では、当然ながら海戦で運用されています。
その際、「あの」バリゲーターと戦い敗北するというまさかの展開を迎えています。正確にはバリゲーターの改良型「バリゲーターTS」に対してですが。

戦闘の模様は、数で勝るバリゲーターを相手ににかなりの善戦を見せるも、最後には敗北というものでした。
機体性能として高評価を得るに相応しいものでしたが、戦歴としての結果は苦いものとなった…。

この一戦以外での主だった描写は無く、掛け値なしで喜べる勝利シーンが無かったのは悔やまれます。

ところで、戦歴ではありませんが、リバースセンチュリーシリーズの展開時は、各種雑誌にゾイドの広告が頻繁に載っていました。
その中には、ダークネシオスver.の広告もあります。

なんと、超豪華見開きカラー広告です。

リバースセンチュリーシリーズの広告は幾つかありますが、見開き構成なのはおそらくこれだけ。
その唯一の見開き広告がキングゴジュラスでもドスゴドスでもなくダークネシオスというのは感慨深いです。
これが、最高の戦果と言えるのかも…なんて思います。


海戦開始 ダークネシオス

リバースセンチュリーシリーズの新型機では、実は最も好きなゾイドです。
幾つかの難はありますが、それ以上の魅力を感じます。

ダークネシオスは、個人的に感じていた「ブラキオスへの不満」を、すべて解消したゾイドでもあります。
ブラキオスのレビューで書きましたが、個人的にブラキオスには「頭部があまり好きじゃない」「脚部デザインが甘い」という思いがありました。
また、バリエーション機には「どれもクリアパーツの色が同じ」という事に不満を感じていました。
逆に、最も評価する部分はボディパーツの重厚さです。

ダークネシオスは、頭部と脚部のデザインが新生され、更にクリアパーツの色も変わっています。
また、良いと思っていた全て残っているのだから、まさに求めていた最強の仕様と思うのです。
なので、ギミックに関しても、難を認めつつも構わないと思えるのかもしれません。

また、ブラキオスは「ゼンマイが停止した時の首の位置」も難を感じていました。

このように、下がった位置で停止するとちょっと悲しい…。
ダークネシオスは、どの位置で停止しても首に見栄えがあります。その点も、ダークネシオスが好きな理由の一つです。

ギミックにアンバランスな部分を残しつつも、既存ゾイドを利用し新生させる可能性を強く見せてくれたキットだと思います。
議論の余地はあるゾイドだと思いますが、個人的には「アリ」、そして大好きです。


バリエーションモデル

なし

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