機獣新世紀ゾイド ネオゼネバス帝国軍 シュトルヒ<STORCH>

■シュトルヒ(アーケオプテリクス型) データベース■

 発売年月 2003年05月  発売当時価格 780円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 EZ-068

 スペック 全長13.2m 全高6.1m 重量19.2t 最高速度M2.1 乗員1人

 主な武装
  AZ88mmビーム砲(×2) SAMバードミサイル 3Dセンサー マグネッサーウイング(×2) エアブレーキ マグネッサーテイルスタビライザー

 特徴
  旧中央大陸戦争時にゼネバス帝国が絶対制空権を確保するために開発した初の始祖鳥(アーケオプテリクス)型ゾイド。
  当時は多くのバリエーションが存在した名機だ。
  軽戦闘機のため火力、最高速度の面では現用共和国軍の空戦用ゾイドには及ばないが、運動性能では「レイノス」「ストームソーダー」に匹敵する。


前後より

飛行ゾイド、シュトルヒです。
メカ生体ゾイド版から、カラー変更と一部設定の変更を経て、2003年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

正直、当時は機獣新世紀での復活は諦めていました。
というのも再販第一弾ラインナップに上位機種であるところのレドラーが入っていた為です。
そして更に、共和国にはレドラーを大きく超える大型飛行ゾイド、ストームソーダーが誕生。ダメ押しのようにサラマンダーやレイノスも復活。
もはやシュトルヒが復活しても活躍の場は無いのでは…と思っていました。

しかし2003年、電撃復活を果たしました。その事にそうとう驚きつつも、喜んでそれを迎えた記憶があります。
設定的にはネオゼネバス帝国として登場しています。
初代皇帝親衛隊の航空ゾイドがネオゼネバスでも運用されているというのは、なかなか胸熱な展開です。


カラーリング

カラーリングは、装甲の赤がやや暗めになりました。
またメカ部分がガンメタルになっています。同時期に復活したディメトロドンと同じ方向性で、色の改定が行われています。

せっかく「ネオゼネバス帝国の機体のとして、初代皇帝親衛隊機が再登場した」だったので、同じような真っ赤なカラーでも良かった気はします。
ただこうして比べるとメカ生体版の方はいくらなんでも赤すぎる気もします。
よく落ち着いた良い色になったと思います。
ただキャップの色だけは、肌色というのが妙に生々しく、似合っていないような気もします。この部分は、メカ生体版の方が好きです。

ただ総合的に見て、奇をてらっていない、無難で良いカラーだと思います。


設定・戦歴

復活時は既に強敵ひしめく中でどうやって活動するんだと思っていたら、かなり性能を誇張された形で復刻しました。
キットにはミニ冊子が付属し、箱よりも詳しい機体解説があり、「当時からプテラスを圧倒する性能で、長らく帝国に制空権をもたらしていた」とされています。
この設定の強引さには正直、少々「おいおい…」と思ってしまいました。

「初代皇帝親衛隊機をどうしても使用したかったネオゼネバスは、シュトルヒを現代の技術で徹底改良し性能を一新、現代に蘇えらせた(サーベルタイガーからセイバータイガーのように)」とかであればまだ良かったと思いますが、「当時から驚異的な強さだった」と過去を改変された上で復活しています。
これはどうなのか。バトルストーリーの戦力比較表によると1巻時点では「互角」、3巻時点では「プテラスの勝ち」となっています。
またプテラスは多数が登場しているのに対し、シュトルヒは登場する事そのものが非常に稀でした。

確かにバトルストーリーは共和国側の退役軍人が著したものであり、多少共和国びいきな所があったとしても不思議ではないと思います。
しかし仮に「新世紀版冊子が帝国側軍人の著書でありそれゆえに帝国びいきな文章になっている」と捉えても、この差はやりすぎな気がします。
少なくとも「長らく帝国に制空権をもたらした」という事実は無く、いくらなんでも捏造が過ぎると思います。

このように過去を改変した結果、「運動性能では「レイノス」「ストームソーダー」に匹敵する」という部分も、どうも胡散臭く感じられてしいます。
後期に復活したゆえにこのような設定になったのだとは思いますが、強引さは否めません。

細かい事を言うと、「当時は多くのバリエーションが存在した名機」という部分もひっかかります。
これを裏付けるような資料は今のところ確認できていません。

何が何でも強い設定を与えるのは確かに華やかではありますが、やはりやりすぎ感は感じてしまいます。
矛盾は、「解釈の違い」という程度で説明の付く範囲に留めておいた方が良かったと思います。
個人的には、旧式機であっても意地を見せる展開というのに魅力を感じたりもします。
そういったものを目指して欲しかったと思います。

とはいえ、実際の機獣新世紀での戦歴を見ると、今ひとつぱっとしていない感じでもあります。
ブロックス部隊をコントロールする指揮官機になった他は、特に目立ってもおらず、結局のところストームソーダーやレイノスには運動性能で匹敵する「だけ」であり、勝利する事は困難な感じでもありました。
それでも、設定というか文字上でのスーパーパワーアップを印象付けるようなものは、やりすぎだったとは思います。


ネオゼネバス帝国主力戦闘機 シュトルヒ

復活は素直に嬉しいものの、設定面などで疑問を感じる部分も多かった機体です。
同時期に復活したディメトロドンは、その電子能力をいっそう強調され、共和国残存部隊を見つけ出すという最高の働きを示していました。
この時期のゾイドは、能力をかなり誇張されて描かれる事が多かったように感じます。
ディメトロドンのようにそれが良い方向に昇華されたものもあれば、中にはアンバランスというか強調しすぎたがゆえに逆に面白みの無いものになったものもあると思います。
シュトルヒは残念ながら後者であったように思います。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド シュトルヒ


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