機獣新世紀ゾイド ネオゼネバス帝国軍 ディメトロドン<DIMETRODON>

■ディメトロドン(ディメトロドン型) データベース■

 発売年月 2003年01月  発売当時価格 2000円  動力 モーター

 型式番号 EZ-065

 スペック 全長22.3m 全高12.6m 重量156t 最高速度150km/h 乗員1名

 主な武装
  全天候3Dレーダー チャフ・フレアディスペンサー(×2) 赤外線レーザーサーチャー 複合センサーユニット TEZ20mmリニアレーザーガン(×2) 
  AEZ20mmリニアレーザーガン(×2) 高圧濃硫酸噴射砲 地対地ミサイルポッド

 特徴
  50年以上前に繰り広げられた旧中央大陸戦争時代、最強の電子兵器と呼ばれた帝国軍ゾイド、ディメトロドン。
  ZAC2106年現在、中央大陸各地に潜むヘリック共和国残存部隊を発見するため、最新鋭の電子装置を搭載し、再び実戦投入された。
  主な任務は、背ビレ上の全天候3Dレーダーで、いち早く敵をキャッチし、味方部隊に報せること。
  同時に敵の発信した電波を自動的に分析し、電波妨害を行う。
  武装、格闘能力が貧弱で、同クラスの敵との直接戦闘には大きな危険がともなうディメトロドンだが、大局的に見れば、味方を大勝利に導く影の主役ゾイドなのである。


前後より

電子戦ゾイド、ディメトロドンです。
メカ生体ゾイド版から、カラー変更と一部設定の変更を経て、2003年に再販されました。(メカ生体版のレビューはこちら)

発売は2003年と、機獣新世紀ゾイドの中では末期です。
ゼネバス帝国の大型ゾイドは、レッドホーン、アイアンコング、サーベルタイガー(セイバータイガー)、デスザウラーが、1999年に復活しています。
ディメトロドン以外の全てのゼネバス大型ゾイドが、機獣新世紀ゾイド最初の年に復活しているのです。
唯一、蚊帳の外だったディメトロドン…。

2000年に入り、機獣新世紀ゾイドはメカ生体ゾイドの再販よりも新規ゾイドを開発する事に力を入れ出します。
2001年は音沙汰無し。
2002年には”背びれゾイド”としてダークスパイナーが登場し、これはもしかしてディメトロドンの再販は無いのでは…?と、半ば諦めムードになっていました。
それでもヤキモキしながら、何とか再販して欲しいと願っていました。
そんな状況があったので、2003年にようやく再販が決定した時は、すごく嬉しかった事をよく覚えています。

キットとしては、色が変った他は特に変化してません。デザインもおなじみのディメトロドンだし、ギミックも健在です。
ただ唯一、ギアボックスはネジ留め式になっています。


カラーリング

カラーリングは、装甲の赤がやや暗めになりました。
またメカ部分が2色になっています。メカ生体版は黒一色でしたが、機獣新世紀版では黒とやや青みがかったグレーで構成されています。

装甲の色は良い色をしていると思います。メカ生体版は鮮やか過ぎる赤で、比べると程よく落ち着いた印象です。
最も、メカ生体版が鮮やかな赤をしているのは、D-DAY上陸作戦の主役機だったからという背景も忘れてはいけないとは思いますが。

メカ部分の色は、黒一色だったメカ生体版の方が好きです。
赤と黒の対比が綺麗で、非常に締まりのあるカラーだと思います。
機獣新世紀版も悪くはないと思いますが、グレーが若干ぼんやりとした印象を出してしまっていると思います。

全体的に言えば、個人的にはメカ生体版の方が好きです。ただ、機獣新世紀版のカラーも悪くないと思います。
またカラーに対しては、もう一つ思う事がありました。
2000年頃からの機獣新世紀ゾイドは、再販ゾイドに関して、元から色を大胆に変更する事が多くなっていました。例えばシンカーやハンマーロックのようなものです。
新型ゾイドも、ダークスパイナーのような奇抜なカラーのものが出現していたので、再販時は色の事を随分心配していたものです。
それを思うと、カラー変更されつつも落ち着いて昔のイメージを程よく保った機獣新世紀カラーは、非常に納得のできるものでした。


設定・戦歴

設定は、一部メカ生体時から変化しました。
背びれは「最新鋭の電子装置を搭載し」とされています。つまり電子装備は、より強力なものに換装されています。
それ自体は良いと思いますが、名称が少し疑問です。

旧名称は「超高感度レーダー」でしたが、今回換装された新名称は「全天候3Dレーダー」です。この名称に疑問を感じます。
全天候3Dレーダーというのは、もともと帝国共通武器セットの中の一つ、量産型小型レーダーに使用されていた名称です。

量産型の小型レーダーとディメトロドンが持つ帝国最強のレーダーが同じ名称というのは、なんとも萎えます。
出来れば特別感のある名前にして欲しかった所です。
重箱の隅をつつくような事ですが、こういう部分でハッタリの効いた名前を打ち出しユーザーを惹き付けられるかどうかというのは、非常に重要だと思います。
機獣新世紀ゾイドは、荷電粒子砲をゴドスやイグアンが装備しており、それはデスザウラーの荷電粒子砲のカリスマ性をやや陳腐化させていたと思います。
切り札で、ここぞという名称を出すというスタイルが良いと思います。
そういった意味では、機獣新世紀ゾイドの名称設定は全体的に少し不器用だなと思います。

戦歴的には、かなり光るものがあります。
ディメトロドンが復活した頃は共和国軍は壊滅状態で、各地でゲリラ的抵抗をしているような状態でした。その為、共和国軍のゲリラ…、残党壊滅の為に投入されます。
その電子能力を活かし共和国軍の残党を探り出す。そして自身では直接戦闘は行わず、その情報を味方部隊に通達するというものです。
まさに電子戦機ならではの戦い方をしており、その機体特性を十二分に生かした運用と活躍に感動します。
地味な任務ですが、非常にリアルというか理に適った運用法で、電子戦機に最高の描写を与えたストーリーは素晴らしかったと思います。

その後はセイスモサウルスの超長距離砲撃のサポート機としても運用されています。

そしてもう一つ、ディメトロドンでは忘れられないエピソードがあります。
キットにはゾイドファンブックEXなる冊子が付属しており、ディメトロドン主役の短編戦記が載っていました。

大局的に見れば圧倒的に優勢なネオゼネバス帝国軍。しかし最前線の部隊は、いまだ残る強力な共和国残党を前に、過酷な任務についていた。
最前線を偵察するディメトロドンなど特に。
そんなある日、ディメトロドンは強力なライガーゼロに遭遇する……。

一兵から見た戦いのエピソード。勇壮でもあり、そして悲壮なストーリー。ゾイドとの絆も感じさせる。
EXの名の通り、ゾイド戦記外伝と言うべきストーリーですが、非常に質の高いものでした。

総じて、設定的な不備はあるものの、描写に関しては非常に良いものだったと思います。


改・電子機械獣 ディメトロドン

細かい不満はあるものの、まずは復活してくれて、しかも活躍してくれたのは最高でした。
戦いの描写も、ディメトロドンをスーパーパワーアップさせて直接戦闘…なんていう事は無く、あくまで電子能力を活かした戦いでした。
時代を経ても電子戦機に輝きを与えるゾイドストーリーに改めて魅力を感じます。
今後ともそうあって欲しいと願うばかりです。


バリエーションモデル

 メカ生体ゾイド ディメトロドン

暗黒仕様 ディメトロドン


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