機獣新世紀ゾイド ガイロス帝国軍 レブラプター<REVRAPTER>

■レブラプター(ヴェロキラプトル型) データベース■

 発売年月 2000年03月  発売当時価格 600円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 EZ-027

 スペック 全長11.4m 全高7.56m 重量23.5t 最高速度210km/h 乗員1名

 主な武装 キラーファング ハイパークロー(×2) ストライクハーケンクロー(×2) カウンターサイズ(×2) イオンチャージャー

 特徴
  古代文明が遺した、ゾイドの能力向上と進化のためのプログラム「オーガノイドシステム」。
  不完全ながらもこのシステムを搭載したレブラプターは、常識を超えた俊敏性と生命力を得た。
  この機体に格闘戦を挑む事は、小型ゾイドはもちろん、中型ゾイドでも大きな危険をともなう。


前後より

ジェノザウラーと共に出現した、機獣新世紀シリーズの完全新型ゾイド、レブラプターです。
イグアンやモルガに代わる主力量産ゾイドとして登場しました。

武装は格闘に特化しており、一切の射撃武器を持ちません。
その分、牙・前脚・後脚・背中の鎌と、強力な格闘装備がこれでもかという程あります。
設定上、中型機に匹敵する格闘性能を持ちますが、その強さは十二分に伝わってきます。

ジェノザウラーと同じく、新型キャップを採用しているのは見逃せません。

従来の小型キャップに比べ、なめらかで流麗な印象のキャップです。
デザインは、レッドホーンなどの中型キャップに近い感じがします。旧ライン小型キャップに比べ、より帝国らしいキャップと言えます。

キャップの色は青。レブラプター以前の機獣新世紀帝国ゾイドは、全て灰色のキャップを使用していました。
レブラプターは、新型キャップをこれでもかとアピールしていると言えます。
使い方は、全身に適度に配置されていて上手いと思います。


側面より

機獣新世紀ゾイドで参戦した完全新型ゾイドですが、その姿は、ジェノザウラーと共にコロコロコミック1999年12月号で衝撃告知されました。

試作品を見た時はかなり驚きました。
正直に言うと、最初の印象はかなり最悪でした。「保守的な目で見過ぎていた」というのが理由ですが、とにかく奇異に感じたのを覚えています。
小型ゾイドでありながら、表情を大きく持つ姿。メカメカしさというより生っぽさを感じる各部。特に、後頭部とふくらはぎの生々しさは凄いです。
当時は、小型ゾイドの頭部は「基本的に口すら無いもの」という認識でした。というか、小型ゾイドなら共通コックピットを使ってこそナンボだろうという考えでした。

ジェノザウラーがかなり従来機に近いラインを意識していたのと対照的に、レブラプターはとにかく「これが新型だ!」という主張の強いデザインだと思います。
当時、メカ生体ゾイドのラインが絶対的だった私にとって、レブラプターが異質に映ったのは分かるなぁと思います。
しかし、その固定概念を取っ払って見た時、レブラプターの様々な魅力に気付けました。

ヴェロキラプトルというのはかなり小型の恐竜で、小型ゾイドのモチーフとして最適です。
その生態は肉食で凶暴。大きな鉤爪は他の動物にとって脅威だったとされています。
そのヴェロキラプトルのイメージを汲み上げゾイドに仕上げるには、従来のような共通コックピットを用いた保守的なデザインでは厳しい。
従来から考えられないような大胆なラインで構成しなければ。
そんな風に考えた時、この異質に映ったデザインは必然だったなだなと思いました。

レブラプターは「機獣新世紀ゾイドの新型」という事を、ある意味でジェノザウラー以上に表したゾイドだと思います。
そうやって受け入れる事が出来てからは、どんどん惹き込まれていきました。

ところで、試作版のレブラプターですが、色を除きほぼ完成形と差はありません。
ただ、脚の鉤爪の形状は大きく変わっています。製品版よりも鋭いというか、半月でなく三日月状の形状になっていてシャープです。
おそらく、歩行時のバランスの関係で製品版のようになったのだと思いますが、ちょっと惜しいです。
ちなみに、キット箱の写真には、この試作版が使用されています。


フェイス

凶暴な顔つきをしています。小型ゾイドでここまでの表情を持った機体はレブラプターが初でしょう。
一つ上のHiユニット搭載機と比べても、その表情の持ち方は特出しています。
牙のラインも生々しさを感じます。また、後頭部が脳を思わせるようなラインになっており、ここから感じる生々しさは強烈です。

初見では異質さを感じましたが、「小型ながら荒々しい強力機」というイメージはこれ以上ないレベルで持っています。
それでも、もう少しだけ生々しさを抑えメカメカしさを出した方が良いんじゃないかなぁとは思いますが、ボディのデザインともよく馴染んでおり、そういった意味では良いデザインをしていると思います。

コックピットハッチは色が異なり、良いアクセントになっています。このハッチに、鼻を思わせるモールドがあるのは見逃せません。
ただ、このパーツは塗装済みパーツになっています。その為、ゲート部分が目立つのは難点です。

頭部はコックピットになっており、ハッチを開けるとおなじみのパイロットが入っています。
ジェノザウラーは胸部にコックピットを持っていましたが、レブラプターは従来と同じく頭部です。

内部スペースはかなり狭く、ここまでギリギリのスペースのゾイドは珍しいです。
ハッチが閉めにくいという事はありませんが、スペースがギリギリなので、キッチリ閉めるとハッチ裏面がパイロットフィギュアに触れます。
なので、次に開けた際にハッチにパイロットフィギュアがひっついている事があります。


新世代ゾイド

旧来機と比べると、その生々しさがよく分かります。
パッと見ではメカメカしさが足りないと感じる部分もありますが、よく見ると細部で「凄い!」と思わせる造りがあります。

通常は見えにくいですが、ボディ側面の装甲の張り方が好きです。

これを見た時、旧大戦の名機、デッドボーダーを思い出しました。


レブラプターのボディ側面は、デッドボーダーの装甲の貼り方と似ています。
世代を超え、技術的な繋がりが保たれている事が感じられます。
パッと見では旧来機と比べ異質さを感じてしまうレブラプターですが、新しささを出しただけではない。よく見るとしっかりした血脈が受け継がれている事が分かります。

また、デッドボーダーといえば、旧大戦時に衝撃デビューを果たしたゾイド。
そのデッドボーダーと共通するデザインがレブラプターにあるというのは、何とも胸熱です。

ところで、この側面装甲の間には、謎のモールドがあります。

この3連の丸が3つ付いていますが、何の装備なのか謎です。
最初に見たときは、小型ミサイルかな? と思っていました。付き角度から考えるに、対人用の可能性も強く感じます。
しかし、設定上は特に表記なし…。
まぁ、箱の表記はあくまで「主な」装備なので、表記されていないだけで小威力の小型火器と解釈しても良いと思います。

レブラプターは格闘に特化した機体ですが、さすがに火器が一つも無いのはどうか。最低限の汎用性くらいは持たせたらどうかと言われる事も多くあります。
もし、これを火器として表記しておけば、そういった批判もある程度抑えられたのかなぁと思ったりもします。惜しいです。
一方、格闘にとことん特化している姿も、それはそれで魅力的ですが。

ボディ以外では、尾のデザインが好きです。
ピンと伸びていかにもスピード感を感じるデザインですが、それだけでなく、可動を感じさせるデザインになっているのが特筆です。
キットでは一体成型ですが、この、いかにも動きそうなデザインはゾイドならではだと思います。

全体的なデザインとしては、体をきゅっと縮めすぎと言われる事もあります。
首を引き、手もきゅっとたたんでいる。後発のガンスナイパーと比べると、そのきゅっと縮めた感が分かると思います。

ガンスナイパーは、首も腕も前に出ています。
どちらが好きかは好みもあると思いますが、確かに王道的デザインというか、ハッタリがあってカッコいい姿勢はガンスナイパーだと思います。
しかし、実際の生態に近い姿勢は確実にレブラプターだと思います。
全身に武器を満載し、尻尾をライフルにするような大改造を施したガンスナイパー。野生体の力をそのまま活かし、格闘に特化したレブラプター。
その特性を考えて両者の姿勢を見た時、それぞれの魅力が見えてきます。

様々な魅力があるレブラプターのデザインですが、弱点は機体各所にあるキャップ状のモールドだと思います。

キャップと同じ形のモールドを付けるなら、キャップを差し込むようにすれば良いのでは…。その方が、キャップとしての質感や色の統一も出来ると思います。
更に、問題なのは脚部のモールドです。半分えぐれたようなキャップ状モールドがあり、機能を考えた時、かなり悩んでしまいます。

この辺の中途半端さはかなり惜しいです。これが、全体のデザインの評価をやや下げている気がしてなりません。
個人的には、これらのモールドは、キャップと同じではなく独自のデザインにしておくべきだったと思います。

ただ、弱点もありますが、全体的には良くまとまったデザインだと思います。
新世紀ゾイドとしての鮮烈さを強く持っており、その上で旧大戦機の特徴も感じられる。良い塩梅です。

デザイン面だけでなく、キットとして進化している部分もあります。それはゼンマイです。
旧来のゼンマイ機は、側面にゼンマイの「つまみ」が飛び出していて、美観を損ねているものでした。
しかし、レブラプターはその点を見事に解消しています。

レブラプターの側面には、ゼンマイのつまみはありません。一見、動力無しのモデルに見えます。
しかし、背中にはイオンチャージャーと設定された装備を持っています。

このイオンチャージャーを側面に差し込めば…、

ゼンマイを巻く事が出来ます。

動力ギミックを残しながら、同時に美観も達成した。この仕掛けは見事です。
万一、イオンチャージャーを無くしてしまっても、ドライバー等があれば巻く事が出来ます。その辺の対策が用意されているのも好感です。


ジェノザウラーと共に

ジェノザウラーと並べると映えます。この二機は、新世紀ゾイドという事を大いにアピールしました。

この二機は、共に部隊を形成する事がよくありました。とても絵になるペアだと思います。
ゾイドの大きな特徴として、ペアを組んだら両機の魅力が更に倍加する事があると思います。
例えばコマンドウルフは単体でもカッコいい。でもシールドライガーと並べると更に魅力的に見えるという事です。
魅力あるペアというのは、ぜひ続けて欲しい要素です。
新世紀の最初から、このような魅力あるペアが生まれたのは素晴らしい事だと思います。

共に前傾姿勢でスピード感のあるデザインですが、こうして見ると両者の違いも感じます。
ジェノザウラーはスピード感の中にもドッシリした大型ならではの風格があり、逆にレブラプターはあくまで軽快さに特化したデザインに見えます。
それぞれの特性に合わせた、素晴らしいデザインの差があると思います。


ギミック

ゼンマイを巻くと元気に動きます。新世紀ゾイドですが、やはりこの部分は保たれています。
ギミックは、なかなかのものを持ちます。

連動ギミックとしては、背中の鎌…カウンターサイズを動かしながら、腕を振りながら、完全二足歩行します。
完全二足歩行は、既にマーダやシュトルヒがあった事を意識すべきでしょう。しかし、連動ギミックとして武器を動かした点は大きな進化です。
マーダは歩くのみ。シュトルヒは羽ばたきながら歩きましたが、武器を動かす事はありませんでした。
レブラプターは、これらの正当な進化形だと思います。
歩行時の安定感も上々です。

手動ギミックは、爪の開閉、イオンチャージャーの旋回、口の開閉、コックピットハッチの開閉です。

爪の可動は素晴らしいです。
ゴジュラスと同じ構造で、握る事が出来ます。また角度を大きく変え、表情を付ける事も出来ます。

実際にパーツを持たせる事も出来ます。

モールドが少なくツルツルすべる為、持てるものはかなり限られます。
それでも、格闘に強いゾイドとしてこの可動は嬉しいです。


戦歴

戦歴は、かなりのものを持ちます。
初陣では、大量の歩兵としてジェノザウラーに随伴し、あのゴジュラスを仕留めています。
先にジェノザウラーの荷電粒子砲を浴び手負いだったゴジュラス。そして膨大な数で無理やり攻め落としたレブラプター。
そういった事情はありましたが、あの最強・ゴジュラスを仕留めたというのは超超鮮烈なデビューでした。
ゴジュラスに群がる姿は、まるで軍隊アリのような不気味さを感じさせました。

基本的に、ジェノザウラーと共に行動している印象が強いです。

これはコロコロコミック付録のポスターですが、やはりジェノザウラーに随伴しています。
ジェノザウラーとペアを組むには、やはりイグアンでは厳しい所があると思います。
レブラプターが随伴する事で、ジェノザウラーの威力は倍加したと思います。

と、初陣からしばらくは無敵時代を謳歌していましたが、共和国軍がブレードライガーやガンスナイパーを投入すると、たちまちやられる事が多くなりました。
同じく格闘を重視した性能で、明らかに上を行くブレードライガー。同程度の機動力を持ち、火器で先制攻撃するガンスナイパー。
急速にその威力を失していった印象があります。
とはいえ、その後も運用が続けられています。次世代歩兵ゾイドとして、大いなる成功機だったのでしょう。

アニメゾイドでも活躍しています。
ジェノザウラーと共に初の新世紀ゾイドという事で、事前予想としては大活躍するんだろうなぁというものでした。
しかし、蓋をあけてみればけっこうなやられ役…。シールドライガーも安定して倒す感じで、かなり予想外でした。
ジェノザウラーの活躍は凄まじかったですが、それとかなり対照的でした。
それでも、主人公バンが乗った時は大活躍を見せ「いいゾイドだ」と言わしめていたりもします。
全体的に、やられ役ながらかなり「美味しい」ゾイドだったと思います。

バトスト、アニメ共に登場シーンは多く、戦歴にはかなり恵まれたゾイドだと思います。


新世代歩兵ゾイド レブラプター

当初は奇抜さに目を奪われ受け、入れがたいなぁと思ってしまったゾイドです。
その裏に隠れた数々の素晴らしい点に気付くまで、かなり時間のかかってしまったゾイドですが、その分、今はその魅力にはまっています。
最初からその固定概念を捨てておけば。惜しい期間を過ごしてしまったなぁと悔いています。

キャップ状のモールドは残念です。
また、今は納得したとはいえ、それでももう少し生っぽさを抑えた方が良いなぁと思う箇所はあります。
この角度から見ると、ふくらはぎがセクシーすぎてムチムチ感を感じてしまいます。
細部では、改良も望んでしまいます。

ただ、それらを差し引いても、新世代第一号ゾイドの名に恥じない素晴らしい完成度を持ったゾイドだと思います。
この凶悪な風体にして歩兵。そしてやられ役を演じる事も多い。それでいて後年まで運用されている。
何とも美味しいゾイドだと思います。


バリエーションモデル

ゾイド妄想戦記 レイヴェンラプター


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