D-Style RZ-007 シールドライガー

■D-Style RZ-007 シールドライガー データベース■

 発売年月 2012年12月  発売当時価格 1890円


D-Styleのゾイドとしては第五弾(バリエーションを除くと4機目)として登場したキットです。
既にブレードライガーが発売されている状況だったので、「これは出ないのではないか…」と半ば諦めていましたが、見事不安をはねのけて発売に至ってくれました。
不安の中での発表だったので、かなり意外であり嬉しかった記憶があります。

オリジナルもHMMも、そして機体設定的にも「シールドライガーを元に作られたのがブレードライガー」であるのに、D-Styleではブレードライガーのキットを元にシールドライガーが作られているのは面白い事例だと思います。

D-Styleゾイドの第一弾ブレードライガーの頃は、出来はどうなる事かと心配半分期待半分で発売を待つという感じでした。
しかしシールドライガー発表の頃は、傑作ばかりが生まれる同シリーズに既に安心感があり、期待しかしていなかったように記憶しています。
はたして実際のキットを組んだ感想はその期待以上のもので、これ以上ない最高にカッコいい、そして可愛いシールドライガーで大満足でした。
最高にカッコいい、そして可愛いというのは、この画像を見ただけで言葉なく語れるものと思います。


前後より

前後どちらから見てもカッコ可愛くなっています。
デザイン的には、コトブキヤという事でHMMが意識されている部分もあると感じますが、全体的にはオリジナル版のイメージが強い仕上がりをしていると思います。


個人的に、HMM版には、アレンジが暴走気味だったかなと思える部分を感じていたので、これは嬉しい所でした。

シールドライガーは、ブレードライガーよりも装甲におけるディティール密度の高いゾイドですが、それらがほぼ完璧に再現されています。
その上で、ゴチャゴチャしすぎずSDらしい可愛らしさを保っているのだから、この仕上がりは特筆ものだと思います。
ディティールの密度は高いのに、全体的にはそれほどうるさくは見えない。レベルの高い造形はD-Styleの中でも傑作と言える出来だと思います。

このシールドライガーはいわゆる”バン仕様”ですが、先に発売されたブレードライガーとは、比べるとかなり色合いが違います。

シールドライガーはボディの色も青味がかっており、全体的に青のトーンである印象を受けます。また爪や牙の金色は、かなりくすんでいます。
対しブレードライガーはボディがほぼ完全なグレーなので、全体的に青というよりは、装甲の青が強調された配色だと思います。また爪や牙の鮮やかな金も目を引きます。
似たような色ではありますが、ややストイックなシールドライガーと、とにかく鮮やかで華やかなブレードライガーという事で、比べると非常に面白いと思います。

また、各部モールド等の金型的部分での仕上がりは、コトブキヤらしく非常にシャープになっており、各部気持ちの良いシャープさを示しています。


側面より

オリジナルのシールドライガーと同じく、空気抵抗が意識された、流れるような美しいラインが再現されているのが素晴らしいです。
HMMでは頭部と背中装甲に若干の段が出来てしまっていたのですが、やはり高速機を名乗るからには、こういった細部まで気を配って欲しいものです。
その点、SDとはいえこの出来。改めて素晴らしいと思います。

首の可動は縦方向に大きくとる事が出来、勇ましく吠える/低く構えるポーズができるのは非常に嬉しい所です。
また首をひねる事も可能で、首をかしげたようなポーズができるのは、SDならではの可愛らしい表現に一役買っています。
これらの可動は、先に発売されたブレードライガーと同程度になっています。


背中の砲の展開

シールドライガーといえば、背中の武器の収納/展開ギミックが特徴的でした。
差し替えなしで、見事に完璧にそれが再現されています。
収納/展開のプロセスは、オリジナル版と全く同じ方式になっています。

非常に細かいパーツ構成で、破損の危険が感じられるのは怖いですが、それでもこのギミックが「差し替え」ではなく「可動」で再現されたのは素晴らしく、このキットの最大級に絶賛すべき点だと思います。

またこの部分では、背中の装甲のディティールが、HMMではなくオリジナル基準になっている点が要注目だと思います。


その他可動

キャノピーはもちろん展開します。
ただ「上に引き出してから展開させる」という仕様になっているため、開けるのにコツがいる上、少し力も必要です。
クリアパーツを扱うのだからどうしても慎重になってしまい、もう少し簡単に開くようになっていれば…とは思ってしまいます。
またキャノピーは完全にガバッとは開かず、画像程度が最大の開き具合です。
これらの点は、数少ない弱点だと思います。


エネルギーシールド発生装置は、上側のみ展開します。
下側は展開しませんが、あまり目立たない位置なので気にならないといえば気にならない……、しかしやっぱり寂しい気もするように思います。
ちなみに下側のエネルギーシールド発生装置ですが、様々なキットで展開が省略される事の多い箇所ではあります。
他にも、「ゾイドガム版」「シールドライガーブロックス」等が省略しており、1/72キット以外では、唯一MSSシールドライガーが下側の展開を再現しています。
なおゾイドガム版もブロックス版も、上側の発生装置は展開するようになっています。

その他、脇のミサイルポッドは、差し替えにより展開状態を再現できます。
差し替えなのはやはり寂しい気もしますが、シールドライガーの場合はブレードライガーのブレードと違い、「完全収納」「完全展開」のどちらかしか無いと思うので、個人的にはさほど気になりません。

また、HMM版は「ミサイルポッドの射撃位置に脚がある」という致命的な構造をしていましたが、D-Styleでは自分の脚は撃ち抜かない位置に展開するようになっており、細かい点ですが非常に優れた点だと思います。

この、ミサイルポッドが「差し替え」で展開するのに対し、より小さい背中の砲が「可動」で展開を完全再現しているのは、D-Styleの進化を表している点であるとも思います。


フライングベース対応

もちろんフライングベースに対応しており、高速機ならではの様々なポーズを取らせることができます。
脚の可動はブレードライガー譲りで良好に動くので、存分に楽しむ事ができます。
SDモデルならではの可愛いポーズもばっちり決まるのは、フライングベースならではの点だと思います。


超高速戦闘部隊 シールドライガー

造形的には、個人的に感じていたHMMの不満点がSDながら見事に解消されており、かなり好感の持てるキットだと感じました。
見事にカッコ可愛いシールドライガーで、とても気に入っています。

キャノピーの他に、強いて難点を言うなら、バン仕様であるので、尾部先端のビーム砲が無い点だと思います。
ボーナスパーツというような感じで同梱されていれば、より嬉しかったのですが…。

ただその点を差し引いてもとてもお気に入りのキットです。
先に発売されたデスザウラーは、色違いのブラッディデスザウラーが発売されました。
そのように、メカ生体版のカラーや、強化タイプのMK-II、DCS-J等が出る事を願ってしまいます。

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