D-Style RZ-028 ブレードライガー

■D-Style RZ-028 ブレードライガー データベース■

 発売年月 2011年8月  発売当時価格 1890円


D-Styleのゾイド第一弾として登場したキットです。
コトブキヤのD-styleシリーズは、リアル系メカを絶妙に可愛くアレンジするシリーズとして注目していました。
ゾイドはもともとカッコいいだけでなく、動物がモチーフだからこそ、ある種可愛い部分があると思います。
なので、D-Styleシリーズにゾイドが参戦するのを聞いた時は、凄く嬉しかった記憶があります。

はたして、その完成度は期待以上の素晴らしいキットでした。


前後より

とにかくもう可愛い!と叫びたい出来です。ブレードライガーが絶妙にカッコ可愛く作られています。
コミカルな頭身で可愛らしくなった一方、ゾイドらしいハイディティールな部分も余すことなく再現されています。
ゾイドの持つカッコいいを程よく残したまま、ここまでカワイイの部分を引き出してしまうデザインセンスに脱帽です。

デザイン的には、オリジナル版ブレードライガーよりも、むしろHMM版ブレードライガーに近い風になっています。

HMMシリーズは同じコトブキヤ製なので当然かとも思います。
個人的に、ブレードライガーはHMM版の方が好きなので嬉しい点でした。

造形は非常にシャープになっており、小粒ながら非常に小気味の良い出来になっています。
またパーツ数が少なく抑えられており、非常に組みやすいのも、お手軽なキットとして非常に良いと思います。
パーツ数が少ない弊害で、多少肉抜きも目立ちますが、さほど気にならないような箇所に留められており、配慮があると思います。

ただ色分けは割とザックリと分けられただけで、不完全な部分が多いのは残念です。
白パーツはともかく、キャップは別パーツゾイドらしさ倍増だったと思うだけに特に残念です。
ただキャノピーがクリアパーツである点は特筆モノだと思います。


完全に色分けされていたら、下のCGで補正した画像のような感じだったと思います。

こうして見ると、ここまでシャープな造形で出来ているのに色分けが完全でないのは惜しいなぁとも思えます。
特に、手の平サイズの小さいキットなので、塗るのは細かいマスキング作業が必須になり、難度は高めだと思います。


側面より

側面から見ると、全体のバランスがよく分かります。
絶妙にSD化されていると思います。

SDゾイドキットは、以前にトミーから「ゾイド ザ ワンブロックス」シリーズが出ていました。

このモデルもまた、絶妙な可愛らしさを持っており大満足な出来でした。
一方、プラ製では無いゆえに造形にシャープで劣る点、小さすぎるサイズゆえに(それはそれで魅力的である一方)造形的な作り込みに限界がある点は難点でもありました。
その点、D-Styleはプラ製でシャープ、また大きさもそこそこある強みが存分に生かされており、ワンブロックスよりも数段上の完成度になっています。
また、比べると、キャノピーのクリアパーツ効果が改めて分かると思います。

大きさは、ワンブロックスゾイドよりはかなり大きいものの、通常スケールのゼンマイゾイドよりはやや小さい程度になっています。

この大きさはコレクションするには最適な大きさだと思います。

また、ワンブロックスと違い、各パーツ可動が出来るようになっており、例えば首は大きく可動し、様々なポーズをつける事が出来ます。
上下の他、横方向へも可動するのは特筆です。
SDながら勇ましく吼えさせたり、首をひねって可愛らしい仕草をとらせたり思いのままです。


可動

各部可愛らしく仕上がっている一方、ブレードライガーのディティールは極力再現されており、可愛いとカッコいいを両立しているバランスは改めて絶妙です。
そしてこのキットは、可動も素晴らしい仕上がりをしています。

首の動きは先に書いた通りで、表情付けに抜群の効果を出しています。そしてその他も、良好な動きを実現しています。

まず、脚部と足首がボールジョイントで可動し、様々なポーズを取らせることが出来ます。
かなり自由度は高く、画像の様なお座りポーズも難なくこなせます。
各関節ごとの可動こそ無いものの、デフォルメされた関係上、脚が短いので、さほど気にならなくなっています。

また特筆なのは背中のロケットブースターまわりの可動です。

背中の装甲の展開とロケットブースターの展開が、この小スケールの中で見事に再現されています。
ブレードライガーの高速を支える装備をしっかり再現している所はさすがです。

頭部キャノピーの展開や、上部Eシールド発生装置の展開、口の開閉も出来ます。
逆に省略された部分としては、下側Eシールド発生装置の展開、四肢の肩装甲の展開です。
残念と言えば残念ですが、細かい部分でもあり、そこまで気にはならないと思います。

全体的に素晴らしい可動を誇るのは確かですが、ただ一点だけ残念な部分もあります。
ブレードライガーの名称の由来でもあるブレードは、左右に展開する事が可能です。
ただ、可動ではなく「差し替え」になっており、ブレードライガー最大の特徴だけに頑張って欲しかったと思ってしまいます。

差し込み口先端は上の左側画像のようになっており、「収納」か「完全展開」かで、差し替えます。
展開途中の中間形態は再現できず、この点だけはブレードライガーらしくない点として非常に残念に思ってしまいます。

ただ擁護するなら、ブレードの中間形態の再現は、デフォルメの作りの関係上、そもそも無理という風にも見えます。
両脚の幅がかなり狭くなっており、仮にフル可動にしたとしても、脚の装甲にひっかかってしまいます。
そう思うと中間形態をいっそ省いたのは、合理的なようにも思えます。


フライングベース対応

コトブキヤのフライングベースに対応しており、使用する事で、飛び掛る/飛び跳ねる等のポーズが再現出来ます。
このフライングベースは、もともとロボットやHMMゾイドクラスのサイズに対応したものなので、小スケールのモデルのD-Styleに使用すると、かなり大げさに飛んだ感じになります。
しこしこれがSDならではのハッタリが効た感じになっており、とても良い効果を出していると思います。

脚、首、口、尾、Eシールド発生装置、ロケットブースターと、各部良好に可動するからこそ、フライングベースに乗せた時にポーズが決まります。
ブレードライガーと言えば、その高速を生かして突撃するシーンが印象的な機体なので、それが良い感じに再現できるのは嬉しいです。

画像のフライングベースには、コトブキヤ直営店での予約購入特典の機獣新世紀ゾイド・ヘリック共和国国章の特別ver.を使用しています。

これが非常に素晴らしい出来で、このままD-Styleでゾイドがどんどんリリースされ続け、帝国国章や他の共和国国章など、様々な紋章が出てくれる事を願ってしまいます。


獣王 ブレードライガー

キャップが別パーツであって欲しい等、欲を言えば難点が無いわけではありませんが、それらを考慮に入れても、非常に理想的な仕上がりをした傑作だと思います。

先にも書いたように、ゾイドは動物をモチーフにしている関係上、カッコ可愛らしい方向でのアレンジも似合うと思います。
このシリーズがどんどん出てくる事を願ってやみません。

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