メカ生体ゾイド 周辺アイテム ゾイドコレクショングッズシリーズNo.2 大型ゾイドミニチュアモデルセット
■ゾイドコレクショングッズシリーズNo.2 データベース■ 発売年月 1987年初旬 発売当時価格 1200円 販売元 トミー
ゴム製大型フィギュアセット
ゾイドコレクショングッズシリーズNo.2として発売された周辺アイテムです。
ゴジュラス、アイアンコング、サーベルタイガーの人気ゾイドが、ゴム製フィギュアで造形されセットで入っています。
発売は1987年初旬。
この時期、メカ生体ゾイドはいよいよ全盛期を迎えようとしており、メインの1/72キット以外にも様々な周辺アイテムがリリースされるようになっていました。
そんな中の一つです。
箱は引き出し式で、横方向にスライドして中身を取り出すようになっています。
中には、パーツが綺麗に整理され入っています。このような仕様な為、遊んだ後でまた箱にしまう事が容易になっています。隠れた利点です。
見ての通り、ゴム製フィギュアながら幾つかのパーツに分かれています。
全機、「胴体」「右前脚」「左前脚」「右後脚」「左後脚」の5パーツで構成されています。
(ゴジュラスとサーベルタイガーは、半身のみ既に組みあがった状態で入っています)
各パーツは単純に「差し込む」だけの構造になっており、組み立ては非常に簡単です。差し込むだけの構造なので、可動も可能です。
ただし、「上下に振る事が出来る」程度の可動であり、オマケ程度の可動と考えた方が良いでしょう。内側や外側を向かせる事は出来ません。
また、ゴム製なのであまりハードに動かすとちぎれてしまうのも要注意です。
また、これも見ての通り、スケールは設定されておらずノンスケールです。
各機の大きさは統一されており、このモデルを見て各機の体格差を知るような事は困難になっています。
「並べて楽しむ」というよりは「各機を精一杯見栄えの良いものにした」と考えるべきでしょう。
大きさは、ゴム製フィギュアとしてはかなり大型です。
ゴジュラスで、高さ10cm弱ほどあります。ここまで大きいゴムフィギュアは、なかなか珍しい存在です。
ただ、ゴム製フィギュアとしては大サイズとはいえ、実際の1/72キットと比べると小サイズです。
さすがに、通常キットと比べると小型に見えますが、コレクションには最適なサイズでもあります。
造形レベルはなかなか高くなっています。一方で、共通した弱点もあります。
各パーツは、ディティールの精密さは良いのですが合わせ目は開き直ったような仕上がりです。どのパーツも中央にパーティングラインが目立って入っています。
また、ピン跡なども一部では目立ちます。
見栄えを求めるなら、デザインナイフなどでバリを取ったり調整したりする作業は必須でしょう。
また、フィギュアにはTOMYやZOIDSなどのロゴが、どこかに必ず入っています。
これが目立たない位置ならいいんですが、割と目立つ位置にでかでかと入っています。
この部分も、気になるならデザインナイフなどで削ぐことが必須でしょう。
とはいえ、これらはゴムという素材である以上、また商品の構成上仕方ない点でもあります。
これらの弱点は確かにありますが、その上でなお「良く出来たモデル」と言えるだけのものを持っているのは確かです。
ゾイドゴジュラス
この商品では、名称は「ゾイドゴジュラス」とされています。
ゴム製フィギュアではさすがに完全再現はキツかったのか、火器はの全撤去されています。またディティールも一部簡略化があります。
しかし、それでもゴジュラスらしさは十二分に保たれており、なかなか良い出来です。
複雑なキャップの付き位置が完全再現されているのも高ポイントです。
造形上の限界はあったが、こと「ゾイドらしさ、ゴジュラスらしさ」に関しては素晴らしい完成度と言えます。
残念な所を探すなら、爪、足、バックパックが「つながった」ように造形されている所です。
これは、簡易な金型で一体成型したゆえの弊害でしょう。
タイ焼きの型を思えば分かりやすいですが、あのような型では「つながった」ように造形せざるを得ない事情が分かると思います。
可動は、手足が動きます。しかしあまりポーズはキマりません。
ゴジュラスに関しては、可動するのは本当に「オマケ」程度に考えた方が良いでしょう。
アイアンコング
アイアンコングは、ラインナップの3機の中では最も良い出来です。
ディティールの簡略も少なく、形状に関してはほぼ完全再現・寸分違わぬと言って良い完成度です。
やはり、複雑なゴチャメカな共和国側ゾイドよりも、スッキリした装甲で覆われている帝国側ゾイドの方が造形しやすかったのでしょう。
ただ一点、右肩の6連発ミサイルが省略されている点は惜しいです。
可動は、なかなかキマります。
手足が動くだけですが、直立させる事が出来るし、腕を上にあげれば大胆なで面白いポーズになります。
重心のバランスが良く、このようなポーズにしても楽々立つ事が出来ます。
サーベルタイガー
サーベルタイガーも、なかなか良い完成度です。アイアンコングには一歩劣りますが、それでもなかなかの再現度です。
惜しい所を探せば、腹部の装甲とメカ部分の境が分かりにくくなっている所です。
この為、ちょっと太い感じに見えてしまいます。もう少し彫が深く境が分かりやすいようになっていればと思います。
帝国共通武器セットがほとんど省略されている点も惜しいです。
ゾイドゴジュラスと同じく「つながった」ように造形されている個所もあります。
三連衝撃砲や三連ミサイルはつながったように造形されているし、爪は4本→3本に減っています。
また、背中の連装砲が単装砲になっていたり、腹部のパイプも2本→1本に減ったいたりします。
やはり、簡易な金型で一体成型したゆえの弊害でしょう。
ただ、それでも水準以上の出来だとは思います。
各パイプが「抜き」があるように造形されているのも特筆です。
余談ですが、この造形は「ゾイドバトルコミック」の序盤に登場するサーベルタイガーのモデルになっていたりします。
爪が3本、背中の砲が単装、共有武器がほとんど無いという点で一致します。
おそらくこの時期、作画にはこのゴム版サーベルタイガーが参考にされていたのでしょう。
なお、このようなサーベルタイガーが登場するのは序盤だけで、中盤以降は1/72キットと同じ作画になります。
もう一つ、造形面ではありませんが、パッケージには「SABER TIGER]と表記されています。これは誤字です。
正しくは「SABRE TIGER」です。メカ生体ゾイドのサーベルタイガーは「SABRE TIGER」、機獣新世紀ゾイドのセイバータイガーが「SABER TIGER」です。
可動は、なかなかキマります。
脚が動くだけですが、なにしろ高速機なので疾走ポーズが出来ます。
フライングベースが欲しくなります。
コレクショングッズシリーズNo.2 大型ゾイドミニチュアコレクションは、現在でもそこそこ見かけます。
流通数はそれなりに多かったという事でしょう。
価格は1200円と、ゴムフィギュアとしてはかなり強気の値段設定でした。
しかしそれでもかなりの数が流通したというのは、やはり人気の3機種が一気に揃うという魅力と、ゾイドが全盛期を迎え、ある意味、入れ食い状態のようになっていた状況を感じさせます。
造形的にもまずまず魅力的なものですが、そういった角度で見ても興味深いものだと思います。