ゾイドデフォルメフィギュア ストラップコレクション

■ゾイドデフォルメフィギュア ストラップコレクション データベース■

 発売年月 2009年7月  ※キャンペーン専用景品(非売品)


コカ・コーラ社とのコラボ商品

2009年7月、ゾイドリバースセンチュリーが3月末で終了して数か月。沈黙を続けるゾイド界に、突如として関連商品がアナウンスされました。
コカコーラ社の500mlペットボトル飲料を特定のコンビニで購入すると、ゾイドのミニフィギュアがオマケで付いてくるというキャンペーンが行われました。
(対象のコンビニはミニストップ、デイリーヤマザキ、ポプラ、am/pmの4店)

ミニサイズの、ストラップ付きフィギュアです。サイズは小さいながら、塗装までされています。

リリースは全8種類で、シークレットはありません。
ラインナップはゴジュラス、シールドライガー、ゴルドス、コマンドウルフ、デスザウラー、アイアンコング、サーベルタイガー、レッドホーンです。
特徴的な事に、全て「メカ生体ゾイド版の機体」という事になっています。
なお、どのゾイドが入っているかは、外から分かるようになっていました。その為、コンプは容易でした。

このフィギュアと冊子が入っています。冊子は、機体紹介部分のみ、機体ごとに専用のものに差し替わるようになっていました。
機体紹介は短い文章が付いていますが、やはりメカ生体時代の設定が記載されています。

ミニアイテムですが、当時はリバースセンチュリーが終了して数か月というタイミング。
ゾイドの新情報に飢えていたユーザーを直撃したアイテムで、そこそこ注目されていたように思います。

フィギュアの造形ですが、機体にもよりますが、正直に言って甘さが目立ちます。
メカ生体ゾイド時代のビッグポーズや機獣新世紀ゾイド時代のバトルカードゲームのコマ(ゾイドコレクション版と同じ型)と比べると、差が大きいです。

大きさは、ビッグポーズはやや小振りで、他の二つは同じくらいの大きさです。
ビッグポーズは省略されたディティールは多いものの、各部モールドが気持ちよく綺麗に造り込まれています。
バトルカードのコマは、極限まで細かいディティールを再現した入魂の造形です。
それらと比べると、デフォルメストラップのものは全体的なバランスがあまり良くなく、中途半端な印象を受けます。

塗装も、してあること自体は嬉しいですが、はみ出しがやや目立つものになっています。
ゾイドコレクションの美麗な塗装と比べると、かなり劣ります。また、キャップ部分が全くの未塗装なのは寂しいです。

ゾイドコレクション版は初期こそキャップ部分未塗装でしたが、途中のラインナップからは塗装済みになりました。

可動などは一切ありません。この点は、大きさを考えると妥当だと思います。


ゴジュラス

ストラップは後頭部に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

ゴジュラスは、元のイメージを良く保ったまま造られています。
火器がのきなみオミットされているのは寂しいですが、体型はよく再現されています。この出来なら、遠景モデルにも使用できそうです。

色はメカ生体カラーで塗られており、色合いもなかなかの再現度です。
ただ、実物は「腹・バックパック・尾」と「爪・足・尾の先端」の色が違います。その部分は同じになっている等、簡略化も見られます。
また背びれが灰色なのも相違点ですが、その意図は不明です。


冊子の写真は、当時のカタログと同じものが使用されています。
名称が「ゾイドゴジュラス」になっているのは、狙っているのだとすればちょっと嬉しいです。


ゴルドス

ストラップは後頭部に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

ゴルドスは、大きくデフォルメされています。頭部が巨大化していますが、正直に言うとあまりセンスの良いデフォルメ具合ではないと思います。
脚の方も頭部巨大化に合わせて短足化するなどしていれば全体のバランスが取れたと思います。
ただ細部は良く出来ています。キャノン砲は「浮いた」造形になっているし、レーダーや頭部の複雑なディティールも良く再現されています。
それだけに惜しいと感じるものです。

カラーリングはメカ生体カラーで、再現度はほぼ完璧です。


冊子の写真は、当時のカタログと同じものが使用されています。


シールドライガー

ストラップは背中に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

シールドライガーは、HMMデザインで造形されています。
造形は細かいところまで良く出来ており、尾部が短い事意外はほぼ文句無い仕上がりになっています。背中の砲が造形されているのも特筆です。

カラーリングは水色の初代カラーで、色の彩限度も中々です。
HMMでこのカラーが発売されていないという事もあり、なかなか貴重な気がします。


冊子の写真は、メカ生体版の箱写真から機体のみ切り抜いて使用されています。


コマンドウルフ

ストラップは背中に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

シールドライガーと同じく、HMMデザインで造形されています。こちらも非常に細かく造られており、なかなか良い出来です。
ただ難を言うと、脚部のパイプが「埋まった」ように造形されているので、脚部がちょっと太い風に見えてしまいます。

カラーリングは、メカ生体版のものになってり、色の再現度はなかなかです。


冊子の写真は、メカ生体版の箱写真から機体のみ切り抜いて使用されています。


デスザウラー

ストラップは後頭部に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

デスザウラーは、ややデフォルメされた感じに造形されています。
リアル系ともデフォルメ系の中間くらい…?どっちつかずで中途半端な感じはぬぐえません。

カラーリングはメカ生体版のカラーになっており、なかなかの再現度です。
色塗りも的確で、背中のオーロラインテークファンまで塗られているのはとても良いと思います。
贅沢を言うと、頭部クリアパーツ部分には目も描き込んで欲しかった所です。


冊子の写真は、メカ生体版の箱裏写真のものが使用されています。


アイアンコング

ストラップは頭部に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

アイアンコングは、リアル系で造形されています。
今回のラインナップの中では最もまとまりが良く、高い完成度になっていると思います。
昔からアイアンコングの食玩等は出来が良い傾向にありますが、今回もその例に違いません。
ミサイル類の的確な造り込みは特筆です。

カラーリングは、装甲が黒く目の色が赤い、メカ生体版のカラーになっています。
しかし赤の色合いは異なり、ゼネバスレッドではなく鮮やかな赤が使用されています。

惜しいのは腹部です。

「メカ生体」を意識したデフォルメストラップですが、腹部は機獣新世紀版の腹が出た仕様になっています。


冊子の写真は、当時の写真が使用されています。ただこの写真は、カタログや箱では使用されていないものです。
確認した範囲では唯一、雑誌のプレゼントコーナーでこれと同じ写真が使用されていました。

要するにかなりレアな写真なわけですが、そんな写真が残っていた事や今になり使用された事は驚きです。


サーベルタイガー

ストラップは背中に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

サーベルタイガーは、HMMデザインで造形されています。しかしHMM版よりも更に細くなっており、正直ヒョロヒョロなイメージがぬぐえません。
特に後脚の細さは致命的です。明らかにスマートという範囲を逸脱しており、全く力強さは感じられないように思います。
ただ砲関係はよく造形されています。

カラーリングは、赤の色合いがメカ生体版とは明らかに違います。特徴的なゼネバスレッドではなく、ガンタイガーのような真赤な色です。
また目が緑色で、これは機獣新世紀ゾイドの色合いです。
「赤に茶色」のメカ生体カラーだと視認性が低いから…だとは思いますが、ちょっとコンセプトとしてあやふやな感じがしてしまうのは否めません。


冊子の写真は、メカ生体版の箱写真から機体のみ切り抜いて使用されています。


レッドホーン

ストラップは背中に刺さっていますが、抜いて撮影しています。

レッドホーンは、造形がかなり微妙です。
最も気になるのは脚部で、付き位置がおかしくなっています。オリジナルと比べ、明らかに低い位置から脚が生えています。
その為、何とも言えない妙なバランスになってしまっています。
背中の砲もミニサイズになって迫力無いものになっており、前部の砲に関してはまるまるオミットされています。
パーツ単位で見ればそこまで悪くない仕上がりですが、全体としてのまとめが良くないと感じます。

カラーリングは、サーベルタイガーと同じ問題を有します。


冊子の写真は、当時のカタログと同じものが使用されています。


デフォルメストラップ

全体的に見て、かなり中途半端な印象はぬぐえません。

「デフォルメストラップ」という割に、デフォルメされているのはゴルドスとデスザウラーのみ。他はリアル系で造形されています。
デフォルメされている2機にしても、そのデフォルメ具合にはかなり差があり、統一感はありません。

トミーキットが造形の基準になっていたり、HMMが基準になっていたり、その辺の統一感もありません。
(というか、2009年時点でHMM化されている機体は、すべてHMM造形が基準になっています)
恐らく、「原型を作る段階で最も入手しやすかったキット」が基準になっているのだと思います。

求めすぎかもしれませんが、「メカ生体」のものとしているにも関らず、目の色が緑だったりというのも気になります。
漠然と「ゾイドの関連品」というくくりだったならともかく、「冊子はこだわりのメカ生体仕様」になっているのだから、その落差がどうしても目に付きます。

総評すれば、「コレクターアイテムの域を出ない」という厳しいものになってしまうと思います。

発売時期も謎で、リバースセンチュリーが終わった数ヵ月後に出ています。
シリーズは終了したがいまだゾイドは健在なり という所を示したかったのかもしれませんが…。
しかし、どちらかというと、こういった一般の目に触れやすいアイテムは、シリーズ開始前に仕掛けた方が良かったと思います。
開始前に一般層の目に触れやすいミニアイテムを出し「そういえばゾイドってあったな」的な感情を掘り起こす…。そうしたところでリバースセンチュリーシリーズ開始…だったら良かったと思いますが、実際は逆…。
もしこれで「そういえばゾイドってあったな」な思いを起こすユーザーが居ても、その時はシリーズは終わっている…。

造形も塗装も戦略も、いろいろな意味で中途半端な印象を持ってしまうアイテムです。
ですが、こういったアイテムは、上手く使えばシリーズの盛り上がりに大きく貢献するものと思います。なにせコンビニで流通するのは大きな強みです。
なので、今回の反省を活かし、今後もこういったものにぜひ挑戦して欲しいと思います。


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