メカ生体ゾイド ヘリック共和国軍 機甲部隊戦闘メカビークル サンドスピーダ<SANDSPEEDA>

■サンドスピーダ(ビークル型) データベース■

 発売年月 1988年7月  発売当時価格 1000円  動力 小型ゼンマイ

 型式番号 24f-2

 スペック 全長2.9m 全高1.7m 全幅1.2m 重量1.1t 最高速度80km/h 乗員1名

 主な武装(サンドスピーダ本体)
  ヘビーマシンガン ミニガトリング砲 サーチライト

 主な武装(サンドスピーダ兵士用装甲服)
  対ショック用ヘルメット 強化スーツ 赤外線暗視バイザー ショルダーガード タックルベルト プロテクター マシンガン

 特徴
  機甲部隊主力メカ「メガトプロス」と共に作戦を展開する戦闘ビークルメカである。
  主力武器は、ヘビーマシンガンである。メガトプロスに合体し威力を発揮する。
  また、移動用ビークルとして使用される。


前後より

戦闘ビークルメカ、サンドスピーダです。メガトプロスとの合同運用を前提に開発されています。
極小サイズのメカで、キットとして単体発売されたものの中では最小です。重量はわずか1.1t。これは軽自動車より多少重い程度でしかありません。

前面にマシンガンとガトリング砲を備えており、対人用としてはかなりの威力を発揮出来そうです。
反面、両砲とも速射性は優れていようとも小口径砲に過ぎず、敵ゾイドを撃ち抜くには力不足な気がします。
純粋に、対歩兵用と見なすのが正解だと思います。

マシンガンやガトリングがあれば、群がる歩兵を蹴散らす事は容易だと思います。
しかし装甲が何もないので、簡単に反撃され撃たれそうでもあります。正直、あまり乗りたくない機体です。

デザインは、なかなかカッコいいと思います。乗りたくはありませんが、装甲が無い事含めて、いかにも簡易量産品といった雰囲気で好きです。
各部リアルに出来ており、実在感タップリです。
バンパーが随所に使用されていますが、これはメガトプロスやネプチューンと共通するデザイン的処理です。

サンドスピーダには、共和国24ゾイド特有のクリア装甲がありません。
しかしそこで諦めず、あくまで自軍らしい共通したデザインで処理を行っている所が素晴らしいと思います。

デザインでもう一つ特徴的なのは、キャップを一つも使用していない事です。動力付きキットの中では、サンドスピーダが唯一です。


サンドスピーダ兵士

24シリーズの機体なので、もちろん1/24スケールの可動フィギュアが付きます。
フィギュアの造形は、残念ながら独自のものではありません。バトルローバー兵士の色替えで済まされています。

帝国側のショットウォーカー兵士も、ロードスキッパーと色替えで済まされていました。それと共通します。

色はメガトプロス:茶、バトルローバー:青、ネプチューン:黄に続き緑色を採用しており、なかなか24ゾイド兵士はカラフルになってきたなと思います。

フィギュアは、もちろんコックピットに搭乗可能です。搭乗させると、改めてサンドスピーダの小ささがわかります。

イスに操縦桿とエンジンを付けている感じです。ちょうど、ウルトラザウルスの艦載機と同程度か、わずかに大きいくらいでしょうか。

非常に小さいですが、スケールを生かした造り込みが各所に見られます。

シートは皮を思わせる、軍用としては非常に豪華な感じになっています。キットの構造上、合わせ目がやや気になるのは難点です。
操縦桿やペダルは非常にリアルに出来ており、実際に乗っている所を想像しやすくなっています。

サンドスピーダのコックピットを見ていると、1/72キットも実際のコックピットはこんな風になっているんだなと想像する事が出来ます。
他の24ゾイドも、もちろんコックピット部はリアルな造り込みが為されていました。
しかしサンドスピーダは、なにしろむき出しのコックピットなので、操縦席周りの情報がよりダイレクトに伝わり、分かりやすくなっています。
そういった意味で、サンドスピーダは単体でも魅力的ですが、それに加え、他ゾイドにも更なる素晴らしいリアル感を与える…、そんなキットになっていると思います。

キットの前部に付いているマシンガンとガトリングは、取り外す事が出来ます。

どちらも、非常にリアル感のあるデザインになっており、魅力的です。これらは、兵士に持たせる事も可能です。

他の24ゾイドの手持ち武器よりも大型な上、二丁もあるのでキマります。


側面より

微妙に左右非対称な機体です。 機体前部の左側にマシンガンと投光機、右側にガトリングが付いています。
リアル感のある造り込みで、また投光機があるのは良いアクセントになっています。
左右非対称部は前部だけで、イスから後ろは左右対称になっています。

それにしても、改めて小さな機体です。
「イスに操縦桿とエンジンを付けている感じ」と先に書きましたが、それがよく分かると思います。
しかしデザイン的には均衡が取れており、綺麗な仕上がりをしていいます。

残念なのはゼンマイのツマミの処理です。
いくらなんでも唐突に飛び出し過ぎで、もう少しデザインに溶け込ますような努力が欲しかった所です。


メガトプロスとのドッキング機構

メガトプロスとの合同運用を前提に開発されています。
後部に合体する事が出来ます…が、合体というか「設置」と言った方が正しいような気がします。
バランスは悪いです。


合体後は、強力な後部射撃砲として機能します。
しかし接続部が折れないかどうか、キット的にも実物的にも心配になる配置です。

もともと、メガトプロスには尾部にステップがあり、そこに後部警戒用の兵士が乗るようになっていました。

その機構を上手く生かした装備です。
しかし兵士1名乗ってバランス良く見える場所に、小型とはいえメカを載せているのだから、無理している感じはやはり否めません。

合体は、兵士用のステップをそのまま利用します。

合体時、サンドスピーダは補助輪を後部に仕舞い、ドッキングします。


ギミック

ゼンマイを巻くと動きます。
連動ギミックとしては、機体前部を左右に揺らしながら前進します。前進はタイヤ走行です。
正直、連動ギミックとしては少ないし、凡作と言える出来かもしれません。
しかし機体前部といえば、マシンガンなど武装が集中している所です。そこを動かしながら動くので、見栄えはなかなか高いです。

手動ギミックとしては、マシンガンとミニガトリング砲の仰角変更と、操縦桿の角度を変更できる事です。
少なめですが、操縦桿が大胆に動く事もあり、なかなか満足度は高いと思います。操縦桿の可動は、戦闘シーンをリアルに想像させます。

その他、フィギュアが可動し、本体とからめる事もできます。
なにしろこれだけ極小サイズのメカなので、人をどのポーズでどう置くかによって見え方が変わります。
他の24メカと比べても、サンドスピーダは兵士の重要性がひときわ高い機体だと思います。

ギミックは、個人的には、まぁ満足かなという感じです。


戦歴

戦歴はかなり謎です。というのも、登場するシーンがほとんど描かれていません。

バトルストーリーでは、ほとんど登場シーンは見られませんでした。
メガトプロスとドッキング中のところをゴーレムに襲撃されているシーンで確認されるのが、唯一です。

学年誌を探しても、このシーン以外でサンドスピーダが登場するものは、ついに見つけられませんでした。
「活躍」ではなく「登場」するものすら見つけられなかったのは無念です。

ただ、てれびくんではこの他にわずかながら出演がありました。
共和国基地に侵入した改造ゴーレムを、他の共和国24ゾイドと共に迎え撃っているシーンが確認できます。

最も、脇役でしかない上、この時はただただゴーレムの戦闘力に唖然とするだけという感じでした。
また、ゴーレムの進撃で蹴散らされた「残骸」としての出演も一度だけ確認できました。
てれびくんでサンドスピーダが確認できたのは、この2例です。学年誌に比べれば出演数が多いですが、それでもかなり少な目です。

正直、描写は最も少ない部類だと思います。活躍していないというレベルではなく、登場すらしていないというのは悲しいものです。
本来、このようなビークルこそ活き活きと描かれるべきだとは思いますが…。

メタフィクションな事を言うと、これは販促的な事が関係しています。
共和国24ゾイドは、メガトプロス、バトルローバー、ネプチューンの三機が、88年3月~4月にまとまって発売されています。
その時期の学年誌は、大活躍する共和国24ゾイド部隊の勇姿を特集しました。
しかしサンドスピーダだけは、少し遅れて7月の発売。残念ながら、共和国24部隊の特集には参戦出来ていませんでした。

そしてようやく発売された7月。新型は活躍させるのが常ではある…が、さすがにサンドスピーダを活躍させる為に一話使うのは勿体無い。
そういった裏事情があり、描写が極めて少なくなっているものです。

余談ですが、同クラスの帝国側ショットウォーカーも、88年7月発売です。
しかしこちらは、ゴーレムが88年8月に発売という事情が重なった為、便乗して一緒に描写され活躍するという幸運に恵まれています。


バトルビークルメカ サンドスピーダ

非常にマイナーな存在だと思います。
搭乗回数が少なく、語られる機会がそもそも無いというのは悲しい事です。連戦連敗のバリゲーターすら羨ましく感じます。

ですが個人的には好きな機体です。
「戦場をリアルに盛り上げる」事において、これほど良いアイテムはなかなか無いとさえ思います。
ただスケールの関係上、1/72キットと並べ辛いのは確かです。
願わくば、オマケで1/72サイズのものでも封入してくれれば最高だったと思います。

実際は、極小サイズの使い勝手の良いビークルとして、幅広く運用されたのだと思います。
ファンとして、そういったシーンを想像したい所です。


バリエーションモデル

なし


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