ストライクミアキス
テクニカルデータ:
全長:15.2m 全高:6.6m 重量:39.3t 最高速度:190km/h 乗員:1名
主な武装:
レーザーサーベル ストライククロー 2連装50mmビーム砲 2連装12.7mm機銃 スモークディスチャージャー
開発経緯および機体解説:
共和国初の高速戦闘ゾイドである。
サーベルタイガー/ヘルキャットの登場は、格闘戦に新たなジャンルを築いた。
両機は素晴らしいジャンプ力を生かした立体的な戦闘を可能としており、旧来の二次元的機動しか行えない機体を次々に撃破した。
なにしろ、地に足をつけて戦う事が常識とされた従来の機体では、飛び上がって空から攻める、あるいは自機を飛び越えて瞬時に背後に回るような敵を捕捉する事は
まったく不可能であったのだ。
そこで共和国も直ちに高速戦闘ゾイドの開発に着手する事となり、本機はそれにより計画・発注された機体である。
なにしろ高速戦闘ゾイドの開発は初であり、また当時はサーベルタイガー/ヘルキャット共に鹵獲機が無かった為、開発は手探りに近い状態で進められている。
共和国の野性ゾイド生息域には、帝国領タイガーゲージのような発達した肉食哺乳類型野性ゾイドが少なく、これも大きな障害となった。
しかしかろうじでミアキス型野生体を確保し、開発は進められた。
当初はヘルキャット級の大きさになる筈であったが、高速性を持続させる機構は小型化する事が困難で、当初の予定よりかなり大型のゾイドとなった。
この点は運動性能の劣化を招いている。
また高速を引き出すメインエンジンは発熱量が甚大で、内部に配置する事が困難となり、外部に露出させる事となり、防御上の難を生んだ。
この辺りは、共和国が初の高速ゾイドを生むために苦心した姿が現れていると言える。逆に言えば、帝国が如何に画期的な機体を作ったかという事でもあった。
様々な障害を乗り越えて完成した機体は、長時間持続可能な速度として190km/hを記録した。
これはサーベルタイガー、ヘルキャットにわずかに劣るものの、実用上ではほぼ同等のスペックであった。
ただし旋回性能などの運動性能では、当初の予定より大型化した事もあり、両機に劣るとされた。
格闘戦ではレーザーサーベルとクローを備える為、ヘルキャットに対しては運動性の劣を差し引いても互角程度に戦えるとされた。
ただサーベルタイガーとの戦闘は論外であった。
砲戦では機体サイズに対しかなり大型の砲を備える為、両機に対し互角に戦えるとされた。
最も、砲力は大きくとも防御力では大きく劣り、そういった意味では劣勢であった。
大きな弱点もあり、また性能的にも中途半端な部分も多い機体であったが、それでも共和国初の高速ゾイドとしては良く出来た機体と言える。
運用試験を終えた機体は、様々な問題の多さを認めつつも、帝国高速部隊に対して十分な牽制力となると判断され、評価試験に合格。無事量産機が発注された。
しかし戦況は本機に光を当てなかった。
本機完成の少し前に登場したウルトラザウルスが予想以上の戦果を挙げ、帝国攻略は順調に進んでいった。
ついに本機の量産が始まる前に、中央大陸全土は共和国の支配下に置かれるに至った。
同時にサーベルタイガー/ヘルキャットの無傷の鹵獲機も大量に得る事が出来た。
中央大陸全土が共和国支配下になったという事は、強力な肉食哺乳類型野性ゾイドが豊富に生息するタイガーゲージも手中に収まったという事である。
タイガーゲージの本格調査により、有力な野生体が多数発見された。
これらを使用すれば、より強力で完成度の高い機体を製作できる事は確実とされ、本機の量産は遂にキャンセルとなったのである。
しかし量産準備が出来たところでのキャンセルだった為、紆余曲折の後、少々の改修を施した上で100機程度は生産される事となった。
これらは来るべき高速戦闘ゾイドの時代に先駆け、パイロット育成の為の高等訓練機として活躍する事になるのであった。
なお本機の開発で得たデータは、無論、後のシールドライガー/コマンドウルフの開発において多大な影響を与えている。
共和国がサーベルタイガー/ヘルキャットの完全なコピー機ではなく独自の機体を持てたのは、本機の開発経験があってこそである。
そういった意味では非常に意義の大きい機体であった。
共和国高速ゾイドの始祖と呼ぶべきゾイドである。
ガンダムSEEDに登場した、モビルバクゥを改造しました。オリジナルゾイド制作第3弾です。
モビルバクゥ。
ガンダムシリーズのメカにも関わらず4足歩行。しかも劇中の効果音がアニメゾイドと全く同じ。ガンダムSEED放映当時からゾイドだゾイドだと言われていました。
当時はアニメゾイドの影響でゾイドが絶好調の時期だったので、影響は否めないと思います。私はといえば、パクんなよ…という風に思って露骨に嫌っていました。
正直今でもあまり好きではないメカですが、素体とする分には良いのではないかと思うに至りました。
前作のダナジン改造機の成功を受けて、このモビルバクゥもゾイドにしてしまおうと、改造に着手しました。基にしたキットは、HGのキットです。
キットの改造素体としてはモビルバクゥを使用しつつ、これをミアキス型のゾイドにしようと思い、製作しました。
ミアキスは暁新世から始新世中期にかけて(約6500万前~4800万年前)生息した動物です。犬・猫の祖先にあたる動物です。
森で生活をしたミアキスはやがて猫へ、森を離れて生活するようになったミアキスはやがて犬へと進化していったとの事です。
その復元図は諸説ありますが、現生動物で言うとマダガスカルに生息するフォッサに近い姿をしていただろうと言われています(画像はフォッサのイラスト)。
短めの脚部、長い胴体、大きな尾などは大きな特徴です。
「共和国高速ゾイドの始祖」という設定にする事は、当初から考えていました。ミアキスというモチーフは、それゆえに選んだものでもあります。
前作トランスリンクスと同じく、共通コックピットを利用しています。
共通コックピットを使用すると途端にゾイドらしく馴染んでくれます。前作と同じくその威力を知りました。
飛行スタンドに対応させてあります。
脚部の可動は、元キットのHGモビルバクゥのものをそのまま残してあるので(ただし後脚はやや可動域を増やしてある)、疾走ポーズも決まります。
脚部以外の可動としては、砲塔が360度旋回し、左右の砲は独立して仰角/俯角を付ける事が出来ます。
胸部の砲も左右に可動します。頭部は横を向ける程度に可動します。また微妙ですが、尾部も左右に可動します。
-製作-
ダナジンである程度慣れていたこともあり、まぁ出来るだろうと思って軽く始めましたが……、かなりの難産になりました。
まず、実際にバクゥを組んで見てみると、様々な問題が出てきました。
思いのほか、太ましいというか。あまり動物的な魅力あるラインではありませんでした。
胴体がずんぐりと太く短いので、そこを解消するのは必須だと思いました。
延長必須。初期の案では、このように「胴体を前後に分割して中央にパーツを入れる」ような構造を想定していました。
結果的には、胴体は前部のみ使用し、後部は全く別のパーツを使用する事になりました。
使用したのは、電撃ホビーマガジン2012年9月号の付録「ガンダムAGE-2アルティメス改造パーツ」です。
本来、巨大な砲を支える支柱としてのパーツでしたが、ちょうど良い形と大きさでした。
お尻の感じが重機っぽくて、上手く質実剛健でゾイドらしいラインになったと思います。
また、同じく「ガンダムAGE-2アルティメス改造パーツ」の各パーツを使用し、腹部や尾部を構成しました。
背中のエンジン等は、電撃ホビーマガジン2012年5月号の付録「ガンダムケストレル」のパーツを使用しました。
今回のオリジナルゾイドは、ガンプラを3つも使用しているのが大きな特徴です。
モビルバクゥは今回の為に購入したものですが、他の2つは雑誌の付録。正直作ることも無いだろうと思いつつ取っておいたものだったので、今回で消化できて良かったです。
胴体が延長できたので、続けて細部を仕上げました。様々なジャンクパーツを使用し、形をブラッシュアップします。
胸部に砲を付けるのはゾイドの定番だと思っています。
ここは、サーベルタイガーのような加速衝撃砲にしようかなとも思いましたが、最終的にはヘルキャットのような通常の砲にしました。
腹部にパイプを付けたのも、ゾイドの定番だと思っています。
また横腹に大きなくびれを出す為に、ガンダムケストレルの足を貼り付けていますが、これは我ながら中々のアイデアだったと思っています。
背中に巨大なエンジンを露出させているのは、ゴーレムのようで気に入っています。設定ともリンクさせました。
砲は、元の砲がSF調なデザインでゾイドっぽくなかったので、改造しました。
中央の基部はそのまま使用しましたが、砲身は換装しました。ジャンクで持っていたコマンドウルフの砲を使っています。
コマンドウルフの砲は一体成型なので、まず中央でバッサリ切って、ひたすらヤスリをかけて綺麗に磨きました。
今回の制作で最も労力がかかった点かもしれません。
更に、砲口と後部にディティールアップパーツを張りました。
比べるとこのような感じです。とてもゾイドらしい砲に改造できたと思っています。
先にも紹介しましたが、左右の砲で独立して仰角/俯角を付ける事が出来ます。
脚部は、前脚・後脚ともにキャタピラを切り取り、ジャンクパーツを貼ってゾイドらしくしています。
出来る限り、バクゥのパーツを使用するように努めています。
爪は前回の改造で余っていたクイックキット・ムラサメライガーのパーツを使用しています。
また、後脚のみですが、ふくらはぎ部分に着脱可能な装甲を付けました。
これは「後脚を出来るだけ太くたくましく見せたい」事と、設定的に「後脚のこの部分は、素晴らしいジャンプ力とスピードを生むための重要メカニックが詰まっている」としてあります。従って、特にガードしたい部分=装甲が欲しいと考えた為です。
主に肩口を重点的にガードする事になる後のゾイドと比べると奇異ですが、技術的過渡期にあったゾイドな設定でもあるので、こういう風にしてあります。
頭部は共和国共通コックピットを使用し、パーツを貼り付ける事でモチーフに近づけました。
耳、タテガミ、レーザーサーベルですが、全て、前回のダナジンで余ったパーツを使用しています。
レーザーサーベルは、ダナジンにこれだけピッタリのパーツがあったのは奇跡だったと思います。
最終的な造形を元と比べると、このような感じです。
我ながら良く変えたものだと思いますが、いい具合にゾイドらしく出来たと思っています。
塗装はスプレーで行っています。
カラーは悩みましたが、共和国重装甲SP級~Hiユニット級ゾイドを参考にしつつ決めました。
フライングベースに対応させたのも、今回の作品の特徴です。といっても下面に穴を開けただけですが。
かなり苦労しながらの制作でしたが、それに見合う出来にはなったと思っています。今まで製作した3つのオリジナルゾイドの中では、最も気に入っています。
-追記-
完成後、各種展示会に持参し好評を頂くことが出来ました。