メリー・サクリファイズ

テクニカルデータ:
 全長:21.8m 全高:11.6m 重量:55.0t 飛行最高速度:M3.2 陸上最高速度:110km/h 乗員:1名

主な武装:
 30mmロングレンジビーム砲(×2) 2連装20mmビームバルカン(×2) 連装砲 60mm衝撃砲(×2) 3連装小型ミサイル
 レーザーファング スマッシュアップテイル チタンクロー

主な装備:
 ドップラーレーダー マグネッサーウイング 尾翼 落下式増槽 夜間暗視装置

開発経緯および機体解説:
 中央大陸制覇を狙う暗黒軍にとって目下の悩みは、保有するゾイドの種類・数の絶対的不足であった。
 かねてよりゼネバス帝国軍ゾイドを接収する事は計画されていたが、それでも幾つかの分野では苦戦する事が予想されていた。
 筆頭は空軍である。
 新鋭レイノスを護衛につけたサラマンダー爆撃隊は驚異であり、もはやレドラーでは防ぎきれない事が確実だった。
 そこで、レイノスに対抗できる能力を持った空戦ゾイドの開発が決定され、本機の開発はスタートした。

 暗黒大陸特有のドラゴン型野性体を使用した為、空戦能力に加え、陸戦能力も付加する事が出来た。
 その能力はイグアンをはるか凌駕し、アロザウラーに迫るものがある。
 またドラゴン型特有の重パワーを活かし、爆撃機運用も可能なほどの積載量を確保する事も出来た。
 新型の夜間遠視装置も組み込まれた為、夜間でも正確な爆撃が可能である。
 これにより本機は、戦闘機運用、爆撃機運用、陸戦運用が可能という、素晴らしいマルチロール機となった。

 十分な陸戦能力と爆撃能力を持つ機体でありながら、その空戦能力はレイノスと同程度を誇る。
 それを実現したのは変形機構である。本機は立ち上がった陸戦・格闘形態から、全身をピンと伸ばした飛行形態へ変形する事が出来る。
 こうして恐るべき能力を持った、暗黒ゾイドが誕生した。

 しかし本機にとっての悲劇は、完成の直前に起こった。共和国軍が改良型のサラマンダー"F2"を就役させたのである。
 F2は空戦力が飛躍的に向上しており、速度・運動性能共にレイノスを超えるものであった。これにより、共和国空軍の能力は一気に増強された。
 その為、本機は就役前に既に戦闘力が陳腐化してしまったのは何とも運の悪い事であった。

 本機の量産は見送られ、完成した一号機は実験機として運用されるに留まった。
 しかし本機の基本設計は優秀であり、本機の開発・実験で得られたデータを基に、より大型で完成度の高い機体として再設計される事となった。
 後年、ガン・ギャラドとして完成した機体がそれである。サラマンダーF2や、更に新鋭のオルディオスをも凌駕する能力を見せ付けたのは、母機として名誉な事であろう。

 なお本機の名称のメリー・サクリファイズであるが、発音の難解さから不評であった。
 非公式の愛称としては、DANAZINE(ダナジン)と呼ばれる事が多い。
 これは、Dragon type And New Attacker Zoids Insert Night Encounter(夜間戦闘装備を備えたドラゴン型新型攻撃機)の各頭文字を読んだものである。




-制作-
ガンプラを改造して制作した、オリジナルゾイドです。
アニメ機動戦士ガンダムAGEに出てきたモビルスーツ・ダナジンを見て、これはちょっといじればゾイドにできるのでは…と思い、制作する事にしました。


ダナジン。機動戦士ガンダムAGE3期における、敵側主力モビルスーツ。
HGモデルを使用しています。プラモデル的には非常に可動が大きく、優秀なものでした。
箱には「恐竜のようなポージングが可能」と書かれており、また、アニメ劇中では「この恐竜野郎」と言われていました。
もはやゾイダーであるなら反応するなと言うのが無理なわけで。

名称は、Melee Sacrificeで、略すると「MS」になるようにしました。
Meleeは本来はメイレイと発音すべきですが、あえてメリーと呼んでいます。
なおMeleeは「混沌」 Sacrificeは「いけにえ」を意味します。意味的にはかなり暗黒軍的になったかなと。
その上で、DANAZINE…、ダナジンという名も使いたくて、Dragon type And New Attacker Zoids Insert Night Encounter(夜間戦闘装備を備えたドラゴン型新型攻撃機)の設定も作りました。
相当なこじつけ。かなり無理やりですが、なかなか気に入っています。

設定どおり、飛行形態にする事が出来ます。
後から見た姿が気に入っています。ギル・ベイダーやデスバードに近いかなと思います。

その軍の"らしさ"を思わせるものに出来たのは、満足しているポイントです。

制作のきっかけは前記した通りです。
しかしいくらダナジンがゾイドっぽいとはいえ、それはあくまで「っぽい」という話。
実際は、手足はまるまる換装しないと厳しそうとか、表面の質感が大きく違うとか、解決すべき点が多くありました。
「ゾイドっぽく見える」→「本当にゾイドらしい」にするべく、奮闘しました。

自分としては前代未聞のオリジナルゾイド製作を作るわけだから、完成するかどうかは不安でした。
制作初期段階における姿はこちら。

仮組で、両面テープで色々貼り付けています。
この段階では腕と脚はキットのままです。まだ、どうするか思いついていなかった為です。

武装は、尾部に連装砲を備えている点と、背中に大型砲を備えている点が、完成形と異なっています。
尾部の砲は、配置はとても気に入っていたのですが、先端にハードポイントを作るのが難しくて断念しました。
背中の砲は、飛行ゾイドに砲を付けるのはは無いかなぁ…と思って搭載を見送りました。

両翼の連装砲はストームソーダーのものです。この配置はいかにもゾイドらしくて気に入っています。
また腰部に、グレートサーベルの尾部用ウイングを付けています。
尾部付け根には砲も付けました。この辺のパーツのミッチリ感がゾイドらしくなったかなと思います。

キャップ用に「受け」を作っているのはこだわりポイントです。この画像だと、まだキャップを付けていないので分かりにくいと思いますが…。
キャップは、出来るだけ多くの数を作ろうと思っていましたが、最終的には10個使うようになりました。
大きさから考えると、まずまずの数だと思います。

その後、脚にはブラキオレックスのものを使用する事にしました。

大きさ的にピッタリはまってくれました。
ゾイドとしては疑問を禁じえない姿のブラキオレックスですが、パーツ単位では良い部品が揃っていました。

もしかしてダナジンはブラキオレックスの脚と組み合わせるためにあるのでは…と思ってしまう程のはまり具合でした。

ある程度の可動は欲しかったので、脚部は付け根から可動するようにしました。
ダナジンの脚部ジョイントを、ブラキオレックスの脚部パーツに埋め込んでいます。

これにより、元キットの可動(ボールジョイント)を残す事が出来ました。
…が、ブラキオレックスの脚部は幅が大きく、動かすとあちこちに干渉してしまいます。
実際は可動は前後に動く程度。八の字開きすら難しいです。
技量があれば、引き出し式の関節を作ってみたいものです。

そして、そんなこんなで形が完成しました。

前腕部には、腕ではなく長砲身の大型砲を付けました。砲は、ボールジョイントでグリグリ動きます。

腕を付けるべきかどうか、かなり悩んだんですが、最終的にこのように。
かなり異端なデザインだと思いますが、まぁ暗黒軍的で良いかなと思います。
砲にしたのは気に入っています…が、いずれ換装の腕パーツも作りたいと思います。

脚部は肉抜きを埋め、最低限のディティールを入れています。
自分としてはここまで凝った事をしたのは初めてで、この段階でもかなり満足してしまえるものでした。
塗装の失敗が怖いので、いっそこのまま完成にしてしまおうか、と思ってしまうほどに………。

キャップや砲は、接着ではなく、ジョイントを作った上で差し込んでいます。
その為、差し替えや仰角の変更も可能です。

製作当初は、ここまで凝るつもりはありませんでした。
凝っていると完成しないかもしれないと思っていたので、とにかく完成させることを優先しようと思っていました。
接着で済む場所は接着にしよう。贅沢は考えないでおこうと思っていました。
しかし作り込むたびに楽しく、最終的にこのようになりました。

反面、初期に作った頭部などは、強引に接着して作っている傾向が強くあります。
下あごは接着。前頭部には、この中にコックピットがある設定ですが、開閉ギミックは作らずじまい…。
後から思うと、もうちょっと頑張ったら良かったなと思うポイントです…。
ただ、それも含めていい勉強になりました。


塗装はベーシックに黒・赤にしました。
設定的にガン・ギャラドと関係付けるつもりだったので、この色は当初から決めていました。
結果的には大正解だったと思います。

今回、はじめてサーフェイサーを使用し、またマスキングなども行いました。
サーフェイサーは素晴らしい効果を発揮し、今までなんで使ってなかったんだと思いました。

塗装は、はじめてスプレーを使ってみました。
細部を塗るのは難しいですが、面は非常に綺麗に塗れるなという印象。今後も活用したいです。

 

設定的に、後ほど開発技術が生かされて、より大型で完成度の高い機体として生まれたのがガン・ギャラド。

共に。なかなか上手くまとまったなと思うのは思い入れゆえでしょうか。


今回はとにかく初めてだらけでした。
オリジナルゾイドを作るのも初めてだし、本格的なジョイントの自作もスプレーもマスキングも…。
それらで良い結果が出たところもあるし、反省点も多くありました。
例えば、サーフェイサーを吹くと、素晴らしい発色が出ます。しかしその反面、表面仕上げが雑だとそれもまたダイレクトに出ます。
そんな事にも気付きました。次回以降、表面を綺麗に整える術も探っていきたいです。

とはいえ、オリジナル機を作った第一号であり、設定も含めて気に入っています。
これを機にどんどん量産できれば良いなと思います。

-追記-

完成後、各種展示会に持参し好評を頂くことが出来ました。

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