バレット・アロザウラー

テクニカルデータ:
 全長:13.7m 全高:10.8m 重量:66.3t 最高速度:230km/h 乗員:1名

主な武装:
 バイトファング 火炎放射器 電磁ハンド(×2) 30mm連装速射砲(×2) 2連ビーム砲(×2) ターボファンエンジン(×2) 増槽

開発経緯等:
 バレット・アロザウラーは、対暗黒軍戦役において登場した、アロザウラーの高機動タイプである。

 アロザウラーは共和国が誇る主力歩兵ゾイドであり、攻・走・防のバランスの取れた傑作機であった。
 その能力を遺憾なく発揮し、対ゼネバス帝国戦役において多大なる活躍を挙げた。
 しかし後年の対暗黒軍戦役においては、さすがに力不足が目立つ様になっていた。
 時代は高速機ゾイドの台頭を迎えており、時速300km/hを超える敵高速ゾイドを補足する事が全くかなわなかったのである。

 対高速ゾイド戦に対応する事は、必須であった。しかし切迫した戦況は時間的な余裕を全く与えず、新型機を開発する時間を許さなかった。
 そこで急遽、対高速ゾイド戦に対応出来るように改造した、高機動タイプアロザウラーが計画される事となった。

 開発期間短縮を第一とした為、急造タイプとして設計されている。
 すなわち基本構造は従来機と同じままに留め、背中に強力なターボファンエンジンを二基装備させる事で、機動力向上を狙った。
 この強引な機動力向上の方式は、いかにも急造型である。ただターボファンエンジンは可動式であり、上下に角度を付ける事が可能となったのは特筆すべき点であった。

 ターボファンエンジンのおかげで速力は大幅に向上しており、最高速度は実に230km/hに達した。
 反面、ターボファンエンジンは大推力ゆえに燃料消費も激しく、1800L容量の増槽を追加装備している。
 この為、従来機よりはかなり重い機体となっているが、堅牢な構造のアロザウラーは追加装備による重量増加をどうにか受け入れた。

 こうして完成した高機動改造タイプは、その高速性を評価され、”弾丸”を意味する”バレット”の愛称で呼ばれた。
 最高速度の向上のみならず、エンジンは上下に仰角を付ける事が可能であり、例えば下方に向ければジャンプ力が向上するなどの用法も可能であった。
 これによりアロザウラーは、暗黒軍に対しても十分な戦力足りえる存在となった。


-製作-


アロザウラーに小改造+塗装をしたものです。

アロザウラーは大好きなゾイドです。
「恐竜型」「スタンダードな共和国デザイン」「手頃な大きさ・価格」と揃っており、入門用としてベストなゾイドだと思っています。
メカ生体ゾイドでは、登場以降はゴドスに変わって陸戦のエースとなり、多くの戦場で活躍しました。
しかし暗黒軍編以降はやられ訳として描かれる事が多くなり、好きなゾイドだけにどうにか活躍出来るような改修案はないかと思っていました。

暗黒大陸編の時代、戦場は高速機がその中核になりました。
そこで、アロザウラーも高速主体の戦場に対応させるべく、背中に大型ジェットエンジンを二基背負わせました。
設定的に「急増型」である為、強引な感じにしました。共和国の強化型はいつも強引なデザインなので、それに習っています。

ただ、「背中にエンジンを搭載する」というのは、ゴジュラスでも採用されている共和国伝統の配置だと思っています。
本機は、急増型であり強引にジェットエンジンを背負っているのですが、その配置自体は実績ある装着位置となっています。

高速タイプのアロザウラーといえば、チェスター教授救出作戦で活躍したタイプが思い出されます。
この機体の製作にあたっては、あのアロザウラーを「完全なワンオフ仕様であり、内部メカニックも根本的に通常型とは違う」と捉えました。
対して、この機体は、外付けオプション装備を付ける事によりパワーアップを図っているのが決定的な差です。

ターボファンエンジンまわりの設定詳細
  ターボファンエンジンは、アロザウラーを最高時速230km/hにまで引き上げることに成功した。
  しかもこのターボエンジンファンは、初動からフルパワーになるまでが極めて短い。
  開始からわずか数秒で、アロザウラーをトップスピードに引き上げる。
 
  しかも、このターボファンエンジンは、完全な外付けオプション装備である。
  ノーマルタイプのアロザウラーに、最小限の改修をするだけで装備する事が可能になり、いち早くの要望に応える最適なものと言えた。

 アロザウラー側の改修とは、以下の5点である。
  ■ターボエンジンファンを装着する為に、背中のジョイントを強化
  ■増槽装着の為のハードポイントの増設、および燃料配管
  ■高速走行時や急機動時における機体制御の為、腰部小型ロケットエンジンと尾部垂直翼/水平翼の増設
  ■上記改修に伴い、操縦系統のアビオニクスをアップデートする
 
 ターボファンエンジンはじめ、装備品はノーマルタイプよりもかなり増設されている。
 しかしアビオニクスのアップデートのおかげで、操縦性はそう悪化していない。
 これは、アロザウラーの初就役から実に5年程も経ってから製作された改造タイプならではと言える。

ジェットエンジンは、モデリグサポートグッズを組み合わせて作っています。
角度は自由に変えられます。

個人的には、増槽が気に入っています。

着脱可能なように作っています。

また、地味ですが、よく見ると腰の辺りにロケットエンジンノズルを4つ付けています。
これは設定的に、姿勢制御用の小型ロケットエンジンノズルです。
これだけ大型のジェットエンジンと増槽を追加している為、特に高機動時において姿勢制御に難が出てくるだろうと思い、こういう装備を足しました。

姿勢は、少しだけ前傾姿勢にしています。高速機という設定に対してのものです。

実は、最初は出来る事なら完全な前傾姿勢、あるいはフル可動モデルにしたかったんですが、技量的な意味で断念しています。
ただ、腕だけは付け根をボールジョイントにしています。かなり中途半端にしてしまったと思います、、。

高速機のイメージを持たせる為、また姿勢制御の意味合いもあり、尾部に垂直尾翼と水平尾翼を足しています。
1/144のラファール戦闘機の垂直尾翼とカナードで、かなりピッタリのサイズでした。

塗装は、メカ生体版を意識して塗り分けています。
高速機というイメージで、本来の色とは違い、少し青系にしています。青が入ると少し早そうなイメージになると勝手に思っています。

塗り方は、ちょっとこだわっています。

実在兵器をよく観察してみると、必ずしも均一に綺麗に塗られているわけではありません。


遠くから見ると綺麗でも、近づくと意外とヌトヌトというか均一でないというか汚いというか。
特に現地で塗り直された場合などは、それが顕著です。
何度も部隊を移り変わりながら、何度も塗り直されながら戦い抜いた名機。そのリアリティーを再現したいなと思いました。

あと、増槽のラインを手塗りで入れているのも気に入っています。

 

その他、いくつか微妙な変化はしています。

腹部に速射砲を増設しています。この配置が、ゴジュラスに倣った配置になっているのに気づいて頂ければ幸いです。
この砲は、上下に可動します。

速射砲は、LBゴジュラスMk-IIの余剰部品から流用しています。
造形がやや安っぽいものだったので、砲先端に砲口を思わせるディティールアップパーツを足しました。
今までピンバイスで砲口を開ける等しかしていませんでしたが、こちらの方が手軽で見栄えも良いなと思いました。

また、背中に装備していた連装砲は、もちろんジェットエンジン装備の為に撤去しました。
しかし完全に撤去するのも勿体無いので、尾部に移設させました。

完成後は、幾つかの展示会に持っていく機会に恵まれました。

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