ガン・ギャラドD型

テクニカルデータ:
 全長:36.0m 全高:6.8m(飛行形態) 全長:23.0m 全高:15.0m(直立時) 重量:153.4t 最高飛行速度:M3.7 陸上最高速度:110km/h 乗員:1名

主な武装:
 ハイパー荷電粒子砲 パルスキャノン砲 三門衝撃砲 ゴッドテイル 火炎放射器 全天候3Dレーダー 40mmビーム砲 20mm速射ビーム砲

開発経緯等:
 本型は、ガン・ギャラドの後期生産タイプである。

 ギル・ベイダーは両軍を通じて最強の空戦ゾイドであったが、共和国にとって幸いだったのはそれが取るに足らない数だった事だろう。
 一時的に後退した共和国軍であったが、対ギル・ベイダー戦術が確立されると戦場は再び一進一退を繰り返すようになった。

 この状況は先だって予測されており、暗黒軍は量産体制の確立出来ないギル・ベイダーを補完する機体として、ドラゴン型ゾイド“ガン・ギャラド”の開発を進めていた。
 完成した機体はギル・ベイダーほどの機体強度を確保出来なかった為、主要部にアイスメタル装甲を採用して代わりとした。

 アイスメタル装甲は表面が特殊コートされた対ビーム装甲の事であり、銀色に光り輝いている。
 これは反射によりビームを拡散させ無効化する効果を狙ってのものであり、これによりガン・ギャラドはよほど高出力のビームか実弾、
 あるいは格闘兵装でなければダメージを与えられない事実上無敵の機体となった。

 しかし実運用を開始すると、アイスメタル装甲の製造には当初の予想・想定以上の手間と時間がかかる事が判明した。
 また最適な状態を維持するためには常に装甲を磨く必要がある等の整備上の問題が明らかとなり、許容しがたい問題となった。
 その為、次期主力大型ゾイドとしての期待を一身に背負ったガン・ギャラドであったが、量産と配備は遅々として進まない事態が生じ、その解決は急務となっていった。
 そこで思い切ってアイスメタル装甲を廃止した通常装甲タイプが開発される事となり、本型はそれにより誕生した。

 アイスメタル装甲部分は通常装甲となり、防御面での大幅低下を招いたが、量産体制の確立や整備面向上等はそれを補って余りあるものだった。
 尚、通常装甲はアイスメタル装甲よりわずかだが軽く、上昇力と運動性をわずかながら向上させている。

 武装面は通常型と比較し大差無く、火炎放射器、パルスレーザーキャノン、ハイパー荷電粒子砲を主武装としている。
 格闘用兵装としてはバイトファングとレーザークローを備えるが、アイスメタル装甲が無い事で通常型のような強引な戦闘は困難になっている。
 接近格闘戦になると小型ビーム砲の充実したレイノス等にもダメージを受ける事態が多発した。
 その為、接近戦用として小型ビーム砲を二門増設する事となり、腹部に備え付けられた。

 通常型と比較し内部構造も若干変化しており、排気口やエアインテークの付き方に変化が見られるが、その変化はわずかである。
 やはりアイスメタル装甲の有無で判別するのが最も確実な方法であろう。

 こうして主力ゾイドの座についたガン・ギャラドD型は、その十分な数で共和国軍を駆逐していった。
 パイロットは向上した運動性を賞賛する者と低下した防御力を惜しむ者が半々だったようであるが、戦場での存在感は確実に高まったと言えよう。
 本型は単機での性能こそ低下しているものの、純然たる兵器としての観点から見るとむしろ全ガン・ギャラド中で最高の型と呼べるものであろう。
 しかしながら単機での性能を重視するゾイド星人の性格ゆえか、本型は「ダウングレード型」たる「D型」と呼ばれている。


-製作-


製作のきっかけは、知人の言葉でした。
素組みのガン・ギャラドを見て「戦隊ヒーローのメカみたい」と言われてしまいました。
確かに、この時期のゾイドは作りこみが浅く、それでいてきらびやかな方向にデザインがシフトしている。
旧来の戦闘メカらしい雰囲気が薄くなっているのは否定しがたい…。
とはいえ、一方でそれを認めつつ、ただそう言われてしまうのは悔しい気もする。
そこで、兵器らしいガン・ギャラドを作りたくて製作しました。

とはいえ本格的な形状変更などは技術的に無理。というか、ガン・ギャラドの形状自体は結構好きなので残したい。
カラーパターンも悪くないと思う。というか黒赤銀の色は古くから使用されているパターンだし(ただハイパー荷電粒子砲の色はどうかと思うけども)。
そういうわけで、塗装で渋さを出し、兵器然とした雰囲気に出来ないものかと思ってスタートさせました。
比べると、だいぶ良くなったかなとは思えます。

塗装は全て筆塗りです。
黒部分は、フラットブラックで塗り直しました。
感想ですが、光沢が無くなるだけで随分雰囲気が変わるもんだなぁ、と思いました。

メッキ部分は漂白剤でメッキを落としました。
まず半光沢のミッドナイトブルーで塗装し、その後フラットブラックで汚しを入れました(汚しすぎたのでほとんどブルー味がわからなく…)。

全てのパーツは、塗装後にアルミシルバーでドライブラシをしました。
ドライブラシは初めてやったのですが、効果がすぐに見えるので(乾くのが早いし)凄く面白かったです。
各パーツの特性を想像し(例えば装甲は他よりも硬い金属であるなど)、各塗装のはがれ具合等も違ってくるだろうと想像し、具合に変化をもたせたりもしています。
全体的に、初めてにしては上手くいったかなと思って満足しています。

基本的にはパーツ単位での塗装を行いましたが、唯一、羽だけはフレームと思われる部分を塗り分けました。
これは、かなり効果的だったと思います。


塗装以外はほとんどノーマルのままですが、微妙には変更している箇所もあります。
ディティールアップパーツを各所に貼り付けたり、コックピットにハッチを付けたり、腹部に砲を増設させたりしています。
「微妙な変化で効果的に」を狙って行っています。特には、口腔内に火炎放射器の発射口を入れているのが気に入っています。

 
また、この時期のゾイドらしく、パネルラインが少ないのは気になる箇所だったので、ピンバイスでリベットっぽい穴を、頭部に幾つか開けています。
効果は思った以上にあったかなと思っています。
もっと技量があれば、溝も彫りたかったのですが、まぁそれはいつかの課題にしたいと思います。

今までゾイドを塗装する事はあれど、本格的に汚しを入れたりディティールアップパーツを貼り付けたりした事はありませんでした。
そう言った意味では私の初改造ゾイドとも言うべきゾイドで、非常に思い入れの深い一機です。
もちろん初めてなので粗の多い出来でもあるとは思うんですが。

完成後は、幾つかの展示会に持っていく機会に恵まれました。

-追記-

電撃ホビーマガジン2009年8月号の読者投稿コーナー「リーダーズワークス」に掲載されました。

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