初めての方へのゾイド解説 ~機体としてのゾイドとは~


ここでは機体としてのゾイドを簡単に解説します。

 

■機体としてのゾイドとは
ゾイドはメカであり、コックピット(操縦席)が付いています。
その為、一見すると生き物の形をしたロボットに見えると思います。
ですが、実はそうではありません。ゾイドは「生きているメカ」なのです。この事もゾイドの大きな特徴です。


ゾイド星(惑星Zi)は地球とよく似た星ですが、重金属を多く含む地質をしています。
その為、地球とよく似た生物が誕生しましたが、それは金属細胞を持った金属生命体でした。この金属生命体がゾイドです。
最初の生命は海から誕生しました。そこから様々な進化を経て、現在では恐竜型、哺乳類型、虫型などの様々なゾイドが存在します。
いずれも、金属生命体である事を除けば地球の生物に似た姿をしています。ただし、地球では太古に絶滅した恐竜型なども現存しているのは大きな特徴です。

大陸の様々な場所にゾイドが生息しています。特にまとまって棲息する群生地も存在します。
海や川にも水棲のゾイドが棲息しています。

 

また一方で、進化の途中で枝分かれし独自の発展をした知的生命体「ゾイド星人(惑星Zi人)」も誕生しました。
ゾイド星人には金属細胞をほとんど持たず、より地球人に酷似した姿をしています。

※国家誕生前の時代においては、ゾイド星には多くの部族が存在しました。上は、ゾイド星人の姿および公開されている部族の衣装です。

ゾイド星は、ゾイド星人とゾイドが暮らす星でした。

ゾイド星人は、ゾイドを捕獲し生活の道具として使役していました。
これは、「イヌを手懐け狩猟に同伴させる」とか「牛を農耕作業や牛車に使う」事を想像すれば分かりやすいでしょう。
しかし平和な時代は長く続きませんでした。やがて、ゾイド星人は戦いをはじめるようになります。

ゾイド星は地球に似た惑星ですが、厳密に言うと幾らか厳しい環境にあります。
磁気嵐が吹き荒れる地帯や寒冷地も多く、快適に過ごせる場所は限られているのです。
皆はそこに住む事を目指し、戦争が始まりました。

 

ここで、ゾイドを兵器として運用する事が始まります。ゾイドはメカだから、兵器として極めて強力に扱えたのです。
ただし、捕獲したままのゾイドでは兵器として不十分です。捕獲したゾイドには、操縦装置が付き人の意思で操れるようになりました。
また強力な武器が付けられ攻撃力を増しました。こうしてゾイドは人の手で大幅に改造され、強力な「戦闘ゾイド」に生まれ変わりました。

※通常、ゾイドと言えば戦闘ゾイドの事を指します。特に戦闘兵器化前のゾイドを指す場合は、「野生ゾイド」と呼び区別する事が多いです。

ゾイドが生き物の形をしているのは、このような理由があります。
生き物の形をしているだけでなく「生きたメカ」なのです。


■ゾイドの操縦法とは
ゾイドの操縦法は、二つの方法があります。
一つは、操縦桿のあるよくあるメカと同じ操縦法です。もう一つは、「精神リンク」と呼ばれるゾイド独特の方法です。

精神リンクとは、具体的な方法は明かされていませんが「ゾイドと意思を共有する」ような方法とされています。
この方法を使えば、念じるだけでゾイドはその通りに動きます。
ただし、この方法は誰でも使えるわけではなく「パイロットがゾイド自身に認めてもらう」必要があります。
ゾイドに認められた者だけが精神リンクでゾイドを操縦する事ができます。「適合」「不適合」がある操縦法なのです。

ゾイドの種類は多いので、種によっては温厚な性格のゾイド(例としてゴルドス)や、気性の荒いゾイド(例としてゴジュラス)があります。
気性の荒いゾイドで精神リンクの適合を得るのは難しく、限られた一部の者のみが可能な方法です。

操縦桿で操る方法は、言ってしまえばゾイドの意思に反して無理やりに操縦する事です。
一方、精神リンクはゾイド自身と意思を共有するので「ゾイドと共に戦う」事です。
能力をフルに発揮できるのは明らかに精神リンクですが、適合/不適合がある問題もあります。

 

さて、ゾイドはメカですが生きています。
「生き物を兵器運用して、あまつさえコックピットを付けて人の意思で扱う。兵器運用するから当然死ぬ事も多い」
これをどう解釈しているのだろうと思われたことでしょう。

この問題において、公式から明確に「こうだ」という見解は出されていません。
作品によって、ゾイドをどの程度生物として扱うかはバラ付きがあります。
メカ生体ゾイドやゾイドジェネシスは、兵器的な側面を強調して描写する事が多い印象です。
対して、機獣新世紀ゾイドやアニメゾイドは生き物としての側面を強調して描かれる事が多い印象です。

ゾイドとは何か。ゾイドをどう捉えるか。答えはユーザーに委ねられています。
様々な作品で描かれるゾイドを見て、「ゾイドとは一体何か」「戦闘兵器化する事とは」「人とゾイドの関わりとは」そのようにゾイドを考えるのも面白いでしょう。


★ゾイドと地球人
ゾイドのストーリーはゾイド星を舞台に行われますが、地球人も深く関っています。

・ゾイド星には金属生命体「ゾイド」と、知的生命体「ゾイド星人」が存在した。
・ゾイド星人は戦いを始めた。
・それに伴い、ゾイドは戦闘兵器として改造されていった。

物語のプロローグは解説した通りです。
さて、物語の時代は地球で言うと現在よりも未来の話です。
地球人は既に太陽系を超え、銀河への進出を果たしています。移住が可能な星を目指し、巨大宇宙船で調査が行われているような時代です。

巨大宇宙船「グローバリーIII」は、地球から6万光年の位置に未知なる「ゾイド星」を発見します。
だがそこで不慮の事故を起こし、ゾイド星の中央大陸に不時着してしまいました。

ゾイド星人が持つテクノロジーは、地球人の水準から言えば前時代的なものでした。
その為、ゾイド星の戦いは星人基準で言えば激戦でしたが地球基準で言えば「のどか」なレベルでした。
例えば、夜間戦闘装備がなく戦いは昼のみ。夜になったら戦闘を終え引き上げるようなものでした。

しかしグローバリーIIIの船に使われていた技術や乗っていた地球人の知識によって、ゾイド星は技術革新をしました。
技術はすぐさま、戦闘ゾイドを強化する為に使用されました。
ゾイドには夜間戦闘装備は新型砲などの様々な装備が付けられ、休みなく戦う事になりました。
こうして、地球はゾイドを飛躍的に強化しゾイド星の戦いを過激にさせたのです。


★戦闘ゾイドの改造法
戦闘ゾイドの生産は「野生ゾイドを捕獲し改造する」という手順で行われます。
必要に応じて装甲を追加したり、動きを補助するブースターやウイングなどが足されます。攻撃用装備としては、火器等の搭載が行われます。


両軍が使う戦闘用ゾイドは、野生のゾイドにコックピットと武器を装備したものだ。ゾイドの強さは、野生ゾイド本来の戦闘力と改造度、そしてパイロットの腕で決まるぞ。

戦闘ゾイドの生産には、幾つかの注意があります。
基本事項として、野生ゾイドを捕獲し戦闘用に改造したものです。
いかに強力なゾイドでも、野生ゾイドを確保しない事にはそもそも生産できないという事情があります。
強力でも、生息数が極端に少なければ量産する事ができない。逆に、生息数が多ければそこそこの強さでも量産しやすい優れた兵器になる可能性があります。

また、野生ゾイドの乱獲は個体数の激減や絶滅を起こします。長期運用を考えれば、野性ゾイドの個体数をかんがみた生産調整が必須になります。
この事は、地球の兵器と大きく異なる点です。

野生ゾイドを戦闘ゾイドに「改造」する際にも注意が必要です。
ゾイドは生き物なので、「野性ゾイドが持つ特性を活かした設計が必須」という制約があります。
例えば「高速機」を開発する場合はカメ型ゾイドではなくトラ型やチーター型が適しています。
無理にカメを高速化するより、元より高速に適したトラやチーターが良いのは明らかです。
カメ型は、高い防御力や水陸両用能力を活かした設計にした方が良いでしょう。

形状も、本来の姿からかけ離れた姿にしてはいけません。
例えば、ゾウ型ならゾウの姿を保って戦闘ゾイドにしなければなりません。
ゾウ型野生ゾイドを使用し恐竜のような戦闘ゾイドに仕上げたとすると、野性ゾイドの本能が拒絶反応を起こして動きが鈍くなる/または全く動かなくなります。
ゾイドは生き物なので、それを活かした設計が必須という事です。

戦闘ゾイドの設計にはゾイドが生き物である事に由来する「縛り」がありますが、これもまたゾイドを面白くしている要素の一つです。
各ゾイドが長所を活かした設計で完成する。足りない能力は味方ゾイドと連携する事で補う。そのような関係があります。

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