2020年 年賀状


2020年の年賀状です。
ネズミ型ゾイドは存在しない(※)ので、オリジナルで考えました。
(※改造ゾイドも含めるとスプラットなど幾つか居るんですが、どれもあまりネズミに見えない……)

~製作~
2008年の年賀状で以下のものを描きました。

実はこの年は忙しくて、年明けになってから急いで描いたという一枚です。それゆえずっと完成度に心残りがありました。
しかし干支という都合から、なかなか作り直す機会がなかった……。
今回は12年越しにチャンスが訪れたので、2008年のデザインをできるだけ残しつつ現在の技量で時間をかけて作り直しました。

~機体設定~
共和国軍 デーゲンラーテ(ネズミ型)

全長:16.0m(尻尾を省くと9.3m) 全高:5.3m(砲を省くと4.2m) 重量:20.2t 最高速度:140km/h 乗員:1名
主な装備:ハイパートゥース、40mm機関砲(×2)、高感度センサー、高感度3Dレーダー

偵察、潜入、軽攻撃用の小型ゾイドである。第二次中央大陸戦争前期に開発された。
単機としての性能は低いが、製造コストが安く短期間で大量配備できるゾイドとして設計された。整備性も極めて良好で、運用コストも低い。
各部は出来る限り単純な構造で、部品同士のクリアランスも大きめに取られている。
このため多少の泥や砂、高温または寒冷地における金属の変形、生産時の不備による部品精度低下が起きても問題なく動作するようになっている。

低姿勢を活かして敵地への潜入や破壊活動を行う。
攻撃は、長く伸びた歯での噛み付きと背中の機関砲による砲撃を行う。
歯は要塞の分厚い扉にも穴を開ける。
機関砲の威力は低く、軽装甲のマーダ程度を倒すのが精一杯である。重装甲SPクラスとなれば相当数を撃ち込まないと撃破は難しい。

防御力は低く、装甲は最低限の厚さしかない。
加えて野生体が撃たれ弱い種であり、攻撃された際は短時間で行動不能に陥る事が多い。

一方で電子能力は高い。耳は高感度レーダーになっている。
これはゾイドマンモスのレーダーを小型高性能化したもので、中型以下ではゴルヘックスに次ぐ高性能である。
鼻もセンサーになっており、敵の接近を鋭く探知する。
防御力の低い本機は、先に敵を発見し会敵を避けながら目的地に移動する事を基本としている。

構想では、大量生産し敵地に潜入、各種スパイ活動や軽攻撃による嫌がらせを行うものであった。
単機としては破壊力が低いが、数にものを言わせて波のようになだれ込む本機は帝国に脅威を与えるはずであった。

しかし本機は不採用になった。
理由として、同時期に開発された”アタックゾイド”がスパイや軽攻撃で充分な戦果を挙げたからである。
アタックゾイドと比較すると、さすがに能力は本機がかなり上回る。
しかしアタックゾイドの製造・運用コストは本機よりも更に低かった。
また飛行タイプや水中タイプなど多彩な種類を用意していたアタックゾイドは、運用幅で本機を圧倒した。

電子装備を持つ点でアタックゾイド部隊の指令機としての運用も検討されたが、これはゴルヘックスが行う事になりやはり採用を逃した。
不採用の影には、開発時期の影響も色濃い。
D-DAY~デスザウラー無敵時代に開発された本機だが、この時期の共和国軍は余裕が無く新型ゾイドは最低限の種類しか採用できなかったのである。

大量生産を見越した設計の本機は、わずか四機の試作機が完成したに過ぎなかった。
試作機の行方は不明である。

 

~デザインとか~

ネズミ型オリジナルゾイドです。ゾイドワイルドではなく従来シリーズのデザインを基本にしています。
スタンダードなデザインにしたつもりですが、設定の通り各部は簡易を思わせる造りにしています。
ただし、簡易といっても作り込みが薄いとかテキトーには見えないようにしています。


下絵はこちら。

2008年のデザインをできるだけ残しています。ただし2008年の年賀状は内部や見えない部分を何も考えてないテキトーぶりでした。
なのでその辺をブラッシュアップした構成にしました。
分かりにくいかもしれませんが、前後脚の間に動力伝達パーツを描き入れているあたりからこだわりを感じていただければ幸いです。

これを元に簡易な3DCGを作りました。

造り込みは最低限で、あくまで簡易です。
下絵は見ての通り、ブラッシュアップをしていない簡易なものです。
なので、3DCGを作りながらディティールを変更したりバランスを整えたりもしています。
(逆に作り込むのが面倒で元のデザインをあえて簡易にした箇所もあります……)

この3DCGにポーズを付け、それをアタリとしてPhotoshopで線を整えつつ描きました。

~設定とか~
名前は「剣を持つクマネズミ」の意味です。
デーゲンもラーテもドイツ語なので、共和国ゾイドとしてはどうなのかなー と思う所もありましたが、細けぇ事ぁいいんだよの精神で決めました。
ドイツ試作戦車にマウスとかラーテとかがあるので、それにあやかりました。
他の候補は「スーパーラット」でした。スーパーラットとは毒餌に対する耐性をつけた駆除できないネズミの事です。
こっちの方が共和国ゾイドっぽい響きな気もしますが、まぁやっぱり細けぇ事ぁいいんだよ です。

設定は適度に弱そうな感じにしました。
設定や不採用に至った経緯は気に入っています。
試作機四機の行方は不明ですが、どこかで繁殖しているかも。


描きあげた感想としては……、
12年越しのリベンジは、まずまず成功したかなと思います。
12年のしこりがとれて晴れ晴れしています。

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