新しい価値の創造

コロコロコミック2019年2月号では、ゾイドワイルド驚きの新展開が告知されました。

「ゾイドワイルドバトルウォーズ」
略称は「バトウォ」でしょうか。
今までの冒険モノという雰囲気から一変、リアル感を追求したミリタリーな世界観。
ゾイドも火器を満載し、「メカ生体」や「機獣新世紀」を思わせる雰囲気になっています。

これが今後本格始動する!
ただアニメや漫画が終了するわけではなく、まだまだ続きます。
今後は当初から続く「冒険モノ」と、バトウォの「ミリタリーもの」の二本柱の世界観で展開するようです。

 

ゾイドワイルドは、展開の当初は従来のシリーズとは大きく異なる世界観を選びました。
従来シリーズは「戦争」を骨子としたリアル寄りのミリタリー展開。対してゾイドワイルドは冒険。

もちろん従来からミリタリー以外の展開もありました。
アニメゾイドは冒険要素が大いにあったし、/0やゾイドフューザーズはバトルものでした。
ただゾイドワイルドは「火器を撤去する」「パイロット(ライダー)は直接ゾイドにまたがる」などの要素で徹底して兵器らしさを排除しています。


その理由は時代背景によるものとのこと。
子供のウケとして、昔ほどミリタリーものが支持されなくなっている。むしろ相棒やパートナーといった要素を強く方が好まれる。
このような時代を受け、徹底的に時代に対応してできたのがゾイドワイルドのデザインであり冒険世界観なのでしょう。
アニメではゾイドの生物らしさが豊かに描かれ、それを相棒とする各キャラも強く表現されています。
人とゾイドが究極の絆を結んだときに発動する「ワイルドブラスト」は、まさにそんな要素です。

そんな中で突如として新展開する事になったミリタリー感満載のバトウォ。
今回は、この展開を受けて思った事を書きます。

ちょうどこの話題に関連するであろう内容を過去にブログで書いていたので、それに補足説明を加えつつアーカイブして構成します。
2018年8月29~30日、ちょうどゾイドワイルドの第一弾キット販売から2ヵ月経過した頃の記事です。
(記事の当初はゾイドワイルドとは関係ない話から始まりますが、途中からゾイドワイルドの話になります)

 


---8/29~30ブログより---
珍しいものをゲットしました。
メカ生体ゾイド時代の電子ゲーム「壮絶バトル オルディオスVSギルベイダー」です。


1990年にエポック社から発売された周辺アイテム。当時価格2200円。

電子ゲームは今のゲームと比べれば音も絵もチープすぎる……というか当時としてもかなり時代遅れになっていた分野です。
ただ、それでもまだ多くの電子ゲームがリリースされていた時代でもありました。
本作は電子ゲームとしては(操作性にやや癖があるものの)標準的な完成度で、特に悪い出来というわけではありません。

 

電子ゲームの話を少しします。
電子ゲームは「ゲームウォッチ」「LSIゲーム」「LCDゲーム」などとも呼ばれます。

これは、電子ゲームの中で最大ヒットを出したのは任天堂社製のものです。
そして任天堂は自社の電子ゲームを「ゲーム&ウォッチ」と呼んでいました。通称ゲームウォッチです。
これが抜きん出てヒットしたので、本来は任天堂製電子ゲームを指す言葉のハズが、いつしか電子ゲーム全体を指してゲームウォッチと呼ばれるようになったというわけ。

また、この手のゲームは大規模集積回路チップ(LSI)によって制御されています。なので「LSIゲーム」とも呼ばれます。
更に、ゲームの画面は液晶画面です。液晶画面は「LCD(Liquid Crystal Display)」と呼ばれます。なので「LCDゲーム」とも呼ばれます。
(本コラムでは、「電子ゲーム」という呼称で統一します)

 

さて実は、ゾイドは電子ゲームとは深い関わりがあります。
電子ゲームは1970年代に誕生し、そこから爆発的に売れました。当時、電子ゲームは「未来の玩具」と呼ばれもてはやされました。

世界中が宇宙開発に熱狂的な目を向けていた時代です。
衛星打ち上げ、有人宇宙飛行、月面着陸、宇宙ステーション開発、etc.
技術は加速度的に向上し、人類を未知の分野にいざなう。
そんな時代と「電子の玩具」は素晴らしくマッチしたわけです。

電子ゲームがブームになると、玩具メーカー各社は自社オリジナルの電子ゲームを続々と開発するようになります。
トミーも電子ゲームの分野には積極的に進出しており、オリジナルものからディズニーやサンリオを使った版権ものまで多数発売しています。

ただその一方で、トミーには手作りの良さを伝えたいという想いも持っていました。

この時期に、後にゾイドも採用する「マイクロゼンマイ」が誕生しました。

これを使って手作りの玩具ができないか。手作りの良さの魅力を再確認することはできないか。それに挑戦しよう。
そんな経緯でゾイドは誕生しました。
(この経緯は雑誌「デザインの現場」1984年10月号や「STARLOG」1985年8月号に詳しい)

 

「時代にあえて挑戦しよう」
私は、これってゾイドの大きな原点だなと思います。

 

さてそんなメカ生体ゾイドですが、後にファミコンやゲームボーイで計4本のゲームを発売しました。
ファミコンやゲームボーイは電子ゲームの次世代発展型と言えるでしょう。より高度な処理を行える本格的なゲーム機です。
リリースされたのは「ゾイド-中央大陸の戦い-」「ゾイド2-ゼネバスの逆襲-」「ゾイド黙示録」「ゾイド伝説」。
そして機獣新世紀ゾイドからは、テレビゲームにはより積極的に関わるようになりました。もはやあるのが当然という状況です。

これは何故だろう。
ゾイドは手作りの良さではなかったのか。

80年代中期からのファミコンブームは凄まじいものがありました。
一時期など出せば売れる入れ食い状態のファミコンバブルさえ起こり、あらゆる企業がファミコンに参入しました。
そんな中でゾイドは最初の志を失ったのか。ブームに便乗した方が特と考えたのか。

私は、それは違うと思います。
「こだわり」と「いこじ」は違う。
前者は「核を大切に持ち続けること」で、後者は「意地を張ること」として書いています。

ファミコンゾイドが出たのは87年9月。
メカ生体ゾイドが始まってから5年目。「メカボニカ」から数えるなら6年目です。
この間、ゴジュラス、アイアンコングをはじめ傑作ゾイドがどんどん誕生しました。
ストーリーや世界観も大きく膨らみ、キットの魅力は大いに伝わりゾイドは確たる存在感を示しました。

ゾイドの最初の志・こだわりの部分は展開する中でより明確なものとして確立された。
その確かなものを持ち続けながら、しかし時流に乗ることも怠らないからこそ、ゾイドは限りない成長を続けたのだと思います。
ここでもし「絶対にファミコンはやらん!!」としてしまうなら悪い意味の意地っ張りです。
私はゾイドがこの分野に進出したのはこういう事だと思います。

世の中は目まぐるしく変わります。
様々なものが流行ります。そんな中ででも確かなものを持ち続けて、しかし一方で流行には敏感でもある。
それが良いと思います。

生き残る為には進化が必須。
いかに素晴らしいものでも、歩みを止めれば時代遅れになってしまう。だって世の中は常に変わっているのだから。
「現状維持では後退するばかりである」とはウォルト・ディズニーの名言。

私はゾイドが時代に挑戦したこと。そして確かな実力で存在感を示した事。このこだわりは本当に素晴らしいと思います。
そして一方で時代の流れにも敏感で、意地を張らず電子ゲームやテレビゲームと後に融合した。この柔軟性がもっと素晴らしいと思います。

テレビアニメも同じ事が言えるかも……と思います。
当初はテレビアニメ化をせず、玩具そのものの魅力で持って勝負したゾイド。
メカ生体ゾイドは大成功し、玩具本来の魅力を存分に伝えました。

しかし新世紀以降はアニメ化を積極的に行い、それに大きく頼った販促をしています。
それは安易にアニメに頼る風になったのではない。
メカ生体ゾイドという初代シリーズが大成功したこと。その自信を持ちながら更なる飛躍をするべく新しい一歩を踏み出したと言えるでしょう。

あと「時代に挑戦しよう」という要素はアニメにも盛り込まれています。
初代ゾイドはトゥーンレンダリングによる3DCGを本格的に取り入れた最初のアニメです。

製作には試行錯誤も多かったと聞きます。そりゃあそうでしょう。本格的に取り入れた最初のアニメなんだから。
そんな試行錯誤な中でも安易な妥協をせず、ゾイドの動きには現実の動物のように徹底的にこだわった。
そして見事に大成功したのです。

 

更に話を続けます。先に
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「時代にあえて挑戦しよう」私は、これってゾイドの大きな原点だなと思います。
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と書きました。これについて、何故そう思うかを書きます。

何かの作品を作って発表する。それで商売をするとなれば、「時代の流れに乗る」ことは当然です。
ただ一方で、「流行に乗るだけ」ではジリ貧が待っているのも確かです。
ヒット作は「時代の流れを見極めそれに乗りつつ」同時に「新しい価値を創造する」事で作られていると私は思います。

「時代の流れに乗る」というのは「求められているものを求められた通りに出す」という事です。これは商売の基本です。
一方で「新しい価値の創造」というのは「新発見」「新体験」のような要素です。

たとえば今までラーメンと言えばあっさり醤油ラーメンしか知らなかったと。それがラーメンだと思っていたし好きだったと。
しかしある時こってりドロドロ濃厚豚骨ラーメンを食べて衝撃を受けたと。
「こんなに濃い味のラーメンがあったのか! 知らなかった。めちゃくちゃ美味いじゃないか!!」
ドハマリしました。
こういうのが新しい価値の創造です。
新しいものを知り趣味・趣向・考え方などが今までと変わる事をパラダイムシフト(価値の転換)といいます。

上の例。たとえば醤油ラーメンだけ食べ続けてたら美味しくてもいつか飽きて食べる回数が減ってたと思います。ジリ貧です。
たとえ「より美味い醤油ラーメン」を食べたとしても、確かにそれは期待通りの味で美味しい。でも傾向が変わらない限りは飽きが避けられない。
ジリ貧は回避しきれない。所詮は延命に過ぎない。
でも全く別のタイプのこってりを出せばインパクトが凄くて衝撃を与える。

当たれば凄まじい引き込みができる。それが新しい価値の創造です。
もちろんハズれたら「これ嫌い」となるリスクもあるのですが。

 

ちなみに「新しい価値」というのは、あんがい昔の流行の中に隠れている事もあります。

私は最近の作品で最大級のヒットと言えば「艦これ」が思い浮かびます。
模型店で慣れ親しんだ1/700ウォーターラインシリーズのプラモの箱が艦これ仕様になっているのを見た時、おぉぉ………と思ったものです。


戦艦長門の箱の従来版と艦これ仕様。ちなみに中身は同じ。

艦これは本当に凄いと思います。
戦後、何度か「戦記ブーム」が起こりました。
戦艦大和、空母赤城、ゼロ戦、隼、紫電改……。あの頃の少年達はこぞって艦や機を調べ、また戦いに胸躍らせました。
少年誌はこぞって大戦兵器をグラビア特集し、プラモは続々登場し好調な売れ行きを記録したのであります。
艦これブームはその規模にも劣らない凄まじい特大具合です。

さて艦これはなぜヒットしたのだろう。
これは私独自の研究ですが、「時代の流れに乗りつつ」「新しい価値を創造したから」です。
艦これのデザインは「エロめの擬人化」をしています。まさに時代の流れでしょう。でもこれだけだとそれ程のブームにはならなかった・すぐに消えていったと思います。
何故ブームになったかというと、流行だけに留まらない新しい価値を加えたからです。

艦これは「艦」「戦記」といった要素を非常に深いレベルで実装しています。
戦記マニアをもうならせる調査をしています。例えばダメージを受ける位置が実際の艦と同じだったりです。
しかも戦艦や空母ならそれもまぁ出来ようものですが、駆逐艦や潜水艦に至るまで徹底しているのだから凄いことです。

最初のフックはエロめの擬人化だったでしょう。もちろんその方面での絵のレベルも非常に高くあります。
ただ、それだけ……「時代の流れに沿って求められているものを求められた通りに出す」だけでは、それほど大きなブームにならなかったでしょう。

時代に乗った擬人化と同時に、ゲームをプレイすると「実際の艦や戦史にどんどん興味がわいてくる構成」という新しい価値を付加した。
こうして当初は艦や戦記にあまり興味がないユーザー(言い換えればキャラ絵を目的に寄ってきた層)をどんどん「教育」し、その方面の興味を植えつけた。
新しい価値を創造した。
だから強固に掴まれて、簡単には離れないようになったのだと思います。

こういうのが大ヒットする作品だと考えます。
「時代の流れを見極めその流れに乗りつつ」同時に「新しい価値を創造する」
です。

 

「時代の流れを見極めその流れに乗る」だけではダメなんです。
艦これを見て、「ヨッシャー今はああいうのが流行りだな。じゃあうちは戦車で同じようなのをやろう」となってしまうとどうなるか。
そういうのは時代に乗ってるから一定の成功はします。ですが自らが主役になる事はありません。
ありていに言うと艦これのブームに便乗しただけのもので終わる。

ただこれはとても難しいバランスでもあります。
会社は自社の「発展」を願っています。
発展するには大ヒット作品・商品が必要です。
大ヒットするのは艦これのような新しい価値を持った作品です。
ですがそういうのは作るのが難しいしリスクも高くあります。
製作側が「新しい価値だ!」と思って製作しても、それが全く見向きもされず失敗する事だってあります。

会社は自社の発展を願いますが、現実的に言うと「存続」がもっと大きな必須です。
たとえば社員100人が居れば、毎月の給料を払うための金を生まねばなりません。
従ってリスキーなことはなかなかできない。会社の運営はシビアです。
ならどうするかというと、流行を調べてそれのパチもん・似たもんを作るのが堅実な方法です。
流行りものの亜流を一定のレベルで完成させれば、大ヒットはせずとも一定の成功はしやすい。
製作も見本があるから比較的容易。

だから世の中には流行に乗っただけの作品が多いのです。
ただし本当に価値があるのは新しい価値を引っさげたタイトルだと思います。

 

「ゾイド」はトミー(タカラトミー)を成長させるまさに大きな価値を持ったシリーズだと思います。

ゾイドが誕生した時代は、世の中が「宇宙ブーム」だったし「リアル系ロボットアニメブーム」でもありました。更に「電子ゲームが大流行」していました。
ゾイドは宇宙でありリアル系戦記という部分で時代に沿っていました。
しかしそれに留まらず、あえて「手作りの良さ」を再確認したいと。そういう思いで「ギミックを持った組み立て玩具」という仕様になりました。
それを古臭いと言う人も居る。これからは電子の時代だと。そんなもの今更だよと言われた。
でも確かに魅力がある。それを再確認したい。
メカ生体ゾイドはそうして誕生した。時代に乗りつつ新しい価値を創造(再発見)し大成功したと思います。

「時代にあえて挑戦しよう」
「新しい価値を創造しよう」「今は忘れられている古い魅力を現代風に再発見しよう」
安易に流行に乗っかるだけじゃない。それだけじゃ大きな成功にはならない。
時代に挑戦し新しい価値を切り開く。ゾイドはそんな挑戦するシリーズだと思います。

 

ここからがゾイドワイルドの話になります。
このシリーズも大きな挑戦、価値の創造をしていると思います。

ゾイドは復活する際に、「時代の流れを見極めそれに乗りつつ」という部分をまさにやっています。
ゾイドワイルドの仕様は今のキッズに最適化されている。特にミリタリー要素を省き冒険ものを強く意識した世界観。キャラデザインは今の時代をよく示しています。
公式インタビューでも今の子に併せた仕様とたびたび言及されているのは周知の通り。

それはゾイドに新規層を惹きこむ最初のフックになったでしょう。
そしてそれだけではない。挑戦、新しい価値の創造・再発見も存分に盛り込まれています。

「動くプラモ」というものが市場から消えて久しい時代です。
今のチビッコはプラモが動くなんて未体験。そこにゾイドをぶつけてみよう。
ギミックの楽しさを伝えよう。それでもう一度ブームを起こそう!
この事がまず凄い挑戦、価値の創造・再発見だと思います。

仕様も「ランナーから切るのが当たり前」そんなプラモ業界に「ランナーレス」で挑んでいます。
ゾイドワイルドは、組む中でギミックの仕組みを理解し、組み上げて動かす時に大きな感動があります。
ランナーレスだから、より強調されてそれが伝わります。これは組んでいて強く思いました。
ランナーレスの仕様はゾイドの動くという部分をより分かりやすく伝えています。

大きな価値の創造が感じられます。
そんなシリーズだからこそ大きく惹かれ、また予想以上の売れ行きを出しているのだと思います。

新しい価値の創造がどれだけできるか。新しい価値をどれだけ分かりやすく魅力的に伝えるか。これはとても重要だと思います。
それが鮮烈であるほど大きなムーブメントを起こします。

今後展開する中でも更に新たな価値は示されるのか。
パラダイムシフトを起こしてくるのか。この事にも注目して行きたいところです。

 

注目しているのは、ゾイドワイルドではカスタマイズパーツは出るのだろうかという所です。
やはりあれだけハードポイントがズラリあるので期待したいです。
頂点部にモールドがあるので何も付けなくても見栄えは高い。でもやっぱり付けたいと抑えきれない気持ちが高ぶります。

出るとすれば、その時に重火器……要するに従来シリーズ的な装備は来るかどうか。
これはどうだろう。というのもドキドキな所です。

今のところの世界観を見ている限り、ガチガチにその方向にはならないかもしれない。
ブースターやウイングなどの装備、あるいは格闘用装備の可能性が高いと思います。
ただゾイドシリーズの火器デザインは、どれも凝った造形で最高です。
武器だけでもいつまでも見ていたくなる良さがあります。なので、また新しい火器デザインを見たいとも思っています。

ミリタリーものが今は思ったほどウケない。だから世界観を今の感じにした。
それは当然だと思いますが、そこで「ウケないからやらない」にするのではなく、今のキッズに受けるように示す事ができないか。
そういう検討もあるといいんじゃないかなと思います。
要するに、この面でもパラダイムシフトを起こすことはできまいかという考えです。
もちろん検討した結果としてやる/やらないのどちらの判断になったかというのは別問題です。ただ、そういう検討はあるといいなと思います。

カスタマイズパーツやミリタリー系の展開がどうなるかは分かりません。
どうなるかは未知数。でも、挑戦するシリーズを見ていると、ちょっとそんな期待もしています。

---ブログ記事の引用ここまで---


この記事を書いていたのが2018年8月。そこから5ヶ月経った2019年1月、「ゾイドワイルドバトルウォーズ」がやってきました。

実はミリタリーな展開はある程度は予想&期待していました。
理由はキット箱の写真です。

ワイルドライガーがアラシじゃない。ギルラプターがドレイクじゃない。明らかに一般兵的な雰囲気のライダーが乗っています。
ギルラプターはライバル機のハズなのに複数機で写っています。

アニメとは明らかに異なる世界観。アニメのみを軸にして展開するなら、過去シリーズで言うとゾイドフューザーズのような感じになったと思います。

そうではなく一般兵的な雰囲気のライダーが乗っている。従来の「バトスト」に近い雰囲気である。
そんな所から、バトスト的なものがある可能性は高いと思っていたわけです。

しかしバトウォが予想以上の造り込みで来た事は驚いています。
凄まじいまでの凝り具合。これは今後の展開が楽しみです。

 

ゾイドワイルドバトルウォーズ。バトウォは、バトスト世代のオールドファンを狙いにきたわけではないと思います。
むろん「サブターゲット」ではある。しかしメインではない。
ゾイドワイルドは最初から一貫してキッズを向いているしこの先もそうでしょう。
なぜならオールドファンを狙いに来るならコロコロアニキやネットなどの場があるからです。
アニキで展開するならオールドファン向けと判断したでしょう。しかしそうではなくてコロコロ本誌でやるわけだから、これはもうキッズに向けたものと確信しています。

バトウォの展開を受けて、私は上で引用したブログ記事を思い出しました。
後半にミリタリー世界観での展開について書いていますが、このようになったなと思っています。

ミリタリーものがあまりウケないと言われる時代。そこにゾイド新展開がどういった旋風を巻き起こすか。
そこに大いに注目したいものです。

うまくいけば今のキッズに「戦場のゾイドかっけー!! リアルミリタリー凄いじゃん!!」というパラダイムシフトを起こせるでしょう。
そして更にゾイドは加速すると思います。
また更に妄想すると、「新展開で更にゾイドが加速する=メディアとしての体力が付く」「ミリタリー系ゾイドの地盤が再び根付く」というニ点があれば、従来ゾイドに目が向く可能性も高まってくるんじゃないかなーとも期待しています。

ゾイドワイルドはゾイド星(Zi)につなげようとしている意図も少し感じています。
設定として冒頭に「数万年前に地球に飛来した一つの ゾイドコアによって生まれ、」とあるからです。
飛来した元がゾイド星であるのは明らかです。どうやって飛来したかは謎ですが……。

ミリタリーテイストなゾイドも示していく。従来ゾイドも少しずつ紹介していく。そうすればレジェンド級のあいつを復刻なんて可能性も?
なんていう妄想もしています。

またミリタリーテイストなゾイドを展開するなら、ワイルドシリーズが最初に示した「相棒か、兵器か」というテーマもいっそう深みを増して描かれる事でしょう。

こちらについても期待したいところです。
「ゾイドとは一体何なのか」
これが多方面から描かれるのは特に歓迎すべきことです。

 

ところで、このコラムを書いているのは1月28日。
ゾイドワイルドの「噂」が出てからそろそろ1年です。
この一年を振り返ると「めちゃくちゃ濃かった」という一言です。
発売までの流れはこちらのコラム(ゾイドワイルド始動~ゾイド大復活!~ )にまとめています。
以下は発売後の動きもあわせて簡単に年表にします。

2018年2月:復活の噂が流れて、コロコロコミックに「Z」の画像が載った。
2018年3月:それがゾイドと判明した。
2018年6月:ついにキットが発売された。
2018年7月:アニメが始まった。
2018年年末:デスレックスが大ヒットして各店で品切れを起こすほどにブームが高まった。
2019年1月:新展開「ゾイドワイルドバトルウォーズ」の告知が行われた。

バトウォの展開は本当に楽しみです。全力で追いかけていくでしょう。
一方、アニメは並行してもちろん追いかけていきたいです。
この先は、更に忙しい二年目になりそうな予感がします。



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