従来キットの再販を夢見る

ゾイドワイルドのキットは1/35スケールを採用してユーザーを驚かせました。
従来の1/72から1/35への大胆なチェンジ。

1/35は実に面白いスケールです。
まず戦車プラモをはじめ模型業界ではよく使われているスケールです。
ジオラマを作る際には便利そうです。

ミリタリー系ならタミヤから沢山出ています。これらと組み合わせると面白そう。

あと100円均一のダイソーの定番商品にこんなものがあります。

これはミニチュア兵士という商品で、見ての通り凄まじい数の兵士が入っています。
造形はなかなか良い出来です。タミヤのプラモに比べればさすがに甘いですが、必要十分なクオリティには達しています。ポーズも良い感じ。
何より100円でここまで揃うのコスパ最強です。これが約1/35スケールです。

塗装するのが面倒な場合は、たとえば童友社の「コンバットフィギュアシリーズ」のような便利なものもあります。

更に、1/35スケールは兵士だけでなく様々なフィギュアがあふれています。
それらを探すとゾイドを色んな世界観で楽しめそうで夢が広がります。

様々なフィギュアの一例を紹介しましょう。たとえば「ドラゴンボールメカコレクション」です。

これはドラゴンボールに登場するメカニックのプラモですが、スケールは1/35です。
キャラのフィギュアも付属しています(※ただし無彩色で塗装必須)。
私見ですが、鳥山明先生の世界観と「動物型のメカ」なゾイドはとても親和性が高いと思います。

1/35というのは、このようにフィギュア類が豊富に揃っているスケールでもあります。
ここで紹介したのは一例で、他にもまだまだあります。
なおもちろん、1/72も航空機プラモなどがよく採用しているメジャーなスケールです。フィギュア類も豊富にあります。
ただ、様々なポーズのフィギュアがより容易に安価に探せるのは1/35です。
これはかなり強いです。

他にも面白いものがあります。
タミヤから「1/35恐竜世界シリーズ」というシリーズが出ています。「1/35動物セット」もあります。

これと並べてゾイドワイルドの機体の大きさを体感するのも面白いでしょう。
たとえば恐竜模型・ブラキオサウルスとゾイド・グラキオサウスルを並べたり。恐竜模型・トリケラトプスとゾイド・トリケラドゴスを並べたり出来るわけです。
これはとても面白いと思います。
余談ですがトリケラトプスにはヴェロキラプトルニ体も付いていておトクです。

 

ということで、1/35は利点がかなり多く夢が広がる縮尺です。
ただし一方で難があるとすれば、従来シリーズの機体と並べにくいことでしょう。

サイカーチスとカブターを並べるとキット的には同じ大きさですが、設定上の大きさで言えばカブターはむしろグラップラー(サイカーチ)に近い大きさです。

※CGで大きさを合わせています。

「同一スケールで並べる」ことの利点は大きいです。それにより各機の大きさを直感的に体感できます。
もちろんゾイドワイルドは従来とは違うシリーズです。なので並べられない事は致命的ではないでしょう。
ですが、そうはいってもやっぱりゾイドだから並べたい欲求もある……。


並べたらこの通り。実寸はカノントータスの方が大きいのですが、キットではガノンタスの方が大きい。
各機の大きさは体感しづらいです。

 

ゾイドワイルドは本当に良いシリーズです。もう全力応援です。
一方で旧来からのファンとして思うのは、「既存キットの再販とかはどうなるのか!?」という所でもあります。
今回の仕様を見ていると、既存キットの再販は難しそうな印象でもあります。
新型はもちろん嬉しい。でもそれはそれとして再販も希望したい気持ちもあります。
今回のコラムでは、それについて書きたいと思います。

私はやっぱり再販はして欲しいと思っています。
個人的に欲しいという事もあるし、従来ゾイドのデザイン、キット仕様、総合的な完成度は今でも絶対に通用すると信じています。
今のキッズにも、いずれ紹介して欲しいなぁという想いはあります。

これについて、二つの可能性が考えられるのかなと思っています。

 

まず前提として。
何度も繰り返していますが、今回のゾイドは「一新した」ように見えて従来シリーズの歴史を全て受け止めた上でのものになっています。
ゾイドワイルド発表時に示された下の言葉。
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また、その体験を通して、2つのことを確信したと明かした。
1つ目は、『ゾイド』は唯一無二であること。 戦うロボットかつ生命体であるというコンセプトは、シンプルでありながらも世界中の男の子を刺激する重要な要素であり、ゾイドならではのものだと語った。
2つ目は、『ゾイド』は他社にはまねできないものであること。35年の歴史の中で受け継がれてきたノウハウ、技術、思いなどが注ぎ込まれたものだけが『ゾイド』になりえるという強い思いをあらわにしていた。

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これはゾイドワイルドを考えれば考えるほど「その言葉通りだな!!!」と思えます。

ゾイドワイルドを伝える最初の動画も、従来ゾイドがしっかりと紹介されていました。

今回のゾイドワイルドを展開するにあたって、「第一期・第二期ゾイドはこんなにも凄かったんだ」と大きく紹介されています。
こうした想いを持ってくれている。更に発売された第一弾の各種も素晴らしい出来だった。
言葉からもキットからも圧倒的な信頼感を感じた。だから応援したいという意欲が湧き出す。今回の大胆な変わったゾイドも安心して受け入れる事が出来るわけであります。
ここまでが前提です。

 

さて従来のゾイドもとても大事にされています。
ただ、だからといってすぐに再販できないとも判断されたのだと思います。

アニメ化までする大型展開だからズッコけるわけにはいかない。
今のキッズにより受けるためにはどうするか。
流行廃りの激しい昨今。しかも少子化。ヒットさせるのは本当に難しい厳しい世の中です。
「昔のままの仕様では必ずしも受けないのではないか?」
「いややはり伝統ある仕様を変えてはいけない!」
そうした熱い議論がされたうえでゾイドワイルドができたと思います。

私は再販はして欲しいのですが、すぐには難しいだろうというのも痛感しています。
それはゾイドリバースセンチュリーであったりゾイドオリジナルであったりします。
(両シリーズの中身や売り方が果たして最適だったのかという議論はさて置き)

 

私は、まず何よりも「ゾイド」というメディアの体力を付ける事が大事だと思っています。
ファンの数を増やす事です。世の中の認知度を上げる事です。
体力がないと何もできません。
あるいは、無理をして動いてもゾイドオリジナルのようにすぐに力尽きると思うのです。

たっぷりと体力を付ける。そうしてある程度の余裕ができればこそ、オールドファンに向けたサービスも期待できると思います。
例えばトイズドリームプロジェクト、あるいはゾイド妄想戦記のような外伝的ストーリーのような形で……。

まずは「ゾイド」という全体を盛り上げよう!
とにかく再販して欲しい。そういう想いもありますが、まずは全体の体力をつけること。それが遠回りに見えるかもしれないけどいちばん着実な道だと思います。

これが一つ目の可能性として思う事です。
ゾイドという全体を盛り上げた先に再販の道が見えるということです。

 

二つ目は、新規キットの仕様から感じた部分です。
新規キットはとても良いものです。ただし、一つ気にになるのはお値段です。
主役機ワイルドライガーのクラスで3000円。
まず言っておくと妥当です。いや、完成度を考えればむしろ安いくらいです。
ランナーレスの革新的構造だし、ギミックも凝っていて凄く魅力的。満足度が凄く凄い。値段以上の価値があります。
なので大人ゾイダーは大人の財布でじゃんじゃん買って生産が追いつかないくらいにに支援したいものです。

ただメインターゲットであるところの小学生のお財布事情と照らしたら、決して気軽ではない額とも思います。
この頃の年齢だと1000円さえかなりの高額で、3000円ときたらよほど思い切らないと使えない額でしょう。
ミニ四駆やダンボール戦記は1000円くらい。ガンプラHGは平均的にもう少し高いですが、3000円よりはずっと安い。
それらと比べた時、「ワイルドライガーが欲しいけど同じ額でミニ四駆を3つ買える…」という比較でなお選ばれるかという所に少しの心配があります。

もちろんスコーピアやカブターなどの小型ゼンマイクラスは実売1000円程度に抑えられています。
このクラスなら価格で張り合えます。ただ、やっぱり主役級が欲しいものでしょう。

メカ生体や機獣新世紀では、この点をハイローミックスで補っていました。
つまりゴドスとゴジュラス、ヘルキャットとセイバータイガーなどがありました。
小銭…お小遣いでもどうにか買える程度の「主役級機の代替たる入門クラス」がある。
そのキットは安価な代替機であると同時に、お金を貯めて今度はゴジュラスやセイバータイガーを買おうと決意させるものでもあります。

入門用キットはぜひとも導入すべきだと思います。でなければ、
「欲しいけど金額的に最初の購入ハードルが高いので諦める→そうするとそのメディアで遊ぶ事がないので関心が高まらない→そのまま離れてしまう」
という循環が発生しそうな気もします。

今回の展開で、そうした対策は用意されているのだろうか。というところに可能性を感じて以下妄想します。

私が思いつく位だから、当然その程度の想定はされているでしょう。
何らかで用意されてると思う。小学生のお財布で気軽に買えるようなアイテムが。

今回、ゾイドワイルドは「360度展開をする」とされています。
キット、アニメ、漫画、ゲーム、食玩などあらゆるジャンルに手を出す。この中で食玩に注目しています。

以前のシリーズでも、必ず食玩や小サイズフィギュアがありました。

こちらはメカ生体のビッグポーズやカバヤの各種食玩。
左からカバヤ「ゾイドガム」、フルタ「ゾイドコレクション」、カバヤ「ゾイドミニプラモチョコ」、フルタ「ゾイドキーホルダー」
ゾイドは食玩の傑作に恵まれています。


こちらは左からアマダ「ビッグポーズ特賞」、トミー「ゾイドミニコレクション」、アマダ「ビッグポーズ」、Yujin「ゾイドコレクション」
これらも良い出来です。食玩に加えて、こういうアイテムもありました。

最近は食玩もプラモと変わらないクオリティになってきています。
スーパーの売り場でビックリします。スーパー戦隊、仮面ライダー、プリキュア。凄まじいクオリティが数百円というのは正気だろうか。
特にスーパー戦隊のミニプラは凄すぎると売り場を通るたびに思います。

こういうのを用意してるのではないか。食玩ないしミニサイズ周辺アイテムを超入門用キットに。
スーパーでゾイドの食玩が売っていてキッズがそれに群がってねだっている。そんな光景を見たい! そして私も買いたい!!
そんな風に思いました。

さて、食玩だとある程度は安価な筈です。
また、当然ながら本家キットの1/35よりも小スケールになるでしょう。

・・・・・・・・もしかして、
1:食玩などの入門用キットを展開する
2:そのスケールが1/72あるいはニアな縮尺ではないか
というのは夢見すぎでしょうか。

これにて、
1:1/35本家キットが気軽に買えない点を克服しつつ(入門用キットを用意しユーザーを拡大する)
2:従来ファンは手持ちの1/72キットと並べることで一緒に遊べる
ようにしていないかなぁ……。
超絶夢見すぎでしょうか。こんな感じだと最高に嬉しいと思います。

こうして1/72というスケールを残しておけば、「レジェンド級のあのゾイドが復活」なんていう仕掛けもある程度しやすいんじゃないかなあ……なんて思います。

 

ちょっと夢見すぎな感じもしますが、夢見るくらいいいじゃない! ということで妄想爆発してみました。
まぁいずれにしろ、「ゾイド」というメディア全体が体力をつけることが一番大事だと思います。
それがないと何もできない。
なので全力応援していきたいものです。

もちろんゾイドワイルド自体がとても魅力的。凄まじいまでの魅力です。だからただでさえ全力応援です。
しかしオールドファンとしては、もしかしたらその先に何かあるかもという想いもプラスして更に超超超全力応援したい所です。

ゾイドワイルドが大ヒットして欲しい。ゾイドワイルドの新作キットを思い切り遊びたい!!
まずはそこに注力。今はそれだけを見て突っ走ってほしい。そうしてこその大成功があります。
ただ更にその先に、いつになるかは分からないけど……、再販の可能性もあればいいなぁと。色々な願いが叶うことを信じていたいと思います。

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