ゾイドワイルドのデザイン

ゾイドワイルドのデザインをはじめて見た時、なるほどこうきたかと思いました。

「骨を模したフレームに外装を付ける」という構造をしています。また「目玉」を持っているのも大きな特徴でしょう。
このデザインはとても面白いと思います。

 

「骨」というと思い出すのがゾイドジェネシスのバイオゾイドです。


バイオゾイドとは目がある点でも共通します。
ただバイオゾイドはメカニカルな素体に骨(あるいはゾンビ的)のようなアーマーを付けています。
対してゾイドワイルドは骨を模した素体にメカニカルなアーマーを付けている。両者を比べると、構造が逆になっているのがとても面白いです。
私的にはゾイドワイルドの方がシックリきます。骨に肉(アーマー)を付ける方が構造として安心できる感じがします。

 

ただ「骨にアーマーを付ける」という発想は実のところ初代ゾイドからの流れでもあります。
共和国初期小型のモチーフは骨格です。
最初の大型ゾイド・ビガザウロもそうでしょう。
初期は骨だった。そして骨型ガリウスに肉を付けたのがゴドスであり、骨型ビガザウロに肉を付けたのがマンモスやゴルドスです。


骨型ゾイドは極初期にしかありませんでした。
ゾイドは肉の付いた造形が標準仕様となって久しいのですが、最初は確かに骨であった。
そして今、最新ゾイドが骨を重視した造形をしている。それは初代から全てのデザインを再確認した。そして受け継いだようでとても嬉しいと思います。

メカ生体ゾイドの頃、骨型は本当に極初期だけでした。
小型ゾイドはゴドス以降、大型ゾイドはマンモス以降は肉の付いた造形。
以降それが標準になり、もはや元は骨型であった事はうっすらとしか感じないようになっていました。
ほとんど意識さえされなくなっていた。いやしかし、それがゾイドワイルドで強く思い出されたのです。


フレームはめちゃくちゃリアルに骨してるなという感じです。
思わず生っぽい印象も受ける程のリアルさ。いやしかし、確かにメカである。
特に「あばら骨」を上手く使っているのが極めて好印象です。
これは実に生物的でもあり、そしてメカ的でもある。
総じてとても良い塩梅です。

ゾイドワイルドの各機は、「目」を持つのも特徴です。
かつてのような目ではない。ギョロっとした「目玉」を持つのです。

これは初見では驚きましたが、「極めてリアルなリアルな骨状フレームを持つ」事と照らし合わせると良い判断ではないでしょうか。
似合っています。むしろこのリアルな骨で目玉がないと違和感を感じたかもしれません。

 

なお、メカ生体ゾイド初期のガリウスやビガザウロは、骨といってもそこまでリアルな骨ではありませんでした。
どちらかというと骨を模しつつもメカニカルな構造を優先したバランスです。
なのでキャノピー式などの機械的な処理が抜群に似合ったと思います。

両シリーズの骨具合、そして目の具合を見直し「なぜそういう処理になったのか」を考えてみるのも面白いでしょう。
そうすれば両シリーズのデザインがより魅力的に見えてくると思います。
ゾイドワイルドのデザインを見て従来ゾイドのデザインを体感し、従来ゾイドのデザインを見てゾイドワイルドのデザインを体感する。
そんな風に楽しめば各シリーズに対してもっと色んな気付きが生まれるでしょう。

 

骨状フレームといえば、外骨格生物についても触れねばならないと思います。
哺乳類や爬虫類なら骨状フレームは最高です。ですが生物には「外骨格」なタイプも多く存在します。
ゾイドワイルドでは、それらにさえ骨状フレームを採用しています。


サソリ種スコーピア。骨状フレームに外装を付けるというワイルドライガーやギルラプターと同じ構造です。
外骨格生物なのに内骨格の構造である。よくよく考えるとこれはかなり不自然なことです。
いやしかし、それでもよく似合っています。

骨状フレームで面白い・上手いなあと思ったのは、あばら骨を模した造りです。
これは恐竜やライオンなどではそのままあばら骨に見えます。では虫系ではどうか。これが実に虫らしいブヨブヨ感を出しています。
哺乳類や爬虫類では骨格に見えるし、虫系だと虫っぽさを表現する感じになっている。その二段構えが実に上手いと思います。

 

ゾイドはワイルドは、様々な角度から見て今までのゾイドとは異なる部分もあるがとても良いデザインをしていると思います。
やはり最大の特徴は骨状フレームでしょう。
これを考えると、初代からのデザイン……ゾイドの核とも言うべき部分が大切にされていることも見えてきます。

これからもどんどん新型が生まれるゾイドワイルド。
何とも楽しみです。

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