私と資料収集

この文を書いている2012年現在、私が最も精力的に集めているのはゾイド関連の資料として間違いありません。
つまりキットではなく紙媒体の資料です。
もちろんキットはキットで集めていますが、比較すると片手間と言わざるを得ない状況であります。
キットに注力するのは学年誌の次と考えています。
それはいつになるやら……ではありますが。

 

ゾイドが好きすぎて、1999年の復活以来ずっと、電撃ホビーマガジンはじめ様々な紙媒体資料をチェックしていました。
思い出せばゾイドの復活が夢のまた夢だった1999年初頭、「新しく発刊された電撃ホビーマガジンという雑誌がゾイドを掲載しているらしい」と言われて、本屋で探した時の衝撃は凄まじかったです。
それは今でも鮮明に覚えています。

電撃ホビーマガジンは再販後も精力的にゾイドを特集していきます。
ただ当時は高校生で、雑誌とはいえ少ない軍資金で資料をコンプリートしていくのは無理がありました。
それに再販以降は、続々と発売されるキットを追う方に夢中になっていました。
それゆえ、涙を飲んで立ち読みだけで見送る日々が続いていました。

 

当時買えなかった反動もあって、キット収集もひと段落して、また社会人になって収入的な面でバランスが保てるようになると、紙媒体の資料を一気にコンプリートしようと決意しました。
それが2006年か2007年頃でした。


手始めに電撃ホビーマガジンとホビージャパンのコンプリートを狙い、全ての号を古本屋で探しました。
その頃になると既に1999年の号は入手が難しい状況で、半径50km位にあるBookOffや古本市場、まんだらけ、個人経営の小さな書店に至るまでをシラミ潰しに探し回ったのは良い思い出です。100以上は確実に回ったと思います。
その中で定期チェックをするようになったお気に入り店もいくつか出来たし、そうした店は今でもよく活用しています。

私は自転車を趣味としています。実家まで130kmほど……、峠を三つも越えて自転車で帰ってしまう位のサイクルバカだったりします。
古本屋巡りにこの趣味が有効活用できたのは幸運でした。
自転車で探したのは、住んでいる大阪はもとより、京都、兵庫、奈良あたりまで足を伸ばしました。
インターネットの力で古本屋を検索し、地図を製作(当時はグーグルマップなんていう便利なものは無かった)し、休みごとに出かけていました。

個人経営の小さな古本屋は、当時のインターネットでは検索しても全くといっていいほど情報が出ませんでした。
なので、出かけた先で探す事もしていました。駅での聞き込みは基本でした。

個人経営の古本屋は、各店ごとの性格・個性がかなりあります。
映画のポスターに強い店もあれば、戦中戦後に強い店もある。そして極めて少数ながら、やたらホビー雑誌に強い店もあります。
こういう店は店頭に出していないお宝が倉庫に眠っている事も多く、聞き込みをする価値が大いにあります。
無愛想な店主も居るし、話好きな店主も居ます。やたら万引き警戒をしている店もあれば、店内がタバコの煙で充満している店もあります。
本当に個人経営の古本屋は個性的です。

こうして電撃ホビーマガジンとホビージャパンの過去号をコンプリートし、現在続刊されている号に追いつくまでは2年ほどを要しました。
その資料は本棚に大切に仕舞っています。

 

そうして収集を達成すると、次のステージを模索してしまうのが人の性というもの。
この積み重ねで、私は今でも資料収集を続けています。

現在は電撃ホビーマガジンとホビージャパンの他に、ホビージャパンEX、Mark1、てれびくん等をコンプリートする事が出来ました。
継続して収集中のものは、学年誌、QUANT、フィギュア王等です。この道は果てしないなと、集めれば集めるほどに痛感しています。

 

資料収集をすると必ずぶち当たる壁があります。それは収集の後半戦において顕著になってきます。
電撃ホビーマガジンは、最後に集めた号は1999年の8月号でした。
この雑誌の過去号を全てコンプリートするのに要した総期間は2年でしたが、実は1999年8月号以外をコンプするのにかかった期間は1年半位だったりします。
最後の半年は、残った1号だけを延々探していたのでした。

ホビージャパンEXになるともっと酷くて、最後の号以外は半年で集めて、最後の号は一年かかって探しました。
資料収集は後半戦になると長く辛くなり、「既に持っている号はいくらでも見つかるが、持っていない号だけ延々見つからない」状況が必ず出てきます。
それはインターネットオークションの力を借りてもそうなります。ここで挫折するかしないかは、資料収集家にとっての大きな分岐点だと思います。

ただその分、最後の号を見つけた時の感動は凄まじいものです。
押さえつけたバネから玉が勢い良く飛び出すように、興奮を抑えられない多好感があります。
そしてその瞬間、ゾイドをもっと好きになれる気がします。
それは苦労や道のりで思い入れが真下からに他なりません。

 

国会図書館に行けば、資料の全てを見る事はすぐに出来ます。
その事は知っていますが、あえてそれは最低限にしか利用していません。
国会図書館は学年誌さえ全号揃っており(2012年現在は1999年までの号はデータ化されている)、かなり魅力的です。
手軽に見られるメリットは否定しません。
ただ、ゾイドは私のライフワークになりつつあります。
だからまぁ、あまりスマートな道じゃなくても、地道に探すのが楽しくていいんじゃないかなぁとも思っています。

思うに、おそらく人は苦労や経験をする中でモノへの思い入れをいっそう強くして、より好きになるのだと思います。

資料収集だけじゃありません。ゾイドを改造したり、ジオラマを作ったり、野外で撮影したり……。
そうしたアプローチをする中で、必ず壁にぶち当たって苦労をすると思います。ただそれを越えた先には凄い感動があって、好きを深められるのだと思います。
ゾイドを愛し、様々な表現をされている方に出会うたびに、一層それを思います。

 

私はゾイドをもっと知りたいし、もっともっと好きになりたいと思います。
そう思うから、ライフワークとしてゾイド関連資料を収集して、収集するたびに研究を続けてゆく今のスタイルはとても合っていると思います。

 

補足ですが、このコラムは国会図書館を否定するものではありません。
国会図書館で一気に資料を収集する事。それは私がやっていないだけでアプローチの方法としては大いにアリだと思います。
そうする事で一気にゾイド戦史の研究を進められるでしょう。そのメリットは相当のものです。
また「紙媒体資料」「キット」の、それぞれへのアプローチの比率を比べた場合、私は平均的なファンと比べてかなり特異だと思います。
どちらかというと私はかなりイレギュラーです。

ゾイドへのアプローチは様々な方法があると思いますが、どのようなアプローチであれ「能動的に」動くことで、よりゾイドを愛する事ができるのだと思います。
そしてその愛を語り合ってこそ、ファンサイドが活気付くのだと思います。
インターネット時代。様々な事に挑戦できます。交流もしやすくなっています。
私としては、ぜひそうして活気づいていきたいと思っています。

そしてその盛り上がりがメーカーをも刺激する大きな波になれば良いなと思っています。

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