デスザウラーの尾部を修復する

前回、ゴジュラスの尾部の修理について書きました。(コチラ)
壊れやすいゾイドは、できるだけ修理していきたいものです。

さて、実はゴジュラスと同じくらい尾部が壊れやすいゾイドが居ます。
それは、デスザウラー。

ゴジュラスに比べれば幾らか「マシ」ではありますが、それでもデスザウラーの尾部は弱いです。


尾部が破損したデスザウラー。付け根のパーツの尻尾を支える軸が折れています。
デスザウラーは、尻尾を左右に振るギミックがあります。すなわち、この軸への負荷が凄く大きいので破損率が高いのです。

…余談ですが、見ての通りメカ生体版です。ですが、付け根のパーツのみ機獣新世紀版です。色の違いに注目してください。
このデスザウラーは、中古で購入したものです。尻尾の付け根のパーツは、その時から新世紀版になっていました。
おそらく、前の持ち主がオリジナルパーツを破損した→機獣新世紀版で代用したという事でしょう。
そして今、それも壊れている…。
の破損率の高さをよく物語っています。


ビガザウロのフレームを流用したゴジュラスは、ある程度は破損率が高い事は仕方がない。
ですが、デスザウラーは独自パーツで尾部を構成しています。なので、この破損率の高さは何とももどかしいです。
もう少し何とかならなかっただろうか。最強ゾイドの尻尾が折れてしまったら目も当てられません。

と、まぁ愚痴を言っても仕方がないので修理します。
まずは折れた軸に注目します。

ご覧のように、大きく肉抜きが入っています。破損率が高い大きな原因と言えます。
さて、このパーツを瞬間接着剤でくっつけても無駄です。すぐにまた折れてしまいます。
今回は、できるだけ頑丈に修理します。


まず、折れた部分はヤスリをかけて平らにしておきましょう。
ここが荒れたままだと修理もやりにくいです。

 

さて、ここから本格的に修理に入ります。
修理には、Wave社から出ているプラパイプを使用します。

Waveのプラパイプについて少し解説します。 個人的にこれは最強のプラパイプだと思っています。

プラパイプといえば、タミヤから出ている透明プラパイプが最もメジャーだと思います。

こちらは多くの模型屋に売ってあるので入手は極めて容易です。ですが、これはあまりお勧めしません。
まず、材質がプラというよりアクリルです。アクリルは極めて割れやすく、カットするのも一苦労です。
太さのバリエーションも少なく、望みの太さのものがない場合も多いです。

一方、Waveのプラパイプ。材質はプラなので、割れにくくカットは容易です。
太さも3.0~8.0mmまでが0.5mm単位で揃っています。これだけ多くの太さが揃っているのはWaveのプラパイプだけだと思います。

プラパイプには、肉厚タイプと肉薄タイプがあります。
肉厚タイプは0.9mm厚。例えば、直径5mmのプラパイプだと内径が3.2mmです。
3mmのプラパイプを楽に通せる厚さです。

肉薄タイプは0.4mmの厚。例えば、直径5mmのプラパイプだと内径が4.2mmです。
4mmのプラパイプを楽に通せる厚さです。


図解するとこんな感じです。

わずかに隙間があるのが良いです。 ピッタリすぎると通すのが大変です。下手に押し込んだら抜けなくなります。少し余裕があった方が有難いのです。
固定したい場合は、接着剤を塗れば良いでしょう。
という風に、とても使いやすくなっています。

そんなわけで、Waveのプラパイプは最強です。
唯一の難は、タミヤのプラパイプに比べて扱っている店が少ない事です。
なので、購入時は大型店かネット通販を使うと良いでしょう。

 

プラパイプを紹介した所でデスザウラーの修理に戻ります。

折れた軸の長さを図ります。2.3cmです。

ゾイドの大型キャップの内径は6mmです。という事は、6mmパイプを使えば大型キャップがはまります。

軸の代用にはこれを使います。

さて、Waveの6mm肉厚プラパイプ4mm肉厚プラパイプを用意します。それぞれ2.3cmにカットします。
6mmプラパイプの中に4mmプラパイプを通して接着します。(以降、これを修理用パーツと呼びます)

このようなものができます。

修理用パーツができたら、2.3cmより少し長めに切った2mmの真鍮線を用意します。(強度が欲しいのでプラ棒ではなく真鍮線が望ましい)

真鍮線は模型店で買えます。長さはこの程度です。少しくらい狂っても問題ありません。

ここまで用意できたら、破損したパーツの軸があった部分に2mmの穴を開け、真鍮線を通します。

芯ですね。

そして…、

真鍮線に修理用パーツを通します。
修理用パーツは、6mmと4mmの肉厚プラパイプを使っています。という事は、内径は2.2mmです。
2mm真鍮線に容易に通す事ができます。
ここまでできたら、接着剤で強固に固定します。

 

これにて、パーツが復活しました。真鍮線の芯を使用したので、強度も上々です。
ですが、そうはいってもちょっと心配です。また壊れないだろうか。
心配な気持ちは正直どこまでいっても出てくると思いますが、できるだけ解消しておきたいものです。
ここからは、修理した個所を更に補強します。余裕があればこちらも実施しておくと良いでしょう。

エポパテを用意します。

タミヤのものを使用しました。
エポパテは様々な会社から出ていますが、特にこだわりがあるわけではありません。
これを選んだ理由は、模型店で最も入手が容易だったからというだけです。

エポパテは、板ガム状の二種類の剤(主剤と硬化剤)を練って混ぜて使います。
準備ができたら、真鍮線を打ち込んだ部分にエポパテを盛ります。(先だってパーツに荒めのヤスリをかけるなどしておくと喰い付きが良くなります)

…画像のはちょっと盛りすぎました。ただ、現在修理しているパーツは内部パーツで完成後は外から見えません。
なのでチマチマと塗るよりも盛大に盛った方が良と思います。そうは言っても少し盛りすぎましたが…。

盛り付けたら、硬化するまで待ちます。特に何もせず放置しておくだけです。
今回使ったのは「20~25℃で約12時間で硬化します」とのタイプでした。
この作業をしたのは冬場でした。気温が低いので、倍くらいの時間がかかります。
更に、念のためにもう少し様子を見た方が良い…という事で、2日…、48時間くらい放置しておきました。

硬化後は、盛りすぎた部分を削って形を整えます。見えない部分なので「それなり」で構わないでしょう。

これにて補強も完了です。修理部はガッチリと固定されました。

組み立てます。

 
修理したパーツを汲み上げるとこの通り。
軸が上手く出てくれました。

尻尾全体を組むと…、

完成!
デスザウラーが復活しました。

今回の修理は「プラパイプを組み合わせて修理用パーツを作る」「真鍮線の芯を打ち込む」「エポパテで補強する」と、それなりの手間をかけています。
尾の付け根、腕や足の付け根、そうしたギミックに絡む部分の破損はありがちです。
強固にしたいギミック周りは、修理にも手間かけたい所です。

今回の修理方法は、色々と応用できます。
もしも中型キャップを使う機体の軸が破損したら…、

中型キャップの内径は5mmです。
Waveからは5mmのプラパイプも出ています。
5mm肉薄プラパイプ(内径4.2mm)の中に4mm肉厚プラパイプ(内径2.2mm)を通して修理用パーツを作ります。
2mm真鍮線を打ち込んだりする手順は今回と同じです。
エポパテで補強する場合は、裏面の見えない位置に行いましょう。

そんな風に、応用すれば修理できる幅も広がります。
貴重なキット。破損した場合はできるだけ綺麗に修理したい所です。

以上の手順が、参考になれば幸いです。
なお、今回も同じ方法を試みる場合はくれぐれも自己責任でお願い致します。

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