第2回S.M.Fレポート

2013年1月26日(土)、27日(日)に、大阪日本橋のボークス8Fで行われた、第2回S.M.Fの様子をレポートします。

S.M.Fは「SCALE MODEL FRONTIER」スケールモデルフロンティアの略です。
「模型を作る、観る、魅せる、語る、学ぶ」がテーマになっており、模型ファンにとって非常に心躍るイベントです。
このイベントは、株式会社ボークスとその子会社である株式会社造形村が中心になって行われています。
第一回が2012年4月に行われた非常に若いイベントですが、非常にユーザー目線に立った、また模型の今後を真剣に考えるイベントでもあり今後が期待されます。

さて模型のイベントなので、ゾイドにとっては直球とは言い難いイベントではありますが、今回、トミーテックのMSSゾイドがこのイベントに出展されていました。
そういえば、MSSゾイドはスケールモデル、つまり模型になったのでした。


MSS公式サイトが1/24に更新され、1/26、1/27に第2回S.N.Fに参加しますと。
ここで初めてイベントを知りました。
正直、イベント出展の案内を二日前にするのか…と半ば呆れてしまいましたが、とにもかくにも行ってきました。


会場のボークスは、店を挙げてS.M.Fを全面応援していました。いたるところ告知ポスターになっています。
やはりこういうお祭りごとはテンションが上がるものがあります。
エレベーターの中には、会場で行われている模型コンペのお知らせも張り出してありました。

いざ8F。

案内にあったテーマに沿った模型コンペの他、プロモデラーによる模型教室(有料)も行われており、会場はかなり賑わっていました。
そして、壁沿いにはズラリ模型企業がブースを出していました。
グッドスマイルカンパニー、ハセガワ模型、ペベオジャポン、和巧…、有名企業からマイナーメーカーまでズラリ並んでいます。
そしてトミーテックのブースもありました。

ありました…が、トミーテックブースの様子が、何か他のブースと少し違っている…。

基本的に、企業ブースは大型の机1つ分のスペースで出来ていました。
机の上には商品の見本などが並べてあり、自由に見る事ができるようになっていました。そして奥側には企業の担当者が居て、お客さんの対応をしている状態でした。
ボークスの人、他社の人、一般来場者に説明・交流などしていました。
が、トミーテックブースには誰も居ない・・・・・。

トミーテックブースのブースは、新製品の展示だけ行い後は放置状態だったようで・・・、基本、担当者が常駐している他のブースとは違ったみたいでした・・・。
また、他の企業ブースが机で展示だったのに対し、トミーテックのブースは違っており、円筒形の展示棚を使用してたのも異なっていた点でした。
他には、ハセガワ模型はトミーテックと同じような展示をしていました。

あわよくばMSS担当の方からお話を伺ったり出来ないものかなぁと思っていたんですが、全く叶いませんでした。
とはいえ、一応、トミーテックの展示棚にMSSゾイドの新作はあったわけで、それをレポートします。


棚の上の方には、技MIXシリーズの各種展示があり、トミーテックゾイドは下の方…、少しかがまないと見づらい位置に展示してありました。
MSSゾイド第二陣のゴドス&サーベルタイガーが居ます。
なお第一弾のシールドライガー&ハンマーロックの展示はありませんでした。販売直後なので展示してあった方が良かったとは思うのですが…。

透明とはいえガラス越しの展示です。色も少し違って見えるし、何より見える角度がかなり限定される…。
改めて他ブースのように担当者が常駐しており直で見えるようにして欲しかったと思いました。

ゴドス

このゴドスは、製品と同じものではなく、試作品に色を塗って展示してありました。ところどころ塗装がハゲているのが確認できます。
ポーズは、可動をアピールする為か、少し体をひねった感じで置かれています。

形状的には第一弾と同じく、かなりオリジナルに忠実に見えます。
ただ差を探すなら、また首周りがかなりガッシリしているのと、脚部の内側の肉抜きが無くなった事が大きいと思います。
その点で、ひょろっとしたイメージのゴドスから、ある程度ガッシリしたゴドスへ変貌していると思います。

また手前には重装甲パーツも置かれていました。
見た感じ、ノーマルも重装甲もクリアパーツが非常に厚ぼったいのですが、おそらくそれは試作品だからであり製品版では改善されていると思います。
第一弾シールドライガーも、製品版では試作品に見られたようなキャノピーのかみ合いの悪さや色合いの悪さが消え、非常にシャープで綺麗になっていました。
製品が発売された折は、この写真と見比べて差を探すのも面白いかもしれません。

ジオラマベースにも注目です。
激しい市街地戦。瓦礫飛び交う戦場が見事に再現されています。
ただ、トミーテックMSSは製品にジオラマベースが付属しているシリーズですが、さすがにゴドスはこのジオラマが付くわけではなく、 重装甲パーツの方のベースが付属するものと思います。
それにしてもこうして見ると、広いジオラマベースの魅力が伝わってきます。
姉妹品とも言うべき技MIXでは、ジオラマベース(情景セット)が単品で売られています。
トミーテックMSSでも、DXセット等でベースを販売したりするのだろうか…等と考えてしまいました。

サーベルタイガー

名称が「SABER TAIGER セイバータイガー」ではなく「SABRE TIGER サーベルタイガー」である所が、メカ生体ゾイドの血統を強く思わせます。
こちらもゴドスと同じく試作品に色を塗っての展示でした。装甲部分はわずかながら色塗りにムラが見えます。
サーベルタイガーの赤色は、ほぼ完璧に出ていると見えました。ただガラス越しであり確証は得られませんでしたが…。
また、爪や牙、武器系統の色が銀色ではなく灰色で塗られていた点は少し不安でもあります。
製品版では銀色になっているものと思いますが…。

形状はほぼオリジナル版と差がないように見えます。
唯一、のどのパイプが省略されていますが、これは可動の支障になるためと予想します。

帝国共通武器セットを再現しているところはさすがだと思います。ただ、肩および尾部の砲について詳しく見ると…、配置をミスっているようにも見えます。
サーベルタイガーの基本配置は、肩に高速キャノン砲、尾部に小型ビーム砲でした。この展示では肩に小型ビーム砲、尾部に高速キャノン砲になっています。
まぁ、これは重箱の端をつつくようなしょうもない指摘であるし、どのみちキット的には取り付けの径が同じだろうから問題ない事だとは思います。



ポスター類が棚に2枚貼ってありました。
とはいえ、正面に貼ると展示が見えなくなるので、左右にです。その為、左右の他企業のブースで半ば見えなくなっていたのは少々残念でした。
それでも、技MIXはポスター無しだったので、ポスターの貼ってあったMSSは大健闘というところかもしれません。

ゾイド関連の展示としては以上のようなものでした。
強いて言えばこの他、ご自由にお持ち帰り下さいコーナーに積まれたトミーテックのパンフレットに、トミーテックゾイドが掲載されていました。
正直、過剰な期待をしていただけかもしれませんが、それでももう少し何かあっても良かったのではと思ったのが正直なところでした。

この展示の規模を考えると、告知が直前すぎたのはむしろ幸いだったかも とすら思ってしまいました。
むしろファン同士で事前に「イベントがある!! 集まろう!!」等なってたら目もあてられなくなっていたかも…と…。
というか、告知が直前になった理由を考えてみると、もともと出展する予定が無かったところに、急遽展示できる事になったと考える方が自然だと思います。
まぁ、この程度でも、展示が無いよりあった方が嬉しいに決まってる。そういう意味では頑張ってねじ込んでくれたのだと思います。

しかし他方思うのは、やはり期待はずれだったことも確か。
せめて担当者は常駐してほしかった。アンケートを取る等、いくらでも場を有効活用する手立てはあったのでは?と思うのです。
MSS化希望アンケートとかは有効だと思います。

ユーザーは不安なのだと思います。少なくとも私は不安だらけです。
それはMSSの出来がどうとかではありません。
第一弾のシールドライガー&ハンマーロックを組んだ感じ、模型的な意味では間違いなく素晴らしい完成度です。
そうじゃなくて・・・、
あれだけトミーの本気とか言ってたゾイド25周年リバースセンチュリーの放置っぷりとか、エヴォドライブの惨敗ぶりを見ているので、
安心しろといわれてもどだい無理な状態だと思うのです。

だからこそこういうイベントで勢いというか…、雑誌やHPに載ってる飾られた言葉じゃなくて、生のやる気をアピールしてほしいなと思うのです。
逆にそれが無いから、不安にならなくていい部分までどんどん不安になってしまう悪循環が現在だと思うのです。

リバースセンチュリーも、これで一旦しめるならしめると言って欲しかったと思います。
そういうのが無く、ノーアナウンスでその後放置されるから…、そういう恐怖が刷り込まれている点に、どうか配慮して欲しいと願います。

MSSゾイドですが、正直、スタートした直後の現時点では、盛り上がっているとは言いがたい状態です。
このイベント日はちょうど発売翌日で、私がMSSゾイドを購入した日でもありました。
イベントが日本橋で行われていたので、探しやすかったのは幸いでした。
ただ探す中、入荷していない店も沢山ありました。結局、4店くらい探し回りやっと購入できました。
日本橋の濃いユーザーに向けた店を4店なのだから、しかもいつもHMMシリーズなどを購入している店を4店なのだから、その状況が分かるというものです。
売り切れて品切れだった可能性も無いわけでは無いですが…。

ただメカ生体ゾイドにしろ機獣新世紀ゾイドにしろ、スタートダッシュは絶好調でもありませんでした。
メカ生体ゾイドは学年誌などでジワジワきたし、機獣新世紀ゾイドは再販から少し遅れてスタートしたアニメが起爆剤になって一気に伸びました。

MSSゾイドも長期シリーズになって欲しいと思うし、ジワジワくる方でも一気に来る方でもいいけど、何かしら盛り上がって欲しいと強く願います。
メディア展開が難しい中、シリーズが盛り上げていく為のものって何だろうと思うと、公式HPとファンサイトと地道なイベント活動ではないかなぁと思います。

良い循環と言うのは、公式ページで色んな情報が、玩具流通サイトや模型誌より早く載って。まず公式見とけば安心という状態になって。
公式ならではの試作やスケッチなんかも載せて。正確な発売日や定価も載せて。
いつまでも「1月下旬予定」とか「価格未定」とかでは…。
それで、公式ページでユーザーを惹きつけて、またイベントで生の勢いや思いをどんどんアピールして。
それでファンサイト側もそれを受けてという感じじゃないのかなぁと思います。
私のような濃いファンは放っておいても買うしアピールするけども…。
そういう状況だけではダメだと思うのです。

だから今後、生の本気が感じられるイベントがどんどん来ると良いのになぁと、それこそ、今回のイベントを振り返った時に、あの時は変な心配をしていたなぁと思える程のものが出れば良いなと思います。

 

さてここからはゾイド以外を紹介します。


トミーテックブースは、先にも書いたように技MIXシリーズが展示の中心でした。
見ていると本当に出来が良く、またこのシリーズの技術的累積がMSSに生かされていると思えば実に感慨深いです。
スケールは1/144でMSSと同じなので、実際に並べてゾイドのスケール感を感じるのも良いと思います。
なお技MIXは展示棚の中に小型液晶も入っており、同シリーズのプロモ映像をループで流していました。
ここにゾイドも入れて欲しかった、とは望みすぎでしょうか。


各企業ブースの個別詳細は割愛します。
ただ、先に書いたように、基本的には机の上に製品などが直に並べられており、担当者の方と話す事も可能になっていました。
正直やはり、トミーテックブースがこうなっていなかったのが悔やまれます。

ここからはコンペの作品を紹介します。


アメ車コンペは数こそ少なかったですが、素晴らしい完成度のものが並んでいました。

続けてマシーネンクリーガーのコンペ作品を紹介します。
同シリーズは24ゾイドでおなじみの横山宏によるシリーズ。
ゾイドファンにとっても非常に興味深くそそられる造形が多く、見ごたえの多いブースでした。

続けて、艦船模型展示を紹介します。
第二次大戦において勃発した史上最大の大海戦、レイテ沖海戦をテーマに、参戦した艦が多く展示されていました。
巨大パネルを使った海戦の海図もあり、大型イベントならではの展示は心躍るものがありました。

続けて、対地対空をテーマにした模型です。
また別カテゴリーでしたが、ガールズ&パンツァーのコンペ作品も、ここで紹介します。

この他、模型教室もあったのですが、有料ブースだったので紹介は割愛します。
ただ、遠目でも非常に盛り上がっていたのと、こういう機会を得て模型・物作りに興味を持つ方は増えていくのは素晴らしいことだと思いました。

ゾイド目的としてみると残念な所もあったイベントでしたが、イベント自体は素晴らしく大きく盛り上がっていました。
この勢いのまま第3回も行われて欲しいなと願います。
願わくばそこでゾイドがまた出展されていれば良いなと思います。

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