中央大陸の事

思えば中央大陸というのは上手い舞台だったなあと強く思う。
第一次、第二次中央他陸戦争がかくも盛り上がったのは、見事な中央大陸の設定があったからではないだろうか。

中央大陸は巨大な大陸だ。
ゼネバス帝国とヘリック共和国は、下図のような領土をしている。

最大の特徴は、国境に山脈があって超えるのが困難な事。
では山を回避しようか。しかし、そうすると海があるからこれも難しい。

しかし戦争をする両国だから、敵国への侵攻が必須であった。
この回答として、帝国軍は山を越える為に大型高機動機サーベルタイガーを作った。
一方、共和国軍は山脈越えを放棄し海を越える選択をした。水陸両用のウルトラザウルスだ。

障害があればこそ、それをいかにして超えるかという工夫が生まれる。
両国が出した答えは、異なるものだった。
けど、どちらも正解だった。両国とも見事に敵国にまで侵攻できている。

平坦なだけでなく、何か大きな障害があるというのは良い。
戦い方が多彩になり、それぞれのゾイドが輝けると思う。

ゴジュラスは強い。でも山岳では戦えないから決定的ではなかった。
サーベルタイガーは山岳では無敵だった。でも平原ではゴジュラスを倒すほどの力はないから決定的ではなかった。

第一次中央大陸戦争は、結果としては共和国軍の勝ちに終わった。
海を越えた共和国軍は、圧倒的な海軍力を見せつけた。
しかし山岳での戦いに限ればサーベルタイガーに最後まで勝つ事はできなかった。
負けた方にも立つ瀬があったという点でも良いと思う。

 

中央大陸の地形は、考えれば考えるほど凄く面白い。
第一次中央大陸戦争は、互いの戦略の違いや各ゾイドの特色が極めて色濃く出ていて多彩さが際立っていた。

続く第二次中央大陸戦争では、共和国軍はサーベルタイガーの残骸を解析して同様の性能を持つシールドライガーを開発した。
対する帝国軍も「敗北して暗黒大陸に逃げ延びた」という事情から、次なる戦いには帰還が必須だった。
海を越え上陸戦を行う為に、ウオディックをはじめとする高性能海戦用ゾイドを開発した。
第一ラウンドでは保有するゾイドに大きな差を付け、第二ラウンドでは両者とも全ての力を得て殴りあうという姿に発展しているのも面白い。

第二次中央大陸戦争でも、中央山脈や海は大きな障害として両軍の戦闘を大きく制限した。
デスザウラーの完成後、同機は共和国首都を陥落させた。だが中央山脈では十分に運用できずに同地での主役にはなれなかった。
そこを突いて、共和国軍は山脈の攻略を進める作戦に出た。
後に完成したマッドサンダーも、山岳では満足に戦えない枷があった。 

 

中央山脈をはじめ、中央大陸の地形がゾイドの多様性を加速させたのは間違いないと思う。
この舞台が優れているのは、多彩なゾイドを必要とする状況を作りつつ、同時に子供でもすぐに分かるような要素になっている事でもある。
後のバトルステージには、これほどの要素は残念ながらなかったと思う。
次なるゾイドを展開する上では、多彩なゾイドをを必要とするステージ・それぞれが輝けるステージを構築する事に力を入れて欲しいなあと強く思う。

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