索敵の補足

今回のコラムは、前回の遠距離索敵用レーダーのコラムに関する捕捉。先のコラムにはあらかじめ目を通されたし。

さて、前回のコラムではレーダーで遠距離までの索敵を行う云々の妄想を行った。
その内容は、「エネルギー体を打ち上げてそこから索敵」という事がキモだった。

「直線的に飛ぶレーダー波を使っているのに遠距離までの索敵が行える」事に対し、このように導いていた。
今回は、この部分にもう少し踏み込みたい。

これについて考えると、「エネルギー体が索敵を行う」という文字通りの機能の可能性はもちろんだが、それに加えて、
「上空にレーダー電波を反射するフィールドを形成している」という風に考えてもいいのかなと思った。

①上空に反射フィールドを形成する。
②そこに電波を照射する。
③電波は反射フィールドに当たり、任意の角度に反射する。

このような感じ。

当然、

このように、角度を調整できる。

 

これについては、
①電波を任意の方向に反射できるのか
②そもそも反射フィールドを形成する事は可能なのか
という二点をクリアする必要がある。

そして、どちらも可能だと思う。

まず、電波を任意の方向に反射できるのかについて。
これは、確実に可能だと思う。
その理由は、地球のステルス機を考えれば分かりやすい。

ステルスはレーダーの発見を回避する事。
これについて簡単に解説する。

レーダーのシステムは、

このように[電波を出し][それが跳ね返って戻ってくる]事で成り立っている。
すなわち、レーダーに感知されないようにするには、[電波を吸収する]あるいは[電波を一方向に反射させる]事が有効だ。
どちらも、[電波を元の位置に戻さない]事を目的としている。

[電波を吸収する]というのは、例えばカーボンは電波を吸収する特性がある。
なので、カーボン塗料を機体表面に塗っておけばステルス性が高まる。

だが、これは「弱める」程度で完全ではない。
現在、より重要とされているのは[電波を一方向に反射させる]形状だ。
例えば、ステルス機YF-23の形状を見ると、

各部の角度が執拗に「揃えられて」いる事が分かる。
これは、入射した電波を全て「同じ方向へ反射させる」事を目的にしている。
角度が統一されているので、入射した電波は全て同じ方向へ反射してしまう。

非ステルスの機体は、各部の角度がバラバラだ。

なので、色んな方向に電波が反射されてしまう。
その結果、電波がレーダーの元へ戻ってしまう=探知される となる。
しかし、ステルス機は全て同一方向へ反射させるから、レーダーの元へ戻る事はないというわけだ。
以上の様に、電波を任意の方向に反射させる事は可能だ。

 

次に、フィールド形成の技術。これも可能だと思う。
共和国軍は、第二次中央大陸戦争時代にエネルギーシールド(Eシールド)という装備を完成させている。
これは、シールド発生装置周辺に電磁の力場を展開し、敵のビーム砲を偏向させ無効化する装備。

「前方に特殊な力場(フィールド)を形成する」
このような装備が可能という事は、「上空にレーダー電波を反射するフィールドを形成する」事も、可能だと思った。

なお、エネルギーシールドは、シールドライガーにて「エネルギー消費量が多いので多用は出来ない」とされている。
これと同様に、「上空にレーダー電波を反射するフィールドを形成する」事も、多くのエネルギーを消費するものなのだろう。
そういえば、よくよく考えると電子戦機はかなりのパワー級が多い。
ゴルドスもディメトロドンも古代生物型で、かなりのパワーを連想させる。これは、上空に反射用フィールドを展開する為のモチーフ選びなのかもしれないなと思った。

直接戦闘を行わない電子戦機は、当然、小型であるほど良いだろう。
しかしゾイドでは大型の電子戦機が多い。それは、上空に反射用フィールドを展開する為のエネルギー源を確保する必要があったからではないか と思った。

ディメトロドン(モチーフである古生物の方)はあまりパワー級というイメージがないかもしれない。
ゾイドのイメージが強い方には、ザコ生物的なイメージがあるかもしれない……。
だが、実はディメトロドンはその時代においては圧倒的最強・生態系の頂点に位置する生物であった。

帆があるおかげで体温調整が他の生物より容易で、活動可能時間が長い(他の生物が寒くて動けない早朝とかから動ける)。
獰猛な肉食生物で、積極的に他の生物を襲い捕食しまくっていたそうだ。
そんな最大最強生物ディメトロドンだが、ゾイドでは直接的な高戦力は極めて低い……。
これは、本来はある程度のパワーを秘めているものの、それがほぼ全てレーダーに使用されているので戦力が低くなったという事情と推測した。

そんな感じで、以上、遠距離まで探知できるレーダーのシステムの妄想に補足をしてみた。

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