索敵

ゴルドス。強力なレーダーと大型砲を備える名機。

背中の105mm高速キャノン砲は、今でこそ特に目立つ事もない砲だ。
しかし、完成当時としてはゾイド星最大最強の火器であった。
直撃すれば、恐らくレッドホーンでは留まれまい。アイアンコングでもかなりのダメージは必至だろう。

バトスト1巻によると、この砲力を活かし後方支援として戦闘に参加する事もあるとの事。
特にウルトラザウルス配備前においては貴重だっただろう。射程は特に設定されていないが、105mmという口径から考えるに30km程だろうか。

背中に優秀なレーダーがあるから、命中率も極めて高かったに違いない。
ゴルドスは、ウルトラザウルスとの共同運用も確認される。おそらく、自分だけでなくウルトラザウルスの長距離射撃をもアシストしていたのだろう。
直接的な交戦力に乏しく、ゴジュラスのような華は無い。しかし、まさに縁の下の力持ちと呼ぶに相応しいゾイドだ。

さて、ゴルドス。
上記はゴルドスの戦歴として輝かしい事実だが、よくよく考えると一つの謎がある。
それは、「ゴルドスは背中に優秀なレーダーがあるから、命中率も極めて高かった」という部分だ。

先ほど、ゴルドスの105mm高速キャノン砲の射程を30kmと予想した。その仮定の通りであるなら、

このように、敵は星の曲面に守られ「目視できない」位置にいる事になる。見えざる敵を撃つという事だ。
「だからこそのレーダーじゃないのか」と思われるかもしれない。しかし、レーダーというのは実はそんなに万能ではなかったりする。

レーダーの構造をきわめて簡単に説明すると、
①自らが電波を出す
②電波は物体に当たると反射し戻ってくる
③戻ってきた電波が[どのくらいの時間で戻ってきたか][どの位の規模で戻ってきたか]などで敵の位置や大きさを測る
というもの。

さて問題なのは、地上の敵を探る場合。
電波は直進する。
なので、空の敵を探知する事は比較的容易だ。しかし地上の敵を探ろうとすると、星の曲面に守られ探知できない限界距離が出てくる。


目視や、直進するビーム砲と同じだ。

※補足
 厳密に言うと、電波はわずかに地表に沿う特性がある。その為、目視距離よりわずかながら遠くまで探知でる。
 大気状態にもよるが、目視よりおおむね約6%ほど遠くまで見通せる。
 しかし、いずれにしろイメージするよりもかなり近距離までしか探知できない事が分かると思う。
 目視と大差はない。

 

中央山脈など、高い位置にゴルドスを置けば探知距離は伸びる。これは当然だ。
だが、実際そんな状況ばかりでもあるまい。低い位置から探らねばならぬ局面も多々あるだろう。

さて、しかしゴルドスは実際に長距離射撃を得意としている。なので、何らかの方法で長距離における索敵を可能としているのだろう。
なお、「電波を曲げて星の曲面に完全追従させている」という解決案は却下したい。
それだと一言で解決できてしまう。だが、あまりにも便利すぎる解釈を簡単に盛り込むと魅力薄になると思う。

これを考えた時に、私なりに出した結論は以下の通りだ。

ゴルドス(また、ゲーターやディメトロドンなども含めた電子戦機)が長距離の索敵を行う際は、
①背びれから、エネルギー体を上空に打ち上げる
②上空のエネルギー体が電波を出し索敵
③その情報が本体に送信される。本体で情報を解析し敵位置や規模をはじき出す
のではないかと思いついた。

エネルギー体は、当然ながら高空に打ち上げれば打ち上げるほどに探知距離が伸びる。
が、やはりエネルギーを大きく消費する為、その距離は本体のエネルギーに大きく依存する。

やはり、ゲーターではゴルドスのような遠距離探知は不可能。
ただし、ディメトロドンはエネルギー効率が極めて洗練されている為、巨大なゴルドス以上の性能を発揮する。
また、ゴルヘックスは更にエネルギー効率が洗練されている上に新システムを採用している為、ディメトロドンと互角程度の性能を発揮する…。

…というような解釈をしてみた。

なお、今回の発想に至ったきっかけは、新世紀ゾイドのゴルドスやゲーターが「GPS探知機」を積んでいたからだ。

「GPS」というの、は周知のように衛星を介したシステムだ。衛星が位置を調べ、それを地上で受信する。

ゾイドがGPSを持つ。これを知った当時、かなり疑問の疑問を抱いた。
というのも、新世紀ゾイドのストーリーは、「オリンポス山は西方大陸で最も高い山で、全てが見通せる。この山を征した方がこの戦争に勝つ」というものだったからだ。
これを見て思ったのは「GPSがあるのに山の上を目指すのは何故…?」というものだった。
そりゃあそうだ。
これに加えて、GPSを介する方式だと、何だか電子戦機がただの受信機みたいだな…… とガッカリしてしまったという感傷的な側面もあった。

ゾイド星には、衛星を作るような技術は無いと思う。それは、大陸間弾道ミサイルのような戦略装備が無いからだ。
せいぜい、射程200kmのコングのミサイルで限界というレベルに留まっている。
(ただし、ゾイド星の宇宙技術に関する妄想は、深く突っ込むとキリが無いので別の機会に譲る)

しかし、電子戦機がエネルギー体を打ち上げそこから索敵する事は、GPSのようである。
そんなわけで、これを差しGPSの名が付けられたのではないか という妄想をしてみた。

メカ生体時も機獣新世紀時も「エネルギー体を打ち上げる」同じシステムが使用されていたと推測する。
しかし、新世紀でわざわざGPSの名が付くようになったのは、50年の技術的進歩から、以前に比べてエネルギー体がより高く打ち上げられるようになり(すなわち索敵距離は飛躍的に増え)、それゆえGPSと冠されるようになったのだと思った。

このように解釈すると、ゾイド世界においてレーダーがかなり万能である(長距離までの索敵を難なくカバーする)事への解釈と、電子戦機がより魅力的に見えるような解釈が同時に行えた気がする。

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