ゴジュラスの凄さを語る

ゾイドの顔と言えば何といってもゴジュラス。
そう言われる機会は多いと思います。

その理由は「初期から居たし、ゴチャゴチャした造形がいかにもゾイドっぽい」という所もあるでしょう。
それに加えて、戦史を読み解くと「顔」とされるだけの実力と戦果を挙げている事が分かります。

今回はそれについて語ります。
 

ゴジュラスがロールアウトしたのは第一次中央大陸戦争時。この戦いは最終的に共和国が大勝利しました。
共和国が勝ったのは、まぁ、何ていうか必然だった気もします。何故なら、両国は国力差がかなり大きかったからです。

ヘリック共和国:気候が良い。資源にも恵まれている。飛行型野生体も多い。
ゼネバス帝国:気候が悪い。痩せた土地が広がる。飛行に適した野生体も少ない。

帝国は不利すぎる……。
バトルストーリー1巻には、両国の国力差を理解し嘆くゼネバス皇帝も描写されています。

「共和国軍が国力で勝る」これは初期からあった構図です。
ちょっと不思議なのは、共和国というのは主役サイドだと思います(初期においては特に)。
普通、主役サイドというのは「圧倒的不利な立場で、そこからいかにして逆境を乗り越え逆転勝利するか」でしょう。
しかしゾイドではそうなっていない所が興味深いと思います。

 

話をゴジュラスと第一次中央大陸戦争に戻します。
この時期の物量差は本当に凄いものでした。
第一次中央大陸戦争で投入された大型ゾイドの種類を見ると、

共和国=6種類(ビガザウロ、マンモス、ゴジュラス、ゴルドス、サラマンダー、ウルトラザウルス)
帝 国=3種類(レッドホーン、アイアンコング、サーベルタイガー)

と、倍の開きがあります。

大型ゾイドは何といっても戦場での決定力を持ちます。
こうして見ると、そりゃ帝国軍は負けるよなぁ……と思ってしまいます。倍の差はとてつもなく大きい……。
しかし3対6という単純な数の勝負でなく、ゾイドの質で考えてみましょう。そうすると別の見え方もしてきます。

確かに倍を有する共和国軍は圧倒的に優位。
しかし[陸戦型][直接戦闘型]を満たしているゾイドで比較してみましょう。この条件を満たすゾイドは、

共和国=2種類(マンモス、ゴジュラス)
帝国=3種類(レッドホーン、アイアンコング、サーベルタイガー)

にります。

というか、正直マンモスは全く使い物にならない(ゴルドスと同程度の交戦力しか持たない……)。
性能劣により、省いてしまった方がいいでしょう。

実質的には、
共和国=1種類(ゴジュラス)
と見るべきでしょう。

こと直接戦闘の大型ゾイドで言えば、3対1なのです。

 

共和国軍は、帝国軍に比べて空軍力・索敵力・旗艦能力で大きく勝ります。それを活かして勝利しました。
とは言え。とはは言えです。
いくらゴルドスやウルトラザウルスのバックアップ(火力支援や指揮)を受けても、最前線で戦う実戦部隊に能力が欠けていれば勝利はできません。
例えば「平凡な監督を付けたプロ野球チーム」と「最高の監督をつけた少年野球チーム」さて、戦えばどちらが勝つでしょう。
指揮官が重要なのは当然です。しかしコマの質もやはり大事です。

こうした意味で、共和国唯一の陸戦型・直接戦闘用大型ゾイドとして、ゴジュラスが果たした役割はやはり絶大であったと言えます。
3対1を制したのは本当に凄いと思います。

そして、もう少し掘り下げると、更に凄い事も分かります。

ここに挙げたゴジュラス、レッドホーン、アイアンコング、サーベルガイガーの四機。この中で、最も開発期が古いのはゴジュラスです。
最も旧式なのに、それでいて戦い抜いて勝ったのです。
レッドホーンはともかく、アイアンコングは対ゴジュラス用として設計された対抗機。
サーベルタイガーも、資料によっては対ゴジュラス用の記述があります。対ゴジュラス用”特化”ゾイドではないと思いますが、それでも、ある程度は交戦を視野に入れていたのは確実でしょう。

ゴジュラスは速度は遅い。
長距離砲もない(第一次中央大陸戦争時においては、キャノン砲を背負ったタイプはわずかしか居ない)。
サーベルタイガーのような立体的な戦闘もできない。
生産性も、この四種類の中で最も低いでしょう。

考えうる限り何もかも最悪な状況の中、それでも、見事に持ち前のパワーと頑丈さで強引に戦い、そして勝ったのです。
戦史を振り返ると、ゴジュラスはやはり最強のファイター、メカ生体ゾイドの顔と言うに相応しいものがあると再認識できます。

という事で、ゴジュラスは「顔」と言われるにふさわしい見事なゾイドだと改めて思います。最高のゾイド。いつまでも、貫録を見せつけて欲しいと思います。

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