MSS休止で思った事

これは前コラム(ゾイドオリジナルを振り返る)の続きのようなものになる。

MSS休止。公式HPでこれが宣言されたのは、2014年3/13の事だった。

これを見た時は相当ショックだった。
1月にゾイドオリジナル終了の正式告知。そして3月にMSS休止の告知。
今回、そこで思った事を少しまとめてみたい。

MSSが休止を宣言した。
「休止」であるが、正直、不安感が圧倒的だ。
「休止の間に商品の見直しを図り、シリーズの再構築を行ってまいります」との事だが、とてもじゃないが安心できない。
同じく休止しているHMMとは雲泥の差と言って良い。
悲観的な事ばかり言うのは良くないと思うが、決して楽観できない事は否定できまい。

HMMは、前もって「ゴジュラス発売を以っていったん休止する」事が宣言され、しかし「2014年中に第二期シリーズの告知を行う」とも約束されたうえで、その宣言通り休止に入った。
これは休止であるが、同時に見事な「完走」でもあった。
また、HMMは休止しているといっても、公式ブログは残っているのも大きい。
更新頻度は決して高くないものの、月一程度では更新され、ユーザーに情報を発信している。
だからこそ安心感がある。

MSSはサラマンダーの発表が行われ、期待感が膨らむ中、何か月も何か月も情報を全く出さない放置期間が続き、そして突然、サラマンダーの発売を無期限休止したうえでシリーズそのものも休止を宣言した。
まさに雲泥の差。そんな状況なのだから安心感なんてあるわけがない。

-MSS略式年表-
 2012年5月 トミーテックから新しいゾイドシリーズの開始が予告される。
 2012年7月 新ゾイドシリーズが1/144スケールのフル可動プラキットである事が発表される。
 2012年9月 新ゾイドシリーズの名称が「MSS」である事が発表される。翌月に公式HP誕生。以降、HPや模型誌で開発状況などが細かく報告される。
 2013年1月 第一弾キットが発売される。新作も続々予告される。
       ラインナップはバリエーションがやや多い点はともかく、ハンマーロックやシンカーのような意表をついた機体も多く、おおむね好評であったと思う。
 2013年5月 新作・サラマンダーが発表され、ユーザーは大いに盛り上がる。しかしこの頃から公式HPの更新が最低限のものを除き途絶える。
 2014年3月 休止が発表される。

正直、またやってしまったなと思ってしまった。
トミーの本家ゾイド、ゾイドオリジナルにも同じ事が言えるだろう。
というか、トミーのゾイドは完走するほうが珍しいというか…。トミー系のゾイドには、竜頭蛇尾というか…、そういう言葉が本当に似合うようになってしまった。
コトブキヤと正反対。トミーは…ゾイドの親ではないのか。
なぜトミーと、その子会社のトミーテックが、揃ってこういう事を連発してしまうのだろう。

「期待させて放置」
期待しただけショックが大きい。
それがトミー系のゾイドで何度も何度も続いた。続いてしまった。
ユーザーに、どれだけ残酷な事をしているか考えてほしいと思う。

トミーやトミーテックに言いたいことは色々あるが、とにかくユーザーのこういった部分を感じて欲しいという事だ。
商売は難しい。結果はどうしようもない事があるのは理解する。
石油の価格もあるだろう。ゾイドの生産は海外だから外交的な問題も大変かもしれない。
世の中の流れの影響を受ける事だってあるだろう。
ただできれば、そういったものがあったとしても、だ。放置するとか取り繕うとかに死力するのではなく、「潔く」する事を意識して欲しいと思う。

今回、「さんざ放置した結果休止した」という事だけでも落胆を感じた。
またもう一つ重要だと思うのが、休止理由のコメントだ。
休止の理由を「ゾイド生誕30周年の終了を受けまして」としているのも言い訳がましい。
そうでないのは明白だ。
もし30周年にあわせての企画がMSSであり、30周年の終了と共に休止する事が最初から予定されていたのなら……、サラマンダーをこんな風にはするまい。

 

現シリーズが終了したとして、そこに不満や不安が出るのはどうしても仕方あるまい。
しかしそんな中でも、未来への、次期シリーズへの希望が置てる状況には最低限してもらいたい。
ゾイドが好きだから、シリーズが終了してしまっても、「また復活する」と信じたい。
だがメーカーの姿勢が、それを否定しているように感じる。
しかしある時、突然新たなシリーズを始めたりもする。しかし何が何やらよく分からなうちに終わったりする。
もてあそばれている気さえする。言い過ぎだろうか。
しかし、この状態で希望を持つ事が、どれだけ大変か。

 

「コトブキヤやバンダイにゾイドの権利を売ったらいい」なんていう声を聞くこともある。
よく分かる。
でも、それを聞くとたまらなく悲しい。
メーカーの人でもないのに悲しいなんて変な話だけども。
ただそう思わずには居られない程に、本当にトミーのゾイドは素晴らしいと思うし、愛している。
受け継がれて欲しいと思う。
そして何より、その実力はあると思う。

こんな事を思うのはもちろん、本当にゾイドが好きで、しかしメーカーの今にもどかしさや疑問を感じているからだ。
同じようなユーザーは、決して少なくないと思う。

だがバトストの一節を引用するなら「すべての勇気と死は、未来へ向かって生き続けるのだ。戦時にも、平和な時にも」である。
今までの事を、逃げず、全て直視し、反省、分析、議論、etc. 色々な事を行い、そして時期シリーズをやってほしいと思う。

なんだかんだ言って、たぶん、ゾイドから離れる事は無いと思う。
たとえグダグダで不満だらけな展開になろうとも…。
でもやっぱり、本気でいいなと言えるシリーズを感じる方がいいに決まっている。

色々な事を考えたり議論したりするのは好きだ。
だが本当に良いのは、いちいち長い文章を書く必要なんてなくて、ただ「最高!」という一言で笑いあえるものだろう。
その最高はもちろん、ゾイドのラインナップだったりストーリーだったりするが、前提にメーカーの姿勢が「最高」である必要があるだろう。

「すべての勇気と死は、未来へ向かって生き続けるのだ。戦時にも、平和な時にも」
やっぱりトミーは大好きだし、ついていきたいと思う。
叱咤激励を含みつつ、熱いエールを贈りたいと思う。

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