VSマッドサンダーvol.7
今回は、長らく続けたVSマッドサンダーシリーズのラスト。
(VSマッドサンダーvol.1、vol.2、vol.3、vol.4、vol.5、vol.6)
さてvol.6では、ようやくデスザウラー2機でマッドサンダーに勝てる戦術を思いついた。それはデスバードとノーマルデスザウラーのペアによるものだった。
他にもいける戦術はないだろうか。
デスバードは大掛かりな改造ゾイドだ。出来ればもう少し気軽に使えるゾイドで攻略できれば良いのだが…。
攻略には「ハイパーローリングチャージャーと背部砲(キャノンビーム砲と二連大口径加速衝撃砲)を潰して、その後に荷電粒子砲を見舞う」
やはりこれが黄金パターンだろうか。
もう少し捕捉すると、
1:誰かがハイパーローリングチャージャーと砲を破壊する
2:1をしている間にデスザウラーが荷電粒子砲をチャージ
3:1達成と同時に発射
という推移だ。
1を達成できるゾイドは誰だ。
デスザウラー以外で誰かいけないだろうか。
チャージャーや砲を確実に破壊できる火力。となればアイアンコング、アイアンコングMK-II(限/量)だろうか。レッドホーンも接近すれば可能性はあると思う。
アイアンコングMK-II(限)はこの中で最も性能が高い。
これでいけないだろうか…。
ブースターをふかして猛烈なダッシュ。
そして大型ビームランチャーでチャージャーやキャノンビーム砲を破壊……という戦術が採れれば良いのだが……。
ただやはり、難しいだろうか。
目的を達するより先に自身がやられる可能性が高いと思う。
マッドサンダーを攻略する上で厄介なのは背中の砲だ。「威力がある」「連射力ある」「射角も広い」という三拍子そろった砲が二基もある。
合計4門で滅多打ちにすれば、いかに猛烈なダッシュで接近しても到達前に命中するだろう。
片方で牽制しつつもう片方で命中させるという贅沢な使い方も可能だ。
さすがは搭載量に余裕のある超巨大ゾイドだ。
デスザウラー以外は一発喰らえばアウト。
完璧に避けながら接近して命中を見込めるゾイドは居ないと思った。
コングMK-II(限)で厳しいなら、量産型やレッドホーンでは更に厳しいだろう。
もはや被弾する前提で、幾らか被弾しても構わない「キャノンビーム砲と二連大口径加速衝撃砲に耐える防御力」が必須だと思った。
となれば、やはりデスザウラーに頼るしかないかない……。
一連のコラムを書く中では、「デスドッグ」を推す声も多く頂戴した。
私はデスドッグは割と前期の改造デスザウラーという事もありあまり意識していなかった……のだが、改めて考えると確かに良い能力だと思った。
デスドッグ。速度はノーマルよりも向上している。更に山岳でも使えるほどに軽快な動きを有する。
速度・運動性ともにマッドを大きく超えるだろうか。
攻撃力も、胸部の大型ビーム砲はチャージャーや砲を破壊するには十分だろう。
もちろん防御力もデスザウラーと同じ装甲を持つので高い。
デスドッグ単機でマッドに勝つのは難しいと思う。やはり決定力がない。荷電粒子砲は撤去している。
ただ、先制でダメージを与える役割としては極めて有効かもしれない。
デスドッグが先行してマッドに挑む。速度と運動性を活かして砲撃をできるだけ回避しながら接近。
何発か被弾してもデスザウラー由来の防御力を持つので致命傷にはならない。そのまま耐えて強引に戦闘を継続。
そしてチャージャーや砲を破壊。
ノーマルデスザウラーはその間に荷電粒子砲をチャージしている。
デスドッグは目標破壊後にすみやかに離脱。あるいはマッドを牽制してノーマルが撃ち込むまでをサポート。
こうすれば勝てるだろうか。
これはなかなか隙がないと思った。
デスドッグがこんなにも強かったとは。
あんがいゼネバス帝国に必要だったのは、新型改造デスザウラー(デスクロスなど)ではなく、古い改造デスザウラーの発掘だったのかもしれない……。
ただデスドッグは致命的な問題もあると思う。
このゾイドについてはゾイドバトルストーリー3巻に詳しく書かれている。
作中のストーリーから推測するに、二つの問題点を見つけた。
一つは「フランツが操縦できればそれでいい」という考えで設計されていそうな事だ。
デスドッグは、デスバードほどではないがかなり異形のデスザウラーだ。
そこそこ無茶をして改造されたデスザウラーだろう。必然的に操縦性はかなり癖があると思う。
フランツはスケルトン部隊の教官を務めるくらいの超エースだから問題なかった。
だが平均的なデスザウラー乗りならとても扱えない、ピーキーで劣悪を極めた操縦性だと思う。
もう一つは、ストーリーから推測するに開発データは破棄されてそうな事だ。
後から同じのを作ろうにも、もう一度ゼロからの設計が必須になっていそうだ。
この理由から、「より高性能の新型改造デスザウラーを作った方がいい」となってデスクロスなどが作られたのかもしれない。
しかし期待した性能には至らなかった……。
さてデスドッグの戦いを想像してみよう。
デスザウラー5機VSマッド5機で戦うと想定。
デスザウラーは内一機をデスドッグに改造しよう。
開幕と同時にデスドッグをマッドに突っ込ませる。
敵は砲で迎撃してくるが、デスザウラーの装甲で耐えて耐えて強引に接近。大型ビーム砲でチャージャーやキャノンビーム砲を破壊しつつ暴れまわる…。
申し訳ないけど損失前提。
そうすればやられるまでにマッド2~3くらいのチャージャーや砲を破壊できる……だろうか?
デスドッグが戦う間に残りのデスザウラーは荷電粒子砲をチャージ。
デスドッグがやられた時点で発射。
こうして「同じ機数で戦う際にも勝利」出来たりしないだろうか。
ただ、さすがにこれは無理だろうか…。
マッド側の機数が増えるとそれだけ砲門数も増える。
上で示したマッド5機の場合…、キャノンビーム砲10門、大口径加速衝撃砲10門。合計20門の砲が一斉に放たれる。
命中数も飛躍的に増えるから、さすがにそうなるとデスザウラーの装甲をもってしても耐えられないかもしれない。というか耐えられないだろう。
少なくとも攻撃するどころではないだろう。
あとは…、マッド側が円陣などを組んで防御を固めたら破壊は困難を極めるだろう。
よどほマッド側の動きが悪く連携も取れていなければ破壊の可能性もゼロではない。しかし実際はそんなことはほぼ起こらないであろう……といった所だろうか。
やはり同じ機数で勝つ事は難しいだろう。
それでも、デスドッグは驚異的な改造デスザウラーだと思った。
これが少数量産されていたら共和国にとっては致命的な事になっていたかもしれない……。
という事で、長々とマッドサンダー攻略を考えてみた。
一連のコラムを書く中で、やはりマッドサンダーは中央大陸戦争最強ゾイドに相応しい鉄壁の防御を持ったゾイドだと思った。
そしてまた攻略は難しかったものの、帝国軍の切り札はやはりデスザウラーなのだとも思った。
両軍の最強ゾイドの魅力がより見えてきてとても嬉しい。